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★GCゲームレビュー★

シリーズ最新作はタイトルどおりの革命的進化を遂げたのか?
「カスタムロボ バトルレボリューション」

  • ジャンル:対戦ロボットアクション
  • 発売元:任天堂株式会社
  • 価格:5,800円
  • プラットフォーム:ニンテンドーゲームキューブ
  • 発売日:発売中(3月4日)



 「カスタムロボ バトルレボリューション」は武器やパーツをとっかえひっかえカスタマイズできる小型ロボット“カスタムロボ”を操作し戦う、俯瞰視点型の対戦ロボットアクションゲーム。'99年12月にニンテンドウ64(以下、64)で第1作目が発売され、今回のニンテンドーゲームキューブ版で4作目になる人気シリーズだ。据え置きプラットフォーム用としては64版「カスタムロボV2」の続編にあたる作品となる。

 「カスタムロボ」シリーズはもともと、見城こうじ氏率いるゲーム製作会社ノイズで開発されたゲームだ。30歳以上のコアなアーケードゲーマーならその名をご存知の方も多いだろう。見城こうじ氏は「マイコンBASICマガジン」(電波新聞社)、通称“ベーマガ”でアーケードゲームを中心とした記事を担当していたゲームライター。ベーマガライター時代の記事はゲームに対する造詣の深さや分析に優れ、筆者も楽しく読ませていただいた覚えがある。後にナムコに入社して「コズモギャング・ザ・パズル」や「ダンシングアイ」などを制作。'96年に退社し株式会社ノイズを設立、独立第1作目となったのが「カスタムロボ」である。

 さて、前置きが長くなってしまったが、シリーズ最新作となる「カスタムロボ バトルレボリューション」は「100年遊べる対戦ゲーム!」を開発テーマにしてデザインされたシリーズ集大成、とのこと。開発は任天堂、ノイズ、そしてスタジオフェイク(セガAM2研出身の岡安啓司氏率いるゲーム製作会社)という体制に移して行なわれた。64からGCにハードを移し、どのような革命的進化(レボリューション)が行なわれたのか、見ていくとしよう。

主人公ロボ「レイ01」が「ガン」、「ボム」、「ポッド」を有効に活用して各個撃破していくオープニングムービー。ゲーム内容をうまく伝える出来だ。また、本ムービーはアイドルグループ「dream」の楽曲「Identity -prologue-」を主題歌としたことでも話題を呼んでいる



■ ビジュアル面の一新

 これまでのシリーズと本作の大きな違いとして、まず挙げられるのはビジュアル面と世界観の一新である。前作までのカスタムロボは人の顔をしたロボであり少年漫画的なデザインであったのに対し、本作ではいわゆるリアルロボット系のデザインに変更された。ゲームの世界観も子供の玩具であったカスタムロボが、本作では小型ロボット兵器として扱われカスタムロボを使った犯罪が続発しているというハードな設定になっている。

 これらのイメージチェンジについては、プロデューサーの見城こうじ氏がインタビューなどですでに語っているが、ユーザー層の拡大、海外展開のためだ。狙い通り新規ユーザー獲得に結びつくだろうが、これまでのファンにとっては賛否両論があるかもしれない。筆者も少々残念に思った口である。前作までの少年漫画的なデザインこそカスタムロボのオリジナリティのひとつであった(例えば、空中を高速で飛び回るお爺さんロボなどはカスタムロボならではのデザインだったと思う)。しかし、本作のデザインも特に悪くはないのだが、目新しさはあまり感じない。

 とはいえ、ハードの性能の恩恵を受けたビジュアル面の向上は嬉しいもの。ロボのアクションや武器の演出、ホロセウムと呼ばれる対戦ステージなど、いずれも驚くほど綺麗になった。

色数も格段に多くなった対戦ゲーム画面。カスタムロボたちもキビキビ動き回る 大きく変更されたカスタムロボのデザイン。顔部分に若干面影が残る ステージは全部で35種類。前作までのステージをリファインしたものが多い



■ シリーズを通して変わらぬゲーム性

 こうした変更に対し、軸となる対戦ゲーム部分は前作そのまま。ビジュアルは変われど64版とまったく同じアクション性、操作感。制作会社が変わりハードも変わったのによくぞここまで再現したと言うべきか。

 「カスタムロボ」を知らない読者向けに解説すれば、本シリーズはかっこよいロボットアクションを簡単な操作で再現できるアクション性と、ロボをカスタマイズする戦略性が高いレベルで交わった作品だ。

 バトル(「カスタムロボ」における対戦の名称)時における空中ダッシュのスピード感や3種類の武器でポンポン攻撃できるテンポの良さなど、ロボをクリクリ操作しているだけでも楽しさがある。

