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クライテリオン・ソフトウェア、開発コストを大幅に削減させる
「RenderWare Studio」を発売

2月7日 発売

 株式会社クライテリオン・ソフトウェアはゲーム開発の統合開発ソリューション「RenderWare Studio」を2月7日に発売する。

 グラフィックスや音響などを含めた直接的な開発環境はもとより、スケジュール管理からゲームのフレームワーク作成など、「およそゲーム制作に関わるすべて」を網羅。初年度は限定10ライセンスの限定販売となり、価格は2,800万円。開発対応ゲーム機はプレイステーション 2、ニンテンドーゲームキューブ、Xbox、Windows。

 「RenderWare」シリーズとしてはすでに「RenderWare Graphics」、「RenderWare Audio」などがリリースされ、同社によれば全世界で800タイトル以上のゲームがこの環境下で開発されているという。これらのゲームを開発する直接的な開発環境を含むスケジュール管理、コミュニケーションなどをサポート。また、開発機材とリンクしており、開発機材で修正した部分をリアルタイムに反映。どのような結果になるかを即座に目で確かめることができる。

 発表会場ではこの模様をデモンストレーションした。開発機材 (Windows) の画面を右側に表示し左側にプレイステーション 2の画面を表示。開発機材上で“ジャンプ台”のオブジェクトを配置すると画面上にリアルタイムに反映され表示され、当たり判定のソースコードをドロップ&ドラッグすることですぐに反映される。また、箱のオブジェクトを配置し車でぶつかった場合、最初は氷の上を滑るように動いたが、すぐに摩擦係数などのパラメータを調整することで箱がはね飛ばされるように動くようになった。

 同社によれば、ゲーム開発の現場において、こういった“らしい”動きの調整などにすぐに3日くらいかかってしまうという。こういった点を大幅に短縮できる点でも意義があるとしている。また工数管理においてもAlienbrain (NxN) オブジェクト単位でチェックされ、全体の進捗管理がグラフでひとめで確認できる仕組みになっている。

 同社によれば、物理演算シミュレータ「RenderWare Physics」、キャラクタのAIエンジン「RenderWare A.I.」も今後投入するとしている。同社では「RenderWare Studio」を導入することで、リアルタイムに色々と試すことが可能で、ゲームの面白さを追求するために試行錯誤することができ、そのことこそが重要だとしている。

 また、プロジェクト管理によって、これまでゲーム制作の現場で重んじられてきた日本らしい“和 (個人の発言を大切にしみんなで作り上げる) のスタイル”がなくなり、個人のアイディアが潰されることが出てきた。このことが日本のゲームの後退現象を生んでいるとし、このツールのコミュニケーション機能で、そういった点をサポートする一方で、プロデューサーは破綻の無いようプロジェクト管理も行なえる開発システムと説明している。同社では「RenderWare Studio」の導入による改善効果について16カ月の開発期間、2億円のプロジェクトで7,000万円強の効果が上がると試算している。

すでに発売されている「RenderWare Graphics」、「RenderWare Audio」 クライテリオン・ソフトウェアによる「RenderWare Studio」導入でどれほどの工数削減が行なわれるかについての試算 開発PCとプレイステーション 2をネットで接続し、開発マシン上の修正がリアルタイムにプレイステーションに反映されることのデモ。右側が開発PCでオブジェクトを置いたところ、左側のプレイステーション 2の画面にも反映されている


□クライテリオン・ソフトウェアのホームページ
http://www.criterion.co.jp/
□ニュースリリース
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=64378

(2004年2月4日)

[Reported by 船津稔]


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