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エヌ・シー・ジャパン運営サイド/日韓ヘッドGMインタビュー
運営・GMによせられるプレーヤーの要望と今後の対応

9月26日収録

会場:国際会議場

 非常に盛況だった東京ゲームショウのエヌ・シー・ジャパンブース。非常に忙しい合間を縫って、「リネージュII」の運営とGMにお話を伺った。

 お話をしていただいたのは、エヌ・シー・ジャパン事業推進部部長Domino Yoon氏、同じく事業推進部のリネージュIIビジネスチームチームマネージャーの越知雄一氏。GMインタビューでは、日本のヘッドGMを務める鴫野永衛氏と、韓国のリネージュIIヘッドGMである、Cyoi,Hyun Gu氏にお話をお聞きした。


■今後の「リネージュII」、エヌ・シー・ジャパンの展開
エヌ・シー・ジャパン事業推進部部長Domino Yoon氏
リネージュIIビジネスチームチームマネージャー越知雄一氏

編:今回のTGSの出展の感触をお聞かせください。

越知氏:非常に試遊台が盛況で、来場していただいた方のプレイ時間が少なくなってしまったのは大変申し訳なく思ってしまいますね。今回は、GMの意見も採り入れて、さまざまなアイディアを盛り込んでブースを作りました。その点でも評価をしていただいたようです。

 出展内容自体は、来場者に満足してもらえるものを目指していましたし、それが実現できたという感触はつかんでいました。この人気は、僕たちとして大きな自信につながりますね。先行サーバーへの抽選の申し込みも非常に盛況です。

Domino氏:福岡や大阪と連動したイベントもうまくいきましたね。「クロニクル2」の大きなテーマとして、“リネージュIIは戦いだけじゃない”というものがありますが、モンスターレースなど、ユニークなポイントを効果的に紹介できたと思っています。

編:先月から攻城戦も実装されましたが、日本と韓国のプレーヤーでの攻城戦への取り組み方の違い、といったものはあったでしょうか?

Domino氏:まだ日本の方が、攻城戦に参加するプレーヤーは少ないのですが、非常に戦略的に動いている姿が印象的でしたね。事前にデータを調べ上げて、作戦を練り上げて戦っている。城を落とす時間も韓国の時とは段違いでした。台湾をはじめとした他の国のプレーヤーと比べても質が高いと思います。世界各国の代表が50対50といった形式で対人戦をやれば、日本のギルドはかなり強いのではないでしょうか?

編:今後、日本オリジナルアイテムなど、日本独自のゲーム内での展開はありますか?

Domino氏:11月から韓国では、クロニクル3の開発がスタートします。私たち日本のスタッフは、その際に日本からのアイデアを多く取り上げられるように積極的に働きかけていきたいと思っています。私個人の考えなのですが、お城に「大阪城」そのままのものを取り入れたりしたら面白いと思いますね。

越知氏:テストサーバーではなく、「先行体験サーバー」というのも、オリジナルのサービスのひとつですね。ゲームのコンテンツという部分よりも、運営と言った部分などで日本独自のサービスを充実させていただきたいと思っています。公式ページとの連動企画なども考えていますよ。プログラム的な部分のみに頼らないサービスを充実させていきたいですね。

編:今後、ユーザーカンファレンスなどの予定はありますか?

Domino氏:クロニクル1の前に東京と大阪でカンファレンスを行ないましたが、11月に、大阪と福岡でカンファレンスの開催を予定しています。可能ならば、雪祭りの時期に札幌でイベントを行ないたいですね。こういった全国を回るイベントを毎年やっていきたいと考えています。

編:プレーヤー間のトラブルについてお聞きしたいと思います。最近、外国の方の狩り場の占拠問題などがプレーヤーの間で話題に上がっていたようですが。

越知氏:外国の方がプレイをしているという問題と、狩り場の占拠はそれぞれ別な問題だと捕らえています。外国から接続しゲームをプレイするのは規約でお断りをさせていただいています。基本的に接続することはできないはずです。IPブロックなど、技術的な対応は行なっています。技術的な部分での抜け道なども気をつけてはいますね。他には、日本国内から外国の方がプレイをしているのか? また、日本の方が外国の方を装っているのか? という問題もありますが、外国の方に限らず、つまるところプレイマナーに関してのトラブルだととらえています。

 マナーに関してトラブルが報告された場合、運営としては問題があれば根気よく働きかけていき、対応していく方針です。PKやプレイマナーに関しては、本作はPKはシステム的に可能ですし、それに対する反撃もできる。GMとともにできるだけ対応していきますが、プレーヤーの自主性も尊重していきたいと思います。

編:トラブルの理由のひとつとして、狩り場を独占して得た利益を現金で取り引きするような「RMT(リアルマネージトレード)」の問題がありますが、運営としての対応はどのように行なっていますか。

越知氏:現金取引のページをプレーヤーが立ち上げたというような事例もあり、こちらとして働きかけ、ご理解をいただくように努力しています。約款として禁じていますが、刑事的に取り締まるということはできません。我々は企業として約款を遵守していただけるように、積極的にコミュニケーションをとるようにしています。

編:月額利用料3,000円というこの価格の改定の予定はあるのでしょうか?

