会場：Las Vegas Convention Center

■ 充電機能を搭載したスタイリッシュなPSP用ハードケース

　内蔵するファンからグリップ部に風が流れて”クール”にプレイできるゲームパッドや、小型キーボードを搭載してMMORPGを快適にプレイできるゲームパッドなど、一種独特なゲーム用デバイスを開発・発売しているNyco Technologiesが、PSP向けのデバイスをいくつか発表し、2005 International CESで公開した。

　今回公開されたPSP用のデバイスは、PSP専用のケースだ。それも、全てメタルボディのハードケースとなっている。PSPバリューパックには専用のソフトケースが付属するが、本体のみのPSPパッケージにはケースは付属していない。裸のまま鞄に入れて行動していると、ハードに扱わなくても液晶面やボディに簡単にキズがついてしまう。もちろん、オプションのソフトケースを購入すればいいのだが、ソフトケースでは強い衝撃から本体を保護したり、液体の浸入を防ぐという役割はなかなか果たせない。しかし、Nyco TechnologiesのPSP専用ハードケースを利用すれば、キズつき防止はもちろん、強い衝撃や液体の浸入などからもPSPをガッチリと守ってくれる。

　今回公開されたPSP用ケースは全部で4種類。そのうち2種類は単純なケースとなっているが、残りの2種類は単なるケースではなく、PSPユーザーにとって魅力的な付加機能が盛り込まれている。そして、最もPSPユーザーの注目を集めそうな製品が、「Charger Case for PSP」という製品だ。その名前からも容易に想像が付くかと思うが、ケース内にPSP充電用のバッテリーを内蔵しており、ケースにPSPを収納している間にPSPを充電してくれるという優れもののケースなのである。

　バッテリーを内蔵しているということは、ケース自体が大きく重いのではないのか、と思うかもしれないが、実際に展示されていたCharger Case for PSPは、PSPよりも数mm程度縁取りが大きくなる程度で、非常にコンパクトにまとまっている。もちろん、バッテリーを内蔵しているため厚さはややあるのだが、それでもPSPの本体の厚さの2倍もない。重量もたいしたことはなく、持ち歩くのをためらうこともない。

　そして、このケースを利用することで、PSPのバッテリー駆動時間がノーマル比200%に引き上げられる。もちろん、ケースに入れている状態ではLRキーが押せないため実質プレイ不可能だが、プレイが終わるたびにこのケースに入れておけばPSPのバッテリーが充電され、トータルで2倍のバッテリー駆動時間が確保できるようになるというわけだ。

　ちなみに、ケース内部はウレタン素材が敷き詰められ、ボディをしっかりと保護するようになっている。また、ケースを閉じると、PSPの表面のシルエットがエンボス加工されており、見た目もなかなかだ。今回公開されたのはまだサンプル品で、デザインなどが変更されるかもしれないそうだが、現時点で展示されていたものそのままでも完成度は高く、これまでやや怪しげなゲームデバイスを数多く送り出しているNyco Technologiesらしからぬ魅力的な製品に仕上がっているという印象を受けた。

　また、もう1つの付加機能ケースは、PSP用ケース兼ムービー再生用スタンドといった雰囲気のもの。PSP本体を45度ほどの角度をつけて固定でき、奥にステレオスピーカーが配置された「Theater Experience for PSP」というものだ。こちらは、左右にスピーカーが用意されているということもあり、ややサイズが大きくなっている。デザイン的にはCharger Case for PSPとほぼ同じで悪くないのだが、搭載されているスピーカーの音質はPSP本体と比べてかなりいいというわけではない。良くも悪くもNyco Technologiesらしい製品と言っていいだろう。

充電機能をもつPSP用ハードケース「Charger Case for PSP」。ケースにバッテリーが内蔵され、PSPのバッテリー駆動時間を200%に向上させる	ケース外側は、PSPのシルエットがエンボス加工され、見た目も悪くない。また、サイズもPSPより数mm大きい程度だ	バッテリーが内蔵されているためやや分厚いが、それでもPSPの2倍まではない。またPSP本体はウレタン素材でしっかりとホールドされる
ケース用のバッテリーを充電するACアダプタの接続コネクタ。PSPも同時に充電できるそうだ	こちらは、ムービー再生スタンドとしても利用できる「Theater Experience for PSP」。もちろんPSP用のケースとしても利用可能だ	このような小さなスピーカーが2個搭載されている。ただ、音質はそれほどよくなかった

　付加機能の盛り込まれたものだけでなく、単純なPSP用ケースも用意されていた。1つは、液晶面のみを保護する液晶カバーパネル。液晶部分にはめ込む感じで取り付けて利用する。このカバーパネルは単純な製品だが、金属感むき出しのシルバーカラーということもあり、取り付けた状態でもPSPのデザインを大きく狂わせてしまうこともなく、なかなかスタイリッシュだ。本体には多少キズがついてもいいが、液晶面だけはしっかりと保護したいという人には十分おすすめできる。

　また、PSPを完全に包み込むハードケースもあった。こちらは、「Charger Case for PSP」から充電機能を取り払っただけといった感じで、見た目はほぼ同じ。もちろんPSPを模したエンボス加工も施されているし、ケース内部はウレタン素材でPSP本体をしっかりと保護するようになっている。また、バッテリーが入っていないためPSPよりほんの数mm厚い程度だ。充電機能がいらないというのであれば、こちらもなかなかおすすめできる。

　さて、これらPSP用のハードケースだが、北米市場ではPSPの発売にあわせた出荷が予定されているそうだ。説明員は、おそらく3月頃になるのではないか、と言っていた。また、価格などもまだ確定していないようで、今回紹介した製品がどの程度の価格で発売されるのかといった点も教えてもらえなかった。そして日本での発売に関しては全くの未定だそうだ。Nyco Technologiesは日本向けの正式な販路を確保していないようなので、残念ながら日本では発売後すぐに入手することは不可能だろう。しかし、日本のPSPユーザーにとっても魅力的な機能を持つ製品なので、日本で発売されれば結構な数が売れそうな気がする。ぜひとも日本でも発売してもらいたいものである。

PSPの液晶部分のみを保護するカバーパネル（製品名はまだ未定）。金属むき出しで、取り付けた状態でもPSPのデザインを崩しておらず、なかなかいい感じだ	こちらは普通のハードケース。Charger Case for PSPからPSP充電機能を省いたといった感じだ。中はウレタン素材で覆われ、PSPをしっかりと保護してくれる	外側はCharger Case for PSP同様、PSPのシルエットがエンボス加工されている

□2005 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/

(2005年1月8日)

[Reported by 平澤寿康]

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