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★特別インタビュー★

「頭文字D Arcade Stage」&「Special Stage」
オリジナルサウンドトラック

ウェーブマスター 小林秀聡氏

株式会社ウェーブマスター所属。「ファンタシースターオンライン」シリーズ、「ソニックバトル」、「頭文字D」シリーズの作曲を手がけるほか、OVA「サブマリン707R」の楽曲も担当。



 3月10日、ファンも心待ちにしていた株式会社セガの「頭文字D」のゲームサウンドトラック、しかもセガオリジナル曲を集大成した「頭文字D Arcade Stage」、「Special Stage」の2枚が株式会社ウェーブマスターから発売された。サウンドを作曲した株式会社ウェーブマスターの小林秀聡氏に、サウンドトラック発売の経緯と、聞きどころなどをお伺いした(文中敬称略)。


■ BGMのコンセプトは“とにかくわかりやすく作る”

【頭文字D SPECIAL STAGE SEGA ORIGINAL TRACKS】
品番:WWCE-31029
価格:2,500円(税込)
--シリーズ初のセガオリジナル曲のCD化ですが、なぜこのタイミングなんでしょうか?

 時期的によかったのかな、と。「Ver.1」、「2」、「3」とアーケードを3作と、PS2版「Special Stage」とやってきて、それぞれの要素要素で(サウンドトラックを)出していくというのが、ちょっと難しいプロジェクトだったというか。特に「ver.2」で全曲作り変えるようなことがありましたので、「サントラをいつ出そうか……」ということもありまして。そして今回、ちょうどアーケードで「Ver.3」が出たことや、「Special Stage」もPS2 the BEST版になり、ちょうどいいタイミングということもありましたので、今回サウンドトラックが発売できました。

--「Arcade(業務用)」、「Special(家庭用)」と併せて100曲近くの楽曲がありますが、統一感を維持しつつ、バリエーションを持たせることは大変だったのではないかと思いますが?

 例えば、「Arcade Stage」で私が担当した曲は、主にライバルの登場シーンだったのですが、レース中にユーロビートを使っているので、その対比というわけではないですが、いろんなジャンルの曲をキャラの個性に合わせて考えた上で、その場面を表現していこうというコンセプトで制作しました。「Special Stage」に関しては、ストーリーモードのレースの間のシーンを担当しましたが、そこはむしろアニメの劇伴曲を意識しました。アニメ版の曲もありますが、「もし我々がその場面を表現するとしたら、どんな曲がいいだろう?」と考えたところ、ギターなどを入れて、ロックテイストにしてみようか、という感じで……そういった方向を中心に楽曲を作り続けたという感じです。そこで、「Special Stage」には、野村さんというプロのギタリストの方にゲストで曲を作っていただいたり、自分の曲にもギターで参加していただいて、完成度を高めています。

--あらかじめアニメ版と同様にユーロビートが入ることがわかっていて、その間をつないで全体をまとめるという作業は、一般的なゲームの制作と異なる部分があると思います。とくに折り合いをつける意味で大変なのでは? と想像してしまうんですが……?

 レースに入ってしまうと、プレーヤーの方はレースはレースで集中してしまって、その場面でのBGMはユーロビートがお約束として認知されていると思うんです。だから折り合いということは難しく考えずに、例えば「Ver.2」の時は、開発スタッフに「キャラクタごとのテーマ曲を考えてくれ」と依頼されまして、こちらもレースはレース、ライバルシーンはライバルシーン、と割り切って作ったところがあります。「Special Stage」に関しては、通常のアニメと同じようなやり方だと思うんですが。大まかな曲調を決定したあとで、原作をいかに楽曲で表現するか、1枚絵だったのでアニメとは微妙に違うのですが、その場面場面を表現することに集中したので、全体的なバランスも取れていると思いますし、特に「Arcade Stage」はコースを自由に選べるので、「このコースはこの曲」といったわかりやすさを重視して作りましたね。

--ガンガン動く動画と、一枚絵とでは、BGMのつくりとしては意識は変わるものですか?

 「Special Stage」のサントラにも収録されているんですが、「モノローグ」という曲がいくつかあるんです。これは、実際のストーリーモードの仕様が決まって、そのストーリーに合わせて曲を作っていったんですが、それだけでは網羅できない部分が出てきたんですよ。例えば「秋名のハチロク」編が終わって、次の「レッドサンズ」編が始まるあたりとか、ストーリー部分の説明が長くなったところがあって……その部分をうまくつなげられるような楽曲を作ってほしいと依頼されまして。その映像に合わせる、というよりは、いろんな映像にすんなり合わせられるような楽曲を作る必要が出てきたんです。それから、あらかじめ各シーンの脚本を見て、「セリフのこの部分で曲を展開させたいな」というイメージがあったので、それに合わせて曲を作っていった部分が大きいですね。また曲を作り始めた時点でセリフの収録と平行作業でしたから、あらかじめ脚本を見て、セリフの長さを判定していた部分も大きいです。あとはミキシングの段階で、素材とうまく合わせて、セリフを置く間とか、絵の変わるタイミングでうまく合わせてもらいました。

--話の展開やイラストに併せて違和感なく流れるBGMを作るノウハウは?

