|
【Electronic Entertainment Expo 2004現地レポート】ATARIブースレポート~今年はアタリ年となるか |
奥まったところにひっそりとあるATARIブース。去年から秘密スポット化していたが、ついに今年はリクライゼーション・スペースになってしまった。「DRIV3R」だけプレイ可能 |
Games for Windowsブース。ATARIの主要PC向けタイトルはここに展示されている | コンベンションセンターの最上塔の広告はATARIのもの。決して貧乏になったわけではない。近年はなぜかわざと引きこもった感がある | 今年の看板タイトル「DRIV3R」の広告も最大サイズでコンベンションセンターを彩っている |
日本では知名度がそれほどではないが、北米では人気シリーズとして認知されている「DRIVER」シリーズの最新作。今年のE3でATARIがイチオシするのがこの「DRIV3R」だ。ちなみに念のために補足しておくと、読み方としては「DRIVER 3」になる。
タイトル名とは裏腹に「運転手」のゲームではなく、プレーヤーはFBIエージェントTANNERに扮し、世界的車泥棒ネットワークに潜入して悪を暴くための捜査に挑むという、刑事物アドベンチャー風の設定。
プレーヤーは、NPC住民や自動車が往来する街の中で、TANNERを動かして実際に捜査をする。車への乗り降りは自由かつシームレスに行なわれ、NPCとのインタラクトもプレーヤーに一任される。このスタイルは「GTA III」に似ていると言えば似ているが、このスタイルのゲームは「DRIVER」シリーズの方が元祖と言えば元祖だったりする。
再現される街はアメリカのマイアミ、フランスのニース、トルコのイスタンブールの3つ。実際の街並みに忠実に再現された建物は総勢3万軒にものぼり、街の中を往来する道路は主要高速からビルに挟まれた隘路に至るまで、その全長は250kmにまで及ぶという。これだけ広大なオープンフィールドでは、どこからどう捜査をしていいかわからなくなってしまうが、この辺りはゲームらしく、どこに行くべきかを指し示すコンパス表示があるので迷うことはない。
ゲーム中は尾行任務から銃撃戦まで多岐にわたるが、キーフィーチャーとなっているのが、タイトル通り、やはり車の活用。車の表現に関しては、徹底したリアル指向を貫いており、レーシングゲーム顔負けのグラフィックス表現と4輪車両物理が実装されている。特に衝突物理、破壊機構は秀逸で、忠実に再現されたリアルな街並みで繰り広げられるカークラッシュの迫力はなかなかのものだ。
グラフィックスもXbox版とPC版ではモーションブラー表現が効果的に入り、非常にシネマティックなビジュアルになっていた。影表現はセルフシャドウもサポートされるほどのこだわりを見せており、作り込みは意外に細かいところにまで行き届いている。登場する乗り物は4輪をメインに、2輪車や船舶など計50種以上。
ストーリーベースでミッションキャンペーンは進行するが、その解法は一通りではない。 自由度の高いゲームシステムの中で、一連のストーリーを見せる技の巧さは「GTA III」に優るとも劣らない。
北米では6月21日に発売が予定されており、日本では10月1日としている。声優に「キルビル」のMichael MadsenとMickey Rourke、「ワイルドスピード」のMichelle Rodriguezを起用するなど、キャストもさりげなく豪勢だったりする。日本での発売を強く期待したいタイトルだ。
【スクリーンショット】 | ||
---|---|---|
ゲーム開発スタジオは「DRIVER」シリーズ、「STUNTMAN」を手がけ、車との新しい遊び方を提供し続けているReflections Interactive |
GETTING-UPシアター。ATARIブース自体が秘密の場所化しているのでシアターもあまり混んでいない |
ムービーから想像するに、完全統制下の抑圧された近未来都市で、自由を求めるために、落書きという形で命がけで真実を訴える少年ギャング達の物語のようだ。ムービー中に垣間見られたゲーム中とおぼしきシーンを見る限りでは、セガの「ジェットセットラジオ」をシリアス調にした感じのように見える。
今年のE3のコンベンションセンターの最上塔の広告はATARIが取り、このゲームの広告を打ったほど気合いが入っている。最上塔の広告はいわゆる「落書き調」であり、このゲームとの強い関連性を訴えている。公開されたオフィシャルWebサイトでも、謎の記号が書かれたトップページが一枚表示されるのみで、ゲーム画面素材も皆無。謎だらけだ。
なお、サブタイトルにあるMARC ECKOは「ECKO Unltd」ブランドを組織する著名ファッションデザイナーの名前だ。落書きをはじめとしたゲームビジュアルやキャラクタの造形のデザインに関与しているものと思われる。
発売は2005年6月の予定。
