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World Cyber Games 2004現地レポート

World Cyber Games 2004がサンフランシスコにて開催
WCG史上初の海外大会は多目的ゲームイベントに成長

会期:10月6日~10日(現地時間)

会場:Bill Graham Civic Auditorium

 コンピュータゲームの世界大会World Cyber Games 2004が、米国サンフランシスコのBill Graham Civic Auditoriumを会場に、10月6日より開催されている。今年で第4回目となるWCG2004は、主催国である韓国以外で開催される初の大会で、競技種目8タイトル、賞金総額40万ドル、参加選手700名以上という過去最大規模で行なわれている。現在8日目までを終え、日本代表は「Unreal Tournament 2004」のHanbei選手が3勝1敗で予選リーグを勝ち抜き、唯一決勝トーナメントに駒を進めている。大会は10月10日まで実施される。


■ カンファレンス、メーカー出展、BYOCなど、ゲームの総合イベントに成長

今年のWCG会場となったBill Graham Civic Auditorium。地上4階、地下1階
正面に見えるのがCivic Center Plazaのメインステージ。奥に見える豪壮な建物が市庁舎。Bill Graham Civic Auditoriumは向かって左手になる
会場の模様。各競技種目ごとにブロック別に分けられ、次々に予選リーグが消化されている。奥のもっとも広いシマが「Counter-Strike: Condition Zero」のブロック。たびたび2階スタンドまで勝利の雄叫びが聞こえてくる
 World Cyber Gamesは、韓国SAMSUNGグループが主催となって年に1度開催されているコンピュータゲームの世界大会。第3回までは韓国内にて開催されていたが、4回目を迎えたWCG2004からは持ち回りとなり、今年は昨年の公約通り、カリフォルニア州サンフランシスコにて開催された。

 会場となったBill Graham Civic Auditoriumは、市庁舎や連邦ビル、公立図書館、オペラハウスなどが林立するCivic Centerエリアの一角にある多目的総合施設で、今回はBill Graham Civic AuditoriumをWCG会場として丸ごと借り切っただけでなく、Civic Centerエリアの中央に広がる市民広場Civic Center Plazaまでもイベント会場として使用している。

 ソウルオリンピックパークを会場として用いた昨年に比べると、敷地面積の点ではやや劣るものの、今回はなんといっても大都市の中心部での開催であり、賑やかさの点では比べものにならない。プレスカンファレンスでは主催者のICM(SAMSUNGの子会社)の会長が「WCG2004を皮切りに大きく成長していく」とコメントしたが、確かに普遍的なゲームイベントに大きく前進したという印象を受ける。

 さて、現在、WCG会場では各種目の予選リーグが実施されているところで、会場の各競技コーナーでは、息をつく暇もなく同時多発的に予選試合が消化されている。これまでWCGの前半は、TVカメラや来場者の姿はほとんど見られず、選手とプレスだけがいるという実に閑散としたものだったが、今年はずいぶん印象が異なっている。

 まず、大会会場の上のフロアにBYOCが設けられた。BYOCとは、Bring Your Own Computerの略で、PCを持ち込んで来場者自らも試合を楽しむというもの。こうした大会ではBYOCが選手の練習場にもなっており、来場者からすれば、大会では遠くからしか見られない選手達のプレイ模様が間近で見られるだけでなく、休憩時間にはコミュニケーションが取れたり、ひょっとすると試合ができる可能性もあるなど大きなメリットがある。

 北米で開催されているFPSの世界大会CPLやQuakeConでは、BYOCは'90年代から実施されていたが、WCGは今回ホスト国をサンフランシスコに移したことで初めて実施された。ただ、用意された120台の席は初日の時点ですべて埋まってしまい、しかも利用の大半は選手たちだったなど、純粋なBYOCとは言い難い内容だが、ギャラリーの数も多く、ゲームイベントとしては大きな前進といえそうだ。

 また、今回はカンファレンス関連のイベントが充実していたのも見逃せない。6日に開かれたWCG2004の概要を説明するプレスカンファレンスを皮切りに、7日にはBill Roper、David Jonesなど欧米ゲーム界のキーマンを集めた「WCG 2004 Game Conference」も開催された。さらに8日には公式スポンサーのNVIDIAの本社に世界のプレスを招待するメディアツアーも開催された。e-SPORTS限定イベントから総合イベントへの脱皮を計ろうとする強い意志が感じられる。

 トーナメントエリアの隣のホールと、Civic Center Plazaと名付けられた市民公園では、スポンサーメーカーやパートナーメーカーがブース出展を行なっている。出展規模はE3や東京ゲームショウといったものに比べるとまだまだ小規模だが、来場者層がWCGの選手達やBYOC参加者など新しいムーブメントの担い手が中心となっているだけあって、各社ともゲームデザイナー、プロデューサークラスの人材を投入するなど、新作ゲームのプロモーションに余念がない。ブース出展の内容については別稿にて詳しくお伝えする模様だ。

 そのほかにもCivic Center Plazaでは、広大な敷地を使ってプロバンドによるライブ演奏やブレイクダンスのショウ、BMXのプロライダーによるトリックショウなど、様々な催しが行なわれ、WCGを知らない市民をも巻き込んで大いに賑わっている。試合以外にも来場者が楽しめるイベントを数多く開催しているのは大いに評価できるところだ。

 さて、WCGの主役であるトーナメントももちろん盛り上がっている。引き続き日本選手の戦いぶりや、決勝トーナメントの模様も紹介していくので楽しみにして頂きたい。

【オープニングセレモニー】
6日は選手を集めてオープニングセレモニーが行なわれた。様々なマスゲームが立て続けに行なわれたのはやはりWCGの伝統と言うべきか。あいにく当日は強い風が吹き、選手達はずいぶん寒い思いをしたようだ

【Civic Center Plaza】
Civic Center Plazaで行なわれていたイベントの模様。WCG本戦の参観は有料(4日間通しで15ドル)だが、こちらはすべて無料ということもあって、多くの来場者に恵まれた

【メーカー出展】
メーカー出展はNVIDIA、CREATIVEなどのスポンサーのほか、Vivendi Universal GamesやUbi Softといった大手メーカーもブースを出展。中には「SWAT 4」といった一般初公開のタイトルも出展されていた

【BYOC】
BYOCコーナーで最終調整を行なう各国の選手達。上段の3カットは、ハンガリーのxDkと練習試合を行なう「Counter-Strike: Condition Zero」日本代表の4dimensioNの5人

□World Cyber Games 2004のホームページ
http://www.worldcybergames.com/
□World Cyber Games 2004日本公式サイトのホームページ
http://www.worldcybergames.jp/2004/

(2004年10月9日)

[Reported by 中村聖司]


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ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

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