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★Xboxゲームレビュー★
Xboxユーザー、3Dアクションゲーマー注目の「NINJA GAIDEN」がようやく発売された。このゲームは3Dアクションゲームの中でも、“キャラクタ対キャラクタ”に焦点が当てられている作品といえるだろう。数多く3Dアクションゲームが登場してきたが、巨大なMAPと主人公の運動能力との駆け引きを重視した作品や、1対多の圧倒的主人公のパワーによる、まさに「なぎ倒す」豪快さを重視した作品など、いろんなタイプがあると思う。だが、この「NINJA GAIDEN」は、当然謎解き要素なども存在するし、敵は複数が一度に登場するが、同社が「DEAD OR ALIVE」シリーズで培った対戦格闘アクションのノウハウを生かした、攻撃と防御、そして多彩なアクションが全て、“敵と己との戦闘”に見事に集約されるという、他に類を見ない作品に仕上がっている。
忍者アクションの真骨頂はいかなるものかと言わんばかりの本作品。その魅力にここで触れてみよう。
■ 1対多の戦闘で求められるものは防御からの立ち回り!!
さらに、敵はこちらの攻撃をガードし、スキをつくように行動するため、闇雲に攻撃していると、ザコとはいえどもあっという間に袋叩きに遭って昇天……というオチになる。これはチャプター1からしてその傾向が顕著で、特に中盤以降に登場する、白装束の忍者でイヤと言うほど実感できる。こちらとの距離があると手裏剣を投げつけてこちらの動きを牽制(ヒットするとひるんでしまううえ、ダメージを受ける)。大抵の場合、画面外から投げてくるので、不意を衝かれやすい。さらに混戦状態で手裏剣を食らうと近くの敵に攻撃させるチャンスを与えてしまう。これでだけでも厄介なのに、近づいて斬りつけてもガードが堅く、なかなかダメージを与えられない。さらにこちらがガードに専念していると、投げでこれを潰しにくるのだ。 このため、まずは相手の攻撃をやり過ごすことが大切になってくる。ここからX、Y、Bボタンを使った攻撃で、一気にダメージを奪う戦い方が求められるのだ。 そこで、ポイントとなる要素としてまず挙げられるのはガード。Lトリガを押し続けていれば、全方向からの攻撃を自動で相手の攻撃を防ぎ、これだけでもかなりのダメージを軽減できる。まずは、ガードで相手の攻撃をよく見よう。大振りの攻撃をガードしたら、すぐに反撃してみるといい。さらに、ガード直後に左スティックを任意の方向に入力すれば、ガード後の硬直をキャンセルして(俗に言うガードキャンセル)、前後左右の任意の方向へ転がる、「裏風」という技にシフトする。これで相手の側面や背後をとれば、相手のスキをつきやすくなる。「裏風」から攻撃に繋ぐこともできるので、相手の側面をとって反撃も可能。 なお、「裏風」は通常時でもLトリガ+左スティック入力で出せ、こちらの上半身を狙ってくるような打点の高い攻撃をかわすこともできる。回避しつつ攻撃する時に重宝するだろう。さらに先に進めば、ガードキャンセルからすぐさま攻撃を繰り出せるようになるので、タイミングをマスターすることで、攻めへの移行がよりスムーズになる。
ちなみに、ガードは投げや一部の攻撃には無力。投げは接近してきた敵が使ってくるので、相手との距離にも注意する必要がある。攻撃の中にはダメージは受けないもののガードを崩されてしまい、スキを見せてしまうものもあるので注意が必要となる。そういった攻撃にも仕掛けてくる距離やリーチなど設定されているので、敵との間合いを考えて行動しなければならない。これは、防御だけではなく攻撃時にも言えることなので、戦闘の攻防では見逃せないファクターだ。ちなみに、敵はガードキャンセルを使わないようだ。
■ フィールドを利用したアクションが攻略のカギとなる 主人公であるリュウ・ハヤブサは走ったりジャンプしたり以外にも壁を走り、壁を連続でジャンプして上がっていくなど、驚異的な身体能力の持ち主。これらのアクションは、主人公を待ち受ける様々な仕掛け、または敵に対しての立ち回りで必要になる。
以下に攻防の要となる、攻撃以外のアクションをピックアップしてみた。 ・壁走りと「飛鳥返し」 ジャンプ中に壁に触れる際、左スティックを前に倒しておけば、壁を走ることができる。壁に向かって垂直にジャンプすれば真上に駆け上がり、角度の浅い状態でジャンプして壁に触れれば、横へ走り抜ける。壁走りは3~4歩ほどと持続時間は短いが、壁を横へと走る方は通常の走りと同等のスピードと移動距離がある。狭い通路に敵が待ち受けている状況で利用すれば、やり過ごして先へ進むことも容易になる。
壁走り中にはジャンプも可能で、壁走り後の移動距離を稼ぐこともできる。また、ジャンプ時に壁に触れれば、再び壁走りを行なって状態を維持できる。これを利用すれば、落下することなく駆け抜けることも可能だ。壁と壁の間隔が狭い場所を見つけたら、一方の壁を駆け上がりジャンプして、反対側の壁に移って再びジャンプすることが可能。この「飛鳥返し」を繰り返し、高い場所へ登ることができる。
