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★PS2ゲームレビュー★

大自然の中を魂と情熱のドリフトで駆け抜けろ!
「街道バトル2 CHAIN REACTION」

  • ジャンル:峠レースゲーム
  • 発売元:元気株式会社
  • 価格:7,140円
  • プラットフォーム:プレイステーション 2
  • 発売日:発売中(2月26日)



 時は20XX年。ハイテク技術によって再現された伝説の峠を攻略すべく、各地からチャレンジャーたちが集まった。ある者は、より速く。ある者は、より強く。そしてある者は、より華麗に。様々なスタイルを持った者たちが、その信念を貫くべくマシンを駆る。大自然をゆるがすのはマシンのエキゾーストか、はたまた勝者への歓声か。


■ 大自然の美しさを感じよう!

 カーレースと聞いて何を思い浮かべるだろうか。スピード、爆音、バトル、クラッシュ。精密かつ無骨な金属の集合体から漂うガソリンとオイルの臭い。地面を焦がすタイヤの臭い。いずれにしても、なかなかにクリーンなイメージを抱く事は難しいのではないだろうか。だが、この「街道バトル2 CHAIN REACTION」は違う。美しい大自然の中を華麗に駆け抜けるマシン。オープニング映像を見て直感した。このゲームは、機械と大自然との美しき融合をテーマとしているのではないだろうか。

実にレベルの高い映像表現力を以て仕上げられた美しいムービーデモは、率直に言って「感動」のヒトコトにつきる。大自然の息吹。深緑の山々。駆け抜けるマシン。プレーヤーが挑むコースにはそれぞれ四季があり、大自然の持つ春夏秋冬それぞれの素晴らしい表情を見る事ができる。その素晴らしい大自然に溶け込むように、マシンは美しいドリフトをキメて走り抜けていくのだ。この映像を見ているだけでも、思わずワクワクしてしまうではないか



■ 挑戦者出現! 箱根の超新星!!

 ゲームのメインは「CONQUEST」モード。ライバルと競いながら峠最速を目指していくキャンペーンモード。プレーヤーはまず、自分自身の登録名としての「アカウント」を登録する。これがこのゲームの第1の特徴。このアカウントは、いわゆるハンドルネームのようなもの。ゲーム中にプレーヤーに送られて来るメールや、掲示板の書込みによる挑戦状の宛名などは全てこのアカウントが対象とされる。アカウントの登録が終了すれば、いよいよ峠最速伝説の始まりだ。最初のチャレンジステージは「箱根」。まだ名も知られていない新米挑戦者であるプレーヤーが峠の超新星となれるかどうかは、プレーヤー自身のテクニック次第なのである。

アカウントの登録が完了すれば、いよいよゲームスタート。まずは箱根の峠に挑戦する事となる。ゲームに登場するステージは「箱根」、「赤城」、「榛名」、「第1いろは」、「第2いろは」、「阿蘇」、「蔵王」、「六甲」などなど全て実在の峠道。それらをレーザー観測を使って忠実に再現したコースは、誰もが感動するリアリティを与えてくれるのだ



■ 峠! 最速伝説!!【DAYTIME編】

 ゲーム全体の構成は大別して「DAYTIME(昼間)」と「NIGHTTIME(夜間)」のふたつ。同じステージ(峠)であっても、昼と夜ではプレーヤーの遭遇する状況が大きく違う。「DAYTIME」では基本的に「CATEGORY RACE」と呼ばれるスポンサー主催のレースに参加し、その順位に応じた賞金を獲得していく。この賞金で、マシンを購入したりパーツを買ってチューンナップしたりするのである。「CATEGORY RACE」は「CA BATTLE(コーナリングアーティスト・バトル)」で開催される。「CA BATTLE」はスピードやタイムではなく、いかに美しいドリフトをこなしたか、で採点されるレースだ。「CA BATTLE」はレベル別にランク分けされており、同レベルで3つの「CATEGORY RACE」に優勝すれば、次のレベルに挑戦できるようになっている。

