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007の外伝的作品「GOLDENEYE ROGE AGENT」など
話題作満載のEAコンシューマタイトル

会期:5月12日~14日(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 開発中のPCタイトルと、発売直前のコンシューマタイトルを配置する傾向があるエレクトロニック・アーツ(以下、EA)だが、今回は少し勝手が違う。EAを代表するタイトルに成長した諜報部員007シリーズの最新タイトル「GOLDENEYE ROGE AGENT」と、米国のヒップホップレーベル「Def Jam」に所属するアーティストが戦う格闘ゲーム「Def Jam FIGHT FOR NY」をともにクローズドブースでの公開。どちらもすでに試遊が可能なバージョンが開発されており、特に「GOLDENEYE ROGE AGENT」は会場で人気を集めそうな通信対戦に対応。限られた来場者以外は正面の大型ブースでしかその姿を見せないという戦略はいままでのEAとは少し違った印象を受けた。

 今回はこのふたつを含めて、じつに17ものコンシューマ向けタイトルを出展。そのすべてを紹介していこう。



■ “悪の諜報員”が活躍する、007の外伝的FPS
「GOLDENEYE ROGE AGENT」


 2004年秋、PS2、GC、Xboxで発売予定。クローズドブースで、おなじみの007のテーマとともに紹介されたのが、本作「GOLDENEYE ROGE AGENT」。EAには007を手掛けるチームがふたつあり、今作は「James Bond 007: Nightfire」を制作したチームの最新作となる。ちなみに、ニンテンドー64でも「ゴールドアイ」というタイトルの007をテーマにしたFPSが存在するが、全く関連性はない。

 James Bondと同じような諜報部員だった主人公は、その残虐的な性格による無謀な行動をとったことで資格を問われ、機関から放逐されてしまう。彼を拾ったのは、世界一の犯罪組織の確立を目指す大悪党「ゴールドフィンガー」。主人公は犯罪組織の一員になるさい受けてしまった怪我により、片目を喪失、黄金の義眼を与えられる。金の瞳を持つローグエージェント、「ゴールデンアイ」がここに誕生したのだ……。

 「悪の諜報員」として戦っていく本作は、007の映画のスマートさとは少し毛色の違う作品となりそうだ。無謀さと残虐性にあふれるという主人公は、敵があふれる戦場に正面から切り込み、銃弾の嵐を与えるというFPSにはぴったりのキャラクタ。彼はミッションをクリアしていくことで、ゴールドフィンガーの組織の中で上りつめていくという。

 本作は世界観として「007/ゴールドフィンガー」、そして「007/ムーンレイカー」のふたつの作品を題材にしている。ドクター・ノオ、オッドジョブ、ゼニア・オナトップ、など映画を彩ったさまざまな悪役、ボンドガールが登場する。戦場もまた、スイスの雪山や、香港の繁華街、スペースシャトルの発射台など、映画に詳しければにやりとさせられる場所ばかり。ちなみに時代は映画当時のものではなく、現代にアレンジされているとのこと。

 美術スタッフとして、2本の映画に関わったスタッフを起用、「007/ゴールドフィンガー」に登場した海底基地など、映画のセットを参考に、FPSのステージとして絶妙なアレンジを施しているとのこと。また、ストーリーは分岐する要素を持っており、ゴールドフィンガーやドクター・ノオといった悪党の地位をおびやかしたり、彼らの味方になることも可能だ。

 クローズドブース内ではシングルプレイで最初のステージを、さらに画面分割による対戦を楽しむことができた。シングルプレイはなかなかの難易度で、「クリアをしたらTシャツをプレゼントするよ」ということでがんばってみたのだが、あえなく時限爆弾を止められずゲームオーバー。両手に武器を持ち、LRボタンでバリバリ撃てるなど、「スパイ」とは違ったイメージだが、世界観で間違いなく007を題材にした本作は、映画のファンにはより一層楽しめる作品といえるだろう。

【スクリーンショット】
主人公のパワフルさが本作の魅力 二丁拳銃で、人質ごと撃ってしまうのか? 悪役同士の駆け引きは緊張感をもたらす



■ 観客までもが敵。裏社会で繰り広げられる格闘アクション
「Def Jam FIGHT FOR NY」


一般公開のムービーでは過激な暴力描写を表現
 2004年9月、PS2、GC、Xboxで発売予定。肉がふるえ、血がしぶく。「Def Jam FIGHT FOR NY」は、見ているだけで“痛そう”な、打撃に非常にリアリティーのある格闘ゲームである。実際のアーティスト達を参考にモデリングされたリアルなキャラクタが、容赦なくもう一方のキャラクタをコンクリの床にたたきつけて首筋を力一杯ふみつける。もはや物体と化してしまった肉体が、手足を大きくふるわせ、バウンドする。車にひかれたダミー人形のように吹っ飛ぶ姿など、攻撃側だけでなく、ダメージを受けた側の反応も非常にリアルな作品である。

