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★Xboxゲームレビュー★

世界一の人気を誇るFPSがXboxに登場!
「Counter-Strike」

  • ジャンル:3Dアクションシューティング
  • 発売元:マイクロソフト株式会社
  • 価格:5,040円
  • プラットフォーム:Xbox
  • 発売日:発売中(3月25日)

■ 昔は苦手だったあのゲーム、Xbox版はいかに?

 「Counter-Strike」は世界中で1番遊ばれているオンラインFPSだそうだが、実は個人的に昔プレイした時にはイマイチ好きになれなかった。ゲームスタートしてさぁ頑張るぞ、とはりきって突入した瞬間、頭に1発くらって即終了。チームの決着がつくまで外野で延々とゲーム観戦の後、やっと次ラウンドになるがまたまた開始1分以内で終了。何度やってもこの繰り返しで、まったくゲームを楽しめなかったからだ(よーするにヘタクソだった)。

 FPS(First Parson Shooting)は大好きなジャンルだったが、どちらかと言えば「Quake」や「Unreal」のような“走りまくって撃ちまくる”大ざっぱなスタイルのスポーツ系シューティングが肌に合っていたらしい。弾丸1発が致命傷のリアル系シューティングは、当初ストレスのたまるゲームでしかなかったのだ。ロケットランチャーをガンガン撃ちまくれば、多少狙いが雑でも相手を倒せるスポーツ系シューティングと違い、精密なエイム(照準操作)や戦略を要求される「Counter-Strike」は、ちょっと初心者には敷居が高いゲームだなぁ、と敬遠していたわけだ。そんな理由から同じ「Half-Life」のMODでも、筆者の場合は「TeamFortressClassic」の方にハマり、日本で運営されている快適なサーバーを見つけた後は、そらぁもうサルのように遊び続けたのである。

 そんな“ひとくち食べて、これ嫌ーい”状態な「Counter-Strike」だったが、実はつい最近、PCで新作「Counter-Strike: Condition Zero」が出たこともあり、ほんじゃいっちょ再チャレンジしてみるか、と始めてみたらアラ大変。気が付けば大ハマりしてしまった。やっぱり「Counter-Strike」って面白いジャン! と180度考えが変わり、そうなると当然、Xbox版の「Counter-Strike」にも興味津々。ぜひ遊んでみたくなり、今回レビューを担当することになった。



■ ひたすらストイックなシングルプレイ

 超有名ゲームなのでご存じの方も多いと思うが、「Counter-Strike」とは特殊部隊チームとテロリストチームに分かれて、爆弾の設置や解除、人質救出等を行なうマルチプレイ主体のゲーム。世界中に無数のサーバーが立ち、インターネットで遊ぶPCゲームとしては最大級のユーザー数を誇り、また何年も改良やバージョンアップを繰り返して遊ばれてきたモンスターゲームである。

 このXbox版「Counter-Strike」のゲームモードは2つ。Bot(コンピュータが操作するキャラ)たちと戦うシングルプレイと、Xbox Liveに接続して遊ぶマルチプレイだ。実際には、シングルプレイもマルチプレイも同じマップやルールで、キャラを動かしているのがコンピュータか他の人間かだけが違うため、実質ゲームモードは1つといっていい。

 シングルプレイは当初、“さすがにコンシューマーへの移植作なのだから、何かしらの要素が追加されているかな?”なんて勝手に想像していた。例えば、教官に怒鳴られながらのチュートリアルとか、簡単なシングルプレイキャンペーンだとか。株式会社ナムコが運営するインターネットゲームスペース「LED ZONE」の「カウンターストライクネオ」では教官の訓練モードがあったし、PC版の新作「Counter-Strike: Condition Zero」には、Botとマルチプレイをしながら特定の条件(ピストルで敵を倒せなど)をクリアしてマップを進めていく「Tour of Duty」というモードが追加されている。“Xbox版もそんな感じ?”などと想像していたのだ。

 ところが遊んでみると、そんな気の利いた追加モードは一切なく、ひたすらストイックにBot相手に戦うのみ。チュートリアルマップもあるにはあるが、敵の出ないマップで爆弾解除や人質救出をするだけの素っ気ないもの。シングルプレイでは何マップクリアしようがずっとその繰り返しで、ストーリーもなければ当然エンディングもなく、要するにマルチプレイとまったく同じ。シングルプレイも何もない、マルチプレイ専用だったPC版の「Counter-Strike1.6」にBot機能を付けたものといえよう。まさにストロングスタイルかつ、男の直球勝負。これがXbox版「Counter-Strike」というわけだ。

