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第7回CESA GAME AWARDSグランプリは |
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社団法人コンピュータエンターテインメント協会 (CESA) は30日、第7回となる「CESA GAME AWARDS」各賞の受賞者を発表した。'96年に「CESA大賞'96」としてスタートしてから、昨年「CESA GAME AWARDS」と名称が改められ、選出方法も一新されてから2度目の開催となる。
昨年同様、2002年1月1日から2003年3月31日までの間に発表された作品を表彰する「GAME AWARDS 2002-2003」と、東京ゲームショウ2003(TGS2003)に出展されたゲームからユーザーの投票を中心に選出する「GAME AWARDS FUTURE」の2部門に大きく分けられており、今年は「GAME AWARDS 2002-2003」部門に、海外市場で最も高い評価を得た作品を表彰する「グローバル賞」(日本作品部門/海外作品部門)と、対象期間中、日本国内で最多販売本数を記録した作品を表彰する「ベストセールス賞」を新設している。
■ 初のダブル受賞も! 「GAME AWARDS 2002-2003」
今回のトピックスとしては、株式会社スクウェア・エニックスの「FINAL FANTASY XI」と、株式会社ナムコの「太鼓の達人 タタコンでドドンがドン」の2タイトルが最優秀賞初のダブル受賞、株式会社ポケモンの「ポケットモンスター ルビー・サファイア」がベストセールス賞と優秀賞を受賞したことなどが挙げられる。
「FF XI」はやはりPS2初のMMORPGとしての話題、PS2とPCの同一サーバーへの接続、そして「ジラートの幻影」をはじめとする定期的なアップデートによるユーザーへの訴求力が、「太鼓の達人」は幅広い年齢層のユーザーへのアピールに成功し、長く売れていることが評価されたという。現状ではややニッチ向けといえるMMORPGの「FF XI」と、一般層へのアピールで成功した「太鼓の達人」という受賞傾向は、優秀賞のタイトルにも表れている。
シリーズがすべてミリオンヒットを記録している「真・三國無双3」、そしてこれまたミリオンヒットシリーズの「FINAL FANTASY X-2」、「ワールドサッカーウイニングイレブン 6」に対し、株式会社カプコンの「鉄騎」、株式会社バンダイの「.hack//」シリーズといった図式は、まさにゲーム市場の二極化を物語っているとはいえまいか。
また、圧倒的なPS2タイトルに対して、任天堂の「ゼルダの伝説 風のタクト」、ポケモンの「ポケットモンスター ルビー・サファイア」、そしてマイクロソフト株式会社の「HALO」と、プラットフォームを代表する作品がきちんと優秀賞に食い込んでいる。「ゼルダ~」の受賞コメントで「次のゼルダも作っています」と次回作の開発を明言したのは印象的だった。
新設されたカテゴリーのひとつグローバル賞は、スクウェア・エニックスの「KINGDOM HEARTS(国内)」、Rockstar Gamesの「Grand Theft Auto:Vice City(海外)」とネームバリュー、販売実績ともにバランスの取れた選考となった。
一方、ベストセールス賞は先述のとおり「ポケモンルビー・サファイア」なのだが、現在の出荷ベースでは500万本に到達しているという。発売当初のスタートダッシュも見事だったが、ロングランで売れ続けている「ポケモン」シリーズの強さを改めて証明した形といえるだろう。
今年の特別賞はコナミ株式会社の「アヌビス ZONE OF THE ENDERS」1作。独特のグラフィックやハイスピードバトルが受賞の理由という。昨年は3作ほどのラインナップになっていただけに、少々寂しい感がある。この特別賞、グローバル賞とベストセールス賞が新設されたことからか、枠組みがあまり具体的でないがゆえに、このカテゴリーにはピンとこなくなってしまった感が否めないといったら言い過ぎだろうか?