 戦う場所も、ガソリンをサークル状にまき、火をつけた炎のサークル内や、観客のいる地下の闘技場など、独特の「熱気」にあふれるところばかり。熱狂する観客達は、近づこうものなら競技者を羽交い締めにしたり、殴りかかってきたり、非常に危険。殴り合いに巻き込まれた観客は反吐をぶちまけながら吹っ飛んだりと、「わかっている」感じも、たっぷりだ。オールドゲーマーである筆者は、アタリの名作「ピットファイター」を想起させられてしまった。

 ゲームは敵の攻撃をキャッチするホールド要素や、つかんでからの攻防など、殴る蹴るだけではなく、サブミッションなどの要素も含んでいる。格闘スタイルも、タダのケンカ殺法からマーシャルアーツ、カンフーなど多彩だ。シングルプレイのストーリーモードでは、自由にカスタマイズしたキャラクタで挑戦できるという。もちろん、ステージに転がっているイスや机、ガラス瓶、さらには会場をしたから照らすライトさえ、すべてのものが武器となる。他にも対戦や、建物を壊すルールといった多くのプレイモードがあるとのことだ。

【スクリーンショット】
殴り、蹴り、壁にたたきつける。相手を再起不能になるまで叩きのめすのだ



■ ミドルアースの住人として戦い、世界の運命を左右するRPG
「The Lord of the Rings: THE THIRD AGE」


 2004年秋、PS2、GC、Xbox、GBAで発売予定。ミドルアースの住人としてオリジナルキャラクタを作成、“旅の仲間”として映画を追体験したり、闇の軍勢に組みすることも可能なRPG「The Lord of the Rings: THE THIRD AGE」。バルログと戦う第1作目のクライマックスシーンのみの公開ながら、多くの観客の足を止めさせた出展作である。

 炎に包まれた悪魔そのものの姿をしたバルログと、対峙するガンダルフ達メンバーとオリジナルの主人公キャラクタ。ゲームキャラクタとしてのアレンジが加わっていながら、原作をきちんと感じさせるモデリングは、今までに出た映画「The Lord of the Rings」を題材にしたコンシューマ作品の頂点と言っていい。

 戦闘はターン制のバトルシステム。筆者には「ファイナルファンタジー」シリーズの影響を強く受けているように見えた。カメラがゆっくりとバルログの巨体を回り込みながら写し、大きく息を吸い込む姿をカットイン、一転して引きの視点でパーティーメンバーに炎の息が浴びせかけられる。こういった演出、タイミングとも日本のグラフィカルなRPGの「匂い」がするのである。特に“ボス戦”ということもあるのだろうか? RTS的なゲームが多い海外RPGの中では、異色の「間」をもった作品になりそうだ。

 キャラクタ達の「はまりぶり」にも驚かされた。ガンダルフが白く輝く杖を両手で握り、地面に突き立てると、水しぶきが上がり、ガンダルフの体を包み、緑色の数字が体力回復を告げる。水柱は他のキャラクタ達の足下からもわき上がり、ギムリは斧を突き上げて雄叫びを上げる。RPG的「お約束」な表現が、きちんと説得力を持っているのである。映画の中では決してそういったゲーム的な動きを見せることはないのだが、彼らをゲーム化すると、こういった動きをするだろうな、というファンの気持ちをきちんと満たしてくれる、キャラクタ性を非常に重視した作品である印象を持った。米国での発売は2004年の秋。悪側のシナリオもあるということで、オリジナル要素にも期待したい。
【スクリーンショット】
モンスターのモデリングは、映画に迫る表現に



■ 恋も仕事もアクション次第? パンク世界に方向性を持たせた
シリーズ最新作「The URBZ: Sims in the City」


黒のイメージで「Sim」シリーズに新しい風を吹き込む
 2004年秋、PS2、GC、Xbox、GBAで発売予定。日本では「シムピープル」とよばれるシリーズで、コンシューマ向け最新作となる本作は舞台を都会にうつし、クールでスタイリッシュという方向性を打ち出した。プレーヤーはゲーム世界の中で生活するシム人を見守り、彼(彼女)を成功に導いていく。

 今作はその奇妙な世界そのものが注目の的となるだろう。モヒカンに電飾のブラジャーをしている男や、全身をサイケな色彩に染め上げた服に身を包む女の子が、何くわぬ顔をして闊歩する街中、道ばたに置いてあるワゴンは近づくとトランスフォーマーのように変形、サウンドマシーンとなり、周りのシム達はブレイクダンスを始める。キスや挨拶というコミュニケーションメニューには格闘といった選択肢もあり、実行すると、マトリックスのようなスローモーションの空中格闘をしてみたり……。制作者の「都会」のイメージを考察するだけでも楽しい作品になっている。

 パンク世界に日光は不要なのか、展示されているバージョンではいつまでたっても日が昇らなかったが、スクリーンショットを見る限り、きちんと時間が流れるようだ。今までのシリーズではシムを家の中でしか見守れず、仕事先の彼らの姿は確認できなかったが、今作ではすべての生活を見守ることができる。

 さらに、本作ならではの「アクション要素」がある。スシ(寿司)バーに勤めているシムが、パートナーがベルトコンベアで送ってくるネタを握っていくことになるのだが「×○○×○」といったようにボタンが表示されており、その通りにプレーヤーが押さないと、シムは仕事を失敗してしまう。さらに、他のキャラクタに「キスをする」アクションを選択すると、半円形のメーターが表示され、針が左右に振れる。その針を一定の「成功ポイント」に止めることが出来れば、相手のシムはキスを受け止めてくれるのだ。恋も仕事も、シムの成功はプレーヤーのアクションの腕にかかっているのである。

 キスの時は、両者をキラキラと輝く星が取り巻き、ふたりは激しく回転しながら空に上昇、濃厚なキスを交わす。格闘シーンなど、わざと「ゲームキャラクタ」としてアレンジされているテイストがユニークな作品である。
【スクリーンショット】
結婚は、ふたりの本当の姿を見ることに…… アツアツの愛情表現が、本作の大きな特徴 シムは生活をしていくことでさまざまな財産を


【Harry Potter and the Prisoner of Azkaban】
(PS2、Xbox、GC、GBA、PC)ジャンル:アクションADV 発売時期:2004年5月
 ハリー、ロン、ハーマイオニー、おなじみの主人公3人組が、事件の謎を力を合わせて解き明かしていく。魔法学校や列車内など、3Dで描かれた世界は細部まで書き込まれていて、臨場感を盛り上げる。ふたりで重い荷物を持ち上げたり、仲間の危機を救ったり、協力して敵を攻撃したりと、3人のキャラクタにこだわった「場面」の演出が見事な作品だ

【Tiger Woods PGA TOUR 2005】
(PS2、Xbox、GC、GBA、PC)ジャンル:スポーツ 発売時期:2004年冬
 難易度の高いコースでも易々と攻略してしまうタイガーウッズに対する、ゴルフ場経営者の挑戦を「タイガーブルーフ」と言うという。本作はこの挑戦を反映し、自由にコースを改造できる新システムを搭載、ユニークなコースが手軽に作成できる。もちろん、登場選手やコースのリアルさはシリーズを継承。Xbox Liveへの新たな対応により、対戦人口の世界的な底上げにも期待がかかる

【Battlefield: Modern Combat】
(PS2、Xbox)ジャンル:3Dアクションシューティング 発売時期:2004年秋
 PCでの人気シリーズがコンシューマで展開。ボイスチャットにも対応し、最大24人が1つの戦場に集い、現代戦闘を繰り広げる。戦車はもちろん、ヘリや飛行機、船までも登場。マップもまた、中国の都市や、戦乱に荒れ果てた中東などさまざまなものが用意されている。テイストとしてはPC版以上にカジュアルよりに作られており、PS2、Xbox版ともに、初心者でも手軽に通信対戦を楽しむことができる

【Burnout 3】【Catwoman】【TimeSplitters Future Perfect】
(PS2、Xbox)ジャンル:レース 発売時期:2004年秋 (PS2、GC、Xbox、GBA、PC)ジャンル:アクション 発売時期:2004年夏 (GC、PS2、Xbox)ジャンル:アクション 発売時期:2004年夏

【NBA LIVE 2005】 【NASCARR 2005: Chase for the Cup】 【NCAAR March Madness 2005】
(PS2、GC、Xbox、GBA、PC)ジャンル:スポーツ 発売時期:2004年秋 (PS2、GC、Xbox、GBA、PC)ジャンル:レース 発売時期:2004年秋 (PS2、GC、Xbox、GBA、PC)ジャンル:スポーツ 発売時期:2004年秋

【FIFA Soccer 2005】【Madden NFL 2005】【NCAA Football 2004 】
(PS2、GC、Xbox、GBA、PC)ジャンル:スポーツ 発売時期:2004年秋 (PS2、GC、Xbox、GBA、PC)ジャンル:スポーツ 発売時期:2004年秋 (PS2、GC、Xbox、GBA、PC)ジャンル:スポーツ 発売時期:2004年秋


□Electronic Artsのホームページ
http://www.ea.com/

(2004年5月15日)

[Reported by 勝田哲也]


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