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フロム・ソフトウェア、PS2「アーマード・コア ネクサス」
全国の頂点を決める「BATTLE ARENA」決勝大会開催

10月24日 開催

会場:フロム・ソフトウェア 1Fイベントスペース

会場には選手のほか、観戦者も多数詰め掛けた
 株式会社フロム・ソフトウェアは、プレイステーション 2用3D戦闘メカアクション「アーマード・コア ネクサス」の全国大会「BATTLE ARENA CHAMPIONSHIP TOURNAMENT 2004」を、同社1階イベントスペースにて10月24日に開催した。

 この大会に出場したのは、これまで全国各地で「Vol.1」から「Vol.3」まで行なわれてきた「BATTLE ARENA」の上位入賞者たち32名。各大会で優秀な結果を収めたプレーヤーにはポイントが与えられており、その総獲得ポイントの上位から出場権を得られる、という形で参加者が集められている。

 決勝大会となる「BATTLE ARENA CHAMPIONSHIP TOURNAMENT 2004」は、1対1のトーナメント戦で進行。異なるパーツで組まれた3体の機体(FCSやブースタ、オプショナルパーツなど一部は併用可)で3戦を行ない、うち2本を先取したほうが勝ちとなる。試合時間は3分、準決勝以降は5分。ただし、1度使用した機体は勝敗に関わらずその対戦では再使用できないため、機体の使用順や相手の機体との相性が勝敗を大きく左右するレギュレーションとなっている。

 大会出場者の機体を見ると、脚部パーツはホバーが最も多く、次に2脚という人気。FCSは空中戦を意識してか、縦長のものを使用するプレーヤーが多かった。武装では、連射力の高いマシンガンと、一撃に優れるリニアガン、遠距離用の多弾頭ミサイルに人気が集中していた。

こちらが試合のレギュレーション。参加できなかった人もこれを見て一度試してみて欲しい。異なるパーツを使い、3つの機体をセッティングし、その全てを使いこなすという難しさがわかるはずだ


対戦で使われた筐体。周囲の視線に動じない精神的な強さも要求される
 試合のほうは、特に1回戦では一方的な展開が多く、プレーヤーのレベルの格差が非常に大きいと感じた。この差の原因は、プレーヤー相手の対戦に慣れているかどうかだろう。相手のムダ撃ちを誘うフェイントや、相手の武装を確認したうえで得意な距離で戦わない、残り時間とAPを確認した上での戦略など、「人間相手に戦っている」という意識を持てるかどうかが、結果に大きく響いていた。

 武装面で人気だったマシンガンと多弾頭ミサイルも、それに頼った戦法を破られる様子が多く見受けられた。マシンガンで頭上を取り、一気呵成に敵を葬るという戦法は、確かに見ていて派手で、型にはまれば非常に強い。しかし対戦慣れしているプレーヤー相手には、得意距離の近距離射撃戦を嫌って下がられ、無理に攻めたところで手痛いカウンターを受けてしまう。先述のフェイントや、残り時間を考慮した戦略も含め、逃げる相手をどう捕まえるかも考えなくてはならないだろう。またミサイルも誘導性は高いが、射出のタイミングさえ見えていれば軌道や着弾する時間はおよそ予想がつくので、たとえ弾道が画面外にあっても上級者は難なく回避してしまう。

 マシンガンやミサイルは、ある程度狙いが甘くても、相手との相対位置さえ合えば命中させられる。しかしより確実に当てるには、リニアガンやレーザーキャノンなどの単発系武器が確実に当てられるような、ターゲットの正確さが欲しい。たとえマシンガン同士の戦いだったとしても、撃ち合いになった時のダメージ差は如実に現れてくる。技術的な差としては、この点が一番目立っていた。

 アーケードゲームのように常に対戦相手がいる状況ではないだけに、自宅でCPU相手に練習を繰り返さざるを得ないというプレーヤーも多かっただろう。しかし勝負は勝負であり、その差はいかんともしがたい。今回の大会の経験を生かし、次は「対人戦」であることを意識した戦いを期待したい。

