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バンダイ、PS2「新世紀エヴァンゲリオン2」完成記者会見開催
庵野秀明氏とアルファシステム芝村裕吏氏が登場

11月20日 発売

価格:6,800円

会場では試遊台が初公開となったほか、これまで商品化された商品や11月に発売されるプラモデルのLMHGシリーズ「エヴァンゲリオン初号機F型装備」も展示されていた
 株式会社バンダイは'95年にテレビで放映され一大ブームとなった「新世紀エヴァンゲリオン」を題材としたプレイステーション 2用ゲーム「新世紀エヴァンゲリオン2」を11月20日に発売する。価格は6,800円。
 予約特典は貞本義行氏と山下いくと氏が描き下ろした「リバーシブルポスター」がプレゼントされる (数に限りがあるので店舗で確認のこと)。また初回特典としてポストカードが封入される。

 「新世紀エヴァンゲリオン2」は“2”となっているが、アニメのその後を描いた作品ではない。アニメを制作した庵野監督の思考をAI化し、作品世界全体をシミュレート。プレーヤーは作品世界を丸ごと体験するというコンセプトの上で制作されている。つまり、展開如何によっては原作世界とは微妙にずれたストーリーが構築される可能性もある。

 ではなぜ“2”なのか? これについて、記者会見に出席した庵野氏は「僕はエヴァンゲリオンの“2”を作るつもりはない。このゲームの企画を初めて聞いたとき『エヴァンゲリオンの世界を作ることができるゲームです』と聞いた。エヴァンゲリオンはすでに僕の手を離れ、続編が作られない以上、ゲームを遊ぶ人の手によってそれぞれが“2”を作ればそれに越したことはないと思った」と語った。

 同ゲームはPS用「高機動幻想ガンパレード・マーチ」を制作したアルファシステムの芝村裕吏氏が制作している。芝村氏は「エヴァンゲリオン2」について、「究極の原作付きゲームは原作そのものであると。なるべくゲーム、ゲームした目的をプレーヤーに持たせずに、ただ原作の世界をシミュレートして遊んでもらうというコンセプト」と説明。また、ゲームというものを深く意識しなくてもプレイできる操作性 (インターフェイス) の追求を行なったという。これは800にもおよびコマンドを片手で操作できるという。

 さらに「アニメは1本道だが、ゲームを遊ぶ上でプレイに幅を持たせようと思った。それはゲームには表われにくい (庵野秀明氏の) 作家性までシミュレートしている」という。この件について芝村氏は「アニメの設定を元にゲームを作っていくうちに、原作通りにキャラクタが動いても、どうしてもエヴァンゲリオンっぽくない。どうしてかと思い、庵野氏と話し合うことにした」という。

 庵野氏は庵野氏で「一度あって話をして、1時間程度で『わかりました!』と言われ、1時間程度でわかったのかと思いもうこれで良いのかと思った。そのあとまた、ホテルに缶詰になって話すことになったけど、すでにエヴァンゲリオンを作った頃のことを忘れていて、その時の思いつきで喋った気がする」とか。

 これに対し芝村氏は「その当時の設定を元にシミュレートしても、作品をシミュレートすることはできないことに庵野氏と話をすることで気付いた。その当時、庵野さんやスタッフが何を考えながら制作したのかが重要で、その場の制作者の考えでフィルムは成立している」と説明。「庵野さんと話しているとブツブツと呟いていたりする。庵野さんの作家性がそのままエヴェンゲリオンであり、理屈が理屈らしく描かれるとエヴァンゲリオンではなくなる」と語った。

 ゲームの楽しみ方を聞かれた芝村氏は「初めは自由に遊んで欲しい。2度、3度と遊んでいくうちに庵野さんが何を考えながら作品を作っていったのかを考えながらプレイしたり、美しいストーリーとは? とか考えながらプレイしてもらえればと思う」と語っている。“作品世界を丸ごとシミュレートしている”ということを理解した上でプレイすることが重要なようだ。ちなみに芝村氏は「イベントの発生条件などすべてコンピュータ任せなので、人間 (制作側) が追いきれてない部分もある。ひとつ言えることは、エヴァンゲリオンの世界から外れよう外れようとしたプレイスタイルを取れば取るほど、コンピュータは思い切った手を打ってくる」という。

 35,000というセリフの数をとっただけでもその膨大さがわかる「新世紀エヴァンゲリオン2」。庵野氏は「すでに一人歩きし、僕の外にあるエヴァンゲリオンの中でも、ゲームは面白そうだと思う」とゲームを評価。ある意味、究極の“エヴァンゲリオン”とも言える作品なのでファンならずとも、エヴァンゲリオンの世界に触れたことのある人にとっては要注目の作品だろう。

庵野秀明監督。「『エヴァンゲリオン』を作った当初のことはほとんど憶えていなくて……」とか。ゲームは「少しプレイしたけど、面白そう」とコメント アルファシステムの芝村裕吏氏。「ガンパレード・マーチ」のAIにさらに磨きをかけて、庵野氏の作風を再現するべく「エヴァンゲリオン2」を作り上げた 試遊台も初めて展示。いきなりの出撃で葛城ミサトさんに操作方法を習いながらゲームを進めることになる

【スクリーンショット】
「東京ゲームショウ2003」でも公開されたムービーが会場でも公開された。ちなみにタイトルは「エヴァンゲリオン2」で、英語表記が「EVANGELIONS」。庵野氏曰く「アニメーションで続編を制作する気がない。そういった中、ゲームをプレイしたそれぞれの人が答えを見つけられるという点で“2”と名付けるのがいい」とコメントした
【山下いくと氏ゲームオリジナル新設定】
山下いくと氏がゲームオリジナルとして描き起こした新設定のメカニックデザイン。新型炉N2リアクターを搭載した「JA改」など、ゲームオリジナルの各種メカニックが披露された


(C)GAINAX/Project Eva.・テレビ東京
(C)1997 GAINAX/EVA製作委員会
(C)BANDAI 2003

□バンダイのホームページ
http://www.bandaigames.channel.or.jp/
□製品情報
http://www.bandaigames.channel.or.jp/list/eva2/
□関連情報
【2003年9月27日】TGS2003ブースレポート~バンダイ編~
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030927/bandai.htm
□関連情報
【10月16日】バンダイ、AI化された庵野氏がゲーム世界を演出
PS2「新世紀エヴァンゲリオン2」を11月に発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20031016/eva.htm

(2003年10月30日)

[Reported by 船津稔]


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ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

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