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ソニー、「エバークエスト日本語版」の運営をガマニアに移管
継続プレイにはアカウント再登録が必要

6月8日発表



 ソニー株式会社は、So-netを窓口にソニーコミュニケーションネットワーク株式会社と共同運営しているMMORPG「エバークエスト日本語版」のサービスを、ガマニア・デジタル・エンターテインメントに移管すると発表した。ソニーグループによる運営は8月31日をもって終了となる。新しい利用料金については未定とし、新運営体制による再スタート期日は9月1日を予定している。

 「EverQuest」は、米Sony Online Entertainmentが開発運営を手がけるMMORPG。ユーザーの注目は同社の最新作「EverQuest 2」に移っているが、北米ではまだまだトップの座を維持し続けている。

 「EverQuest」で特徴的なのは世界の各エリアごとにパブリッシャーが異なるというところ。Sony Online Entertainmentが運営しているのは北米方面のみで、ヨーロッパ方面はUbiSoftが行なっており、アジア方面は台湾のガマニア・デジタル・エンターテインメントが担当している。日本だけが例外的にソニーグループ繋がりでSo-netが運営していた。

 So-netの運営は、長期に渡るISP事業で培ってきたノウハウを活かした濃密なユーザーサポートに定評があり、今後ユーザーサポートがガマニアに移管することにより、どう変化するのかも現役ユーザーとしては気になるところだろう。ちなみに韓国では一時NC Softが運営を担当したがすぐ撤退し、日本と同様にガマニア・デジタル・エンターテインメントへの移管を実施している。今回の発表により、名実ともにアジア方面はすべてガマニアによって運営されることになる。

 こうしたガマニアの強気の決断の背景には、すでにアジア全域に張り巡らされている豊富なインフラをフルに活用するための布石のひとつであると同時に、将来的には「EverQuest 2」のアジア展開も行ないたいという含みもあるものと見られる。ただし、日本の場合、今年のE3でスクウェア・エニックスが日本での取り扱いを正式発表しており、他地域に比べ、難しいビジネスになるのは間違いない。

 中でもネックとなりそうなのが、So-netとガマニアでは顧客管理システムが異なるため、新規、現役にかかわらず、全員が新規アカウント登録をしなくてはならないところだろう。キャラクタデータについては原則すべて引き継げるとしているが、アカウント登録後に「ゲームデータの引き継ぎ」という珍しい手続きを行なう必要がある。

 開発元であるSony Online Entertainmentは、今回の発表に際し、新体制でのアカウント登録者全員に30日間の無料サービスを実施するほか、9月1日の新体制以降も、最新拡張セットの「Gates of Discord」の日本語版をリリースし、次いで北米で今夏に発売が予定されている次期拡張セット「Omens of War」を年内に発売する方針であることを明らかにしている。今後の展開が注目されるところだ。

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□So-netのページ
http://www.so-net.ne.jp/
□ガマニア・デジタル・エンターテインメントのページ
http://www.gamania.co.jp/
□関連情報
【5月11日】スクウェア・エニックス、「Ever Quest II」の日本での取り扱いを正式発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040511/eq2.htm
【3月17日】SOE、「EverQuest」5周年記念イベントを実施
R.A Salvatoreプロデュースの小説も刊行
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040317/soe.htm

(2004年6月8日)

[Reported by 中村聖司]


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