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「モノリスソフト新作発表会」開催 |
会場:恵比寿ガーデンホール
司会を務めたのは塩見誠一郎氏(左)、鈴木麻里子さん(右) |
株式会社モノリスソフトが制作する株式会社ナムコ販売の作品が一同に介する「モノリスソフト新作発表会」が、恵比寿ガーデンホールにて開催された。
塩見誠一郎氏、そして、「ゼノサーガ」では「KOS-MOS」のCVを担当している鈴木麻里子さんが司会としてイベントを進行。まず、株式会社ナムコ常務執行役員 CTカンパニープレジデント 原口洋一氏が「モノリスソフトが創設してはや4年。「ゼノサーガ」はワールドワイドに支持をいただいた。“テイルズスタジオ”ともどもナムコの大きなパートナーとなっている」とあいさつした。
続いて、ナムコの原口氏(写真上)、モノリスソフトの杉浦氏が壇上に |
続いて、モノリスソフト代表取締役社長 エクゼクティブ・プロデューサー杉浦博英氏が登場。「『ゼノサーガ』と『バテン・カイトス』ではまったく別チームを編成した。2タイトルを同時に開発するため組織を改め、重要ポストに若手を起用した。本日発表するタイトルはいずれもRPGだが、これらの開発ノウハウ、外部クリエーターとのコラボレーションノウハウを持って、今後ナムコ以外のメーカーのタイトル開発も積極的に取り組んでいきたい。これは最近多くなってきた続編信仰による新規タイトルの減少、またシリーズ物の同一スタッフによるによるマンネリ化を打破し、技術、発想の融合を目指すもの」と衝撃的な発言があった。
「バテン・カイトス」のスタッフ。右より、野口氏、野村氏、初芝氏、本根氏、加藤氏、桜庭氏、倉澤氏 |
■「バテン・カイトス」は単なるカードバトルゲームではない
さて、まず紹介されたのは、ニンテンドーゲームキューブ“専用”タイトル「バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海」。オープニングムービーは「鬼武者」などを手がけた株式会社ロボットの倉澤氏のディレクションによるもの。今回公開されたムービーは、派手な色使いが目を引くビジュアルで、キャラクタが次々と紹介される短いカットの連続に、荘厳なイメージのBGMが重ねられ、ハリウッド映画的テイストを感じさせた。
【[バテン・カイトス」ムービー】 | ||
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「開発はまさに佳境。仕上がりには自信を持っている(野口)」、「ここに立っている人たち以外にもたくさんのスタッフが制作に関わっている。彼らの伝えたいことはゲームそのものが語ってくれる。ゲームを楽しみにして欲しい(野村)」、「RPGは作るには難しいジャンル。1社で作っていてもなかなかうまく回らない。今回は順調に開発が進んでおり、仕上がりもなかなかいいものになっていると思う。期待して欲しい(初芝)」、「このゲームを最後までプレイし終わった後、旅にでも出たくなる、そんな感覚になってもらえるような雰囲気のある作品を目指してゲームを作っている。あと数カ月楽しみにお待ちください(本根)」と、このゲームへの思い入れをスタッフがそれぞれ口にした。
さらに、「普段はシナリオだけでなくイベントのデータなどを組むことが多いが、そういった場合、開発のこの時期は切羽詰ってぐちゃぐちゃになったりしているが、シナリオはすべてアップし、自分の作業は終了しているので、どんな仕上がりになっているのか、非常に自分自身も楽しみにしている(加藤)」、「今回の曲は、今まで自分がやってきたものにちょっと違う音楽性を足してみたり、いろいろ自分でも遊んでいる部分もあります。キレイな曲から激しい曲まで、バリエーション豊かに作った。皆さん音楽の部分も楽しんで欲しい(桜庭)」、「今回のCGムービーでのポイントは、“世界で通用するCGである”こと。そして“ゲームのすばらしいグラフィックとドラマ性をきちんと形にする”こと。そのために、アメリカからアニメーションディレクターを招きいれ、日本の製作会社とのコラボレーションを行なった。2分20秒と短いが、お楽しみいただければ(倉澤)」と、並々ならぬ力の入れ具合が伝わるコメントが続いた。
続いて、初芝ディレクター、本根ディレクターによるムービーを中心としたゲーム解説が行なわれた。本根ディレクターは、「今回の作品は、初芝氏のほうから主だったシステムを、私のほうから世界観などの舞台、ビジュアルを提案させていただき、そこにタイトル名にもなっている『バテン・カイトス』をキーワードに、シナリオの加藤氏、キャラクタデザインの日暮氏などと、全体の構成を決め、さらにサウンドの桜庭氏、ムービーに倉澤さんを迎え、万全の体制をとっている」と磐石の布陣で開発が進んでいることをアピール。