登場する車種は全て実名。初期に購入できるマシンの種類は少々物足りなさ感があるが、ゲームが進むにつれて増えていく。やがては外車や特別仕様車も買えるようになる 序盤、プレイに慣れていないうちは、非力でもコンパクトな車を選ぶのが無難かもしれない。軽自動車などは、全編を通して「CATEGORY RACE」で大活躍してくれるはずだ
駆動系やターボの有無、車両重量などによって参加できる「CATEGORY RACE」はクラス分けされている。得られる賞金は順位によって異なり、順位は目標に指定されているポイントをクリアできたかどうかで決まる。また「CATEGORY RACE」への参加はチケットを必要とし、このチケットを使い果たすと、もうその日のレースには参加できなくなる
「CA BATTLE」では、コーナリングでのドリフトによってポイントを獲得していく。ポイントにチャレンジするコーナーにさしかかると「ACTION!」の合図が鳴らされるので、豪快かつ華麗なドリフトをキメよう。軽自動車などはパワーも低く車重も軽いため、なかなかドリフト状態にもっていけないが、そんな時はサイドブレーキを活用するとよい



■ 峠! 最速伝説!!【NIGHTTIME編】

 峠は夜になると、その表情も一変する。昼間のスポーティかつオフィシャルな雰囲気は消え、エモノを求めて闇に潜む猛獣を思わせるライバルたちがひしめくバトルエリアへと変貌する。「NIGHTTIME」では、プレーヤーはパーキングエリアに集まるライバル達と、様々なルールでバトルする事となる。バトルのルールは様々で、とにかく先行して相手の気力をそぐ「SP BATTLE」や、「CATEGORY RACE」と同様の「CA BATTLE」、走行タイムを競う「TIME ATTACK」など。プレーヤーはパーキングエリアで対戦するライバルを選択し、相手の提示する条件を満たす事ができればバトルスタートだ。見事勝利すれば、賞金をはじめ、パーツやマシンなど様々なモノを獲得する事ができる。ただし、負ければ同等のモノを奪われてしまうので、安易な挑戦は考えモノ。対戦相手の情報はある程度事前に参照する事が可能なので、あまりムチャな相手には挑まないように。挑戦の目安は最大出力の項目。ここの数値が相手のマシンより勝っているなら、勝てる確率はグッと高くなる。逆に、100以上劣っているのであれば、よほどのテクニックがないかぎり勝つのは難しいと言えるだろう。

「NIGHTTIME」では、ライバルとのバトルを楽しむ事ができる。パーキングエリアには様々なライバルが待ち受けている。一般ライバルをはじめ、特定の条件で出現する「TRICKER」、倒すとファンになってくれる「LOVERS」、高額な賭けを楽しめる「HI GAMBLER」、ステージのボス的存在「SLASHER」。いずれも、ひとクセもふたクセもある連中だ
バトル相手はパーキングエリアでみつける事ができる。基本的には賞金を賭けてバトルする訳だが、時にはパーツや高額な賞金、はては車そのものを賭けてのバトルもある ライバルの中にはチームを組んでいる者もいる。チームとのバトルは、メンバー全員と戦って勝たねばならず、負けてしまえば最初からやり直しというキビしいものである



■ ゲーム世界を生きるライバル達!

 このゲームには300を越えるライバル達が登場する。それら全員に勝つ事が最速への道となる訳だが、ただやみくもに戦っていけばよいという訳ではない。ライバル達は全員、プレーヤーと同様にアカウントを持っており、街道管理人が運営するBBSやメーリングリストを活用してコミュニケーションをとっている。このコミュニケーションをうまく利用しなければ、勝負はおろか出会うコトすらできないライバルも存在する。この要素もまた「街道バトル2」の持つ特徴のひとつと言える。プレイが進むごとににぎわいを増していくBBSの書き込みや、プレーヤーが名を馳せていく程に送られてくるファンメールや挑戦状は、さながら実際に存在するライバルたちとのコミュニケーションのように、プレーヤーに臨場感を与えてくれるのだ。

登場するライバルは300人以上。倒したライバルは「RIVAL INFO」に記録される。「RIVAL INFO」では対戦してきたライバルのマシンやプロフィールなどを読む事ができる 「LOVERS」というライバルはバトルに勝つとプレーヤーのファンになってくれる。ゲーム世界でのアイドル的存在だったりするので、他ライバルの嫉妬が恐いかも?
勝利を重ねたり日数を経ていくと「LOVERS」からこんなメールが来たりもする。また、バトルで連敗した時などは「応援メール」や「なぐさめメール」も届いたりするのだ ライバルを次々に倒して有名になってくると、BBSやメールで挑戦状を叩き付けられる事もある。挑戦を受けるも受けないも自由だが、ここで逃げては走り屋失格であろう



■ 挑め! 次なるステージへ!!