Domino氏:日本の市場を今後ともきちんと調査していきたいですね。支払方法は、多様な方法を選択できるようにしていく予定です。プレイ時間などで課金していくという方法もあると思います。発表には、もう少し時間をいただきたいですね。

編:「リネージュII」以外のタイトルは今回映像出展のみだったですが、エヌ・シージャパンでのサービス開始の予定はいつ頃になるでしょうか?

Domino氏:具体的な動きは2004年末を考えています。来年のゲームショウで詳細をお伝えしたいと思っています。

編:最後にプレーヤーへのメッセージをお願いします。

越知氏:もちろんこれからのアップデートの展開はありますが、僕の実感で、クロニクル2の実装により、「リネージュII」はある意味、「完成形になった」ととらえています。非常に幅広いプレーヤーに楽しんでいただけるゲームになると思います。現在プレイしている方には心待ちにしてもらいたいですし、これからプレーヤーにはもっともっとこの作品を遊んでもらいたいですね。僕たちは「日本で一番高いオンラインゲーム」をサービスしていますし、今後、世界の誰もやったことのないようなさまざまなことを企画していきたいと思っています。

Domino氏:オンラインゲームは、プレーヤーと共に作っていく作品です。プレーヤーひとつひとつの意見をできるだけ反映させていくように努力しますので、これからもどんどんご意見をお寄せいただきたいと思います。


■日本と韓国のGMによせられるプレーヤーの要望
日本のヘッドGMを務める鴫野永衛氏
韓国のリネージュIIヘッドGM、Cyoi,Hyun Gu氏

編:今回のTGSでのブース出展の感想をお聞かせください。

鴫野氏:今回一番感じたことは、「クロニクル2」へのプレーヤーの期待の高さです。試遊台へ並んでいただいた方、イベントに参加していただいた方の熱意も、自分たちの予想を上回るもので、非常にうれしかったです。

 今回の出展に関しては、ブースの企画段階からGMが積極的に働きかけ、イベント運営のほとんどもGMが担当しました。「モンスターレース」はクロニクル2から加わる要素ですが、韓国でこの人気が非常に高かった。日本のプレーヤーも楽しんでいただけると考え、イベントに採用したのですが、好評をいただけましたね。

Choi氏:イベントに参加するプレーヤーや、ノベルティーを得るために頑張る、という姿勢に、韓国と同じような熱意を感じました。ファンの姿勢には共通したものがあるなあと、思いましたね。

編:韓国では先行してクロニクル2が実施されましたが、それに関して増えたGMコールはありますか?

Choi氏:やはりゲームルールや新アイテムなど、変更点に関する質問が多くなりました。城主が設定できるクエスト、狩り場や新しい場所のこと、さまざまな質問が寄せられています。アップデートする前はGMコールは1サーバーにつき200~250ほどだったのですが、アップデート直後は2倍になりましたね。

 クロニクル2が導入されてから、新しい髪型が導入されたのですが、プレーヤーから「自分のキャラクタの髪型を変更したい」という要望を多くいただいてますね。髪型を変えるアイテムや、イベントの提案が多く寄せられています。

編:日本のGMコールに関して多い問題はどんなものでしょうか? プレーヤー間でのトラブルといったものは相談されることはありますか?

鴫野氏:キャラクタが動けなくなる、と言うのがやはり一番多い相談です。プレーヤー間のトラブルですが、本作はPvPやPKが可能なシステムになっていますので、そういったところで寄せられる相談もありますね。PKに関しては、ゲームの世界観も考慮に入れて、プレーヤー同士の間で解決して欲しいというのが基本方針です。仲介をするということはあまりないですね。GMというのは、プレーヤーの中に入っていくのではなく、裏からプレーヤーを支えていく存在だと、私たちはとらえています。