・ぶら下がり
特定の場所では、ぶら下がり状態で回転をする「スイング」を行なうこともある。この場合は左右への移動は不可能で、Aボタンでジャンプする。 ・「風駆」 XとAを同時に押すと、最も近い敵に向かってジャンプするアクション。「風駆」中に敵に触れると、相手の頭上に乗って再びジャンプを行なう。敵に囲まれた時に利用すれば、通常のジャンプや壁走りを使うよりはるかに容易に逃げられる。ジャンプ中には攻撃が可能なので、相手の包囲から逃れると同時に攻めに転じる手も使える。 ・「裏風」
以上が、ゲームをプレイする上で重要となるアクション。これ以外にも、水泳や水面を走るなどのアクションが存在し、ステージによってはこれらも活用することになる。周囲の状況や目的地を見極めて、適したアクションを使う必要がある。また、これらのアクションと攻撃を組み合わせることで、多彩な攻めを駆使できるのもポイント。フィールドのギミックを利用しつつ敵の攻撃をかわす、または防いで攻撃に転じる、これが本作の醍醐味と言える。思い通りにフィールドを駆けめぐる爽快感が非常によく表現されていて、これだけでも著者を夢中にさせてくれた。
■ コンボや「絶技」を決めて複数の敵をなぎ倒す爽快感 攻撃はX、Y、Bの3つのボタンで行なう。Xは威力はないが素早く攻撃を繰り出せ、Yはダメージは高いが、攻撃を繰り出すまでとそのあとのスキは大きい。Bは手裏剣や弓となどのサブウェポンの使用となっている。さらにこれらの攻撃を組み合わせてのコンボも可能。攻撃の中には次の攻撃に繋ぎやすいものとそうでないものがあり、中には使用する武器によって可能となる連携も存在する。これらを利用し、上手く繋いでいくことで独自のコンボを作ることも可能だ。ただし、相手はガードでコンボを防ぐので、闇雲に攻撃しても効果はない。「裏風」で相手の攻撃をかわすと同時に攻撃を当て、そこからコンボへ持ち込むなどの組み立てが必要となる。
ちなみに敵を倒すと「エッセンス」と呼ばれるエネルギーの玉が出現。色によって違った効果がある。多くの攻撃を連続で繋いでいけば、出現するエッセンスも大きくなり効果も高まる。これらのエッセンスをいかに多く得るか、これを考慮した戦いも必要となるだろう。特にイエローエッセンスは通貨の役割をしており、ショップでの買い物に利用するので重要になる。
なお、Yボタンは威力の高い攻撃だけではなく、押し続けることで溜めることが可能。溜めの動作中は無防備だが、溜め続ければその分威力が増す。武器が青白い炎に包まれると溜めの限界で、それ以上は威力が増すことはない。あとはYボタンを放せば、近くの敵に向かって突進しつつ攻撃を繰り出してくれる。
また、この溜め動作の最中は「エッセンス」を引き寄せる特性がある。溜め動作中に「エッセンス」を得ることで「絶技」へと変化する。「絶技」には2段階あり、イエローエッセンス1つで1段階、イエロー2つかブルーやレッドなら2段階目に変化。「絶技」は1段階目でもザコ程度なら一撃で倒せ、2段階目なら連続攻撃も付加され、大ダメージを叩き込んでくれるシロモノ。さらに「絶技」で倒した敵から出現する「エッセンス」は、より大きくなり、高い効果を発揮する。コンボだけではなく、「絶技」も利用することでより多くの「エッセンス」を得られるので、状況に応じて使い分けるといいだろう。なお、溜め動作の際に得た「エッセンス」は「絶技」のレベルアップにのみ利用され、本来の効果とのトレードオフとなる。よって、「絶技」に使うか溜め込むかは、状況に応じて判断しなければならない。
とくに、秘伝書で得られる技はかなり有効。ガード直後に攻撃を繰り出せるようになる秘伝書は、以降の攻防で要になると言ってもいい。ステージが進めば敵の攻撃が激しくなり、ガードに徹する機会が増えてくる。そんな時にこの技があれば、確実に相手へ攻撃を叩き込むことができ、さらにそこからコンボへ繋ぐ発展性がある。
また、中盤で手に入る「飯綱落とし」の秘伝書も見逃せない。「DEAD OR ALIVE」シリーズでハヤブサが使っていた技で、知っている人も多いと思う。本作でもこの技はコンビネーションの締めくくりとして使え、打ち上げた相手を空中で攻撃し、さらに掴んで地面にキリモミ状態で叩きつけるという技になっている。威力も高く、相手を地面に叩きつけた際には周囲の敵を吹き飛ばす効果もある。相手を浮かせてからさらに攻撃を叩き込む必要があるので、簡単には狙えないが、「裏風」や壁走りなどのアクションからスキをついて攻撃を叩き込み、そこから「飯綱落とし」へ持ち込むのが重要なファクターとなる。
