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「デビルメイクライ3」初公開! その他新作タイトルを一同に紹介した
「CAPCOM PRODUCER DAY E3 2004」

5月10日(現地時間) 開催

会場:ウェスティン ボナベンチャー ホテル

 カプコンは5月10日(現地時間)、E3の開催に先立ち、米国ロサンゼルス市内のウェスティン ボナベンチャー ホテルにて「CAPCOM PRODUCER DAY E3 2004」を開催した。

 「PRODUCER DAY」は毎年この時期に行なわれる同社の新作タイトル発表会。カプコンを代表するクリエイターたちが壇上に登場、それぞれの作品を映像とともに紹介した。

 発表終了後には、発表されたほぼすべての作品がプレイアブル版で遊ぶことができたので、その感想もあわせてお伝えしよう。


■ PS2「SHADOW OF ROME」

 まずカプコンプロデューサーで先陣をきったのは「鬼武者」シリーズ、「ロックマン」シリーズで知られる稲船敬二氏。氏が紹介したのは海外向けのPS2用タイトル「SHADOW OF ROME」だ。

 「SHADOW OF ROME」は紀元前の古代ローマ帝国を舞台にしたアクションアドベンチャー。同作は、2004年1月に米国ラスベガスで開催されたカプコンのプレスカンファレンスで紹介されたが、日本のプレス向けには今回がはじめてのことである。

 上映された映像では、剣闘士によるコロシアムでの戦闘アクションや屋内で物陰に隠れて忍び寄るなどといったゲームパートのほか、ローマ皇帝らしき人物などが登場、ストーリーに絡むと思われるシーンも公開。その他、投石器や海戦、戦車戦のシーンなどもあった。映画「グラディエイター」を彷彿させるような剣闘士同士の戦闘がとても目を引く作品だ。

 稲船氏によれば、同作は、剣闘士による戦闘をメインに、父親の無実を晴らす謎解きの部分をもったゲームであるとのこと。主人公は2人いて、1人は剣闘士として戦闘アクションを、1人は知恵を使いローマのいろんなところに潜入するステルス系アドベンチャーとなるようだ。また、剣闘士同士の戦いは何でもありであり、その駆け引きを楽しんで欲しいとコメントされた。

 プレイアブル版でもこの2人の主人公、「Agrippa」と「Octavius」の2つのコースが用意されていた。

 剣闘士としての戦闘が楽しめるAgrippaコースは、複数の人数がコロシアムに閉じ込められて闘うバトルロイヤル戦。戦闘アクションは非常に豊富で、ボタンを溜め押しすることで攻撃力の違う攻撃がでたり、倒れている相手を踏みつけたり、敵の武器を奪い取ることも可能。またコロシアムを観戦している民衆へのアピールなども戦闘に関わってくるようだ。

 気になる発売時期だが2004年北米を予定。マーケットとしては北米・欧州がメインだが、日本でも発売したいとのこと。残念ながらまだ確定ではないようだが、朗報をぜひとも期待したい。

【スクリーンショット】
剣闘士Agrippa。血しぶきが激しいのは海外向け作品ならでは Agrippaの友人Octavius。ステルス系アドベンチャーらしいスクリーンショットだ 戦車戦の様子。古代ローマ帝国時代らしいアクション



■ GC「バイオハザード 4」

 続いて「バイオハザード 4」がプロデューサー小林裕幸氏によって紹介された。「バイオ4」については先立って今年1月にラスベガスで映像、作品を紹介しており既出のものもあるが、今回小林氏によってアナウンスされた情報を一通りお伝えしよう。

 まず、上映されたムービーで初公開の要素としては、ニューキャラクタである大統領の娘・アシュリーが登場したこと。か弱い存在である彼女を村人から守りながら闘うレオンの映像が多く流れた。彼女を探しだし、村から脱出を図ることがレオンの目的であるそうだ。また、謎の男性キャラクタや、村人でない黒装束の男たちも見受けられた。

 これまでのシリーズと大きく変わった点は、バイオの特徴でもあった固定カメラではなく、ビハインドカメラ(後方視点)となったところ。またAボタンひとつでいろんなアクションができるアクションボタンを用意。武器も、手榴弾、ロケットランチャー、スナイパーライフルなど数多くそろえているとのことだった。

