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Xbox 2004 E3 Briefingレポート |
会場:Shrine Auditorium
■ 「Halo 2」の北米での発売日は11月9日に決定
E3 2004開幕を2日後に控えた5月10日(現地時間)、Microsoftは米国ロサンゼルスのShrine Auditoriumにおいて、プレス向けの発表会イベント「Xbox 2004 E3 Briefing」を開催した。ここではXbox向けの最新タイトルや、Xboxに追加される新機能などについての発表が行なわれた。
今回の発表会で最も大きなトピックといえるのが、期待のタイトルである「Halo 2」の発売日が正式に発表された、という点だろう。2002年8月の「X02 North America」で初めて開発を発表、昨年のE3直前に行なわれたプレスカンファレンスにおいてリアルタイムムービーが披露され期待が高まっていたものの、当初の予定であった2003年末の発売は延期となっていた。しかし今回、ついに北米における正式な発売日が発表されることになった。
「Halo 2」の発売日は、Microsoftのホーム&エンターテイメント ディビジョンコーポレート バイスプレジデントであるピーター・ムーア氏によって発表された。ムーア氏が右腕の袖をめくると、「Halo 2」のロゴと、「NOVEMBER 9」と書かれたタトゥー(もちろんフェイクだが)が現れ、11月9日に発売すると発表された。今からちょうど半年後に発売となるわけだ。特に北米市場では絶大な人気を誇っている「Halo」の続編とあって、発売日が発表されると、会場では非常に大きな歓声が沸き起こった。
また、発売日の発表だけでなく、リアルタイム操作によるデモも行なわれた。昨年のカンファレンスで披露されたものとは違い、画面には体力ゲージや武器の残弾数、レーダーなどが用意されており、完成型に近いゲーム画面と考えられる。そして、Bungieの開発チームのスタッフ2人が、スパルタン IIをまとった戦士(マスターチーフかどうかは不明)とコブナントのエリートをそれぞれ操作しつつ、北アフリカのコブナントの基地の近くにあるフィールドを舞台に、ネットワーク対戦を行なっているというスタイルでのデモが披露された。
スパルタン IIの戦士に2丁拳銃などの新しい攻撃スタイルが用意されているという点は、昨年のデモにも用意されていたが、今回のデモでは、実際に両手に武器を持って敵を攻撃する様子が披露された。また、エリートがまたがっているエアーバイクに後方から近づき、乗っているエリートを蹴り落としてエアーバイクを奪い取るという、昨年のデモの中で印象的だったシーンも実際に披露された。また、エアーバイクや戦闘ジープなどのビークルは、「Halo 2」では攻撃して破壊できるようになっているそうだ。
実際に、マシンガンやロケットランチャーなどでビークルを破壊する様子が披露されたが、単にビークルを破壊するだけでなく、破壊されたビークルの爆発に巻き込まれて各キャラクタがダメージを喰らうという要素も盛り込まれているようだ。攻撃できる部位は細かく設定されており、戦闘ジープを攻撃すると、タイヤのホイールカバーだけが吹き飛んだり、本体が壊れてもタイヤだけが残っている様などが実演された。
また、ロケットランチャーは敵をロックオンして発射することで、追尾機能を持ち合わせているようだ。何度かの試射があったが、逃げるビーグルを見事に破壊していた。
今回は、現在開発中の素材を使ってのデモだったようだが、現時点での完成度がどの程度なのか、一切語られることはなかった。また、正式な発売日は発表されたものの、詳しい内容や新キャラクタなどについての説明も一切なかった。今回発売日を発表したということは、完成の目処が立ったからだとは思うが、決定した以上、発売日を心待ちにしているファンのためにも、きちんと守って発売してもらいたいと思う。ちなみに、北米市場以外での発売時期については発表されていない。
Xbox Liveは、これまでいくつかの機能拡張が実施されてきたが、今回の発表会において、さらなる新機能が、チーフXNAアーキテクトのジェイ・アラード氏より披露された。
発表された新機能の1つが、ビデオチャット機能だ。Xboxに専用と思われるCCDカメラを接続し、お互いを表示しながらのボイスチャットができるというもので、Xbox Liveに組み込まれる新機能となる。このビデオチャット機能は、1対1でのビデオチャットだけではなく、1つの画面に3個以上のビデオスクリーンを表示させ、最大5人によるビデオチャットも可能となっているそうだ。会場では3人によるビデオチャットが実演された。
ビデオチャット時のビデオのフレームレートは、インターネット接続回線の速度によって大きく左右されると思われる。とはいえ、今回披露されたデモを見る限りでは、そこそこスムーズな映像(10~15fps程度)が実現されており、実用度は高そうだ。ただし、このビデオチャット機能がいつXbox Liveに実装されるのか、利用するにはどういった機材が必要になるのか、また、機材はどのように販売されるのか、といった具体的な話は一切なかった。ちなみに、今回披露されたビデオチャット機能は、日本のデベロッパーが作成したものだそうだ(メニューが日本語になっていた)。
