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CES 2005レポート その1 |
会場:Las Vegas Convention Center
■ メモリースティックの活用デモという形でPSPを展示
1月6日(米国時間)に開幕した2005 International CES(以下、CES 2005)。基本的には一般消費者向けの家電製品を中心とした展示会であり、ゲームとはあまり関係がないように思うかもしれないが、実際にはゲームに関係する展示も多数あり、ゲーム業界としても見逃せないイベントになりつつある。
そのCES 2005のソニーブースにおいて、PSPが展示されていた。PSPは昨年のE3で発表されるとともに、開発機ベースでの展示も行なわれていたが、北米でPSPの実機が一般向けとして公式に展示されたのは、おそらくこれが初めてではないだろうか。来場者にゲーム関係者はかなり少ないはずなのだが、それでもソニーブースのPSP展示コーナーで足を止めてのぞき込む来場者はとぎれることなく続いていた。
ただ、ソニーブースを運営しているのは、北米市場でプレイステーションシリーズの販売を行なっているSony Computer Entertainment America(SCEA)ではなくソニー本体。そのため、PSPが展示されていたのは、メモリースティック関連の展示コーナーの一角。しかも、メモリースティック PRO デュオに保存したMPEG-4 Advanced Video Codec(H.264)形式の動画データの再生技術デモとしてPSPが利用され、展示されていた。つまり、PSPをゲーム機としてアピールし、実際にゲームをプレイさせるといったスタイルの展示ではなく、メモリースティック PRO デュオに動画データを保存し、その動画を再生させつつ来場者に見せるだけだった。それも、実際に来場者がPSP本体を手に持って見られるのではなく、展示用のケースに埋め込まれた形での展示でしかなかった。これは、期待していた来場者からするとやや残念だったのではないだろうか。
ちなみに、ソニーブースで展示されていたPSPは、日本で発売されている実機がそのまま使われていた。また、展示内容がこのような形であったため、PSPの北米市場における発売時期や販売価格の発表なども一切なく、説明員によるPSPの仕様説明も全くなかった(いろいろ聞いてみたのだが、「基本的には別会社の製品ですから」とかわされた)。当然、SCEAが展示していたわけではないので、そのあたりの情報をしゃべるわけにはいかないはずで、SCEA側からの強いコントロールがあったものと思われる。
今回のソニーブースでのPSPの展示は、ゲーム関連の展示会ではおよそ考えられないような形式で、とにかく無理矢理展示したといった印象を受けたのも事実ではある。とはいえ、SCEAがブース運営に関与していない以上、基本的には展示する必要はない。どんな形であれソニーブースにPSPが展示されていたこと自体には十分意味があるだろう。
ちなみに、ソニーブースの他の展示コーナーに比べると来場者の注目度はあまり高くないようで、人だかりができるまでには至っていなかった。もちろん今回の展示形式ではそれもしかたがないが、ゲーム関係者の端くれとしては、やや寂しい印象を受けた。
ソニーブースに展示されていたPSP。展示用のケースに埋め込まれていたものの、北米で実機が一般向けに公開されたのはおそらく今回が初めてだろう | ゲーム関係者は少なかったはずだが、それでも興味深くのぞき込む来場者は少なくなかった | 説明員はメモリースティックの担当者のみで、北米市場でのPSPの発売時期や販売価格の発表やPSPの詳細説明もなかった |
CES 2005のソニーブースでは、ややひっそりとした展示となっていたPSPだが、実はCES 2005の開幕前日である1月5日(現地時間)にSCEAが北米のプレス関係者を集めたプライベートイベントを開催し、PSPの実機を公開すると共に、北米市場で発売が予定されているPSP向けタイトルの試遊デモを行なった。残念ながら筆者はそのプライベートイベントに参加できなかったため、そのイベントの詳しい内容に関しての詳細はお伝えできない。ただ、実際にそのプライベートイベントに参加した関係者の話を聞いたところ、会場では日本におけるPSPの販売状況などの説明と、PSPの基本的なスペック紹介などが行なわれ、北米市場に投入が予定されているPSP向けのゲームタイトルの試遊デモや、ムービータイトルの再生デモなどが行なわれた。ただ、気になる北米市場でのPSPの発売時期と販売価格は発表されず、これまでどおりの2005年春という予定に変更はなかったようだ。
そのプライベートイベントで実際に試遊できたタイトルは、下の表に示したとおりとなっている。既に日本で発売されているタイトルも多数含まれているが、日本で発売予定のないタイトルもいくつかあり、順調に開発が進めば、北米でのローンチタイトルは結構な数を確保できそうな印象を受ける。また、UMDを利用したムービータイトルのデモを用意していたコンテンツメーカーとして、DreamWorksや20世紀フォックスなどの大手ハリウッドスタジオの名前も確認でき、ムービータイトルの方も今後期待が持てそうだ。
【試遊展示タイトル一覧】 | |
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タイトル | メーカー |
Ape Escape | SCEA |
ATV Offroad Fury | |
Hot Shots Golf | |
NBA 2005 | |
Twisted Metal: Head-On | |
Wipeout Pure | |
Spider-Man 2 | Activision |
NFL Street 2 | Electronic Arts |
Tiger Woods PGA TOUR | |
Need for Speed Underground Rivals | |
METAL GEAER ACID | Konami |
Coded Arms | |
Darkstalkers Chronicle: The Chaos Tower | Capcom |
Archer Maclean's Mercury | Ignition |
Dynasty Warriors | KOEI |
Untold Legends: Brotherhood of the Blade | Sony Online Entertainment |
Ridge Racer | Namco |
【ムービータイトルデモの提供メーカー】 |
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Sony BMG Music Entertainment |
Sony Pictures Entertainment |
DreamWorks |
20th Century Fox |
(2005年1月7日)
[Reported by 平澤寿康]
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