 詳細は後述するが、知恵を絞ってカスタマイズしたロボが対戦相手にうまくダメージを与えた時の達成感がまた気持ちいい。カスタマイズ可能なパーツは5種類。基本性能を決める「ボディ」、「ガン」、「ボム」、「ポッド(誘導ミサイル)」の3種類の武器、ジャンプや移動性能に関わる「レッグ」が数十種類づつ用意されている。それぞれのパーツは多種多様な能力を持ち、幾通りもの組み合わせによってプレイ感が変わってくる。やりこみ度が高く、長く楽しめる仕様になっている。上達していく過程が楽しい、アーケードゲーム出身の見城こうじ氏らしい作品と思う。

 本作におけるカスタマイズ部分は、「ガン」、「ボム」、「ポッド」、「レッグ」は多少増減があった程度の変更だが、ボディは前作「V2」で64種類だったのが34種類と約半分になった。パーツの数を整理、それぞれの能力を再調整したことでゲームバランスの向上を図ったようだ。かなり洗練された印象を受けた。これからそれぞれのパーツを使い込み、分析し、どのような組み合わせが効果的かを考えるのが本シリーズの楽しさのひとつでもある。

 以上のようにゲームシステムに大きな変更はなかったが、これは正解だと思う。操作感がそのままなのもファンにとっては嬉しい要素。64版の時点でゲームシステム的にはすでに完成していたし、シリーズものとしての安心感は大きい。

カスタマイズ画面。「ボディ」は正規パーツが25種類と違法パーツが12種類用意されている 地上での移動速度が速いリトルレイダー系には近距離タイプの「ガン」が良く合う 「レッグ」は他のパーツに比べて数が少なく16種類。ペリグリンにスタビライザーは筆者が良く使う組み合わせ
「ボディ」によっては多段ジャンプが使用できるものも。ハイジャンプとの組み合わせで高々度から攻撃できる 近距離攻撃のアタック(体当たり攻撃)。無敵時間があるが前後には大きな隙が生じる 本作ではオプションでプレーヤー視点も選ぶことも可能



■ ギャグセンスに秀でたシナリオモード

 「カスタムロボ」シリーズは、ひとりプレイ用にシナリオモードが毎回用意されているが本作でも同様。本作におけるシナリオモードは「旅立ち編」と「激闘編」の2つ。「旅立ち編」は操作方法やパーツのカスタマイズなど基本的なアドバイスを受けながらバトルしていくチュートリアル的な要素を持ったシナリオ。「激闘編」は「旅立ち編」クリア後に進めることができるシナリオで様々なルールのバトルが楽しめるようになっている。両方のシナリオをクリアすることでほぼすべてのパーツが揃う仕組み。

 新しくなった本作の世界観では、主人公たちはカスタムロボ犯罪者に立ち向かうバウンティハンター(賞金稼ぎ)という設定。一転してハードなSFになってしまったわけだが、そんな設定とは裏腹にギャグ満開でシナリオは進んでいく。これがなかなか面白い。前作のファンにも嬉しいお約束もいくつか用意されている。「激闘編」冒頭で明かされる「旅立ち編」の落ちのつけ方には衝撃さえ覚えた。ネタばれは避けるが、犯罪者たちの結末は任天堂らしからぬダークさ。

 特にキャラクタが良く立っていると思う。会話中、次々と変化するキャラクタのイラストも当初は濃いデザインだと思っていたが、シナリオを進め、制作側の遊び心が伝わるにしたがって非常にマッチしていると感じた。

 身長30cm程度しかなく、ホロセウムと呼ばれる対戦ステージ内でしか行動できないカスタムロボでどうやって犯罪を起こすのか、なんて野暮な突っ込みはやめて楽しんで欲しいものだ。

 だがシナリオプレイ中、不満に思う部分がなかったわけではない。例えば「旅立ち編」で毎朝繰り返される着替えや強制的なルーシーとの会話、全員に話しかけなければ立たないフラグ。「激闘編」のバトルの間に待たされる3Dキャラクタ達の鈍い移動モーションなど……。いずれもテンポが悪く、改善の余地はあると思う。

主人公キャラクタ。台詞にしたがって左のイラストが次々変化するのだが、なかにはこんな可愛いものも 主人公の相棒ハリー。女好きの熱血漢。3Dキャラクタも台詞にあわせてグリグリ動くが、イラストとは違って表情はそのままなのが残念 隣に住む大家のルーシーに起こされる主人公。ルーシーはかなり面白いキャラクタだが毎朝強制的に会話モードに入るのは若干面倒
シナリオモードは対戦相手のカスタマイズとホロセウムをしっかり確認することが近道 「激闘編」の中には1vs2ハンディキャップのような厳しい対戦もある シナリオモードのマップ画面。主人公を移動させて話を進める