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「FF XI」チーム。「今なお開発を続けているスタッフをはじめ、ヴァナ・ディールを盛り上げてくれているユーザーの方に感謝したい」と語った | 「太鼓の達人」チーム。ナムコの大石プロデューサーは「いろんな意味で難産のソフトでした」と苦労を語った | 講評として挨拶を行なった選考委員会委員長の養老孟司氏。「ウソの中の誠こそ面白い。そういう意味でゲームやアニメは楽しいのではないか」とゲームと現実の違いを語った |
【GAME AWARDS 2002-2003 最優秀賞】 | ||
受賞タイトル | 受賞社名 | プラットフォーム |
ファイナルファンタジー XI | スクウェア・エニックス | プレイステーション 2/PC |
太鼓の達人 タタコンでドドンがドン | ナムコ | プレイステーション 2 |
【GAME AWARDS 2002-2003 優秀賞】 | ||
受賞タイトル | 受賞社名 | プラットフォーム |
ポケットモンスター ルビー・サファイア | ポケモン | ゲームボーイアドバンス |
真・三國無双3 | コーエー | プレイステーション 2/Xbox |
ゼルダの伝説 風のタクト | 任天堂 | ニンテンドーゲームキューブ |
鉄騎 | カプコン | Xbox |
.hack シリーズ | バンダイ | プレイステーション 2 |
HALO | マイクロソフト | Xbox |
メイド イン ワリオ | 任天堂 | ゲームボーイアドバンス |
ワールドサッカーウイニングイレブン 6 | コナミ | プレイステーション 2 |
【GAME AWARDS 2002-2003 ベストセールス賞】 | ||
受賞タイトル | 受賞社名 | プラットフォーム |
ポケットモンスター ルビー・サファイア | ポケモン | ゲームボーイアドバンス |
【GAME AWARDS 2002-2003 グローバル賞】 | ||
受賞タイトル | 受賞社名 | プラットフォーム |
キングダムハーツ(国内) | スクウェア・エニックス | プレイステーション 2 |
Grand Theft Auto:Vice City(海外) | Rockstar Games | プレイステーション 2 |
【特別賞】 | ||
受賞タイトル | 受賞社名 | プラットフォーム |
ANUBIS ZONE OF THE ENDERS | コナミ | プレイステーション 2 |
一方、TGS2003でのタイトルからユーザーの投票をメインとして選出された「GAME AWARDS FUTURE」。ずらり並ぶコンシューマプラットフォームの中で、PCソフトとしてValveの「HALF-LIFE2」の名前が挙がっているあたり、そのグラフィック、話題性が浸透していることが伺える。
また、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの「EyeToy:Play」と、「SIREN」、そして「グランツーリスモ4」の3タイトルが選ばれているのは興味深い。特に「EyeToy:Play」はTGS会場で初めてプレイしたユーザーも多く、シンプルながらもカメラを利用したおもちゃ感覚が受け入れられたということだろう。
それから、シリーズものの強さもやはり目立つ。カプコンの「鬼武者3」、「逆転裁判3」、バンダイの「機動戦士Zガンダム エゥーゴVS.ティターンズ」、「NARUTO -ナルト- ナルティメットヒーロー」、そしてコナミの「メタルギアソリッド3 スネークイーター」。それぞれ各社の看板といえるシリーズの続編だけに、ユーザーの期待の大きさが伺える。
また、カプコンの「逆転裁判3」、ナムコの「塊魂」のように、TGSでのお披露目が効果を発揮したタイトルも増えてきたといえそうだ。そういった意味で、この「GAME AWARDS FUTURE」の反応の良さは意義が出ているということだろう。
続編傾向を憂う声も大きい中、マイクロソフトの「トゥルーファンタジー ライブオンライン」、カプコンの「モンスターハンター」が受賞した意義は大きいのかもしれない。この中から来年の「GAME AWARD」に名を残すタイトルがどれだけ出てくるか、興味のあるところだ。
CESAは昨年同様、これらの受賞作品のパッケージに受賞シールを貼り、賞の認知度や権威を高めていくとしている。
【GAME AWARDS FUTURE】 | ||
受賞タイトル | 受賞社名 | プラットフォーム |
EyeToy: Play | ソニー・コンピュータエンタテインメント | プレイステーション 2 |
鬼武者3 | カプコン | プレイステーション 2 |
塊魂 | ナムコ | プレイステーション 2 |
機動戦士Zガンダム エゥーゴVS.ティターンズ | バンダイ | プレイステーション 2 |
逆転裁判3 | カプコン | プレイステーション 2 |
グランツーリスモ4 | ソニー・コンピュータエンタテインメント | プレイステーション 2 |
SIREN | ソニー・コンピュータエンタテインメント | プレイステーション 2 |
トゥルーファンタジー ライブオンライン | マイクロソフト | Xbox |
NARUTO -ナルト- ナルティメットヒーロー | バンダイ | プレイステーション 2 |
HALF-LIFE2 | Valve | PC |
メタルギアソリッド3 スネークイーター | コナミ | プレイステーション 2 |
モンスターハンター | カプコン | プレイステーション 2 |
(2003年10月30日)
[Reported by 佐伯憲司]
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