【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

★PS2ゲームレビュー★

彩京シューティングのDNAがプラスされた
「超兄貴」シリーズ最新作
「超兄貴~聖なるプロテイン伝説~」



■ PS2の兄貴達は、クロスノーツ・彩京により生を受ける

彼らがアドン(左)とサムソン(右)。銀河のビルダーであり、イダテンという人物の舎弟である
 PCエンジンCD-ROM2用ソフトとして'92年に発売されたシューティングゲーム「超兄貴」のシリーズ最新作であるPS2用ゲームソフト「超兄貴~聖なるプロテイン伝説~」が、株式会社グローバル・A・エンタテインメントから発売された。

 初代「超兄貴」は、頭の穴から光学兵器(?)の「メンズビーム」を発射するパンツ一丁の屈強なマッチョコンビ、アドンとサムソンが話題を呼んだタイトル。「超兄貴~聖なるプロテイン伝説~」は原点回帰だろうか、初代と同じスタイルの横スクロールシューティングに仕上がっている。

 開発は「彩京ブランド」としてシューティングゲーム「ストライカーズ1945」や「ガンバード」をリリースした実績のあるクロスノーツ・彩京。弾の形状や飛び方が独特な「彩京弾」、「前半4ステージの順番がランダム」といった彩京シューティングのDNAが「超兄貴~聖なるプロテイン伝説~」 のなかにも継承されている。

彩京シューティングの特徴が色濃く反映されている今作。個人的な定義だが、画面に放射される弾幕の中に、自機を狙う弾が混在しているのが彩京弾。ボス面の弾避けは難易度が高め


- STORY -

 銀河系のビルダーの間で、伝説的な存在となっているプロテインがある。十の試練を超えた先の『聖地』にあると噂されるプロテイン。そのプロテインを摂取することにより、究極の肉体を手に入れられるのだという。

 いつものごとく自家用特製ジムで鍛錬に励むアドンとサムソン。そこにふいに訪れた、得るものに究極の肉体をもたらす「伝説のプロテイン」。暖かくも紳士的なアドンとサムソンに、自らを摂取し「究極の肉体」を得るよう勧める「伝説のプロテイン」だが、アドンとサムソンはその提案を拒み、鍛錬に己を見出す。

 『伝説のプロテイン現る』の噂は、悪しきビルダーたちを呼び寄せていた。アドンとサムソンは悪しきビルダーたちよりプロテインを守り、聖地にプロテインを送り届ける決意をする。聖地よりやってきた『伝説のプロテイン』に制裁を下されたビルダーを道しるべに、アドンとサムソンは試練を超え、聖地へ向かう。

ステージ間幕デモ、EDなどは独特の空気。イダテンを不在にしたことに意味を持たせたシナリオは上手いと思う



■ アナログスティックを回すチャージが熱い「メンズビーム」

フォーメーションは、ステージ開始時にふたつまで選択可能。戦局に合わせてフォーメーションを切り替えることができる
 プレーヤーの目的は、うにょうにょと動く「伝説のプロテイン(自機)」を操作し、敵弾を消す能力を持つオプションのアドンとサムソンを盾にしつつ、全10ステージをクリアすること。ゲームがスタートすると、オプションのフォーメーションセレクト画面になる。オプションが自機の軌跡をトレースする“フロントダブル・バイセップス”と、前方防御重視の“サイドチェスト”がクリアに適したフォーメーションといえる。

 このゲームのウリであり、また最大の特徴ともいえるのが、アドン・サムソン・伝説のプロテインが放出する貫通兵器メンズビーム。コントローラーの右スティックを回して『漢(おとこ)のシンボル』ゲージを溜めることで、強力なメンズビームが発射できる。今作のメンズビームは、既存シリーズと比較して汁っ気が増したように見えるのは、果たして気のせいだろうか……?

「フン! フン!」と腰を振り回してゲージを増加させるアドンとサムソンの姿が笑いを誘う。敵の攻撃が止んだ時は、休まずに腰を振り続けよう。最大チャージなら太い超強力メンズビームを発射できる
メンズビームのチャージ率が低いと、チョロチョロとしたビームに……。ボイスも「メンズビーム!」ではなく「メェェ~ンズビ~ム……」と弱々しい


 自機とオプションのビルドアップ(ショットのパワーアップ)は独立しており、敵を倒すと出現するプロテインを連続摂取させることで、それぞれの強化が可能。アドンとサムソンのふたりにプロテインを一定量与えると、無敵攻撃の「漢の魂」ボムをストックする。

「P」と文字の入ったカプセルがプロテイン。ほとんどの敵から出現する。アドンたちに優先して取らせれば、1ステージでボムが3個以上貯まる ボムは自機が無敵になり、アドンとサムソンが特攻する。この間も、ショットの撃ち込みやメンズビームのチャージは可能


