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山佐とナムコ、システム P246基板搭載のパチスロ「鉄拳R」発表
平八がパチスロを打ち! リン・シャオユウがワンダーエッグで微笑む!!

5月12日 発表

【鉄拳R】
6月上旬 稼働開始予定


ガッチリと握手を交わす山佐の佐野慎一社長 (左) とナムコの猿川昭義副社長
 山佐株式会社は都内で発表会を開催し、株式会社ナムコの3D格闘ゲームシリーズ「鉄拳」を使用したパチスロ (新回胴式遊技機) 「鉄拳R」を共同開発し、6月上旬にリリースすると発表した。今年は鉄拳がスタートして10年目にあたり、新作の発表など各方面に力が入っているようだ。

 「鉄拳R」はプレイステーション 2基板として知られる「システム P246」を搭載。横1,024ドットの12.2インチ液晶で迫力ある映像を映しだしている。映像だけでなく、演出などについても山佐とナムコの共同開発となっており、鉄拳のイメージを崩さない「鉄拳シリーズの最新作と言っていい (ナムコ、中谷始プロデューサー)」作品となっている。

 発表会に出席した山佐の佐野慎一社長は「これまで独立独歩で開発を行なってきたが、今回は共同開発を時間をかけてやった。世界的なゲーム会社のナムコとやれて本当に幸せだと思う。開発途中で規則改正があるなど大変だったが、一番出来のいい物になったと思う」と挨拶。

 続いて登壇したナムコの猿川昭義副社長は、「今年はナムコの50周年であり、鉄拳の10周年となる。別にそれに合わせたわけではないが、タイミング良く出せた」と挨拶。「『鉄拳』の名前を冠するには業務用に匹敵するものを作りたいと思い、家庭用チームを使い、筐体にはシステム P246基板を搭載し制作した。今期は『鉄拳』の色々な展開を考えており、ゲームセンター、家庭用を考えている」と自信を覗かせる一方で、楽しみなコメントを残した。

 「鉄拳R」の特徴は、同社が「キングディスプレイ」と呼ぶ大きな横長液晶。ただ大きく迫力があるだけでなく、横長液晶ならではの演出を考えたという。たとえば、キングの“列車止め”という演出がある。キングが勇敢に線路に飛び込み暴走機関車を止めるもので、成功するとボーナス確定となる。これなどは横長画面を使い切った演出と言える。ほかにもリン・シャオユウが舞台となる遊園地、ワンダーエッグでジェットカートにのりパンダトレースする演出がある。これも横長の液晶ならではのスピード感が味わえる。

 演出の中には鉄拳ならではと言えるバトルシーンが用意されているが、ナムコの開発陣によれば横長液晶ならではの迫力を出すためにカメラアングルを変え、一からグラフィックスを制作するほどの力の入れようだ。映画のアクションシーンなどを参考に研究し、横長ディスプレイならではの迫力を出したという。

 特徴はこのほかにも4つのスピーカーを搭載することで迫力の3Dサウンドを実現した点が挙げられる。スピーカーは上に2つ、下に2つ設置されており、3Dサウンドを実現している。左右だけでなく、上下にも音が移動し、迫力ある音場を再現しているという。また、固有IDを持たせV4チップを搭載し、セキュリティを強化しているという。

横1,024ドット、12.2インチの横長液晶がとにかく迫力の筐体。格闘シーンのカメラアングル、演出など横長液晶を意識して特別チームがナムコ内に結成され、制作されたという。ちなみに右側は風間仁が“地面砕き”の演出シーンで成功させてガッツポーズを取っているところ 試打会場も盛況。来場者が一度座ると離れない感じだった
発表会に出席した山佐、ナムコのトップクラスの面々 開発に携わったメンバー。向かって左が山佐、ヤマサエンタテインメント関連のメンバーで、右がナムコの開発陣 両社開発陣を集め、トークバトルが行なわれた。開発時の苦労話など、興味深い話題が満載。ちなみにバックはキングの“列車止め”。機関車の「7650」のロゴが眩しい


 発表会では制作スタッフによるトークバトルも行なわれた。最初にハードウェアの設計が行なわれ、山佐側として「気になっていた」というシステム P246基板を入れることになったという。ノイズや温度の関係で難しい話だったというが、これをクリア。次にどんなソフトを入れるかと言った話になり、開発陣に鉄拳ファンが多いことや、システム P246を最大限に生かす素材として「鉄拳」に白羽の矢が立ったという。