【スクリーンショット】
Botの難易度は4段階から選べる。難易度が高くなると頭がよくなる、というわけではなく、狙いや攻撃が正確で素早くなるだけのようだ マップがスタートするとまず買い物。初心者はまずここで何を買っていいかわからずあわてやすいが、メニューは系列ごとに分けられており、かなりわかりやすくなっている 例えば買い物メニューでライフルの項目を選択すると、ライフル一覧と性能が画面に表示される。まぁゆっくり見ている時間はないのだが
マップはXbox Liveから新たにダウンロードできるものもある。PC版でおなじみの有名マップから、Xbox版専用のマップまで全部で20種類ある 基本となるゲームシステムはPC版の「Counter-Strike1.6」が元になっているようだ。特殊部隊チームは攻撃をはじく盾を購入できる パッドの十字ボタンを押せば、各種ラジオコマンド(無線命令)を出せる。無線で援護を頼んでも、聞いてくれるかどうかはBotの性格次第のようだ
PC版にはなかった各種モデルが登場。日本ステージ(地下鉄マップなど)では、機動隊が! ちなみにテロリストはハゲに黄色いサングラスのアクニン ハゲに黄色いサングラス、赤い革ジャン着て延髄にタトゥーの入ったアクニン怖い! ヤ○ザ? 過○派? まぁ日本人には見えないか Botは手持ちライフルの弾が切れると、ちゃんとピストルへ持ち替えて撃ってくる。この後、物陰に隠れて余裕ができればライフルをリロードする。なかなか人間っぽい!



■ はたしてBotの思考は? PC版との違いは?

 そうなると気になるのはBotたちの動きだ。“いかにBotたちが人間くさく動くか、どんな行動をしてくるか”がシングルプレイ最大のポイントになる。はっきりいってBotを強くしようと思えば、いくらでも強くできるが、それではまったく面白みに欠けるゲームになってしまう。いかに“人間が操作しているように見せかけるか”が、キモになってくる。

 しばらくシングルプレイを遊びこんで、Botの動作を観察してみると、なかなかそれっぽく動き、「おお!」と関心するシーンも多かった。例えば敵が近くに居そうなポイントではちゃんと歩いて足音を消すし、音がしたらその方向を警戒する。銃撃戦が始まると、急いで援護に走ったり、回り込んで挟み撃ちしようとする。弾が切れれば武器を持ち替えたり、いったん引いて物陰でリロードしたりもする。爆弾の設置や解除、人質救出といった基本的な行動もしっかりこなし、ただ突っ込んでくるだけでなく、ちゃんと物陰や壁際、暗がりで待ち伏せしたりもする。落ちているC4爆弾の周囲や人質救出ポイントに先回りして待ち伏せをしたりと、なかなか人間くさい動きをみせ、最初からこちらの場所がわかっていたようなウソくさい行動は見られなかった。

 しかし長時間遊んでいると、「何やってんの!」とマイクに怒鳴りたくなるシーンもたまにあるのはご愛敬。例えばテロリストチームなら、目の前に爆破ポイントがあるのに爆弾を設置せずウロウロしたり、わざわざ遠くにある(危険な)別の爆破ポイントへ向かったり。爆弾を設置しても、そこを守らずフラフラ歩き回ってみたり。特殊部隊チームだと、敵を全滅後、全速力で爆弾まで走れば解除に間に合うのに、物陰に隠れて待ち伏せしたあげく、結局爆破されたり。また、最後の1人になってるのに全然見当違いな場所で延々と待ち伏せしたり。このパターン、“初心者にありがちなミスじゃん”というならそういった意味ではかなり人間くさい動きではある。

 地形にひっかかって変な方向に延々と走ったり、壁に向かってじっとしたり、お茶目な動作も極々たまにみせたりはするが、トータルで見るとなかなか優秀なBotといえるだろう。しばらく遊んでみた感想は、どうも先を読んだ長期的な思考は苦手だが、その場その場での思考はかなりいいと感じた。詳しいアルゴリズムまではわからないのでこれはあくまで筆者の感想だが、Botの性能といえばPC版「Counter-Strike: Condition Zero」に搭載されたBotは学習機能まであり評判がいいが、Xbox版のBotはそこから若干ダウンサイジング(?)したくらいの実力に感じた。