トーナメント表はこちら。完全にランダムに抽選されており、1回戦から札幌勢が当たるという、ある意味不運な組み合わせもあった
 その中で、1回戦から見事な戦いを見せてくれたプレーヤーもいた。2脚でオーバードブーストを多用して相手を翻弄したかと思うと、ホバーでムダのない紙一重の回避を見せ、操縦技術の高さを見せつけた犀川さん。同じく1回戦で非常に高い命中率を見せたJ.I.さんと当たった2回戦では、障害物の多いSTRUCTUREでオーバードブーストの力が発揮できなかったが、ホバーでのフェイントのうまさでJ.I.さんを僅かに上回り、息詰まる試合を勝ち取った。

 さいたま大会から出場のヘップチンさんは、今大会で最も試合慣れしている印象が持たれた。同じくさいたま大会から勝ち上がったRN-c/sさんとの3回戦では、互いに相手を声で罵倒しあって会場を笑わせたが、試合では僅かなミスが出るまで攻めないという徹底した我慢強さを見せた。また撃ち合いで優位に立つと、途端に大きく距離を取って完全に逃げに回るというスタイルも、誰よりも勝負に徹するという姿勢を如実に表している。ともすれば退屈に見える試合だが、障害物をはさんだ相手に対するフェイントと牽制の応酬は、今大会で最も「勝負」と呼ぶにふさわしい試合だった。

 札幌大会から勝ち上がったとむとむさんは、どんな状況でも相手をロックオンサイトから外さない微調整が見事。2回戦ではマシンガンを装備した相手が有利なマップであるにも関わらず、上下のエリアをうまく使い分けてリニアガンで的確に反撃。射撃だけでなく、試合運びのうまさも感じられた。3回戦では、同じく射撃能力の高さが光る来人さんと壮絶な撃ち合いとなり、1本は取られてしまうものの、CREST BASEの塔の上から来人さんの頭を抑えて2本目を奪取。3本目では持ち前のロックオンのうまさで優位に立ち、追いすがる来人さんを振り切って見事勝利した。

 そして激戦の東京地区を無敗で勝ち上がったという満月(みつき)さん。自分の武装にあわせた距離を保つことがうまく、決して相手にペースを握らせない。リニアガンを装備すると、相手のスキをついたカウンターでダメージを稼ぐが、あと1撃で倒せるという状況でも決して攻めには転じず、タイムアップを待つという徹底ぶり。また相手の動きを読むことも非常にうまく、2回戦のSTRUCTUREで下の階層から上がってくる相手に、リニアガンなどの武装を一気に撃ち込むなど、瞬間的な判断の早さもトップクラス。終始落ち着いた試合運びで相手を圧倒していた。

瞬間的な攻撃力が魅力のマシンガン。人気の高い武器だったが、いかにしてマシンガンを当てられる状況に持ち込むかが勝負の分かれ目となっていた


 準決勝に勝ち残ったのはその4人。組み合わせは犀川さん対ヘップチンさん、とむとむさん対満月さんとなった。準決勝の舞台は、障害物もなく狭いTRAINING SPACE。障害物を使ったフェイントや駆け引きが見られないマップでの戦いは、やはり決着必至の撃ち合いとなった。

 犀川さん対ヘップチンさんの戦いでは、これまでどおり1番手に2脚でオーバードブーストを使う機体を持ってきた犀川さんに対し、うまく距離を開けてリニアガンで攻めたヘップチンさんが1本先取。実は犀川さんのオーバードブーストは1戦目以降はあまり冴えた動きができていなかったが、ここもうまく狙いが付けられなかったという格好だ。2本目はマシンガンの撃ち合いとなったが、これはヘップチンさんの頭を押さえた犀川さんがヘップチンさんを翻弄。1対1となった3戦目はヘップチンさんがマシンガン、犀川さんがリニアガンという装備。狭くて障害物のないTRAINING SPACEではマシンガンが有利だったか、ヘップチンさんの攻撃に犀川さんが対応しきれず、ヘップチンさんが2対1で勝利となった。