 特定のステージで「CATEGORY RACE」をこなしていったり、ライバルを次々に倒していくと、やがて「DAYTIME」では「ADVANCE RACE」に、「NIGHTTIME」では「SLASHER」に挑戦できるようになる。これらのレースに勝利する事で、プレーヤーは次なるステップに進む事ができるのだ。いわば「ADVANCE RACE」と「SLASHER」はゲーム展開における重要なチェックポイントという事になる。「ADVANCE RACE」に勝てば高額の賞金とプライズが入手できる。「SLASHER」に勝つことでそのステージをクリアした事となり、新たなステージへと進む事ができる。無論、そうやすやすと勝たせてくれるような勝負ではないが、プレーヤーのテクニックで(それが無理ならマシンの性能で……)突破するのだ。ゲーム序盤、最初の「ADVANCE RACE」と「SLASHER」をクリアできるかどうかが大きなターニングポイントとなる。ここを突破すればゲームは楽になりイッキに進行するが、突破できなければ少々ツラいプレイを続けなくてはならなくなるだろう。

「ADVANCE RACE」は参加するために多くのチケットを必要とする。プレーヤーの持つチケットの枚数は、高いレベルの「CATEGORY RACE」で優勝していくことで増やせる 「SLASHER」はいわゆるステージボス。掲示板やメールなどで挑戦を受ける事でバトルできるのがほとんど。手ごわい相手ではあるが、勝てば高額の賞金やパーツが手に入る ステージをクリアすると、ゲームはイッキに進行する。新しいステージに進めるだけでなく、購入できるマシンやパーツが増えるので、マシンの乗り換えを検討するのもいい
「SLASHER」を倒し、いざNEXTステージへ。新たなステージでは、さらにデンジャラスでアヴレッシブなコースがプレーヤーを出迎える。峠にあまり詳しくなく、しかも初めて街道バトルをプレイするといったプレーヤーがいれば、そのあまりにデンジャラスなコースにアゼンとする事だろう。「いろは坂」以降のステージなどは人知を越えている



■ なかなか先に進めない方のために

 ゲーム、現実を問わず、モータースポーツというのは資金の有無が勝敗を左右するキビしい世界だ。逆に言えば、資金さえあればテクニックが不足していても何とか進めてしまうと言ってもよい。そこで、序盤の効果的な賞金および資金の各特報法について軽く紹介させていただこう。

 まず基本は「DAYTIME」の「CATEGORY RACE」。「NIGHTTIME」と違って、負けても賞金やパーツなどを奪われないためリスクはほとんどない。地道に繰り返して賞金をかせぐのが基本。ある程度資金をためたら、程々にパワーがあるマシンを購入して「ADVANCE RACE」に挑もう。250PSくらいのマシンなら、タイムアタックでクリアできる。箱根のステージをクリアすれば、スポンサーテストが開始する。このスポンサーテストに合格すれば、資金かせぎはイッキに楽になる。テストに合格すれば毎月契約金が入るし、マシンにスポンサーのステッカーを貼っておけば「CATEGORY RACE」に優勝した時にボーナスももらえる。このボーナスの存在がなかなか大きく、時に本来の賞金を上回る程だ。ボーナスは貼ったステッカーの枚数に比例するので、遠慮せずにベタベタ貼っていこう。少々マシンがカッコ悪くなるかもしれないが、背に腹は変えられない。