 ちなみにグラフィックスはPC版にはなかったモデルが多数用意され、画面解像度こそPC版に負けているものの、ポリゴンの細かさやモデルのバリエーションでは勝っている。日本の機動隊や人質の女性職員、スーツをきた部長っぽいおじさんなど、PC版では見かけなかったモデルが多数登場する。またPC版にはなかった新マップもいくつか入っているが、代わりといってはなんだが特殊部隊チームがVIPを指定ポイントまで護衛するAS系のマップが入っていない。もしかしたら今後、Xbox Liveで追加マップとしてダウンロードできるようになるかもしれないが、初期状態では爆弾の設置、解除マップと人質救出マップだけである。まぁVIP護衛マップはPC版でもあまり人気がなかったので、そんなに問題ではないだろう。

 細かいゲームバランス(武器の集弾率や威力など)もPC版とは若干違っているようで、命中判定が大きいのか弾丸1発の威力が高いのか、PC版よりも相手を倒しやすい印象。これはコンシューマ向け移植ということで、いい判断だと思う。最大の違いは操作で、「HALO」でお馴染みの、左アナログスティックで前進後退、左右平行移動の下半身操作。右アナログスティックで照準と左右旋回の、上半身操作となる。さすがにマウスとキーボードで遊ぶPC版に慣れていると、パッド操作はかなり動きが制約されるが、このあたりは慣れの問題もある。Xbox版はみな同じ条件で遊んでいるわけで、最初からパッド操作に慣れてしまえば、それなりに自在に動けるようになる。これは3D系ゲームをパッドで遊ぶにはベストな操作方法だ。

【スクリーンショット】
着弾したポイントによりダメージが変わるシステムはPC版と同様。ライフル系なら頭に当たればほぼ即死。Xbox版は弾が当たりやすいのか威力が高いのか、敵を倒しやすい マルチプレイではわりと定番なポイントで待ち伏せしたりするBot。かなり小賢しいというか、ナマイキな行動をしてくる。逆におバカな失敗も多いが テロリストが落としたC4爆弾を見つけ、待ち伏せする味方Bot。が、壁の方を見て待ち伏せしてちゃダメじゃん! たまにこんなほほえましいシーンも
Botはインチキくさい行動(こちらの位置をあらかじめ知っているなど)をあまり見せないところがいい。敵の裏をかいて背後から強襲したりもできる 敵に倒されると、他のメンバー視点でゲームを観戦できる。シングルプレイならBotの視点で観戦していると、初心者なら勉強になったりするシーンもある。視点は主観視点、3人称視点など何パターンかが選べるので、見やすい画面でチェックできる
ちゃんと爆弾の解除や人質の救出もこなすBot。爆弾解除の時間がギリギリになると、解除をあきらめて逃げたりもする。ちょっとナマイキだ 光と陰の表現などグラフィックはなかなか美しい。銃を撃てば周囲に弾痕が残り、敵に当たれば血が周囲にとび散り、壁にこびりつく。そこで激しい戦闘があったことがわかる スナイパーライフルの性能など、一部PC版とはだいぶ異なる武器もある。PC版では集弾率のよかった強力な銃が、Xbox版ではかなり弾がバラけるようになり、扱いづらくなっていたりする



■ 肝心のマルチプレイはどうなっているのか?

 Botとのシングルプレイは、あくまで練習モード。本作の醍醐味というか、メインディッシュはやはりマルチプレイだ。Xbox Liveで最大16人まで参加できるマルチプレイは、PC版と同様、自分でプレイしながらサーバー役になることも、またサーバー専用(dedicatedサーバー)としても運用できる。マルチプレイのレスポンスはひとえに自分が参加するサーバー次第であり、どのサーバーで遊ぶかが快適に遊べるかどうかの分かれ目となる。日本で太い回線を持ち、ボランティア精神あふれる人がサーバー専用として開放してくれて、それを見つけることができれば、まったくストレスなくゲームを楽しめる。反面、海外にある細い回線の、サーバー兼プレーヤーみたいなところに入ってしまうと一方的に殺されるばかりでほとんどゲームにならず、最悪の場合はエラーメッセージと共に叩き出されてしまう。

