【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

EA、シリーズ最新作「Ultima X: Odyssey」を正式発表
MMORPGとして生まれ変わるUltimaシリーズ第10弾

8月21日発表(現地時間)

会場:San Francisco Yerba Buena Center

 米Electronic Artsは、現地時間の8月21日、サンフランシスコのYerba Buena Centerにおいて、「Ultima」シリーズ最新作となる「Ultima X: Odyssey」(以下、UXO)の発表会を開催した。同作は7月頃から、その存在が噂されていたが、本日ようやく秘密のヴェールを脱いだ。明日も引き続き、開発途中のバージョンを使った体験会や開発者インタビューなどが予定されている。ゲームの発売時期は英語版が今冬、その1カ月内に日本語版をリリースするとしている。

挨拶を行なうOrigin副社長Andy Hollis氏。UO同様、プレーヤーのコミュニティを最重視したプロモーションを展開するようだ
UXOの主な開発者が勢揃い。手前にいるのがUXO Senior ProducerのRick Hall氏
会場に足を踏み入れると、すでにファンの間で立食パーティーが始まっていた。コスプレーヤーも多数
Unrealエンジン採用というだけあってグラフィック面に不安はない。前作以上にクオリティの高いUltima世界が堪能できそうだ
今回も徳システムは導入される。これは徳を使用してパーティーに恩恵を与えたところのようだ
これがもっともプレイ時に近い画面。左下にポートレートとHP、MANAが表示され、下にショートカット、左上がチャットウィンドウのようだ
 同社は常時数十タイトルのラインナップを擁する世界最大規模のゲームパブリッシャーだが、1タイトルだけのためにワールドワイドレベルの発表会を開催するのはきわめて珍しい。それだけ同作にかける期待の大きさが伺えるが、同作は「Ultima」シリーズの生みの親であるRichard Garriott氏が退社後初のタイトルであり、かつOrigin Systemsというくくりで見ても、最終的に開発中止となったMMORPG「Ultima Online 2」以来のビッグプロジェクトとなる。UXOは、様々な点で異例尽くめのMMORPGといえるわけである。

 発表会も異例尽くめで、来場者はプレス関係者だけでなく、ファンサイトを運営するコアユーザーも50人以上参加していた。我々プレスの報道以上に、ファンサイトの伝播力を期待するという、「Ultima Online」でクリティカルな成功を収めたメーカーならではのプロモーションだ。

 発表会では、まず最初に開発元Origin Systemsの副社長兼COOで、UXOのExecutive Producer氏をつとめるAndy Hollisが挨拶を行なった。同氏は20年以上もMicroproseでゲーム開発に携わり、Originには出戻りという異色のクリエイター。同氏は挨拶の中で、私がOriginに戻った理由はふたつあるとし、ひとつは「Ultima Online」(以下、UO)の存在、もうひとつがUXOの存在であるとした。2カ月前にUXOのプロトタイプを見せられ、そのクオリティの高さに惚れ込み、最良のプロモーションの形として今回の発表会の形式にしたという。

 UXOのお披露目そのものは、プレイ映像とオープニングムービーを織り交ぜた長さ2分ほどのプロモーションムービーの公開のみにとどまり、UXOのディテールについては明日公開される模様だ。ムービーの再生が終わると場内からは大きな拍手が巻き起こり、メインターゲットとなる北米ユーザーの反応はまずまずといった印象だった。

 以下、リリースレベルの情報をまとめておくと、グラフィックエンジンは最新のUnrealエンジンを採用。この時点で、前作「Ultima IX: Ascension」とも「Ultima Online 2」とも異なるまったく新しい3D MMORPGであることがわかる。

 ゲームシステムもまったく新しくなっている。UOとの最大の違いは、レベル制を採用しているところで、それも徳システムを軸にしたユニークな内容になるという。獲得した徳をアイテムに利用し、自分だけのマジックアイテムも作れたりするようだ。

 クエストはOdyssey Adventure Systemと名付けられたオリジナルのシステムを採用。冒険中にオンデマンドでクエストを獲得し、プレーヤーだけが入れるプライベートゾーンでクエストを行なうことになるという。このあたりはRichard Garriott氏の構想をそのまま受け継いだ形だ。ちなみに彼の分身であり、同シリーズの準主役であるLord Britishは同作には登場しない。これは同作の舞台がブリタニアではないことと関係があるらしい。詳細は明日にも判明するだろう。

 また、戦闘システムもユニークなものになるという。同作も他のMMORPG同様、リアルタイムバトルを採用しているが、キー操作の組み合わせにより、多様なアクションを繰り出すことができるという。開発者によれば同作はアクション性の高いMMORPGということで、「6人1組で同じ作業の繰り返し」が主流となっている3D MMORPGのリアルタイムバトルの常識を完全に打ち破る内容になるようだ。

 このバトルシステムは、当然、対モンスター戦だけでなく対人戦にも活かすことができる。同作は闘技場スタイルのPvPシステムを採用し、レベルや装備品だけではない、戦術性の高いPvPが楽しめるようだ。明日は、20人規模でのPvP大会も開催される。個人的には「αバージョンでPvPができるものなのか!?」とやや懐疑的だが、同作の戦闘システムの実力が図れるいい機会でもある。明日の体験会レポートでは、より具体的に同作の魅力に迫るつもりだ。

「Ultima X: Odyssey」のゲーム画面。まだα版ということだが、バリエーション豊富だ。このシチュエーションを見る限り、リアルタイムバトルは相当自由度の高い内容になりそうだ

□Electronic Artsのホームページ
http://www.ea.com/
□「Ultima X: Odyssey」のホームページ(現地時間の8月22日オープン)
http://www.uxo.ea.com/

(2003年8月22日)

[Reported by 中村聖司]


Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved.