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Ubi Softブースレポート。プリンス・オブ・ペルシャ最新作登場
~忍者になったペルシャの王子はバレットタイムアクションで敵を討つ

8月27日~29日まで開催(現地時間)

会場:London Earl's Court

■ プリンスオブペルシャがジェットコースターアクションに生まれ変わった! ~Prince of Persia the sands of time

 8bitパソコン時代の名作「プリンスオブペルシャ」が3Dになって帰ってきた……というと「すでに『プリンスオブペルシャ3D(POP3D)』があるじゃないか」という反論が返ってきそうだが、今作「Prince of Persia the sands of time」はPOP3Dと同様の「3Dのプリンスオブペルシャ」だが、まったく違うタイプのゲームに仕上がっている。

 アラビアンヒーローが、シミター(偃月刀)を振り回して敵を打ち破りながら謎を解き明かしていくという基本コンセプトは同じだか、今作はまさにジェットコースターといった感じ。非常にリズミカルかつスピーディなアクションを紡ぎだすことで、カタルシスが生み出されるゲームシステムになっている。

 かつてのプリンスオブペルシャの、慣れてくるとダンスをしているかのような華麗なアクションで先に進めたという、あの感覚に近い。今作こそ、本当の意味で「プリンスオブペルシャが3Dになって帰ってきた」といえるのではないだろうか。

 パッと見、行き止まりに見える地形も、壁歩きダッシュから壁を蹴っての三角飛びを組み合わせることで状況が打開できたりする。常に足を地に付けておかなければならない多くの3Dアクションゲームとは違い、(ある程度は限定されるが)こうした超人アクションを駆使することで、そのシーンが全く違った地形に見えてくるのだ。

 高いところから落ちれば死亡し、即死トラップにハマっても死亡するといったルールのシビアさは、これまでのプリンスオブペルシャと同じ。自分が操作する華麗なプリンスのアクションに酔いしれていると、時々ギャフンという目に遭うこともある。爽快感と緊張感が一定のリズムでやってくるゲームデザインが、実に素晴らしい。

 それにしても、今作のプリンスのアクションはアラビアンナイトというよりは“忍者”のそれに近い。担当者によれば、本作のアクション演出にはワイヤーアクションで話題になったカンフー映画「グリーンデスティニー(原題:Crouching Tiger, Hidden Dragon)」をヒントにしたといい、これは戦闘シーンにも影響が見受けられる。

 今作のプリンスは、ただシミターを振り回すだけではなく、敵の体をよじ登ってそこから宙返りして敵を突き刺したり、キックやパンチなどの体術と剣術を組み合わせた必殺技を出したりと、非常にアクションがダイナミックなのだ。しかし、操作自体は意外にもシンプルで、攻撃、防御、特殊アクションの3つのボタン操作の組み合わせでできるようになっている。敵との戦闘も、地形パズルに挑むときと同様に、ダンサンブルに楽しめる。

 サブタイトルにもなっている「the sands of time(時の砂)」は、時間を操作するための特殊エネルギーのことを差している。

 プリンスは敵を倒す際、シミターではなくもうひとつの特殊武器“宝剣”でトドメを刺すことで、敵のエネルギーを「時の砂」として回収できるのだ。この時の砂は一定量回収するごとにゲージにストックされ、ストックした回数分だけ時間操作が行なえる。時間操作は「巻き戻し」と「スローモーション」などが用意されている。

 巻き戻しは、不利な状況に追い込まれた際に発動すれば、そうなる前の状態に戻すことができ、スローモーションは複数の同時攻撃をゆっくりと見切りながら避けつつ敵の急所に攻撃を仕掛ける際に有用なもの。いわゆる“バレッタイムアクションが可能になる”といえば、最近のゲーマーにはわかりやすいだろう。

 物理エンジンはマジメに作り込まれており、基本的な相互弾性衝突物理はもちろんのこと、カーテンや衣服の布シミュレーションなども凝っている。プリンスをカーテンに捕まらせて滑り落させたりした際の布の動きは非常にリアルだ。

 開発は、SplinterCellと同じUbiSoftモントリオールスタジオ(ただし開発チームは違う)。ゲームエンジンは「Beyond Good&Evil」と同じ物を使っているが、本作に合わせて独自拡張がかなり行なわれているという。発売はPC版とPS2版が2003年11月。Xbox版とGC版は2004年第一四半期を予定。

さすがのプリンスも転落死はします 影表現も非常に美しい 今度のプリンスオブペルシャは二刀流
リズミカルにホイホイホイっとトラップをくぐり抜けていく快感 いちいちわざとらしいかっこつけポーズを決めるプリンス。そこがまたイカス! このカーテンはちゃんと布シミュレーションで動く。壁歩きとカーテン雲梯で向こう岸へ?
今作のプリンスは、ターバンをどこにやったのだろうか? キック、パンチで姿勢を崩したところへ剣攻撃。これが今作の戦闘の基本
宝剣でとどめを刺して時の砂を回収



■ あのミストが3人称視点のリアルタイム3Dグラフィックスになって帰ってきた! ~URU AGES BEYOND MYST

 異空間を行き来してヒントを集め、難易度の高いパズルを解き明かし、「ゲーム世界の謎」を探っていくという、独特のゲームシステムが伝統となっている、あの「MYST」シリーズの最新作がついに登場する。

 最大の特徴は、ゲーム世界の描写の仕方。今作は「リアルミスト」というリメイク作品を除けば、シリーズ初のフル・リアルタイム3Dグラフィックスを採用している。開発はシリーズ通しての開発元であるCYAN WORLDS社。グラフィックスエンジンも同社の完全オリジナルエンジンだ。

 エンジンの完成度は非常に高く、シーン内のライティングや影生成はほぼ全てリアルタイムで行なわれており、キャラクタの影は自身の指先までが自身の体に投射されるセルフシャドウ表現にまで対応している。人物以外の影もリアルタイムに投射され、はるか遠景までの景色が描画境界無しのエピックスケールで描画されており、単純に画面映えが素晴らしい作品となっている。

 描き出されている機械ギミックやレバー、橋桁、木々など小道具大道具のひとつひとつがMYSTシリーズのデザインを踏襲している。今作は、これまでのMYSTシリーズのように実写とプリレンダーCGの組み合わせたグラフィックスではないが、プレイ中の雰囲気に違和感はない。ファンにも喜ばしい「リアルタイム化」といっていいのではないだろうか。

 今作で登場する時代は7つ。1時代につき、いくつかのサブワールドが存在し、それらを行き来してヒントを集め、その時代の謎を解き明かしていく。パズルは、ひとつが分からなければ飛ばして後回しにすることも可能で、これまでの作品のように“1カ所で詰まると先へ進めない”といったことはない。難解な絵文字暗号が出てくるパズルや、物の配置を記憶しなければならないようなパズルでは、カメラ機能で画面全体をキャプチャしてストックし、これを必要な場面で呼び出し、キャプチャ画面を見ながら謎解きに挑戦することもできる。まさにリアルタイムならではの便利機能といったところだ。

 担当者によれば、総プレイ時間は約40~50時間。当初はオンラインゲームとして発表されたが、現在はシングルプレーヤーモードの作り込みに集中しており、発売時にはオンラインゲーム要素が組み込まれない可能性もあるという。オンラインプレイ要素については、ゲームデザイン、有料にするか無料にするかといった運営面も含めて現在検討中としている。プラットフォームはPCのみで11月6日の発売を予定。Xbox版は未定。

はるか先まで描かれる背景グラフィックス この情景はまさにMYST。これもリアルタイム描画されたシーン 今回はNPCもリアルタイムで描画される
ヒントを与えてくれるだけでなく、NPCと協力して解き明かすようなパズルも? リアルタイム化されたことにより動作システムの敷居はあがった感がある。最低でもDirectX 8世代のグラフィックスシステムは欲しい



■ ECTS BEST PC GAME賞受賞! ~FAR CRY

 フリーランスの海員、ジャック・カーバーはある日「バレリー」と名乗る美しい女性レポーターから謎の無人島への航海を、莫大なギャラで依頼される。船に島に着くや否や、正体不明の傭兵軍団からの襲撃を受けるジャック。暗がりで目を覚ましたジャックは、自分の船が破壊され、金は紛失、バレリーもいなくなっていることに気づく。珊瑚礁が美しくきらめくこの島で、いったい何が起こっているのか、あの傭兵集団は何者なのか、バレリーはどこに行ったのか、数々の謎に包まれたまま、ジャックの南海の孤島でのサバイバルを強いられることになる。

 組織的な動きを見せる敵AIとの緊張感あふれるガンファイト、強力無比な物理エンジン、そして最先端グラフィックスが高く評価され、今年のECTSのBest PC Game賞を受賞。PC版は2003年11月末に発売予定。Xbox版、PS2版、GC版の開発も決定している。

リアルタイム光源処理と影生成。そしてあらゆるテクスチャが法線マップを持つというPCゲームならではの贅沢なグラフィックス LODにバンプマッピングを適用したPOLYBUMPテクノロジー。エンジンの解説は別稿で行なう予定だ はるか彼方まで描き出されるエピックスケール表現に注目。水面は動的環境バンプマッピングによるもの



■ ECTSゲーム賞2部門受賞! ~XIII(サーティーン)

 William Vance原作の同名のフレンチコミックを3Dゲーム化した作品。記憶を失い、自分がアメリカ大統領の暗殺者だと思いこんでいる主人公が、迫り来る危機を切り抜けながら巨大な陰謀に挑んでいく。

 3Dゲーム世界を、いわゆるトゥーンシェイダーによって描くだけでなく、効果音やセリフ、キャラクタのアクションまで、徹底して漫画ライクに演出するビジュアルコンセプトが特徴的。基本的なゲームスタイルはFPSだが、バックストーリーからもわかるようにアドベンチャー要素も強い。プラットフォームはPC,PS2,Xbox,GC。発売時期はGC版が11月14日、それ以外は10月31日を予定。

ゲームエンジンはUnrealエンジンを採用 ECTSにおいて、ベスト家庭用ゲーム機用ゲーム賞と、もっとも栄誉ある総合ベストゲーム賞を受賞 効果音文字と上のような漫画コマが挿入される演出がユニーク



■ BEYOND GOOD AND EVIL

 「TOMBRAIDER」のララ・クロフトにそっくりなアクション・ヒロインの「JADE」が、水の惑星Hyllisで大暴れする3人称視点のアクションアドベンチャー。水上では高速戦闘艇を操っての水上バトルが展開する。制作はRAYMANシリーズのクリエイターとして知られるMichel Ancel氏が担当。2003年11月14日発売予定。プラットフォームはPCとPS2。




■ TOM CRANCY'S RAINBOW SIX 3

 TOM CRANCY原作のコンバットシミュレーションゲーム「RAINBOW SIX」シリーズの最新作がXboxにお目見え。Xbox版は味方隊員に音声命令が可能で、さらにXbox LIVEに対応したマルチプレーヤーゲームが楽しめる。発売は2003年11月14日を予定。




□Ubiのホームページ
http://www.ubi.com/
【2003年8月29日】GDC Europe、PS Experienceなど「London Games Week」がスタート
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030827/ects.htm

(2003年8月29日)

[Reported by トライゼット西川善司]


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