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【任天堂Media Briefing】任天堂Media Briefingにて「ニンテンドー・ディーエス」が公開 |
(仮称)が取れ、正式に「ニンテンドー・ディーエス」となった |
会場:Grand Ballroom
Hollywood&Highland Complex
Reggie Fils-Aime副社長 |
Nintendo of AmericaのReggie Fils-Aime副社長によって、かねてから発表のあった2画面携帯機「ニンテンドー・ディーエス(NDS)」が公開された。ARM9とARM7の2つのCPUを搭載したNDSは、2画面の液晶が縦に配置され、同社のゲームボーイアドバンスSP同様に折りたたみ式の筐体を採用。下半分に任天堂ゲームマシンの証とも言うべき十字ボタンが左に、右に4つのボタンが配置されている。さらに、十字ボタンの上には2つの細長いボタンが、そして4つの丸ボタンの上にも細長いボタンが配置されている。本体色はシルバーの塗装がなされ、画面にはクリアパーツが液晶をカバーし、画面周りにかかる部分には黒い塗装が施されているようだ。ここは、2つのインジケーターが見うけられ、おそらく本体電源ランプと、ネットワーク関連のインジケータと思われる。
NDSは、既報通りタッチスクリーン方式を採用(下側の液晶)。スタイラスおよび指などで直接触れることによる入力が可能となっており、バックライト方式となっている。また、ゲームボーイアドバンスSPでは外付けとなったヘッドフォン端子も内蔵している。さらに、Wi-Fi互換のワイヤレスネットワーク機能を搭載。ワイヤレス機能により、最大16人までのローカルネットワークが9.144m(30フィート)の範囲で構成できるという。
株式会社スクウェア・エニックスの和田社長などのビデオコメントが流された |
■ 多彩な使い方で「ゲームの遊びを変える」2画面液晶
2つの液晶画面は、どちらの画面も2D/3Dどちらでも描画が可能で、開発者によって選択ができる。まず、「Super Mario 64x4(スーパーマリオマリオ)」がNDS上で動くさまが上映された。3Dのマリオでは、上画面に3Dのマリオが動くさまが表示され、下画面にはマリオ、そして他のキャラクタの位置がマップ上に表示されていた。ほかにも、ひとつのキャラクタが2つの画面にまたがって表示でき、同じ画面を2枚に表示したり、別のカメラアングルで上下の2画面表示も可能となっていると発表された。
続いてこちらも3Dで表現された「Metroid Prime: Hunters(メトロイド)」が紹介された。「メトロイド」では上画面にはマップ表示が、下画面では1人称視点の3D表示の画面構成となっている。この下の画面で、タッチパネルによって、画面をタッチすることによる攻撃が行なわれたり、移動が行なわれるさまがデモされた。具体的には射撃したい敵をタッチすればよく、ただつつくだけでいいという。
【Super Mario 64x4】 | |
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ワリオたちと空を飛ぶマリオ。下画面にはMap情報が表示される | |
【Metroid Prime: Hunters】 | |
「メトロイド プライム」のようなNDS版。一般的コントローラで不満のある照準操作などがすばやく行なえるのがタッチパネルの魅力 |
2つのスロットを持ち、片側にはGBAソフトがそのまま刺さる |
具体的には下画面上部(液晶の裏側になる)にNDSのメディアベイが、下画面下部にGBAのメディアベイが搭載されている。NDSベイの横にはGBAの通信ケーブルとの接続などに使われている外部拡張コネクタ1(EXT.1)のような端子が装備されている。
■ 2通りのネットワーク。タッチパネルとの併用で遊びも変化?
タッチスクリーンはスタイラス、そしてスクリーンを直接タッチすることで反応する。これでゲームプレイがまったく変わるという。画面に触れることに加え、会話も可能。その理由は、内蔵されたマイクと、音声認識プログラムの融合による。ということは、オーナーのみの声でゲームをコントロールできるということも実現できる。パネルをタッチすれば、すぐさまボイスチャットが可能となるのだ。また、スタイラスで書いた絵をそのまま送ることもできる。
Wi-Fiに対応することは、ローカルネットワークだけでなく、その先のコネクションをも示唆している。開発者はこの機能をどうやって使っていくのだろうか。NDSとPCとの接続なども具体例として示されたが、どんな使い方がされるのかが注目される。
■ 「日本とアメリカで今年NDSをリリースする」
任天堂の岩田聡社長 |
そして、任天堂の岩田聡社長が登壇。岩田氏は、「ニンテンドウ64を作ったときも、3Dスティック、4人同時プレイなど誇りに思った。私どもはゲームボーイというポータブルゲーム機を作ったことも誇りに思っている。しかし、一番誇りに思っているのは……これです」とNDSを高々と掲げた。
そして岩田氏は、「ゲームのやり方を変えた技術革新により、NDSはさらに業界を変えていくことでしょう。単に新しい、機能が増えたわけでもない、高度なスペックが与えられたわけでもない。まったく違うのです。もっとも、NDSだけが将来に変革をもたらすわけではない。違うということは、我々の次のコンソールマシンに対するアプローチも変えていく。テクノロジだけでは十分ではない。描写がさらに写実的になっただけでは違いというものは見えてこない。では、新しいマシンは何をすべきか? クリエイターにとって、プレーヤーにとっても、新しいマシンはもっともっと多くのことを達成しなければならない。新しいゲームの体験=ほかのマシンが提供していない体験を提供していかなければならない。ニューマシンの定義自体が変わっていなければならないのです」と続けた。
さらに、「任天堂は次のシステムに向けて一生懸命取り組んでいることを知っていただきたい。それによってゲームの革命が起きる。私のほうから技術スペックリストを提示することもできるでしょう。皆さんもお望みかもしれないが、単純な理由=リストなんてあまり必要ないと考えている。マシンはパワーで決まる、という時代は過去のもの。これからはこれまでになかった体験を作っていかねばなりません。NDSを作ったときのように。
繰り返すが、革命への取り組みは順調に進んでいる。それを目にしたとき、エキサイティングな体験をすることでしょう。NDSとともにビデオゲームは変わっていく。ぜひ今週、任天堂の新しい体験を楽しんでいただきたい」と締めくくった。
NDS対応タイトルは、E3会場の任天堂ブースにて試遊が可能となっている。E3開幕後のレポートで実際の使用感など、できうる限りのレポートをお届けする予定なので、お楽しみに。
(C) Nintendo.
□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.nintendo.co.jp/n10/e3/ds/index.html
□関連情報
【5月11日】Electronic Entertainment Expo 2004 記事リンク集
http://watch.impress.co.jp/docs/20040511/e3link.htm
(2004年5月11日)
[Reported by 佐伯憲司]
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