最後に「忍術」に触れておきたい。忍者ならではのこの攻撃は、気力を消費することで使用可能で、攻撃時には無敵状態となる。もちろんダメージも通常攻撃とは比べものにならないほど高いので、使わない手はない。ただし、忍術は最初から使えるわけではなく、巻物を手に入れないと使えない。巻物はステージを進める途中で必ず手に入るものもあれば、探し出す必要もある。「忍術」によって、周囲の敵を攻撃するのに有効、前方の相手を叩くのに優れているなどの特徴があるので、これらを見極めた上で使い分けたい。また、ボス戦などでは、相手の強力な攻撃を、無敵状態を利用してかわすといった使い道もある。
ちなみに忍術は「魄封珠」というアイテムを使用することでレベルアップする。これにより、威力が増したり、攻撃の手段が増えたりとより強力になる。手に入れる個数が少ないため、自分のプレイにあった忍術に対して使っていくといいだろう。
■ コンボや「絶技」を決めて複数の敵をなぎ倒す爽快感
武器のモーションや攻撃のタイミングなど、個人の好みや扱いやすさに違いが出てくるので、一概にどれが使えるとは言い切れない。これらの武器を使いこなすことで、違った攻略法を探す楽しみがある。そしてほとんどの武器は、ショップで鍛えることでダメージが増したり、新しい技を使えたりとパワーアップする。ステージが進むにつれ敵も強くなり、体力も増してくるので、早いうちに鍛えておきたい。下手に回復アイテムを購入するぐらいなら、武器のパワーアップを急いだほうがいいだろう。
さらに手裏剣や弓などのサブウエポンも、攻防のカギを握ってくる。特に弓は遠方の敵を倒すのに必要な武器。ステージによっては、弓で敵やオブジェクトを狙わないと先に進めないところがある。また、戦車や戦闘機など、刀では到底敵わない相手と戦う時にも必要となる。
手裏剣はダメージは低いが、ジャンプ中でも使用ができるのが強み。ジャンプ後、着地点に敵が待ち受けているようなら、手裏剣を投げて相手を牽制。動きを止めたあとに踏み込んで攻撃することもできる。相手を空中に打ち上げたあとに手裏剣で追い打ちもできて、コンボに組み込む用途にも向いている。これらの武器を上手く使い分けて、敵との立ち回りをよりスムーズに行なうことも重要なポイントとなる。
■ 難易度は高いので心してかかれ
ここまで聞いて腰が引けてしまうユーザーがいると思うので、著者個人の意見として「遊び甲斐のある難易度」と感じたことを付け加えておく。敵のガードが堅いと言っても、こちらが闇雲に攻撃をした場合の話。敵の攻撃を上手くやり過ごして、攻撃に転じるコツを覚えればザコ敵との戦いがかなり楽になる。そこからどんなコンボを狙っていくか、壁をどう利用するかなどの様々なことに考えを巡らせる余裕が出てくる。こうなると、自分なりの「忍者らしい戦い方」を演出できて非常に面白くなる。それを可能としているのが、様々なアクションと武器や「絶技」と言った要素で、これらが絶妙にマッチしている証拠。まず、チャプター1のボス、ムライを倒すところまではがんばってプレイしてもらいたい。少しずつでも、このゲームの狙いどころが理解できるはずだ。 また、先に進むと多少、フィールドの謎解きには意地悪なものもあるが、周囲をよく観察していればおのずと答えは見えてくる。ここで使ってほしいのが右スティックの主観視点。キャラクタの位置はRトリガで背後視点にリセットされるのだが、この主観視点を使って周囲を見渡すことが大切。また、この主観視点でのみ、キャラクタの微妙な方向修正が可能。これがないと困るシーンが出てくる。 ポイントごとにヒントも出てくるので、プレーヤーを単純に突き放すような難易度設定はされていない。チャプター7ぐらいから、ステージの仕掛けと全体の難易度がグッと上がってくるので、がんばってもらいたい。 アクションゲームが苦手な人には、厳しい難易度になっているのは確かだが、やり込めばやり込むほど遊び込む要素が見えてくる。次第に上達していくのもわかり、ハヤブサを思い通りに操作できる楽しみも増すのだ。アクションゲームが得意な人は、ステージクリアの際に評価が発生するので、最高評価を叩き出すためのパターン作りに熱中できる。ちなみに、評価はクリアタイム、敵を倒した数、気力の残量などで判断される。敵を多く倒しつつ素早くクリアすることになるが、そのためには「絶技」を上手く使って素早く、かつ多くの敵を倒していかなければならず、緻密なパターンを作り上げなければならない。
一定の技量は必要になるが、それさえクリアできれば華麗な戦いからムダのないスーパープレイまで、様々な遊び方ができるのが本作の最大の魅力だ。アクションを楽しむことが、ゲームクリアに繋がるという作りがマッチした作品なので、自分なりの「忍者プレイ」で楽しんでもらいたい。
※画面は開発中のものです (C)TECMO,LTD.Team NINJA 2004
□テクモのホームページ (2004年3月15日) [Reported by 渡辺洋二] また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2004 Impress Corporation All rights reserved. |
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