また、もう1つの新機能は、「Xbox Live Arcade」というものだ。これは、オールドゲームを中心としたカジュアルゲームをXbox Live経由でオンデマンド配信するというサービスで、Xbox Liveを利用した、本格的なゲーム配信サービスと言っていいだろう。レトロアーケードをはじめ、パズル、アクション、カードゲームなど、あまり時間をかけずに楽しめるゲームを、Xbox Live経由でダウンロードして楽しめるわけだ。デモでは、ナムコの「ディグダグ」や「ギャラクシアン」、そしてカプコンの「パズループ」などが画面に登場していた。
また、好きなゲームを「My Game」という項目に登録することも可能なようだ。ちなみに、こちらもサービス開始時期や利用料金などの詳細は不明だ。また、ダウンロードしたソフトはXboxのハードディスクに保存されるのか、またプレイするたびにダウンロードする必要があるのかも不明となっている。
今回の発表会では、超大型の新作タイトルの発表はなかった。しかし、いくつかの新作タイトルが発表されている。その新作タイトルの中で注目されるのが、レースゲームの「Forza Motorsport」だ。Xboxのレースゲームといえば、アクション性の強い「Project Gotham Racing」シリーズがおなじみだが、「Forza Motorsport」は、シミュレーション性を極限まで追求したゲーム性となっている。車の細かなセッティングを行なったり、様々な改造を施したうえでサーキットを走る。車の売買などもできるようなので、単なるレースシミュレーションにはとどまらないゲーム性も期待できる。発売時期は2005年冬の予定。
また、スポーツゲームを中心としたElectronic Arts(EA)のオンラインゲームタイトルが、Xbox Liveに対応することが、Microsoft ゲーム事業担当シニアバイスプレジデント兼Chief Xbox Officerであるロビー・バック氏により発表された。昨年のE3において、EAのオンラインゲームタイトルはプレイステーション 2に独占的に供給するという発表があったが、それはあくまでも2003年~2004年の1年間のものであった。そのため、今回EAがXbox Live対応タイトルを発表できたわけである。会場には、EAワールドワイドスタジオオペレーション担当社長のドン・マトリック氏が登場し、一緒に壇上に上がった、モハメド・アリ氏をはじめ、NFLやNBA、NHLなどで活躍する選手を紹介しつつ、EAのスポーツゲームをはじめ、様々なEAタイトルの新作や続編がXboxで楽しめるようになると語った。
これ以外にも、かなり多数のタイトルが披露され、とにかく非常に充実したラインナップが確保できているという印象を受けた。とはいえ、これは全て北米市場での話。今回発表されたり披露されたタイトルのほとんどは、日本市場にマッチするかどうか見えにくいタイトルが中心だった。また、多数披露されたタイトルの中で、日本メーカー制作のタイトルは、テクモの「DEAD OR ALIVE ULTIMATE」(日本でのタイトル名は「DEAD OR ALIVE ONLINE」)や、セガの「OutRun2」など数タイトルしかなかった。まさしく、日本メーカーと北米メーカーのXboxに対する姿勢の違いが如実に表れた格好だ。
「DOA ULTIMATE」は、「DOA2」をベースにしたデモシーンが公開された。今作の目玉といえる、階段を転げ落ちるデンジャーゾーン、そして海岸の砂山を転げ落ちるデンジャーゾーン、さらに、建物の屋根の下にゲン・フーが雲閉日月把で相手を天井裏にたたきつけ、高速に落下してきた相手に烏牛擺頭を食らわせるシーンや、アフリカの草原で、ティナがジャイアントスイングで飛ばした相手がアフリカゾウに激突すると、ゾウが雄たけびをあげるというシーンなどでは会場の歓声がひときわ高まっていた。また、「DEAD OR ALIVE Xtreme Beach Volleyball」に登場した海岸がステージ化されたり、「DOA3」での香港ステージのイルミネーションが地面に落下し、その看板に敵をたたきつけることができるようになっているなど、新ステージおよび新デンジャーゾーンを中心とした内容になっていた。ただ、肝心のオンライン部分に関しては、「このゲームがXbox Liveで動く」こと以外は明らかにされないままだったのは残念。
ジェイ・アラード氏、ピーター・ムーア氏、ロビー・バック氏とも、事あるごとに日本市場は重要であると言いつつ、やはり今回も日本市場に対するアプローチは皆無といえる発表内容だったが、これはもちろん、このブリーフィングがアメリカにおいて行なわれたことに起因するのだろう。それでも新作タイトルなどに日本市場を意識したものがほとんどなかった点は非常に残念に感じた。逆境の中でのXbox日本チームの奮起を期待したいところだ。
□Xboxのホームページ
http://www.xbox.com/ja-jp/
□関連情報
【5月11日】マイクロソフト、Xbox「Halo 2」北米地域で11月9日に発売決定!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040511/halo.htm
(2004年5月11日)
[Reported by 平澤寿康]
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