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ガンホー、「タントラ」プレスカンファレンスを開催
“ガンダーラ”を目指す異色オリエンタルMMORPG

12月9日開催

会場:エレファントカフェ

 ガンホー・オンライン・エンターテインメント株式会社は、オープンβサービスを翌日に控えた12月9日、東京渋谷のエレファントカフェにおいて、次期主力MMORPG「タントラ」のプレスカンファレンスを開催した。

挨拶を行なうガンホー代表取締役社長 森下一喜氏。奥の仏像が存在感たっぷりである
会場となったエレファントカフェ。ゲームの雰囲気に合ったオリエンタルな装飾品で埋め尽くされている
発表を行なった4名。右からガンホー森下氏、ハンビットチョ・ヨンジュ氏、ガンホー田口氏、ガンホー神崎氏
ガンホー各タイトルのターゲットポジション。リリース前にターゲットを明確にするところも評価できる
 「タントラ」は、ファンタジーはファンタジーでもヒンドゥー神話を核としたオリエンタルファンタジーをモチーフにしたMMORPG。発表そのものは、2003年7月にソフトバンクグループが主催したOnline Game Fantasistaにおいて行なわれており、その際にガンホーが発表した5タイトルの最後を飾るタイトルにあたる。

 ゲームの開発は、韓国大手パブリッシャーとして知られるHanbit Softが担当。元々は、Blizzard Entertainmentの「Starcraft」、「Warcraft」の正規代理店として、パッケージビジネスで急成長を遂げたメーカーだが、現在は韓国市場での両シリーズの大成功により、Blizzardタイトルは子会社によって直接販売されるようになったことから、Hanbit Softは豊富な資金力を活かしてMMORPGを中心としたオンラインゲームパブリッシャーへと脱却を図りつつある。その第1作が「タントラ」というわけである。

 といってもできたてほやほやの新作というわけではなく、弊誌でも報じたように、現在は次期主力MMORPG「Granado Espada」に注力している。同作は、日本でも日立製作所との合弁会社ハンビットユビキタスエンターテインメントによって運営されることが決定しており、ガンホーとHanbit Softは、日本市場のMMORPGという土俵の上ではライバル同士という複雑な関係にある。

 さて、発表会ではまず最初にガンホー代表取締役社長 森下一喜氏が登壇し、挨拶を行なった。森下氏は、2002年の「ラグナロクオンライン」のサービスインから、マルチタイトル化へ事業戦略が移行した経緯を取り上げ、本年度最後のタイトルとして「タントラ」を紹介。「『A3』はR18指定ということで大人向けでしたが、『タントラ』は全年齢層をターゲットにしたタイトルとして自信を持ってお送りします」とコメントした。

 続いて壇上に上がったHanbit Soft最高技術責任者のチョ・ヨンジュ氏は、「『タントラ』は、オリエンタルファンタジーオンラインRPGです」と紹介した後、「このオリエンタルな雰囲気は、日本のユーザーも韓国と同じ東洋(オリエンタル)の文化圏に属していますから、良い手応えがあるだろうと確信している」とコメント。

 日本での発表からβサービス開始まで1年以上もかかった理由としては、日本でウケるコンテンツに仕上げるためのブラッシュアップにあったとしている。具体的には日本ユーザーの分析、ローカライズの方法、マーケティング戦略、ゲームコンテンツのアップデートなどとしている。つまり「タントラ」では、日本向けのカルチャライズがあらかじめ施された状態でサービスがスタートするということになる。

 最後に、ガンホーについて「日本のオンラインゲーム業界のトップリーダーである」と持ち上げ、12月より日本で活動を開始した日本子会社であるハンビットユビキタスエンターテインメントが互いに協力してオンラインゲーム市場に取り組むことで、「両社の成功は間違いない」と2強時代の到来を予感させるコメントを残した。ちなみに「互いに協力」という部分の真意について別途聞いてみたところ、両社間で切磋琢磨するというニュアンスに過ぎず、提携や協業といったことはまったくの白紙状態だということだ。

 ゲームの紹介については、コンテンツ開発部の田口敏之氏と、マーケティング部の神崎崇氏がそれぞれ担当分野から内容を紹介した。ちなみに、制作とマーケティングを並べて2頭体制でプロデュースを行なうのがガンホーのユニークなところで、既存の「ラグナロクオンライン」と「A3」に関しても同様の体制で運営が行なわれている。

 通常、両部署の関係は、コンテンツそのものを握る制作サイドの意向が優先される傾向にあるが、ガンホーの場合は完全にイーブンのパワーバランスで、ガンガン意見を出し合うという。今回「タントラ」の主題歌にゴダイゴの「ガンダーラ」を選んだところなどは、いかにもマーケティング本意のアプローチといえる。

 主題歌を選ぶだけなら別に大した話ではないが、ユニークなのは、「タントラ」の聖地と位置づけられている最終目的地を“ガンダーラ”に設定しているところだ。当然のことながらコンテンツの全権を持つHanbit Softはそのプランの意図がよくわからなかったということだが、交渉の末、“ガンダーラ”への変更が許可されたという。これにより、主題歌を軸にした全方位的なマーケティングが可能になる。こうしたあたりにもガンホー独自の強さが表れている。

 ゲームの方向性としては、3つ巴の大規模PvP「主神戦」を主軸にしたバトル重視のMMORPG。主神戦に勝利することで、“ガンダーラ”へのアクセスが可能になるという。GMキャラクタの自由度も高いことから、イベントキャラクタを使ったリアルタイムイベントも積極的に取り入れていくということで、日本ならではのイベント展開も十分期待できる。

 「タントラ」のオープンβテストは、12月10日15時より開始が予定されている。クライアントのダウンロードは、すでに公式サイトでスタートしており、ファイルサイズは224MBとなっている。12月10日から12日までは、全サーバーを対象にオープニングイベントも開催されるので、公式サイトでスケジュールを確認の上、参加してみてはいかがだろうか。

【オリエンタル】
非常に個性的な建造物。名所旧跡のたぐいも充実しているということだ

【マーラ】
「タントラ」ではモンスターのことを「マーラ」と呼んでいる。マーラは、大きさも千差万別ながら、それぞれ崇める主神が異なり、時にはマーラ同士で戦い合っていることもあるようだ

【キャラクタ】
キャラクタは8種類。キャラクタごとに装備可能な武器やスキルが異なるので、キャラクタ作成時は好みだけで決めてしまわずに、特性もふまえて検討したいところだ

(C)2004 HanbitSoft, Inc. All Rights Reserved.
(C)2004 GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ
http://www.gungho.jp/
□ニュースリリース
http://www.gungho.jp/press/046.asp
□「TANTRA」のページ
http://www.tantraonline.jp/
□関連情報
【12月3日】ガンホー、オリエンタルな世界観のMMORPG
「TANTRA」のオープンβテストを12月10日より実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041203/tantra.htm

(2004年12月9日)

[Reported by 中村聖司]


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