|
★PSPゲームレビュー★
■ 絵が、音が、とにかく「きれい」で「早」くて「爽快」
GBA版からいえば画面が大きくなり、文字が読みやすくなっていることはありがたい。もじブロックの文字を見続けてプレイするこのゲームにおいて、これはありがたい要素だ。また、抜けのよいサウンドも、25曲ほど投入されており、5曲のRemix版ともども、うきうきするポップなイメージを演出してくれている。 スタート画面からトップメニュー、そして各ステージでプレイし、またステージセレクト画面に戻るというサイクルが1回のプレイで行なわれるのだが、どこにロードシーケンスがあるのかほとんどわからないほど、クイックな操作感覚を実現している。「パズルゲームだから当たり前なのでは?」という意見もあるだろうが、この軽い操作感覚は、繰り返し遊ぶゲームとしてとても好印象といえるだろう。 使用ボタンも、もじブロックを選んだり移動させたりするための十字キー(アナログパッドは使用しない)、もじブロックを掴んだり置いたりする○ボタン、掴んだもじブロックを離す(キャンセル)する×ボタン、一手戻す△ボタンを使うぐらい。そして、項目、そしてもじブロックの並ぶ「えらぶくん」の候補のページ送りを行なうL/Rボタンは便利なので覚えておきたい。
■ シンプルなルールで奥が深い 基本ルールは前述の通り、「えらぶくん」に並ぶ「もじブロック」を、選んだマスに置くことで言葉を作る、というシンプルなもの。クリア条件は「ブロックを○○コ使え」といった簡単なものから、「○文字以上を○○コ作れ」といったものや、「○○○を○コ作れ」といったもの、「○連鎖を○回作れ」といった連鎖指定ものなどがある。連鎖は「あ」のとなりに「し」を置いた後、さらに「し」のとなりに「か」を置くことで、「あしか」と「しか」ができるように、1回もじブロックを置いた際に2つ以上の言葉ができることを指す。 また、もじブロックを置くと移動する「移動マス」、もじブロックを置くと回転する「回転マス(90度と180度の2種類がある)」、通常のマスの4倍以上ある「ジャンボマス」に加え、今作から「無限ブロック」が追加されている。既報の記事を見てもらえばわかるとおり、何度使ってもなくならない赤いもじブロック=無限ブロックによって、「しんぶんし」といった同じもじブロックを複数回使う言葉が作りやすくなった。 この「言葉を作る」という行為がこのゲームの最大にして最強のオリジナリティであり、ひらがなから生まれる多彩な言葉の数々を堪能しながら、またそれを意図的に組み合わせながら遊べることがこのゲームの魅力といえる。さらに、そこに「連鎖」が絡んでくる。次々にカラフルなエフェクトとともに(これもきれいになっている)、リズミカルなSEが鳴り響く様は、非常に壮快感にあふれる。 「えらぶくん」に用意される候補は、ステージによって異なる。つまり、自分で作りたい言葉をいつも作れるとは限らない。「こっちで『い』を使ってしまうと、あっちでは言葉が作れない」といった事態が起こるわけだ。そこで、もじブロックの候補をざっくりと見ながら、頭をひねって「これとこれの間に『い』を置けば、こことここが言葉になる」といった風に、もじブロックをどこにどうやって配置するかは十人十色。この組み合わせ方でステージがクリアできたり、できなかったりするわけだ。それがこのゲームの奥深い点の1つといえるだろう。 基本的事項やテクニックに関しては「遊び方道場」にて学ぶことができる。マニュアルを読まないでプレイしても楽しめるが、より先に進みたい人、そして初めて「もじぴったん」に触れる人は、「遊び方道場」は必ず役に立つので、1度はプレイしてみよう。
そんなこんなで、従来どおり時間制限のある「どきどきパズル」、そして今回初登場の時間制限のない「こつこつパズル」を遊んでみた。序盤の難易度は明らかに前作までよりも下がっていると感じた。ステージはレベル分けされており(初期状態で確認したところ、どきどきは12、こつこつは10レベル存在)、1レベル中20ステージが用意されているが、どれか12ステージをクリアすれば、次のレベルに挑戦できるようになっているのはうれしい。また、プレイ中に随所でアドバイスが表示される。それを見ているだけで攻略のきっかけがつかめることもあるのはありがたい。
■ ついに実現! CPUとの対戦「対戦ぴったん」
「対戦ぴったん」では、自分がもじブロックを置いて言葉を作ると、その言葉のブロックは自分の色に変化する。自分が作った言葉の上下左右に相手がもじブロックを置いて言葉を作ると、言葉に使われたブロックは相手のものとなる……という「陣取りゲーム」の要素が追加される。先に指定されたゴールの枚数分もじブロックの色を集めるか、ステージマスが全部埋まった時点でもじブロックの枚数の多いほうが勝利となる。 対CPUとして選べる対戦モードは、自由に対戦できる「お好み対戦」、「勝ち抜きチャレンジ」の2つ。登場するCPUは9タイプ。バランスの取れた「えらぶくん」、食べ物に強い「たべるくん」、使えるブロックは限られるが、濁音や半濁音を無限に使いこなす「にごるくん」、12カ国語を使いこなし、「まみむめも」が無限に使える「Missチョイス」、そして最強のCPUキャラ「厳選師範」といったそれぞれに特徴を持つキャラクタと対戦できるほか、対人戦においても「厳選師範」以外のキャラクタを自分で使うことも可能だ。 このキャラクタたちとの対戦を実際に遊んでみると、自分の語彙力、そして注意力がてきめんに試されることになる。対戦ぴったんには持ち時間が設定されているので、あまり悠長にプレイしているわけにもいかないが、初心者向けの「すぐるくん」、「たべるくん」、「えりこちゃん」あたりと戦ってみても、うっかりするとあっという間にもじブロックをひっくり返されてしまうだろう。1つもじブロックを置くごとに、相手がいちいち反応してくれるので、そのリアクションがまた楽しい。 「対戦ぴったん」には、単なる語彙力だけでなく、先を見通す眼もさらに必要とされる点が、1人で遊ぶ「どきどきパズル」、「こつこつパズル」と大きく異なる。さらに、相手との駆け引きもあるということは、1人でこつこつとプレイすることとは別な「新しいあそび」ができるのもうれしいことだ。逆転に次ぐ逆転の感覚を味わえるこのモード、ぜひ楽しんでもらいたい。
また、2人で交互にプレイする「ふたりで対戦」も、友達とPSP1台で遊べるのでオススメしたい。視野角の広いPSPの利点を生かしたモードで、通信対戦がないのはやっぱり残念だが、手軽に遊べるという意味ではありがたい仕様となっている。
■ 充実の検索機能「ワードサーチ」、「辞典コレクション」
そういう時、「ワードサーチ」の「?(3文字まで)」を使って特定の言葉を検索してみたり、長い言葉を見てみたりといった使い方で、自分の引き出しを作ってもらいたい。さらに、特定のジャンルの言葉を集めた「辞典コレクション」もある。「魚辞典」、「経済辞典」、「野球辞典」、「マイナー2文字辞典」などなど、「どきどきパズル」、「こつこつパズル」の序盤から、特定のステージをクリアすると辞典がもらえる。これを集めていくだけで充分楽しいが、さらに中を読んでみると、攻略に使えそうなネタがゴロゴロしている。
先ほども書いた「遊び方道場」も含め、これだけフォローされていれば、「語彙力に詰まって先に進めない」ということは少し改善されるだろう。これだけで劇的にクリアしやすくなったとは行かないまでも、こういった親切な要素が充実していることで、言葉への興味が沸いてくる。ただプレイしているだけでなく、辞典を読んでいるだけでも結構たのしいものだ。 ■ シンプル、軽快かつ懐が広くなった「大辞典」
1ステージは、早ければ30秒ちょっとでクリアできる。ちょっと空いた時間にプレイするにはもってこいのタイトルなので、PSPともども、外に持ち出してもいいし、自宅や職場での休憩時間などにちょこっと遊んでみる、という遊び方も充分楽しめる。そして、こつこつとステージをクリアしていくと、どんどん辞典も溜まってくる。辞典に並ぶ言葉の意味を読んでいるだけでも、充分時間がつぶれてくれるだろう。言葉の魅力とゲームの魅力が合わさる相乗効果。それを味わえるのが「大辞典」といえそうだ。
また、PS2版やGBA版で「もじぴったん」の世界に触れたプレーヤーにも、その両方のいいとこ取りをしたものになっていることはもはやお解りいただけるだろう。持ち歩けてすぐに遊べてさっと終われる。しかもCPUとの対戦もフォローされている。幸運にもPSPを手に入れた方には、待ち望んだ形で待ち望んだタイミングで新作が登場してくれる「幸せ」を一緒にかみしめてもらいたいものだ。
(C) 2001 2002 2004 NAMCO LTD.
□ナムコのホームページ (2004年12月17日) [Reported by 佐伯憲司]
また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c)2004 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|