 このレビューを書いている現在、日本人プレーヤー数は少な目で、ボイスチャットもほとんど英語ばかり(まぁこれは「Xboxワールドコレクション」として海外ゲームをローカライズせず安く販売しているため、あたり前でもある)。しかし夜になるとサーバー名の最後に“JP”が付いていたり、日本人っぽい名前のサーバーもポチポチ見かけるようになるので、まずは根気よく快適なサーバー探しからスタートとなる。PC版の場合、サーバーのLatency(サーバーまでの遅延時間)が数値で表示されてわかりやすかったが、Xbox版はLatencyがメーターのようなグラフィックになっていてわかりずらく、しかもこれがあまりアテにできないため、サーバー名などから推測して近場(日本にありそうな)を探すことになる。

 そんな快適な日本のサーバーが見つからない日などは“マイクロソフトサイドで、日本に1~2程度でいいからサーバーを立ち上げっぱなしにしておいてくれてもいいのになぁ”とか、思ってみたりした。まあ自分でサーバー兼プレイで立ち上げればいいのだが、プレーヤー数がそろうまで結構待たされるし、たとえ人数が集まってきても、自分の回線が細いとみんなすぐ嫌がって出ていってしまうので、このあたりは自分の環境次第となる。

【スクリーンショット】
Xbox Liveのマルチプレイでは快適そうなサーバーを自動検索するQuickMatch、自分でサーバーを検索するOptiMatch、そして自分がサーバーになるHost a Matchが選べる ホストになる場合は細かい設定も変更できる。ゲームタイプで人間対BOT戦があったり、登録した友人のみでのプレイも可能。Map Voting(次回マップを多数決で決める)もある 追加マップも無料でダウンロードできるのが嬉しい。今のところ、PC版でも人気のOffice MapとInferno Mapのふたつが用意されている。今後の新マップにも期待したい
自分でサーバーを検索する場合の画面。Qualityとは、PC版でいうところのLatency(Ping値)。ただしあまりアテにできないので、部屋名から日本っぽいサーバーが見つかればベスト マルチプレイと言っても、ゲーム内容はシングルプレイと同じ。違う点は、他のプレーヤーは人間が操作しているということ。だが、それが熱い。味方が死んで自分ひとりになると、“他の人に見られている”という緊張感がビンビン伝わってくる!


 はっきりいって、本作のマルチプレイが面白いのは折り紙付きだ。なにせ世界で1番人気があり、プレーヤー数が多い対戦ゲームという実績がそれを証明している。スピーディで緊張感あるゲーム展開は、1ラウンドが短いので気楽に始められて、いつでも終われるお手軽さ。ハマってくれば、ほんの息抜きで始めて気がつけば数時間プレイ、なんてこともザラになってくる。筆者もレビュー冒頭で「すぐ死んでしまうから嫌い」なんて書いていたが、そこを乗り越えてある程度遊べる(生き残れる)ようになると、俄然おもしろさがアップしてくる。

 ただし、それはあくまでXbox Liveでのマルチプレイ環境が前提での話。もし、Xbox Liveを持っていなくて、シングルプレイのみを目当てに本作を遊んでみようと思っている人には少々物足りないものが残るかもしれない。Botの動きはたしかによく出来ているのだが、なにせゲームモードはシンプルなものが1つだけなので飽きるのも早い。シングルはあくまで、マルチの練習用と割り切った方がいいだろう。

 興味があるんだけど、難しそうで……と敬遠している人は、シングルプレイで思う存分練習し、基本を叩き込んでからマルチプレイデビューをして欲しい。なにより値段もお手軽だし、英語がわからなくても全然問題なく遊べてしまう。PC版では上級者と初心者の差があまりに開きすぎて、初心者にはかなり敷居の高いゲームになってしまっているが、発売から日が浅いXbox版ならまだ追いつけそうな気がする(気のせい?)。気軽に“世界で1番人気のあるゲーム”を楽しめるのが、このXbox版のよさかもしれない。

(C) 2003 Valve Corporation. All rights reserved. Valve, the Valve logo, Counter-Strike and the Counter-Strike logo are trademarks or registered trademarks of Valve Corporation.
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□Xboxのホームページ
http://www.xbox.com/ja-jp/
□「Counter-Strike」のページ
http://www.xbox.com/ja-jp/games/counterstrike/default.htm
□関連記事
【1月15日】マイクロソフト、「Xbox ワールドコレクション」
「Counter-Strike」など3タイトルを3月25日に発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040115/xbox.htm

(2004年6月4日)

[Reported by 三須隆弘]


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