Online Game Fantasista 2003レポート

　ソフトバンクグループが主体となって開催された国内初のオンラインゲームイベント「Online Game Fantasista」。本日正式オープンとなったオンラインゲームポータルサイトBB Gamesのお披露目会としての性質も併せ持つイベントだが、ガンホーやエヌ・シー・ジャパンといったグループ会社のみならず、スクウェア・エニックス、ゲームオン、バンダイ、ハドソンといった国内の有力オンラインゲームメーカーが参加したこともあり、開場前は数千人規模の長い行列できるほどの人気ぶりだった。

独占包括永続提携をかわした両社の記念撮影。左がGravity会長金正律氏、右がガンホーCOO森下一喜氏

今回発表された5タイトルはいずれもMMOタイプのオンラインゲーム

　中でもダントツの集客ぶりを見せていたのが、ガンホー・オンライン・エンターテインメント。これはグループの全面支援を受け、充分な事前告知とともに、充実したステージイベントが行なえたこともあるが、公称有料課金者数27万人を誇る「ラグナロクオンライン」を擁している部分が大きく作用したことは間違いない。本稿ではまずはガンホーのステージ発表の内容からご紹介していく。

　ガンホーのステージイベントは、他社がおおむね30分から1時間程度なのに対し、たっぷり1時間半を確保し、「ラグナロクオンライン」と今後の事業展開という2部構成で行なわれた。スピーカーには、同社COO森下一喜氏、ゼネラルマネージャー堀誠一氏、そしてGravity会長金正律氏とお馴染みのメンバーが顔を揃えた。

　第一部では「ラグナロクオンライン」イリュージョンと名付けられたダンスパフォーマンスを皮切りに、同社ゼネラルマネージャー堀誠一氏より、「ラグナロクオンライン」の今後の展開についての解説が行なわれた。その内容は、未体験者でも理解できるように「ラグナロクオンライン」とは?　から始まり、来週29日に実装予定の攻城戦まで。攻城戦については、すでにRAG-FES 3レポート等でも触れてきており、公式サイトにおいて図示付きで詳しく解説されているので、詳細は省くことにする。

　今回の発表の目玉だったのが第二部のGravityとの独占包括永続提携の発表および、新作タイトルの発表だ。Gravityとの独占包括永続提携は、業界内では十分予想範囲内の話だが、今回の発表により、Gravityタイトルはすべてガンホーが取り扱うことが改めて確定したことになる。

　また、ガンホーのような代理店がオンラインゲームを展開する場合、国内に法人ができると、続編のリリースを機に版権が移り、結果、運営ノウハウが失われたことでユーザーが辛い目に遭うというリスクがあるが、両社の間ではそれは永久にないということにもなる。もう少しわかりやすくいうと、将来的にリリースが予想される「ラグナロクオンライン 2」の国内サービスはガンホーが独占的に行なうということだ。

　さて、新作タイトルは、今回一挙に5タイトルが発表された。MMORPGが「TANTRA」、「A3 Project」の2本、MMOゲームが「サバイバルプロジェクト」、「ゲットアンプド」、「ワンダーラッシュ」の3本。ステージでは各タイトルの概要紹介が行なわれた。リリース時期や月額料金などの詳細については明らかにされなかった。

　今回の発表に合わせて新たな提携先としてHanbitsoft(韓国)、Actozsoft(韓国)、Cyberstep(日本)の3社を明らかにした。これによりガンホーは名実ともにオンラインゲームパブリッシャーとしての方向性を明確にしたわけだが、同社がこれらタイトルに関してどの程度本気なのか、つまり「ラグナロク」と同程度のマンパワーと資金を投入して本格展開するつもりがあるのか、それともBB Gamesのオンラインコンテンツの数合わせ的意味合いが強いタイトルなのかどうかは現時点ではわからない。

　ガンホーCOO森下氏によれば、現在25万人の有料会員数を、2004年には100万人に拡大し、名実ともに国内ナンバーワンパブリッシャーになるとしている。今年度内に新作タイトルの提供を視野に入れた大規模な人員増員を行ない、来年度にはオリジナル(自社開発)タイトルのリリースも視野に入れていくという。同社の今後の展開が楽しみだ。

「ラグナロクオンライン」イリュージョン。こうしたパフォーマンスは韓国でのGravityの手法を真似たものだ

比較的サービス展開が早そうなMMORPG「TANTRA」。インド神話をモチーフにしたフル3DMMORPGで、キャラクタモデルを見てもわかるように、剣と魔法だけではなく、格闘系の要素もふんだんに取り入れられている

今回発表された新作の概要を記したパネル。韓国では暴力表現で18禁となったMMORPG「A3 Project」は、日本でも年齢制限を課してのサービス提供となる模様。ゲットアンプドは、サイバーステップが以前オープンβテストを実施していたため、知っている人も多いだろう

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□ガンホーのホームページ
http://www.gungho.jp/
□「ラグナロクオンライン」のホームページ
http://www.ragnarokonline.jp/
□関連情報
【5月23日】「ラグナロクオンライン」の祭典「RAG-FES 3」が開催
新サーバー、ギルド戦争、新大陸、新2次職など新情報続々
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030523/rag.htm
【5月14日】ガンホー、「ラグナロクオンライン」に5月27日より
「EP2.0 Under the Illusion」を実装決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030514/ragna.htm

(2003年7月25日)

[Reported by 中村聖司]

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