 とにかくわかりやすく作るということですか。例えば、相手が初めて曲を聴いた時に「ココがサビなんだな」とか、「ここを表現したいんだな」ということがわかりやすいように作るということですね。逆にモノローグのように、どこで切っても、どこから始まってもバックで鳴っていられるように作る曲もありました。実際にMAで組み合わせる段階では、1週間ほどかかって映像と音楽のすりあわせを行なっていたようです。


■ 「Arcade」と「Special」、2枚の異なるコンセプトとは?

【頭文字D ARCADE STAGE SEGA ORIGINAL TRACKS】
品番:WWCE-31030
価格:2,500円(税込)
--小林さんといえば「ファンタシースターオンライン」なども手がけられていると思うのですが、「頭文字D」は今までの作品と毛色の違う作品だと思うのですが……?

 たしかに、「PSO」などと比べると違う音楽と感じられるかもしれませんが、「PSO」の戦闘シーンと、「D」のライバルがケンカ腰で挑戦してくるシーンと、表現の目的は多分自分としては同じなんですね。昨年はほかにも4~5タイトルを担当したんですが、いずれもラスボスの曲を担当しているんですよ(笑)。例えば、「ソニックヒーローズ」のときも、サウンド担当の瀬上さんが「小林、ラスボスの曲作ってよ」とか。緊迫した曲が得意というか、自分の作る曲がそういった場面に向いている、という社内の評価をいただいているみたいで、「PSOIII」のときもボスの曲を担当させていただいたり。自分でも進んでいろんな曲を作りたいとは思っているんですが、緊迫した曲を作るのは自分としても楽しいので、そういった声をかけていただけるのはうれしいですね。

 あと「頭文字D」で初めてアーケードの仕事を担当したんですよ。曲を作る勝手が家庭用とは違っていて、短い中で必要な情報を乗せて、ループして聞いてもBGMとして楽しめるような曲作りをしていきましたね。そういった曲作りをたまたまあまりやったことがなかったので、勉強になりましたし、いろんな曲が作れて楽しかったです。

--家庭用と業務用で聞く環境が異なりますが、意識されたことはありますか?

 「頭文字D」に関しては内蔵音源を使っていることもあるんですが、パート数をあまり増やさない、というところは意識しました。少ないパートで大事な音やフレーズ、リズムパターンを入れていって、それが目立つようにしようと。でも筐体で鳴る音と、作曲する環境やスタジオでの音の違いには最初びっくりしましたね。ぜんぜん思っていた音と鳴り方が違うということを初めて体験しました。1日筐体で音を聞いて、それから調整して……という作業が入ったりしましたね。

--CDで聞く音とはやはり違うんですよね。そうなるとCD化するときに調整されたんですよね?

 バランスは最良のものを目指しつつ、音色に関してはアーケードの雰囲気をなるべく維持したほうがいいと考えた上で、今まで作ったものを新たに音楽として成立するように、マスタリングにもわがままをいってCD用にマスターを制作しました。

--このCDのコンセプトとして、どういった狙いがあったんでしょうか?

 「Arcade Stage」に関しては、メドレーにするにはそれぞれの曲の方向性が違っていたこともありますし、なるべく全ての曲を収録したかったんですよ。「Ver.1」部分の音源に関してはある意味おまけ的要素がありますが、「2」、「3」に関してはそれぞれの曲を1つの曲として聞かせたかった、という意図があります。

 「Special Stage」はストーリーの流れがありますので、一般のサントラのように流れで聞いていただきたい、というコンセプトがありました。どちらにしても好きなところを聞いてもらえれば、とは思います。リクエストがあればRemixも考えていきたいと思いますし(笑)。

--そういえば、小林さんはクルマはお好きですか?

 実は免許を持ってはいるんですが、クルマは持っていないんですよ(笑)。

--それから、瀬上さん(瀬上 純氏:『ソニックヒーローズ』などを手がける)がリミックスされた「HYPER GT-MiX(Special Stageに収録)に関してはいかがでしたか?

 瀬上さんにアレンジしていただいたのはやはりうれしいですね。自分もロック風の音楽を作ってはいますが、やっぱり瀬上さんは生粋のロッカーですからね。すばらしいリミックスになっていると思います。

--最後に、「ぜひココは聞いてほしい」というポイントがありましたら教えていただければ……。

 やはり、CDを最初から最後まで、聞いてほしいですね。とくに「Special Stage」は1つのストーリーの流れに即して作られていますので。逆に「Arcade Stage」はいろんなジャンルの曲が詰め込まれていますので、その違いを楽しんでいただければ、と思います。

--本日はありがとうございました。


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□セガのホームページ
http://sega.jp/
□ウェーブマスターレーベルのホームページ
http://www.wavemaster-label.com/
□製品情報
http://www.wavemaster-label.com/inid.html
□関連情報
【3月9日】セガモバ、抽選で5名にサントラCDセットをプレゼント
「頭文字D Special Stage」、「頭文字D Arcade Stage」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040309/intd.htm

(2004年3月18日)

[Reported by 佐伯憲司]


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