 ストーリーラインはラクーンシティ崩壊から6年、レオンは大統領の娘を救い出すためヨーロッパに向かう。調査に訪れた村で群集に襲われるわけだが、彼らはアンブレラではないとのこと。アンブレラはラクーンシティ崩壊後、アメリカにすでに潰されたそうだ。

 用意されたプレイアブル版を体験した感想としては、ムービーでも感じていたことだが、まずグラフィックの綺麗さに驚かされた。ゲームキューブの性能を最大限までに引き出したとのことで、なるほどと思わされる映像だった。

 また演出もさすがというところ。暖炉の前の村人にレオンが写真を見せて問い掛けたときの振り返り方など、ゾンビではない気持ち悪さ、居心地の悪さがよく現れている。カメラの視点がビハインドカメラとなり、バイオハザードの恐怖感が変化するのではないかと考えていたが、思ったほどの違和感はない。ゲーム性はFPSに近いが、見えない範囲から敵が迫ることや群集で襲われる怖さはゲームが変わってもこれはバイオらしさだと感じた。

 襲う村人のスピードもゾンビとは違って速く、怒声をあげ駆け寄ってこられるとあせって照準がうまくあわなかったりと、短い時間ながらとても楽しめた。発売は2004年冬の予定。

 バイオ関連ではもうひとつ、今年9月に劇場公開予定の映画化第2弾「RESIDENT EVIL: APOCALYPSE」の情報があった。今回は、ゲーム本編のキャラクタであるJill Valentineが登場するようだ。詳しくは公式サイトにて。

【スクリーンショット】
スコープを覗くレオン。アクションボタンの表示が下に出ている ハシゴを使って建物の中にはいろうとする群集。ゾンビとは違い頭を使った行動を取る 確実にしとめるならやはり頭部。身体では数発撃ちこんでも倒れないことも



■ GC/PS2「ビューティフルジョー 2」、PS2「ビューティフルジョー」

 先月下旬に発表されたクローバースタジオ(カプコンの開発スタジオ分社設立)の社長就任が記憶に新しい稲葉敦志氏。氏から設立発表会でも発表されていた、GCとPS2で供給される「ビューティフルジョー 2」、PS2版「ビューティフルジョー」について紹介があった。

 新作となる「ビューティフルジョー 2」では前作のゲーム性をまったく失わずに、新しい2つの要素を加えたとのこと。ひとつは、スロー、マックスピード、ズームに続き、新しいVFXパワー「リプレイ」を追加。うまくいけば敵に3倍のダメージを与え、失敗すれば3倍のダメージを受けるリスクとリターンがはっきりしたシステムだ。

 もうひとつは、プレーヤーキャラクタとして「シルヴィア」が参加。前作でもおまけとして使えたが、今回は銃を使った新しいプレイスタイルのキャラクタとして登場する。そして、ステージは前作よりもボリュームが増えたとのこと。

 また、GCからの移植となるPS2版「ビューティフルジョー」では、「ただ1作目を移植しただけでは面白くない」(稲葉氏)と「デビルメイクライ」のキャラクタ「ダンテ」が登場。ダンテが「ビューティフルジョー」に登場する映像が間に合ったとのことで上映された。

 稲葉氏は「両作ともクローバースタジオで担当、制作快調です。面白いゲームに仕上げる自身がありますのでみなさんご期待ください」と締めくくった。

【ビューティフルジョー 2】
新キャラクタ・シルヴィアとともにVFXパワーを駆使してスクリーン世界を守れ
【ビューティフルジョー】
ビューティフルジョーに登場したダンテとトリッシュ。作品を超えた遊びはカプコンの得意とするところ



■ PS2「デビルメイクライ 3」

 今回の発表会で初公開となる「デビルメイクライ 3」。プロデューサーは「2」に引き続き田中剛氏が担当、同作を紹介した。

 本作は「1」よりも前の時代。ダンテももちろん若く、そのせいかどこか粗暴なイメージだ。初めて公開されたムービーは、ダンテの兄・バージルと思われる青い服の男(ダンテと同じ赤いアミュレットを持つ)とダンテが剣を交え戦うような映像と、ゲーム本編の映像で構成されていた。