 一部のプレーヤーによる狩り場の占拠なども報告されますが、できるだけプレーヤー同士で解決していただきたいと思っています。状況的に難しい場合は、GMが介入する場合もあります。以前にあったものは、初心者の多い街の入り口を、PKがふさいでしまい住人が街から出られなくなってしまったことがありました。ケースバイケースですが、そのPKに対してお話をさせていただいて行為をやめてもらうように対応したこともありました。

 また、プレーヤー間の商取引に関するトラブルですが、これに関しては、基本的にプレーヤーの注意を促す、という対応をとっていますね。あまり介入してしまうと、ゲームの世界観が損なわれます。慎重な取引をしてもらいたいと考えています。

 厳密にいうと、商取引問題ではないのですが、多くのプレーヤーが集まるギラン城の街で個人商店が通路近くに密集して、他のプレーヤーの通行の邪魔になっている、という相談が最近は多いですね。「個人商店を開くエリアを限定してはどうか?」という提案をいただいております。こちらでもこの問題は考えて、運営や開発側には提案しています。

編:次に、韓国の状況についてお聞きしたいのですが、日本では、外国から接続していると疑われるプレーヤーの存在があり、日本のプレーヤーから報告されている状況があります。韓国ではこのような問題はありますか?

Choi氏:韓国でもそのような状況は多くのユーザーから報告されています。日本と同じように、韓国の約款でも、外国のPCから国内のサービスを利用していただくことはお断りさせていただいているので、そういった報告のあったプレーヤーのアカウントに関して、IPや、チャット記録、そういったログを調べて対応をしています。

 また、日本と同じようにRMTや、詐欺の問題も発生しています。特にRMTに関しては、社会問題として指摘されています。GMとして健全かつ明るいゲーム文化作っていくためには、これを撲滅していかなくてはいけない問題としてとらえています。チャットウインドウなど、ログを参照し、ゲーム内でも気をつけています。しかし、とてもデリケートな問題ですので、慎重な対応を心がけています。

編:現在、日本ではちょっとラグの問題が多く発生しているのですが、韓国ではどうでしょうか?

Choi氏:クロニクル2導入時には非常に不安定になってしまいましたが、それ以降修正を重ね、安定してます。かなり改善されて、それに関する相談は1日に1サーバー当たり、3~4件ほどの報告になりました。

編:Choiさんから見て、日本と韓国のプレイスタイルの違いといったものはどのようなものがあるでしょうか?

Choi氏:韓国のプレーヤーはPvPをスポーツ感覚で楽しみ、レベルアップも非常に積極的に行なっています。もちろん、日本のプレーヤーにもそういった方もいらっしゃいますが、全体的な感触としては、パーティーを組んでみんなで一緒に冒険を楽しむ、といったことを好むプレーヤーが多いように感じます。

編:韓国のユーザーから寄せられる提案で代表的なものを教えてください。


Choi氏:友達が他のサーバーにいるから引っ越しをさせて欲しいという要望がありますね。他には、クエストに関する要望も多いです。難易度を下げて欲しいとか、ヘルプをいつでも参照できるようにして欲しいといった意見が寄せられていますね。

編:最後に、ユーザーへのメッセージをお願いします。

Choi氏:「リネージュII」は多くのプレーヤーに楽しんでいただけるように作られたゲームです。現実と同じように、政治や経済のシステムも盛り込まれています。GMはいつもみなさんのそばにいて、ゲームを見守っているので、これからもどんどん意見をお寄せください。その意見を開発や運営に反映して、もっともっと良いゲームを作っていけるように努力したいと思っています。

 「リネージュII」はゲーム文化というものを引っ張っていく、リーダー的存在のゲームのひとつだと私たちはとらえています。これからもどんどん進化していきますので、今後の展開に機体をしてください。

鴫野氏:クロニクル2が導入された「リネージュII」は、今までよりもより多様なアプローチでゲームを楽しむことが可能になります。よりユニークな体験ができるようになりますので、ぜひクロニクル2にご期待ください。

□エヌ・シー・ジャパンのホームページ
http://game.watch.impress.co.jp/
□「リネージュ II」のページ
http://www.lineage2.jp/
□関連情報
【9月25日】TGS2004ブースレポート~エヌ・シー・ジャパン編~
今年も「リネージュII」一色、多くのファンが期待を寄せる
大規模アップデート「クロニクル2」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040925/ncs.htm
【9月26日】NCsoft CEO キム・テクジン氏特別インタビュー
韓国最大手NCsoftの世界戦略と日本展開の今後を聞く
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040926/nckim.htm
【9月27日】「リネージュ2」開発者/イラストレーターインタビュー
「クロニクル2」その来るべき世界とは?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040927/nci1.htm

(2004年9月28日)

[Reported by 勝田哲也]


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