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サイバーフロント、「A列車で行こう7」を正式発表
原点回帰をねらう「A4」直系のシリーズ最新作

11月19日開催

会場:東京ステーションホテル


 株式会社サイバーフロントは、11月19日、東京駅構内にある東京ステーションホテルにてWindows用鉄道経営シミュレーションゲーム「A列車で行こう7」の発表会を開催した。制作はシリーズを一貫して手掛けているアートディンク。シリーズ最高の出荷本数を誇る「A4」ユーザー70万人をメインターゲットに10万本の売り上げを見込む。対応OSはWindows 2000/XPで、発売日は2005年2月10日、価格は9,975円を予定している。

サイバーフロント代表取締役社長、藤原三二氏
アートディンク代表取締役社長、永浜達郎氏。今作ではディレクターも担当
 壇上で挨拶をしたのは、サイバーフロント代表取締役社長の藤原三二氏と、アートディンクの代表取締役社長、永浜達郎氏。

 藤原氏は、「私はサイバーフロントを設立する前、セガでPCタイトルを手掛けていたのだが、販売で苦戦している中、アートディンクさんのソフトの売り上げが非常に好評でうらやましく思っていました。その当時からアートディンクという会社と産み出す作品にあこがれを抱いていたのですが、2年前から縁があってアートディンクの作品を販売するようになりました。今回は、永浜社長の方から『A列車シリーズの最新作を一緒にやらないか?』という提案をいただき、私たちも力を振り絞ってこの作品を販売していきたいと思っています」と語った。

 永浜氏は「来年は、『A列車で行こう』のシリーズ第1作目が発売されてから、ちょうど20年目に当たります。本シリーズはPCのみならずコンシューマーでも展開し、自社の看板タイトルとなり、時代に合わせて様々な姿に進化していきました。当時としては珍しい鉄道ゲームとしてスタートしたシリーズは、『A III』で都市開発鉄道シミュレーションとなり、そこから『A V』、『A VI』は3Dによる表現を取り入れた方向に進化していきました。

 最新作となる今作のコンセプトはA列車の持つ本質的なゲーム性の追求にあります。シリーズの中で最も高い人気を誇った『A IV』直系の続編を目指して制作しています。『A IV』が'93年に発売されてから10年間、絶えることのなかったファンの要望を取り入れ、かつ現在の高スペックのPCと最新の技術によって生まれ変わった新たな『A IV』。それが『A列車で行こう7』なのです」とコメントした。
 
 続いて永浜氏による本作のデモンストレーションが行なわれた。永浜氏は本作ではディレクターも務める。鉄道の解説などには専門用語も交え、氏の本作に対する並々ならぬ気合いを感じさせた。

緻密で美しい3Dグラフィックで街を再現複雑な線路の重なりも、3Dグラフィックにより矛盾なく表現できる
 「A列車で行こう7」は鉄道により地域を活性化、大都市を目指していく都市開発鉄道シミュレーション。プレーヤーは駅を作り、線路を引き、鉄道を運営していくことで街の発展に貢献していく。自らが経営するデパートや球場なども建設可能で、駅を利用していく人が増えるほど、駅の周りに建物が建ち、道路がひかれ、活気あふれる街となっていく。鉄道による経済、産業の発展を主軸にした都市開発シミュレーションであると共に、自分の思い描いた線路を引き、思った通りの車両を緻密なダイヤで運用することも可能だ。シミュレーションファン、鉄道ファンは特に楽しめる作品である。

 本作の原型となる「A IV」は鉄道経営シミュレーションとして「A III」を発展させた形で'93年に発売された。経営と運営のシミュレーション要素を強め、鉄道による街の発展の感触をリアルに再現、ファンから高い評価を得た作品だ。国内外で数々の賞を受賞し、シリーズ最高出荷本数を記録したという。その後シリーズの方向性は3Dによる街の再現にベクトルがおかれ、列車からの主観視点「車窓モード」による箱庭での乗車体験を感じさせる方向に進化していった。そのため、「A IV」のテイストを持った“直系の”リアルな運営シミュレーションを待ち望むファンの声も多かったという。

 本作は「A IV」からより遊びやすく、よりパワフルな新機軸を加えた作品となるとのこと。画面は斜め見下ろし型で、一見2Dのゲームのようにも見えるが、緻密に作られた3Dグラフィックならではのスムースな拡大縮小、回転を可能としている。デモンストレーションでは東京の駅周辺を再現。複雑に張り巡らせたレールの上を列車が走り、道路には自動車が往来する。夜になるとビルに灯りがともり見事な夜景を見せ、雨や雪などによってさまざまに表情を変える。

会場には歴代の「A列車」シリーズを展示
 本作は細かいグラフィック表現でダイナミックな世界の動きを再現しており、箱庭をのぞき込み、世界を俯瞰する楽しさを持っている。ハイスペックなPCならば、カメラを引いて、非常に広範囲の世界の動きを観察できる。表示する範囲でPCの負荷を変化させる技術を導入しており、街の近くにカメラを寄せていればノートPCでもプレイが可能とのこと。

 反対に世界の大規模な表示は、今後のPCの性能の進化を視野に入れており、2~3年後の最新のPCの性能の高さをゲーム世界の描写の広さで実感できる。解像度も1,600×1,200ドット表示にまで対応している。

 交差した線路の表現や、高い高架線、新しい駅舎の存在など、鉄道用語も含めて話す永浜氏の口調からは、鉄道と本作への強いこだわりと、本作への強い意気込みが感じられた。今作ではPS版から取り入れられた電車の中から街を見る「車窓モード」は搭載されていないが、地形を3Dで表現しているため、高架線の重なり合いなど2Dでは表現できなかったり、わかりにくくなってしまう部分もきちんと対応できるという。

 また、川の底や山などをグリッド表示することが可能になったため、地下鉄を引くときに齟齬がない設計が可能になる。経営する農場に使う畑にも、ビニールハウスなど多くの種類が存在し、建設できるビルや売店、さらにはランドマークなども多くのものが用意されるとのこと。

 現在の完成度は80%。永浜氏自らが手がけるシリーズ最新作だけあって、往年のA列車シリーズファンに支持される作品に仕上がりそうだ。

【スクリーンショット】
街は天候や時間により刻々とその表情を変える ハイスペックなPCならばより広範囲を表示できる
電車が動き、自動車が走り、雲が流れる。ダイナミックな街の動きを再現 高さを設定し、高架線を引くことが可能になった 多彩な建物が建てられる。完成時には種類はもっと増えるという
ドーム球場を設置。様々な施設を作って収益を上げることができる グリッド表示。川の底を確認することで地下鉄などを的確に引ける 実在する車両を運営するのは本作の大きな楽しみ
別ウインドウを開き他の電車を追うことも可能 不動産などを細かく管理できるようになった 街を拡大させることでノートPCや低スペックのPCでも楽しむことができる
最下段の3枚は、拡大画像を1,600×1,153ドットで収録した。ハイスペックPCの画面を体験してほしい


(C)2004 CYBERFRONT Corporation All rights reserved.
(C)2004 ARTDINK. All Rights Reserved.

□サイバーフロントのホームページ
http://www.cyberfront.co.jp
□アートディンクのホームページ
http://www.artdink.co.jp/
□「A列車で行こう7」公式ページ
http://www.a-7.jp/

(2004年11月19日)

[Reported by 勝田哲也]


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