 続いて、とむとむさん対満月さんの試合は、悩んだ末に1戦目に両腕マシンガンの機体を持ち出した満月さん。オービットキャノンとの組み合わせで多角的に攻めようとするも、障害物がないせいかオービットキャノンが今ひとつ有効に働かず、逆にとむとむさんの反撃に押されてしまう。残りAPが200近くまで削られ、とむとむさんの勝利かと思われたところで、満月さんが上空からの突撃でマシンガンによる一気の攻め。これで1,000以上のAPを瞬間的に奪い去り、見事な逆転勝利を決めた。これで勢いに乗るかと思われた満月さんだが、2戦目はとむとむさんのマシンガンを嫌がる満月さんが痛恨のエネルギー切れ。逃さず突っ込んだとむとむさんが1本を取り返した。そして注目の3本目、今度はとむとむさんが何と1試合で2度のエネルギー切れを起こすミス。その間に満月さんが落ち着いてダメージを稼ぎ、そのまま試合が決まってしまった。

 ヘップチンさん対満月さんの決勝は、マップが1戦ごとに変わるという特別なレギュレーション。まず1戦目は、1回戦と同じMILITARY DISTRICT。マシンガンを装備したヘップチンさんだが、スナイパーライフルを撃ちながら距離を取る満月さんを捕らえきれず、そのまま満月さんが勝利。ヘップチンさんは1度エネルギー切れしてしまったが、そこで無理に攻めずに削りに徹する満月さんは憎いまでの試合巧者といえる。

 2戦目は初めての使用となるARENA。TRAINING SPACEと似た狭い空間での戦いとなる。ここで満月さんが、多弾頭ミサイルを意図的に横方向に射出し、ひとりで十字砲火を作るというテクニックを見せる。しかしヘップチンさんもそのほとんどを回避し、リニアガンの有効距離まで接近。撃ち合いで優位に立ったヘップチンさんは距離を取り、それに追いすがる満月さんを迎撃。さらに差を広げて2本目を取り返した。

 最後の試合となる3戦目は、2回戦で使用されたSTRUCTURE。障害物が多く遠距離射撃に適さないマップということで、互いにマシンガンを装備した近距離戦用の機体を持ち出した。試合はタンクタイプのヘップチンさんが満月さんを追いかける展開となったが、2分半が経過した時点でついにマシンガンの撃ち合いが発生。ここで満月さんが約1,500APリードし、すぐさま後ろ方向への逃げを開始。残り1分の時点でヘップチンさんが追いついて再度撃ち合いとなったが、慌てずカウンターを決めた満月さんがヘップチンさんを撃破、優勝を決めた。

 優勝した満月さんにはトロフィーが、2位のヘップチンさんには盾が贈られたほか、4位までの選手には大会専用のウインドブレーカーがプレゼントされた。

 新作の「アーマード・コア ナインブレイカー」がまもなく発売となることから、「アーマード・コア ネクサス」による大会はこれで終了となる。しかしイベントに関しては来月からも継続して実施予定で、「Ravens' Meeting Vol.3」も近日に開催したいという。「フロム・ソフトウェアから、開発陣の中でも最強の“刺客”を出したい。今回の満月さんやヘップチンさんとのエキシビジョンマッチも組んでみたい」という話も出ているので、こちらも是非期待していただきたい。

決勝戦1戦目のMILITARY DISTRICT。有利な状況に立っても決して無理な攻めをしない満月さん 最終の3戦目となったSTRUCTURE。互いに自分のチャンスを見定めるため、正面からのぶつかり合いを極力避け、試合は数分間膠着する 左から、ヘップチンさん、満月さん、とむとむさん、犀川さん。入賞した4人にはウインドブレーカーなどの賞品が贈られた


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□フロム・ソフトウェアのホームページ
http://www.fromsoftware.co.jp/
□「ARMORED CORE」シリーズのページ
http://www.armoredcore.net/
□大会情報「ARMORED CORE -RAVENS' Central Office-」のページ
http://www.armoredcore.net/rco/
□関連情報
【8月23日】フロム・ソフトウェア、PS2「アーマード・コア ネクサス」
「バトルアリーナVol.2」結果発表、次回大会のエントリー受付開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040823/acba.htm
【4月8日】PS2 ゲームレビュー「アーマード・コア ネクサス」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040408/acn.htm

(2004年10月25日)

[Reported by 石田賀津男]


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