プロテイン連続摂取でスコアアップ。稼ぎ重視ならオプションがコントロールしやすい“フロントラット・スプレッド”と“フロントダブル・バイセップス”がオススメ
 今作では、誰にどのタイミングでプロテインを飲ませるかが重要な戦略要素となっている。自機のパワーアップを優先して最強状態にするか、アドンとサムソンに摂らせ続けてボムをストックするか、ステージ内容やボスの強さに合わせて計画的にプロテインを摂らせるのがコツ。筆者の場合は、オプションがどうしても敵弾に当たってしまうため、まずは自機を最強状態にすることを優先。その後は、アドンにのみプロテインを与えボムを貯蓄する作戦で乗り切った。

 スコアボーナスの稼ぎフィーチャーは「自機のパワーアップが最強の状態で、自機にパワーアップアイテムのプロテインを摂取させる」こと。要するに、オプションのアドンたちではなく自機にプロテインを連続投与させることで、パワーアップアイテムが得点アイテムに変わるシステムだ。古き良き時代を思い起こさせるフィーチャーだが、スコア稼ぎに関してはやや地味かもしれない。


■ 濃いキャラクタの連続出現に食傷気味の気配も

 世界観の統一ということなのだろうが、全編を通じて異常なキャラクタばかり登場するため、人によっては飽きが早いかもしれない。今作の敵キャラクタで、初代「超兄貴」ほどインパクトのある新キャラクタは、残念ながら少ないように思える。エル&トポやアダムなど初代の魅力的なキャラクタも登場するが、突出した存在感を放っているのは、やはり「アドン」と「サムソン」。シリーズ内で、彼らを超えるキャラクタを生み出すのは至難の技といえる。

 全10ステージとボリュームはあるが、最終ステージ以外は道中を進んでボスを倒すという構成。通常面は変化に乏しいが、最終面のボスラッシュはやり応えがある。なお、5面からは各ボスに固有BGMが与えられている。

[ランダム面4ステージ]

【火の試練~熱湯三分注ぐだけ~】【水の試練~水の中での出来事 兄貴の場合~】
ボス:お熱いのがお好き
ボス:エル&トポ
【風の試練~春風のいたずら~】【地の試練~炭鉱での密会~】
ボス:筋肉男の甘い罠
ボス:一直線にモグラ掘り


[固定面6ステージ]

【狂の試練~一人祭り~】【萌の試練~ネコミミメイドさんはお好き?~】【妙の試練~不気味の国のアリスちゃま~】
ボス:一人祭り
ボス:ネコミミメイドさんだっちゃ
ボス:アリス鳥のみずうみ
【愛の試練~バラ色のエクスタシー~】【美の試練~脱いで キメて 描いて~】【漢の試練~兄貴ィ!! もうだめじゃぁ!~】
ボス:アダム
ボス:ペンは銃よりつよし君
ボス:ス帝・ロイド



 サウンドクレジットには、初代「超兄貴」のサウンドを担当した葉山宏治氏の名前が見受けられる。葉山氏のサイトによれば「超兄貴~聖なるプロテイン伝説~」への楽曲提供は数曲程度だという。ゲーム中のBGMには「超兄貴」のリミックス曲が数曲あり、筆者が推察するに、恐らくはリミックス曲を手がけられたのではないだろうか。個人的には“世界の兄貴達”のリミックス曲を聴いてみたかったが……。

 初代「超兄貴」、そして彩京シューティングを強く意識した今作。シュールでマッチョな世界観は相変わらずなので、初代「超兄貴」のテイストが好みだったユーザーなら容認できるはずだ(一部の3Dキャラクタは不気味すぎるが……)。最新ハードの性能をあえて無視したようなPCエンジンライクなグラフィックも、ノスタルジーを感じさせる手法として評価できるのではないだろうか。

 シューティングとしてはオプションの弾消し性能が高すぎるために、弾避けの興が削がれる場面もしばしば。だが、メンズビームによる破壊の爽快感、ボーナスフィーチャー、ボム使用ポイントの計画性など、シューター好みの要素が多数盛り込まれている。スコアデータはセーブされるので、ハイスコアに挑戦するのも一興だろう。

 最後に、「超兄貴~聖なるプロテイン伝説~」のOPに流れる曲“筋肉体操のうた”を紹介して読者の皆さまとお別れしたい。筋肉増強を奨励するハードロック調の曲で、実際にプレイをしてメロディを覚え、風呂上りに全身鏡を見ながら熱唱していただきたい。

【筋肉体操のうた】
さくし:うみにん さっきょく:やまにん うた:アドンとサムソン
[台詞]
「マッスル 鍛えよ筋肉 筋肉とは流した汗に比例するのだ 精力全開! 見よ、華麗なる筋肉の宴を!」

ワンツーマッスル(×2)
ハリ・ツヤ・コシ(×2)
ワンツーマッスル(×2)
ハリ・ツヤ・コシ(×2)
パンプアップ!(×16)
兄貴ィィィィィー
※refrain

メンズビーム
※爆発SE



(C)Global A Entertainment, Inc. (C)NCS/X-nauts.

□グローバル・A・エンタテインメントのホームページ(発売元)
http://www.gae.co.jp/
□クロスノーツのホームページ(企画・開発元)
http://www.x-nauts.com/
□「超兄貴」公式サイト
http://www.chouaniki.com/
□製品情報
http://www.gae.co.jp/game/choaniki/index.html

(2003年11月6日)

[Reported by 福田柵太郎]


Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved.