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Part2:ソフトウェア編へ


【プレイステーション・ポータブル】

12月12日 発売

価格:20,790円
   26,040円(バリュー・パック)


 ソニー・コンピュータエンタテインメントが、満を持して世に送り出す新型携帯ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」がついに発売される。今回は、本体の仕様や同時発売ソフトなどを総括した特集記事をお届けしよう。


Part1:ハードウェア編

■ 外観と機能

 PSP本体を眺めたとき、まず目に飛び込んでくるのが、本体中央にある4.3インチの16:9ワイドスクリーンTFT液晶。本体面積の大部分を占めており、外枠の小ささと相まって数値以上に“大きい!”と感じさせてくれる。解像度は480×272ピクセルで、1,677万色の表示が可能。バックライトの輝度は4段階で調整できる。視野角が広く、明瞭で発色もいい。眺めているだけでリッチな気分にさせてくれる仕上りだ。

 主な操作は、本体前面の方向キー、アナログパッド、HOME(メニュー表示)、START、音量(+/-)、ディスプレイ(最大4段階の輝度調整[ACアダプタ接続時])、サウンド(音質変更:ゲームプレイ時はOFF)、セレクト、スタート、○×△□ボタン、上側にあるL/Rボタンで行なう。サウンドは、HOMEボタン左上とSTARTボタン右上にある“くぼみ”にあるスピーカーからステレオで出力される仕組み。

 本体左右の斜め下には、POWER、メモリースティックDUO、ワイヤレスLANの各LEDがそれぞれ配置されている。HOLDは穴が開いているところにスイッチがスライドし、黄色の地が見えるようになる。LEDは小さいが、よほどのことがない限り「バッテリー切れに気付かない」といった不測の事態は避けられるだろう。

 本体裏の左側にはバッテリーカバーがあり、右側にはメモリースティックDUOを挿入するためのスロットとワイヤレスLANのスイッチが存在。上面には前述のL/Rボタン、UMDのOPENボタン、赤外線ポートが、下部にはヘッドホン/マイク端子、電源端子がそれぞれ配置されている。本体右側にあるPOWERスイッチはHOLDスイッチを兼ねている。

 内蔵ワイヤレスLANは、IEEE 802.11bに準拠。アクセスポイントを経由してインターネットに接続することも可能で、ファームウェアのアップデートや将来的にはゲーム用データのダウンロード、さらにはオンライン対戦も可能になるという。PSP同士で無線通信を行なうアドホックモードは、最大16台まで対応。気になる通信距離の限界は、標準伝送距離で約30m、1Mbpsで約91m、野外では11Mbpsで約120m、1Mbpsで約460mになるという。無論これらの数値は環境に左右されるが、声が届く範疇で友だち同士集まってプレイする限り、ほぼ問題がないと考えられる。

 本体サイズは約170mmx23mx74mm(幅×高さ×奥行き)と、携帯ゲーム機あるいはマルチメディア端末として考えるなら「若干大きいかな?」といった印象。バッテリーを含めた重量は約280g。ブラックを基調としたソリッドなデザインが影響しているのかもしれないが、両手でホールドした際の感覚としては、それほど重さを感じない。なお、バッテリーの駆動時間は、ゲームで4~6時間、UMDビデオでは4~5時間程度の連続動作が可能とされている。


■ 携帯ゲーム機として

 PS2と比較しても遜色ないほどのハードパワーを誇り、さらには大型で美しいTFT液晶を搭載。豊富なインターフェイスまで備えたPSP。

 気楽に持ち運ぶには少々大ぶりだが、ローンチや近日発売予定のタイトル群をチェックすればすぐにわかるとおり、従来の携帯ゲーム機では考えられないリッチなゲームが“個人の環境にあわせて自由にプレイできる”というのは、何物にも代えがたい魅力。あるときは通勤通学の車内、公園のベンチ、駅前の待ち合わせ、ベランダ、コタツ、布団のなか、などなど。据置型に匹敵する内容のゲームが、自分の行動スタイルにあわせて楽しめる。なんと素晴らしいことか!

 「出先で遊ぶならケータイのゲームアプリで十分だよ」という人もいるかもしれないが、現時点でPSPの購入を検討している人たちの大半は「ゲーム」が視野の大部分を占めているはず。最近は作りこまれたケータイアプリのゲームも増えているが、どちらが“リッチに楽しめるか”といえば、それは言わすもがな。

 語弊はあるかもしれないが、PSPの良さは“リッチ”の一言で表現できるのではないだろうか。卓越したハードウェアの性能、汎用性、据置型と遜色ないゲームのクオリティ……どこにもプアな部分は見当たらない。唯一の心配は、ゲーム制作に要する労力が据置型のタイトルに匹敵する=コンテンツの拡充が遅れることだが、それは時間が解決してくれるはずだ。


■ マルチメディア・モバイル端末として

 映像や音声などを再生するマルチメディア・モバイル端末として見た場合、PSPはさらなる可能性を感じさせてくれる。ワイヤレスLAN、USB 2.0、IrDAなどのインターフェイスがもたらす拡張性はもちろんだが、ここでは以下のフォーマットがメモリースティック DUOから再生できる点に注目したい。

    【映像】
  • メモリースティック ビデオフォーマット動画(MP4準拠)

    【音声】

  • ATRAC3plus/ATRAC3
  • PCM
  • MP3

    【静止画】

  • JPEG(DCF2.0/Exif2.21準拠)
 「メモリースティック ビデオフォーマット動画」は、ソニーマーケティングが発売を予定しているPC用動画変換ソフト「Image Converter 2」で作成が可能。詳細は、12月上旬に特設ページにて明らかにされる予定。ちなみに、MPEG-4で撮影および録画できるデジタルカメラ、たとえばサイバーショット「DSC-M1」で撮影したムービーもPSPで再生できる。

 PSP本体とPCをUSBケーブルで接続すれば、PSP本体がPCからマスストレージとして認識され、メモリースティック DUOスロットにアクセスできるようになる。あとは、必要なファイルをメモリースティック DUOにドラッグ&ドロップするだけでいい。

 本体メニューには、PSXなどソニーの家電製品に共通しているユーザーインターフェイス「XMB(クロスメディアバー)」が採用されている。ファイルブラウザとプレーヤー機能が内蔵されており、メモリースティックDUOに転送したファイルもカンタンな操作で再生できてしまう。「無理にPSPで再生しなくても」といった意見もあるだろうが、メモリースティック DUOを介するだけで多種多様なデジタル機器と連動させられるフットワークの良さは、さまざまな場面で応用がきくはずだ。

 唯一惜しいのは、映像や音声の外部出力端子がないことだが、これは製品のコンセプトを考えると致し方ないといえるだろう。


■ 周辺機器など

  • 専用ACアダプタ 3,675円
  • 専用バッテリーパック 5,040円
  • 専用リモコン付きヘッドホン 2,940円
  • 専用ソフトケース&ハンドストラップ 2,100円
  • メモリースティック DUO(32MB) 2,940円
 以上は、すべて単品で購入した際の価格。なお、PSP本体には専用ACアダプタと専用バッテリーパックが、「PSP バリュー・パック」には、上記5点がそれぞれ同梱される。

 野外で長時間利用する人は、予備の専用バッテリーの購入をおすすめする。メモリースティックDUOは、純正品だけでなくサードパーティ製も利用できる。店頭価格に差があるので、懐具合や利用法と相談して適当な容量を確保しておきたいところ。

 なお、各種ゲームのセーブデータはメモリースティックDUOに記録される。よって、最低1枚は持っていないとゲーマー諸氏は後々困ることになりかねないので、くれぐれも注意されたい。

(C)2004 Sony ComputerEntertainment Inc. All rights reserved.

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□プレイステーション・ドットコムのホームページ
http://www.jp.playstation.com/
□PSPのページ
http://www.jp.playstation.com/psp/
□ソニー・コンピュータエンタテインメントのホームページ
http://www.playstation.jp/
□関連情報
「プレイステーション・ポータブル」記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/backno/news/psplink.htm

(2004年12月11日)

[Reported by 豊臣和孝]


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