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★ピックアップ アーケード★
前バージョン同様、SIDE-AとSIDE-Bという形でふたりの筆者が交互に記事を担当していく。今回はSIDE-Bということで、記事は石井が担当する。よろしくお願いしたい。現在稼働している新バージョンは、大枠のゲームシステムはほとんど変わっていない。“多くのレアカードを入れれば財政難に陥りやすい”という点は前回同様であり、今回もU5(スペシャルカード以上5枚以下)を基本とした攻略を進めていこうと思う。 今回の調整は、テクニックやスピードなど“パラメータ要素の反映具合”が変化している。AIのパスのつなぎ方、戦術ボタンの方向性などは以前とほぼ同じだ。しかし、そのちょっとした違いが、大きな変化を生み出すことになる。このあたりの考え方について、筆者なりの仮説を立ててみた。 また、新たに追加された選手カードも、ATLEを中心に紹介していく予定だ。筆者は基本的に100試合以上使ってみて原稿を書いているので、前回のようにすべての選手を紹介するのは不可能かもしれないが、できるだけその使用感について踏み込んでみたいと考えている。 ※注 …… 本記事の内容は、あくまでも筆者自身がプレイして感じたことに基づいて記述しているものです。状況やカードなどさまざまな要因により、記事どおりにすべてが機能するわけではないことを、あらかじめお断りしておきます。
■ 「WCCF 2002-2003 Ver.2.1」の新要素とは SIDE-Aでも触れられているが、ここでもう一度今バージョンの再調整について気づいたポイントをまとめてみよう。 今バージョンでもっとも目立つのは、テクニック、スピードという要素がより有利に働いているという点だ。いっぽうで、選手のAIや戦術ボタンの使い方などに関しては、基本的には変わっていないように思える。 ただし、テクニックやスピードが重視された結果、有効な戦術が変わってくる可能性がある。後で詳しく説明するが、プレーヤーによっては、これまでのバージョンで使っていた戦法について軌道修正を迫られるかもしれない。
そのほかの変更点として、フレンドリーマッチにおいて経験を積んでいないチームが“いきなり強敵とマッチメイクされなくなった”ということがあげられる。これによって、安心して連携の強化に励むことができるようになった。これはじっくりチームを育てるタイプの監督にはありがたい変更。序盤で確実に連繋を高め、チームが熟成してきたらカップ戦制覇を目指すと効率がいいだろう。勝率を上げて任期延長を目指すためにも、序盤のフレンドリーマッチは有力な手段となる。
■ テクニック有利という言葉の中身 ~ドリブルスキルについて~
カードに表記されたパラメータは、100以上あると言われるデータをいくつかの項目に分け、わかりやすく表記したものと思われる。TEC値も同様で、さまざまな項目の集合体と想像できる。しかしそれではわかりにくいので、テクニックを単純に分類してみよう。するとすぐ思いつくテクニックの2大要素が“ドリブル突破”と“パスのうまさ”である。 今バージョンでまず脅威に感じられるのが、ドリブルの上手い選手だ。これまでどんなにテクニックが高くても、パワーに優れたディフェンダーにマッチアップされると簡単にボールを奪われてしまっていた。今回もパワー差があると厳しいことは確かだが、ドリブルのスキルに大きく秀でていれば、ボールを取られずに抜いていくことも不可能ではない。 もっとも典型的な例が、ボローニャのロカテッリである。ロカテッリはTEC値が19なのに対し、POW値は7にすぎない。前バージョンでは、重量級DFを持ちだすまでもなく、パワー差で簡単にボールを奪取されてしまっていた。しかし今バージョンでは、経験を積んで調子が良ければ、重量級DFもすいすいと抜いていくことが可能となっている。
もちろん、パワーとドリブルスキル、同時にあったほうが有利なのは間違いない。ロカテッリを選ぶまでもなく、ロナウド、アンリ、マンチーニ、サビチェビッチというドリブルに秀でた名だたるストライカーたちは、前バージョン以上に脅威となっているのである。U5でチームを組む際には、パワーやシュートの決定力と同様に、ドリブルスキルに秀でた選手を探していくといいだろう。テクニックで抜いていくドリブルは、左右に揺れながら「ヌルヌル」と泳ぐように進んでいくのでわかるはずだ。