さらに、「『バテン・カイトス』は大空にいくつもの大陸が浮かぶ、ファンタジー色の強い世界になっている。大陸ごとにさまざまな様式、文化、生態系が形成されている。大陸に住む人たちはそれぞれ「心の翼」と呼ばれる羽を持っていたが、生活の安定からか、退化し空を飛べなくなっている。プレーヤーはまったく得体の知れない、片翼の主人公“カラス”に精霊として取り付き、対話をしながら未知の冒険にまきこまれていくことになる。封印された邪神の復活劇、カラスは何者なのか? すべては精霊であるプレーヤーには予測も付かないさまざまな展開が待ち受けている。ゲームのフィールドマップはあえてフルポリゴンの描写は避け、徹底的に3Dの画面特殊効果や空間表現エフェクト全般にマシンパワー、スタッフの人員(全体の1/3強)を割いている。独特の自然描写が可能になり、錯覚を利用したダンジョンなどの遊び要素を盛り込むことができた」と世界観を説明した。
続いて、「“マグナス”は戦闘にかかわらず、この世界のあらゆるシステムの中核をなしていて、開発段階ですでに1,000枚を超えている。第一印象は「カードバトル」というキーワードを想像すると思うが、このバトルシステムはカードバトルではない。一般的なカードバトルシステムを想像すると、このゲームのリアルタイム性に驚くことになる。じっくり思考するタイプというよりは、次々配られてくるカードを瞬時に判断して、直感とインスピレーションで最善のコンボを繰り出す、“落ちもの”パズルの面白さを導入したもの。ルールはシンプルで、“前の攻撃が終了するまでに次のマグナスを出す”だけ。ちょっと工夫するだけで効果が倍増したり、水と火属性を組み合わせてしまうと効果が半減してしまったり、適度な緊張感を保つよう配慮している」と初芝氏が“マグナス”について説明。
一般的なRPGでは攻撃する際、装備した武器で攻撃するが、このゲームでは、マグナスで攻撃する。魔法やアイテムを使用するときもマグナスを使うだけ。手札にマグナスがなければ使用できないということで、MPなどのパラメータは存在しない。逃げることもマグナスが手札にないとできない。ボイスをしゃべるためだけのマグナスも存在しており、かっこよく戦うために使う、ということもある。マグナスはアイテムであり、魔法であり、戦闘コマンドであると同時に、制限であるということで、すべてがマグナスに集約されるというシステムになっている。
また、本日よりオンエアされる「バテン・カイトス」のCM映像も流された。それによれば、発売は今年12月となっていることも明らかになった。
■「ゼノサーガ エピソードI リローディッド [力への意志]」は11月6日発売
「エピソードII」が発表となり、制作体制が変更となった「ゼノサーガ」シリーズ。「エピソードI」監督の高橋哲哉氏が、スーパーバイザー的立場にポジションを変えたことにより、「ゼノサーガ」の小説化、アニメ化などにも着手していくという。こちらは、近い将来発表があると杉浦氏の口から報告があった。
さて、「ゼノサーガ エピソードI リローディッド [力への意志]」の発売日は11月6日、価格は未定。「KOS-MOS」と「M.O.M.O.」のオリジナルコスチューム、そしてクリアしたところまでのイベントシーンを何度も鑑賞できるイベント回想録機能などが紹介された。
そして、本作に付属する特典DVD-VIDEOディスクの内容が紹介された。海外版のCM、そして続編となる「ゼノサーガ エピソードII 善悪の彼岸」の映像が収録されている……というところで、「エピソードII」は別稿にてご紹介する。
□ナムコのホームページ
http://www.namco.co.jp/
□モノリスソフトのホームページ
http://www.monolithsoft.co.jp/
□製品情報
http://www.namco.co.jp/cs/ps2/xeno_reloaded/
□関連情報
【7月18日】ナムコ、GC用RPG「バテン・カイトス」を発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030718/bat.htm
【7月18日】・「ゼノサーガ エピソードI リローディッド [力への意志]」続報
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030718/x_re.htm
【5月23日】ナムコ「ゼノサーガ エピソードI リローテッド[力への意思]」
を10月に発売予定。 7月21日にはモノリスソフト新作発表会も開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030523/xeno.htm
(2003年7月21日)
[Reported by 佐伯憲司]
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