■ 本作ならではの新要素、4人同時プレイは……

 ビジュアル面での変更に並ぶ本作の新要素といえば、4人同時プレイだろう。4人同時プレイはゲームキューブ版ならではの仕様であり、対戦モードも従来のシングル戦、タッグ戦に加え、2on2、1vs2ハンディキャップ、バトルロイヤルと増加し、選択の幅もグンと広がった。だが、これがタイトルにある革命的進化かといえば少々疑問に思う。

 1対1のシングル戦、タッグ戦は、シリーズを重ねただけあって保障付きの面白さである。「カスタムロボ」シリーズでは、ダメージ源となる「ガン」はただ闇雲に撃っても敵には当たらない。「ボム」や「ポッド」で敵の道をふさいだり、足止めし、「ガン」を当てる状況を作り出さなくてはいけない。あるいは敵に隙を見せ、相手に「ガン」を撃たせその硬直を狙って反撃する。一発逆転のコンボを狙うのも良いアイディアだといえる。

 ダメージを与える戦法はそれこそいくつもあるが、そのほとんどはプレーヤーが地形を読み、敵の性能を考慮し、「ガン」、「ボム」、「ポッド」の3つの武器を有効につかって確実にダメージを奪える状況に敵を追い込んでいくといったもの。誤解を恐れずに言うと、「カスタムロボ」シリーズの一番の面白さは、こうした敵を追い込むための戦略を効果的に行なえるようなカスタマイズをし、それを実戦で成功させたときのリターン……達成感にある。

 シングル戦に対し、2on2やバトルロイヤルでは上記のような戦略的な行動がとりにくいように思う。4体のロボがお互い攻撃しあった時の混雑感。正直全体を把握するには厳しい。識別しやすいようそれぞれのロボは色分けされてはいるが、これも見やすいとは言いがたく、時には自分のロボを見失うこともある。

 もちろん4人同時プレイ用のカスタマイズを考えることはできるし、慣れればすむ問題なのかもしれない。極めれば驚くような息のあった連携プレイを行なうことができるのかもしれない。

 それでも4人対戦プレイ時には想定できない不確定要素が多いと思う。ほかの3人の行動を見極めつつ(2on2でもパートナーの「ボム」と「ポッド」は自分のダメージ対象となる)、カスタマイズ時に想定した戦略を成功させる難易度はシングル戦の比ではない。さらに言うと、例え成功してもそれに対するリターンはシングル戦の何倍もあるかといえばそうではないのではないか?

 対戦ステージとなるホロセウムの大きさと俯瞰視点の問題もあるだろう。4人同時プレイの際には戦局を把握しやすいようできるだけ大きめのホロセウムを選びたいもの。だが、俯瞰視点ですべてのロボを表示する都合上、戦略に効果的な場所を陣取っても、他のロボの位置取りによっては自動的に前に押し出されることもある。かといって小さめのホロセウムを選べば、攻撃が四方から飛び交い消耗戦になりがち。

 4人同時プレイの狙いがパーティゲーム程度の遊びならば何もここまで言及する必要もない。2on2にしてもバトルロイヤルにしても、むしろ良く出来ていると言ってもいいだろう。だが「カスタムロボ」シリーズの面白さの本領は、ある程度やり込み、カスタマイズを把握してこそ理解できるものと思う。そうしたゲーム性をパーティゲームとして評価するにはズレを感じてしまうのだ。

各ロボは色で識別されているものの、ステージの色合いによっては小さくなるとわかりにくくなってしまう 2on2では自分のパートナーにロックオンしている相手に攻撃することに終始しがち 「ボム」や「ガン」で浮き上がった敵に続けて攻撃を加えるコンボはカスタマイズの組み合わせならでは

 シリーズものとして正当な進化を果たし、集大成という部分では申し分ない出来ばえの本作。“100年遊べる対戦ゲーム”とはよく言ったもので、お勧めできる1本であることは間違いない。確かにGCならではの部分、4人同時プレイに練りこみ不足を感じるが、それを差し引いても十分遊べる作品だけに、ロボットアクション好きにはぜひ一度触っていただきたいと願うばかりである。

(C) 2004 NOISE/Nintendo

□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□「カスタムロボ バトルレボリューション」のページ
http://www.nintendo.co.jp/ngc/gxcj/
□関連情報
【3月2日】任天堂、「カスタムロボ」シリーズ最新作 GC「カスタムロボ バトルレボリューション」を3月4日に発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040302/custom.htm

(2004年3月12日)

[Reported by 山内智和]


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