■ テクニック有利という言葉の中身 ~パスセンスについて~ テクニックのもうひとつの側面は、パスのうまさである。ではパスが上手いとは、どんなことをさすのだろうか。ひとつは連携が取れているときと同様に、視野が広く、ベストのポジションへ正確なパスを出せるということだ。またもうひとつは、パスの質、種類が豊富であるということ。たとえばサイドからカ-ブをかけたり、ワンバウンドするようなグラウンダーのクロスは、連携がとれていても誰もが出せるわけではない。 今回のバージョンになって、テクニックがある選手は、以前より正確なスルーパスが可能になったように思える。またこれは筆者の気のせいかもしれないが、ごく一部の選手しか使えなかった特殊なパスやクロスを、そこそこの選手が高い頻度で使ってくるように感じられる。
このスルーパスの脅威については、テクニック以外の要素も関係しているかもしれない。そのあたりの変化について、スピードという観点からも語ってみよう。
■ スピード型有利の真相~高速で走る選手の絶対的速度のアップ 今回のバージョンは、テクニックだけでなくスピードタイプの選手も有利になったと言われている。しかしテクニックに比べ、スピード有利という言葉の本質はさらにわかりにくい。 まず思いつくのが、セルジーニョ、エリベルトなどサイド突破型の選手がすいすい相手DFを抜いていける、ということである。ところがSIDE-Aでも語られていたように、必ずしもそうはいかない。パワー型が微妙に不利になったとはいえ、競り合いでパワー型が有利な傾向はそれほど変わらない。たとえスピードがあっても、相手ディフェンダーと正面からマッチアップすれば止められてしまう。スピード型だからといって、ディフェンダーに競り勝てるわけではないのだ。
それならスピードが有利というのは、どんな変更が加えられた結果であろうか。観察と試行錯誤の結果、たどりついた仮説は「スピードの格差が広がった」または「最高速度の絶対値が上がった」ということだ。たとえば仮に、各選手のスピードが1~10段階あったとしよう。このうちの1~5段階の絶対スピードをそのままに、6~10段階の絶対スピードを上げる。こんな変更が加えられているのではないかと筆者は想像している。
■ スピードの変更が戦術に大きな影響を与える 個々の選手のスピードが上がったことが、全体にどのような影響を与えるのだろうか。スピードが上がるということは、FWだけでなくDFも同様だ。寄せが速くなるため、ボールを保持しているとどんどんチェックに寄ってくることになる。結果的に短いパスをつないだ攻撃や、縦の直線的なパスはチェックされやすくなったといえる。パワー値の強さの微妙なダウンという要素を考慮せずとも、直線的な中央突破がやりにくくなったことが予想される。
また逆にDFの移動距離が増えるため、ポジションが乱れやすく、横パスによってスペースを作りやすくなったことが想像できる。スルーパスの精度も上がっているので、横へのゆさぶりがより効果的になっているのではないだろうか。実際にはスピードの違いは微妙だろうが、選手個々のAIはその瞬間ごとに判断を下している。微妙な動きの速さの違いが、戦術的に大きな違いに変わる可能性は秘められているのである。
■ スピード値の考え方 ~カード表記の速度とブラインドスキル発動時の速度~ ここで注意しなければならないのが“選手のスピードは状況によって変化する”ということだ。選手カードに書かれたSPE値は、選手の走る最高速度を指すものではない。これはミヤトビッチ、ミハイロビッチ、ディビアッジョ、ザンキらのボールを追うスピードを見れば一目瞭然である。彼らはカードに表記されたSPE値は低いが、一定の状況で加速する。カードのSPE値がこれらの選手より高くても、(いかなる状況においても)彼らより早く走れない選手はたくさんいるのである。ルーズボール、スルーパスへの走り込みなどの速さは、カードの数値には表れていない。
絶対的速度の向上は、単にドリブルでボールを持ったときだけの話ではない。オフザボールの動き、スペースへの抜け出し、カバーリング、ボールに対するチェックなど、速く走る状況すべてにこの変更が関係してくる。つまり、単純にスピード値が高ければいいというものではない。むしろ、瞬間的に速く走ることのできる選手がより重要になってくるのである。N.ベルティのようにドリブルが速くなった選手もいるが、むしろルーズボールへの反応の速い選手を中心に構成すると、スピードを活かしたチーム作りが可能になることだろう。
■ 新規選手カード ~選手紹介その1~ ここでは、新たに追加された選手カードの中から数人をピックアップしてその選手の使用感について紹介していこう。筆者の海外サッカーに対する知識もさほど多くはないのだが、できれば選手の現役時代のプレイスタイルや、経歴などについても調べ、軽く触れていこうと考えている。 新たに追加された選手たちは、前回登場したATLE選手ほどのスーパースターは少ない。しかしそれだけに個性的で、マニア心をくすぐる選手が多いといえるだろう。適性やフォーメーションを考えて使いこなせば、むしろ前回よりも充実感を覚えるかもしれない。「強い」、「弱い」などという単純思考ではなく、幅広く奥深い遊び方を模索してもらいたいものだ。