 「鉄拳R」ではメインメニューでキャラクタセレクトを行なえる。選択できるのは風間仁、リン・シャオユウ、キングの3名。風間仁は主人公っぽいルックスから決定したという。リン・シャオユウは今回ワンダーエッグを舞台にメリーゴーランドに乗ったりフォトシールを撮影したりといった女子高校生らしい行動をとっている。開発陣によれば「格闘の中にもこういった側面があることを表現したかった」とコメント。3人目は、ニーナなどの人気キャラクタを使用するといった色々な案が出たというが、キングのゲームシステムの素晴らしさから採用が決定したという。……という話だが、実はキングの大ファンが山佐開発室にいたらしい。

 3名に絞った理由としては、すべてのキャラクタを投入するとバランスが取れなくなってしまう点が挙げられる。また絞り込むことで演出の質を上げることもできたという。一方ナムコ側開発陣からは「もしすべてのキャラクタでこれだけの要素を詰め込もうと思ったら、あと5年でも終わらない」という泣きが入った。ただ、これ以外のキャラクタもあちこちで登場。バトルシーンで対戦キャラクタとして登場したり、平八などはマルチルーレットで平八スロットとして登場。プレーヤーに合わせる形で平八もスロットを打ち、役が揃うとスロット台を頭突きするなど派手なリアクションで楽しませてくれる。「演出バリエーションは1兆パターンを超える (山佐の西尾氏) 」といい、「デビル」や「アンノウン」も登場するので、かなりやりがいのあるようだ。

 単純にスロットを打つだけではなく、格闘ゲームならではのシステムも盛り込まれている。“捌き”がそれで、タイミング良く打つことで敵の攻撃を捌くことができるシステムも搭載されているようだ。もちろん10連コンボも実現可能で「ゲームではテクニックが必要だが、ここではひきが強ければ同様の爽快感を味わうことができる」という。

 既存の台では「“鉄拳”感が出ない」ということで一から設計されるなど、山佐、ナムコ両方ともかなり力の入った作品となっている。「鉄拳」の生みの親とも言える中谷始氏は「鉄拳の新作と言ってもいい」と言うほどで、その力の入り具合がわかるだろう。「鉄拳」ファンだけでなく、格闘ゲームファンは一度チャレンジしてみてはいかがだろうか。

ナムコのCTクリエイターグループの中谷 始プロデューサー ナムコのAMクリエイターグループ野々田光昭プロデューサー ナムコのP-7クリエイターグループ松倉健一郎プロデューサー
山佐の技術室室長の川崎寛昭氏 山佐の技術部技術室の藤本篤氏 ヤマサエンタテインメントゲーム事業部長の佐藤圭一氏
佐野慎一社長は「世界に名だたるナムコとやれて本当に幸せだったと思う」とコメント。「出来は本当に一番いい出来になったと思う」と自信を覗かせた ナムコのナムコの猿川昭義副社長は、「鉄拳シリーズは全世界累計出荷枚数2,300万枚の我が社を代表するコンテンツ。業務用に匹敵するよう家庭用チームを特別チームとして制作を任せた」と意気込みを語った 山佐の西尾氏は2年前から開発してきたという。「液晶の巨大化を予測し、発表時点での最高のクオリティを目指して制作してきた」と解説
メインメニュー。キャラクタ選択が可能となっている。選択できるキャラクタは風間仁、リン・シャオユウ、キングの3人 ボーナスゲームで鉄拳衆を倒していく演出 そこに平八などが登場することも。これら特殊キャラが登場するとチャンス
キングがボーナスゲームをクリアしたところ 共通アクションのひとつ“平八スロット”。平八、スロット打ってます。さらに熱くなって頭突きまでする始末。この表情にも注目。そろうと嬉しそうにニカッと笑ってガッツポーズ
ボーナスゲームで鉄拳衆に混じって登場した巌竜。かなりの迫力 リン・シャオユウのボーナスゲーム画面 格闘シーンのカメラワークにこだわったと野々田氏。特にシャオユウはこの見えそうで見えないカメラワークに苦労したとか


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□山佐のホームページ
http://www.yamasa.co.jp/
□ナムコのホームページ
http://www.namco.co.jp/
□ニュースリリース (PDF形式)
http://www.namco.co.jp/pr/release/50/50-005.pdf

(2004年5月12日)

[Reported by 船津稔]


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