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EA、シリーズ最新作「Ultima X: Odyssey」を正式発表 |
会場:San Francisco Yerba Buena Center
米Electronic Artsは、現地時間の8月21日、サンフランシスコのYerba Buena Centerにおいて、「Ultima」シリーズ最新作となる「Ultima X: Odyssey」(以下、UXO)の発表会を開催した。同作は7月頃から、その存在が噂されていたが、本日ようやく秘密のヴェールを脱いだ。明日も引き続き、開発途中のバージョンを使った体験会や開発者インタビューなどが予定されている。ゲームの発売時期は英語版が今冬、その1カ月内に日本語版をリリースするとしている。
発表会も異例尽くめで、来場者はプレス関係者だけでなく、ファンサイトを運営するコアユーザーも50人以上参加していた。我々プレスの報道以上に、ファンサイトの伝播力を期待するという、「Ultima Online」でクリティカルな成功を収めたメーカーならではのプロモーションだ。
発表会では、まず最初に開発元Origin Systemsの副社長兼COOで、UXOのExecutive Producer氏をつとめるAndy Hollisが挨拶を行なった。同氏は20年以上もMicroproseでゲーム開発に携わり、Originには出戻りという異色のクリエイター。同氏は挨拶の中で、私がOriginに戻った理由はふたつあるとし、ひとつは「Ultima Online」(以下、UO)の存在、もうひとつがUXOの存在であるとした。2カ月前にUXOのプロトタイプを見せられ、そのクオリティの高さに惚れ込み、最良のプロモーションの形として今回の発表会の形式にしたという。
UXOのお披露目そのものは、プレイ映像とオープニングムービーを織り交ぜた長さ2分ほどのプロモーションムービーの公開のみにとどまり、UXOのディテールについては明日公開される模様だ。ムービーの再生が終わると場内からは大きな拍手が巻き起こり、メインターゲットとなる北米ユーザーの反応はまずまずといった印象だった。
以下、リリースレベルの情報をまとめておくと、グラフィックエンジンは最新のUnrealエンジンを採用。この時点で、前作「Ultima IX: Ascension」とも「Ultima Online 2」とも異なるまったく新しい3D MMORPGであることがわかる。
ゲームシステムもまったく新しくなっている。UOとの最大の違いは、レベル制を採用しているところで、それも徳システムを軸にしたユニークな内容になるという。獲得した徳をアイテムに利用し、自分だけのマジックアイテムも作れたりするようだ。
クエストはOdyssey Adventure Systemと名付けられたオリジナルのシステムを採用。冒険中にオンデマンドでクエストを獲得し、プレーヤーだけが入れるプライベートゾーンでクエストを行なうことになるという。このあたりはRichard Garriott氏の構想をそのまま受け継いだ形だ。ちなみに彼の分身であり、同シリーズの準主役であるLord Britishは同作には登場しない。これは同作の舞台がブリタニアではないことと関係があるらしい。詳細は明日にも判明するだろう。
また、戦闘システムもユニークなものになるという。同作も他のMMORPG同様、リアルタイムバトルを採用しているが、キー操作の組み合わせにより、多様なアクションを繰り出すことができるという。開発者によれば同作はアクション性の高いMMORPGということで、「6人1組で同じ作業の繰り返し」が主流となっている3D MMORPGのリアルタイムバトルの常識を完全に打ち破る内容になるようだ。
このバトルシステムは、当然、対モンスター戦だけでなく対人戦にも活かすことができる。同作は闘技場スタイルのPvPシステムを採用し、レベルや装備品だけではない、戦術性の高いPvPが楽しめるようだ。明日は、20人規模でのPvP大会も開催される。個人的には「αバージョンでPvPができるものなのか!?」とやや懐疑的だが、同作の戦闘システムの実力が図れるいい機会でもある。明日の体験会レポートでは、より具体的に同作の魅力に迫るつもりだ。
「Ultima X: Odyssey」のゲーム画面。まだα版ということだが、バリエーション豊富だ。このシチュエーションを見る限り、リアルタイムバトルは相当自由度の高い内容になりそうだ |
□Electronic Artsのホームページ
http://www.ea.com/
□「Ultima X: Odyssey」のホームページ(現地時間の8月22日オープン)
http://www.uxo.ea.com/
(2003年8月22日)
[Reported by 中村聖司]
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