あの著名シミュレーションゲームクリエイターのシド・マイヤーの古典として知られる「Pirates!」が17年ぶりに復活。名前こそオリジナルそのままだが、元祖のゲームコンセプトだけを継承し、完全にモダンリファインされた完全新作となっている。
時は17世紀。スペイン海軍が世界を席巻している大航海時代。プレーヤーは権力に反発し、7つの海の制覇を夢見る若い駆け出しの海賊となる。
シド・マイヤーの冠がついているので、きまじめな海賊生活シミュレーションゲームかと思いきや、意外にもストーリーベースのゲームとなっている。具体的には小クエストをクリアしていくことでシナリオが進行する、いわゆるRPGやアドベンチャータイプに近いゲームシステムを採用している。
ストーリーを進めるためには、自分の名声を轟かせ、ひいては自分の海賊船を強化していく必要がある。そのために必要になるのが財力。財力を蓄える方法は様々で、その行為自体がミニゲーム仕立てになっている。
たとえば、“お使い”系クエスト等をクリアして宝の地図の断片を集め、財宝のありかを暴き、これを実際に掘り出すのが1つ。あるいは商業船を文字通り海賊行為で強奪するのも1つの策だ。
海賊行為による略奪を成功させるために最初行なうのが、船舶同士の砲撃戦。そしてこれで優位に立つと始まるのが、敵船舶に乗り込んでの乱闘だ。砲撃船はストラテジーゲームライクな俯瞰ビューで行なわれ、乱闘船はアクションゲームライクなクローズアップ3人称視点で行なわれる。
舞踏会に潜入して、植民地の領主の娘のダンスの相手を務め、彼女のハートを射止めてパトロンになってもらうというのも財力を得る1つの方策。この場合は、ダンスゲームのようなミニゲームをクリアしなければならない。
商業船の護衛艦との海戦に負けたりすると、プレーヤーは投獄されてしまうが、ゲームオーバーにはならない。ここから見張りに気づかれないように、影に潜みながら脱獄するスニーキングアクション風のゲームシステムに切り替わる。
このように、さまざまな種類のゲームがごちゃ混ぜに詰め込まれているのが本作の魅力なのだ。
海賊船の武装の換装、弾薬補充にもお金がかかり、より性能の高い船を運用するには、港町で船員を追加で雇う必要がある。船員の扱いを軽んじて給与を低く設定しすぎると反乱が起きてしまうこともある。この辺りの人事や経済マネージメントはシド・マイヤーらしい要素だといえる。
ゲームは自分の行動により(義賊となるか、どこかの国家のために働くかなど)、それ相応のエンディングにたどり着くマルチエンディングシステムを採用している。
本作は版権ものゲームではないので映画「カリブの海賊」とは直接関係ないものの、まさにあの雰囲気がゲーム化されたというイメージだ。
【スクリーンショット】 | ||
---|---|---|
北米地区での発売は2004年11月。日本での発売は未定。グラフィックスは常にフル3D。ゲームエンジンにはNDLのミドルウェア「Game Bryo」を採用 |
あの箱庭タイプのテーマパーク造成ゲームの人気シリーズ「Roller Coaster Tycoon」に待望の新作が登場。今作はついに完全3D化。作り上げたテーマパークのいかなる場所へも視点が持っていけるようになり、さらには自分で作り上げたローラーコースターに搭乗して乗り心地をチェックすることもできる。
ローラーコースターのデザインは屋外設置の伝統的なタイプだけでなく、ディズニーランドのスプラッシュマウンテンのような屋内から屋外に飛びだしたりするような、凝った作りのものもデザインが可能となった。
遊園地に来る観客達も賢く生意気になり、面白くない遊戯施設ばかりだと文句を言い出す。逆にあまり過激になりすぎても評判が落ちてしまう。遊園地に来る観客は総勢6,000人程度まで。
ゲームモードは、設定された目標収益をクリアするための遊園地を作るミッションモードと、ただ箱庭そのものを作ることを楽しむフリーモードなどが用意されている。
【スクリーンショット】 | ||
---|---|---|
ゲームシステム面に大きな変化はないが、グラフィックの進化は革新的。昼夜がシームレスに移り変わったり、来場者の顔がひとりひとり違い、自分の気持ちを表情にリアルタイムに反映させるなどのアイディアが盛り込まれている |
「HALO」のヒット以来、流行中のアクション映画風FPSの佳作。CIA特殊部隊のスペシャルエージェントとなってシリア、コンゴ、カザフスタン、チェチェンを舞台に20以上のミッションを駆け抜ける。マルチプレーヤーは画面分割による協力プレイから、Xbox Liveを使った対戦プレイまでをサポート。Xbox専用タイトルで、北米では6月発売予定。
【スクリーンショット】 | ||
---|---|---|
採用ゲームエンジンは「Unreal 2」エンジン。日本での発売は未定 |
(2004年5月14日)
[Reported by トライゼット西川善司]
GAME Watchホームページ |
|