6月23日　発売
価格:3,045円

「交響組曲ドラゴンクエストV 天空の花嫁」 品番：SVWC 7201 定価：3,045円

「SUGIレーベル」のロゴ

　作曲家のすぎやまこういち氏が、株式会社アニプレックスのバックアップを受け、独自レーベルである「SUGIレーベル」を立ち上げた。その記者発表が都内で行なわれた。

　会見は、まずNHK交響楽団メンバーによって構成される“マティアス・ムジクム・カルテット(MMC)”の弦楽四重奏による「ドラゴンクエスト」より「序曲」、同「V」より「哀愁物語」、そして「亜麻色の髪の乙女」が上演された。

　第1ヴァイオリンに斉藤真知亜氏、第2ヴァイオリンに大林修子さん、ヴァイオラに坂口弦太郎氏、チェロに藤森亮一氏という構成の弦の調べは、集まった報道陣をうならせるに十分な迫力を持っていた。息遣いまでも聞こえてきそうな超至近距離での演奏に記者も圧倒された。

「ビートルズの曲など、手がけたいものはいくつかある」とすぎやま氏

　そしてすぎやま氏が登場。気さくな雰囲気で始まった会見だが、まず、「このレーベルの目指すものは大ヒットを狙うレーベルではない。長く売れる、息の長い、生命力のある音楽を作って社会に提供する。『亜麻色の髪の乙女』を作曲してから30年になる。この曲は今年JASRAC賞の銅賞をいただいた。1年間、著作権ロイヤリティーの数字だけで決定されるこの賞において、2年連続で賞を受けるというのは、この曲がじわじわ長く売れているから。『SUGIレーベル』が目指したいのはまさにこのタイプの曲です」とすぎやま氏。

　「『ドラクエ』も「序曲」などは18年前に作曲したものだし、息の長い作品になっている。こういった息の長い曲がボクの得意としているところ。第1弾としては「ドラクエV」を6月に発売する。東京都交響楽団がすばらしい演奏をしてくれました」と続けた。

　また、「『ドラクエ』関連の曲を新録音で納得のいくものを作ってすべて残していきたい。また、“マティアス・ムジクム・カルテット(MMC)”の演奏も『SUGIレーベル』で扱っていきたい。弦楽四重奏の演奏というのは音楽の中では地味な部類に入るが、いったん人々に愛されたら息が長い。彼らはいろんなレパートリーを持っているが、彼らも「ドラクエ」の曲が大好きで、要望もあって『ドラクエ』の曲をいっぱい編曲した。その中から2曲演奏したが、MMCでのコンサート活動も行なっていく」とMMCについて紹介した。

　さらに、「ボクがプロデューサーとして関わっていくものも含めて、何らかの形で関わった音楽、日本に財産として残していきたいものを作っていきたい。商売にはならないかもしれないが、ある種社会的な活動で、ボクを育ててくれたわが国の音楽の世界に何か残せたらな、という部分もあって、作曲家としてプロデューサーとしていいもの、長く生きるものを残したい」とレーベル設立の意図を語った。

　同レーベル第1弾となるのは、「交響組曲ドラゴンクエストV 天空の花嫁」(すぎやまこういち氏指揮、東京都交響楽団演奏)で6月23日に発売される。価格は3,045円。「NHK交響楽団版」とも「ロンドンフィルハーモニー版」とも違う、新たな「交響組曲ドラゴンクエストV 天空の花嫁」が見えるはず。ファンならずとも注目の1枚といえよう。

　また、次作はまだ決定してはいないが、「年内に3回レコーディングの予定がある」ことも明らかにされた。「ドラクエ」ファン、すぎやまファンは「SUGIレーベル」の今後にも要注目だろう。

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(C) KOICHI SUGIYAMA

□すぎやまこういち氏オフィシャルページ「すぎやまこういちの世界」のページ
http://sugimania.com/
□アニプレックスのホームページ
http://www.sonymusic.co.jp/Animation/index.html
□製品情報
http://www.sonymusic.co.jp/Animation/DRAGONQUEST/dq5.html
□関連情報
【3月9日】「ドラゴンクエスト スプリング ミーティング 2004」開催
「VIII」のサブタイトルは「空と海と大地と呪われし姫君」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040309/se.htm

(2004年5月26日)

[Reported by 佐伯憲司]

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