それではさっそく、選手を紹介していこう。今回はケネット・アンディション、トニーニョ・セレーゾ、ドゥンガの3選手についてとりあげる。
身長が非常に高く、強靱な肉体を持つスウェーデン代表ストライカー。'94W杯では得点を量産して母国を3位に導き、ボローニャにおいてはシニョーリと絶妙なコンビネ-ションを発揮した。パワー値は最低19はあると思われ、キックオフ直後の接触で相手選手を怪我させてしまうほど。しかしドリブルスキルは持っておらず、スピードが遅いため単独突破はさほど得意ではない。とはいえ直線的にゴールを目指すため、ペナルティエリア目前でボールを持てばチャンスが生まれる。 シュート力はさほどでもなく、ミドルシュートにはあまり期待できない。しかしペナルティエリアに入れば、安定した決定力を持っている。いっぽうヘディングに関してはポストプレーが主で、ゴール前でも味方に落とすことがしばしば。ダイビングヘッドはまず見られず、ジャンプしないまま高い打点のヘディングを見せるのが特徴だ(タイプとしてはマテラッツィのヘディングに近い)。高さはあるので、ゴールへの執着力があればもっと得点が期待できるのだが……。このあたり、ポスト役としては極上だが、ゴールへの意識が足りないと指摘されたボローニャ在籍当時のイメージが再現されているようだ。
率直に言えば、他の伝説的なATLE選手と比べると能力的に物足りない。しかしパワー型で90分持ち、安定したパフォーマンスを見せるのも事実。現在のセリエA在籍FW(黒カードのFW)と比べれば、上位にランクされる実力を持っている。
ブラジルの伝説的な黄金カルテットのひとり。4人のなかではもっとも守備的な選手で、頭脳的なボランチとして活躍した。地味に見えるが、クレバーかつ精力的な動きでチームを支える素晴らしい選手であった。その後30代後半でトヨタカップ制覇を成し遂げるなど、栄光の道を歩んできた。現在はジーコの招きに応じ、鹿島アントラーズ監督に就任している。 WCCFでも、その守備意識は高く反映されている。WCCFでのジーコ、ソクラテスのイメージからスタミナ、パワー不足を懸念するむきもあるだろうが、それほど気にする必要はない。プレイ感覚でスタミナ値は16、パワー値は14、ディフェンス値は14前後はあると思われ、守備的なポジションに配置してもさほど当たり負けることはない(もちろん重量級FW相手に過信は禁物)。テクニックを活かした絡みつくようなディフェンスが得意で、巧妙にボールを奪ってくれる。また、こぼれ球への反応速度が早く、カバーリングの意識も高い。中盤の選手としていわゆるブラインドパラメータに優れており、広範囲を守ってくれる印象がある。
その守備意識が活きるのは、やはり中盤の底である。ただしテクニックがあるので、やや攻撃的なポジションに置いてもそれなりに活躍してくれるだろう。タイプとしては“テクニックが高くなったジャンニケッダ”というところだろうか。ちなみに、コーナーキック、ペナルティキックは無難にこなしてくれる。しかし直接FKはさほど得意ではなく、枠の隅に飛ぶもののキーパーに弾かれやすい。ほかのスペシャリストに任せたほうが無難だ。
キャリアの後半ではジュビロ磐田に所属し、鬼軍曹と恐れられたブラジル代表のボランチ。フィオレンティーナ、母国ブラジル代表のキャプテンとして絶大な統率力を誇った。サントス時代には、若き日のカズとチームメイトとなっている。 前述のセレーゾがジャンニケッダに近いタイプとするならば、ドゥンガを使って連想される選手はガットゥーゾ。テクニックではドゥンガが上回っているようだが、雰囲気はかなり近い。スピードやボールを追いかける瞬発力はないものの、パワーとディフェンス能力の高さで強引にボールを奪取していく。パワー値は少なくとも16はあると思われ、重量級FWと渡り合える数少ない守備的MFのひとりだ。
テクニックはセレーゾに比べるとさほど目立たない印象だが、安定したパス回しを見せる。むしろ強烈な印象を残すのはミドルシュートのキック力。強烈なシュートを持っているので、状況に応じて攻撃参加させるのもいいだろう。ちなみにドゥンガとセレーゾは全盛期がずれており、特別な連携はない(むしろさほど連携がよくない)ので注意したい。
【参考書籍】
(C)SEGA,2002,2004
□セガのホームページ (2005年1月14日) [Reported by 石井ぜんじ]
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