 もうひとつ。どうしても「ADVANCE RACE」やスポンサーのテストをクリアできないプレーヤーには「中古車転がし」をオススメする。やり方は簡単。毎日マメに「USED CAR」のショップをチェックし、もし50万CP~30万CPの掘り出し物を見つけたら購入。即売却する事で、差額にして20万CP~50万CPをカンタンに儲ける事ができる。実際、序盤にこの技でずいぶん儲けさせていただいた。テクニックよりまずマシン、という方はぜひ有効活用していただきたい。

スポンサーテストが開始されたら、即チャレンジ。使用する車はスポンサー提供のマシンなので慣れが必要だが、失敗してもペナルティはないので、何度でもトライできる スポンサーがついた状態で「CATEGORY RACE」に優勝すると、このボーナス。ボーナスは「CATEGORY RACE」のレベル倍になるので、本命の賞金を軽く上回るようになる
中古車ショップでこんな価格帯のマシンを見つけたら迷わず即買い。こういった掘り出し物はレアに思えるかもしれないが、マメにショップを覗いていればスグ見つかる 格安で買ったマシンを即売却。差額の398,000CPを楽々手に入れられる。また、掘り出し物マシンはまれにパーツを装備している事もあるので、愛車のためにもらっておこう



■ レースだけに留まらないこだわり

 このゲームをプレイして感じたのは、細部まで丁寧にこだわって作っているなというコト。特に、ヴィジュアルとサウンドというエンターテインメントの部分と、現実の峠を精密にデータ化するというリアリティの部分が絶妙に組み合わさっている整合感がとても心地好い。オプション設定で効果音を「車内」と「車外」に切り換えられるという心遣いもニクい。前者なら運転席視点で実際に車に乗った気分を味わえるし、後者なら後方視点などで第三者的なサウンドを楽しむ事ができる。

 また、「首都高バトル」シリーズにあるような「ステッカー制作ツール」や「ボディペイントツール」とは大きく視点を変えた「サウンドエディターツール」の存在などは特筆に値する。BGMを好みのシーンに割り当てるだけでなく、何と自分でBGMを作れてしまうのだ。さすがにサウンドエディターツールの使い方に説明書の半分を費やしているのには驚いたが、その高い発想力と独創性には脱帽。おそらくは「首都高バトル」シリーズと様々な点で比較される事だろうが「別のゲームなのだから同じ事をやっても意味がないじゃないか!」と言わんばかりの情熱がビンビン伝わって来るのは気のせいだろうか。無論、この試みが「吉」と出るか「凶」と出るかはユーザーの決めるところではあるが「街道バトル2」が野心的ソフトである事には変わりはないのではないか。

 「街道バトル2」は良い意味で「とても元気らしい秀作」であり、今後も同社のソフトを買い続けていこうと思える1本であろう。

カーレースのゲームでありながら、異彩を放っているのがこの「SOUND EDITOR」。何と、プレーヤーが自分だけのBGMを制作して、ゲーム中で使用する事ができるのである オリジナルのBGMは「Bass」や「Rythm」「Guiter」といったパーツを組み合わせる事で制作できる。それらのパーツは、ゲームでライバルとのバトルに勝つと手に入れらるのだ ある程度音楽的知識のある人でないと、慣れるまでに少々時間がかかるものの、楽譜もロクに読めないにもかかわらず、それなりの曲が作れてしまうお手軽ツールなのだ


(C)2004 GENKI

□元気のホームページ
http://www.genki.co.jp/
□「街道バトル2 CHAIN REACTION」の公式ページ
http://www.genki.co.jp/games/kb2/
□関連情報
【4月1日】元気、PS2「街道バトル2」全国グランプリ大会 「街道バトル2 CHAIN REACTION GRAND PRIX 2004」を開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040401/genki.htm
【3月2日】元気、PS2「街道バトル2」 タイムアタックとCAランキングサイトを開設
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040302/kb.htm
【2月26日】元気、PS2「街道バトル2」発売記念 着信メロディを公式サイトで配信開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040226/genki.htm
【2月9日】元気、PS2「街道バトル2」体験会を2月14日から開催 特別製の元気カラー「GT FORCE」も初公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040209/genki.htm

(2004年6月2日)

[Reported by 松野桂司(冒険企画局)]


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