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Electronic Entertainment Expo 2004現地レポート

Mythic Entertainmentブースレポート
「Dark Age of Camelot」の最新アドオン、日本語版の情報をチェック

会期:5月12日~14日(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 欧米圏で「Ever Quest」と並んで高い人気を誇るMythic EntertainmentのファンタジーMMORPG「Dark Age of Camelot」。日本時間の5月14日には、日本展開の情報も公開され、同シリーズは日本のMMORPGファンにとって一気に身近な存在になった。本稿では、同社がプライベートブースにて見せていた、最新アップデート「New Frontiers」および次期拡張セット「Catacombs」、そしてこっそり見せてくれた日本語クライアントについて紹介していきたい。


■ 「New Frontiers」では中世ヨーロッパを彷彿とさせる大規模な攻城戦を実現

 「Dark Age of Camelot」は、アーサー王伝説を始めとした3つの神話をベースにしたMMORPG。アルビオン、ヒベルニア、ミッドガルドという3つのレルムが大規模な戦いを繰り広げるR v R(Realm Versus Realm)を最大のウリとしている。現在、「Shrouded Isles」と「Trials of Atlantis」という2本のアドオンがリリースされている。

 ネーム付きの大型アップデート「New Frontiers」は、フロンティアと呼ばれるRvRエリアにおいて恒常的に行なわれているレルム間の攻城戦を全面的に強化するもので、現在、クローズドβテストが実施されている。配布方式はダウンロードのみで無償配布が予定されている。配布時期は2006年第2四半期となっている。

 βテストでは、すでに城塞や見張り塔、遠投投石機などを使って、攻城戦が行なわれている。大規模な城郭を備えた城ともなると、投石機などの十分な火力を擁した状態でも陥落までに3時間から4時間かかるという。デモでは、開発用のバードビューの視点から攻城戦を観戦できたが、城の大きさといい、リアルなアニメーションで大石を放る投石機など、まるで3DRTSのようだ。

 投石機は、ギルドが所有することが可能で、城や見張り等に設置することもできる。ただし、敵が丸ごと奪うことも可能なので、見張り塔などに設置すると、占領された際に大きなウィークポイントとなる。また城を所有しているギルドメンバーは、その城で戦闘が起こっていないことを条件にダイレクトにテレポートが可能になると言う。

 そのほかの追加要素としては、レーダーマップが新たに用意される。右下に表示されるレーダーマップには、どの城がどのレルムの所属で、現在どの城で戦闘が行なわれているかがリアルタイムでわかるようになっている。これまではそうした情報が実際に現地に行くまでわからなかったのだが、こうしたシステム面の充実により、RvRの展開がさらに加速化しそうな印象だ。

【Dark Age of Camelot: New Frontiers】
中世ヨーロッパの城郭をそのまま再現した「New Frontiers」。現在の戦況をリアルタイムで確認できるレーダーマップの追加がありがたい


■ MMO界の最近のトレンド「プライベートダンジョン」を追加するアドオン「Catacombs」

「Catacombs」に実装される地下都市のひとつ。自然の空洞を利用しており、立体的な構造になっている
 「Dark Age of Camelot: Catacombs」は、「Shrouded Isles」と「Trials of Atlantis」に続く、都合3本目となる拡張ディスク。サブタイトルの「カタコンベ」が示すように、各レルムに広大なダンジョンと地下都市が追加される。拡張ディスク恒例の新クラスと、地下都市に由来する新種族がそれぞれ1種類ずつ追加される予定だ。

 また、同シリーズは拡張ディスクがリリースされるたびにグラフィックスエンジンの強化を行なってきたが、今回も大幅強化が予定されている。今回は主にキャラクタモデルの改良が中心になっており、モデリングを一新し、顔についてはフェイシャルアニメーションが可能になるまでクオリティを向上させている。

 もちろんパワーアップした部分は顔だけでなく、ヘアスタイル、スキン、鎧、衣服など、キャラクタモデル全体に及ぶ。といってもこの改良によって、「Ever Quest II」を始めとした新世代のMMORPGが実現するクオリティに達するわけではない。あくまで現行レベルになるという程度に捉えておいた方がいいようだ。

 さて、「Catacombs」の最大のウリとなるのが、最近のMMORPGにおけるトレンドのひとつである「プライベートダンジョン」システムの導入。これにより、PvM(Player versus Monster)というMMORPG本来のゲーム性の強化を計る。

 同作のプライベートダンジョンは、グループ単位で突入するタイプで、用途は新しいクエストのための冒険が主となる。複数のグループが同時に入ることができるが、互いに相手のグループは見えず、自分のグループだけで探索を行なっていくことになる。自分たちの力だけで、未踏のダンジョンを切り開いていくチャレンジが、プレーヤー全員に与えられるわけだ。

 細かい仕様についてはこれから調整中ということだったが、スケーラブルなシステムを検討しているようで、グループのレベル帯に応じて適切なダンジョンにアクセスできるようになる模様。このため「Catacombs」は全レベル帯のユーザーが対象となる。発売時期は欧米で2004年12月予定だ。

【Dark Age of Camelot: Catacombs】
地下都市の様子。まだ開発途上なのでNPCの姿は確認できなかったが、実際には多くのNPCが生活し、アイテムを購入したり、クエストを受けたりすることができる

従来のキャラクタモデルと「Catacombs」の新モデルを比較した写真。モンスターはさらに凶悪に、女性キャラはようやく女性らしさを感じさせるモデリングになる


■ ついに正式発表となった「Dark Age of Camelot 日本語版」

 日本時間の5月14日、カプコンが「Dark Age of Camelot 日本語版」の発売を正式発表した。正式サービス時期、料金設定共にまったくの未定となっているが、具体的な準備は水面下で着々と進められていた。Mythicのプライベートブースでは日本語版クライアントのデモを見ることができたのだ。

 といっても現時点では全テキストをベタ翻訳し、とりあえずクライアントに2バイトデータを載せただけという段階であり、表示のされ方や翻訳の精度を云々できる段階には至っていない。ちなみにMythicとカプコンの間では、「Dark Age of Camelot」本編の日本取り扱い契約以降、密接なパートナーシップが構築されており、Mythic内部に日本語が使えるスタッフもいた。MMORPGではこの開発運営両社の密接なパートナーシップが欠かせない。今回の場合、それはすでに完成されており、日本語周りについては安心できそうな印象だ。

 日本語版の基本仕様は、すでにカプコンが発表しているように「Dark Age of Camelot」本編と、拡張ディスク第1弾「Shrouded Isles」までの内容となる。この2タイトルはすでに同社が日本語マニュアル付き英語版を取り扱っていることもあり、さしあたりはこの2本で行くということになったようだ。「Trials of Atlantis」以降については未定ということだが、これからスタートするβテストでの人気次第ということになるだろう。

 運営については、これまでどおりMythic Entertainmentが担当し、カプコンは翻訳と販売のみを担当。日本語版専用サーバーも用意されるが、サーバーは北米に置かれる。つまり、日本語版でもMythicによる運営ということになる。カプコン側のビジネス的なリスクは非常に少ない。なお、独立したサーバーを確保するため、日米同バージョンでの同時展開は考えていないという。

 カプコンでは、今回の日本展開を、“PCゲーム事業過去最大級のチャレンジ”と位置づけており、総力を挙げてMMORPG最激戦区である日本での成功を狙う考えだという。今後の展開が楽しみなビッグプロジェクトだ。

□Mythic Entertainmentのホームページ
http://www.mythicentertainment.com/
□「Dark Age of Camelot」のページ
http://www.darkageofcamelot.com/

(2004年5月16日)

[Reported by 中村聖司]


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