 田中氏は、ゲームにおいて最も変わった点として、コンバットスタイルが選択できることを紹介。プレイアブル版では、以下の3種類のスタイルが用意されていた。

 銃に特化した「GUNSLINGER」、剣による近接戦闘を得意とする「SWORD MASTER」、壁走りなど動きに特徴がある「TRICK STAR」。選択はできなかったが項目としては防御タイプでガード後に強い攻撃を繰り出せる「ROYAL GUARD」があった。この4種類のほかにも製品版ではさらにスタイルを追加するとのこと。

 また、田中氏は今回のE3版では間に合わなかったが、戦闘で一部、後方カメラを製品版に追加するとのこと。さらにカメラの外からロックオンされないという、「1」、「2」で指摘のあった点について、この後方カメラを入れることで対処し、「東京ゲームショウでは見せることができると思います」と語った。

 別室に用意されていたプレイアブル版は「バイオハザード 4」と並びプレスたちが幾重にも囲むほど人気を集めていた。

 用意されていたのは「Devil's Tower」というステージ。遊んでみたところ、ゲーム冒頭、ダンテが標準装備する二丁拳銃はかなり弱くなっており(「GUNSLINGER」を選択しても)、剣を併用していかなければ先に進むのは難しいといった難易度。これは「2」での銃が強すぎるといったユーザーの不満に答えてのものということだった。

 グラフィックエンジンを再度作り直したというだけあって背景の質感、エフェクト効果も前作までとくらべ向上している。

 ステージのラスボスは、ケルベロスのような3つの頭を持つ巨大な氷の犬。かなりの強さを持っており、本日クリアできた人はいなかったとか。難易度の調整はこれから進むと思われる。2004年今冬、北米発売予定。

【スクリーンショット】
あどけなさの残るヤングダンテ。2丁拳銃とスタイリッシュなカッコよさはすでに持つ



■ PS2「Under the Skin(邦題:めいわく星人パニックメーカー)」

 上記4作品の他、映像公開されたタイトルのなかで、小林氏の新作「Under the Skin」がプレイアブルで出展されていたので内容をお伝えしよう。

 「パニックメーカー」は宇宙人「コズミ」を主人公とした完全新作のアクションゲーム。ゲームのシステムは少し複雑で、コズミは人間をスキャンして変身することができ、人間にイタズラをしてまわる。驚いた人間はコインを落とすので、それを規定枚数集めればステージクリアというもの。

 だが、そう簡単にはコインは集まらない。驚いた人間は、人間に変身しているコズミを追っかけてくる。これに捕まらず別の人間をスキャンし変身すればOKだが、もし捕まれば集めたコインはばら撒かれ、服も脱がされて裸になってしまう。さらにもう一度捕まれば宇宙人に戻ってしまい、街のすべての人間が追いかけてくるのだ。もう一度変身するには、人間をスキャンし、いくつかの場所にいるUFOに戻らなければいけない。

 マニュアルレスでプレイして理解することはかなり難しいが、慣れればじっくり楽しめそうなアクションであり、ゲームがもつ雰囲気もとてもポップでカワイイ印象だ。

 ステージにはバイオステージなどがあり、登場する人間には、バイオのジルや追跡者も登場とのこと。海外では2004年秋、日本では2004年夏に登場予定。

【スクリーンショット】
青い小さなキャラクタが宇宙人のコズミ。宇宙人とみれば追っかけてくる凶暴な人間を変身してだましてイタズラしよう


「Under the Skin」のほか、映像公開されたタイトルは以下のとおり。

  • PS2「Monster Hunter」
  • PS2「Nightmare Before Christmas Oogie's Revenge」
  • PS2「Killer7」
  • PS2「Street Fighter Anniversary Collection」

    (C)2004 Capcom USA, Inc. All rights reserved.

    □カプコンのホームページ
    http://www.capcom.co.jp/
    □カプコン「E3 2004」のホームページ
    http://www.capcom.com/e3_2004/

    (2004年5月13日)

    [Reported by 山内智和]


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