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Electronic Entertainment Expo 2003現地レポートリチャード ギャリオット氏の提示する次世代のオンラインゲームと、 |
会場:Los Angeles Convention Center
リチャード・ギャリオット氏は「ロード・ブリテッシュ」としてウルティマシリーズを手がけ、日本でもファンの多い人物だ。
彼は数年前から「Tabula Rasa(タビュラー ラッサー)」と呼ばれるMMORPGを制作している。今回のE3では、彼が所属しているNCsoftのブースを訪れるということで、このゲームについて語ってもらった。「Ultima
Online」を制作し、MMORPGの基礎を確立したとも言える彼が、次に手がける作品に何を託し、我々に提示してくれるのだろうか。
実は筆者は、長年UOをプレイしており、彼と「現実」にあえるということでかなり緊張してしまっていた。
ギャリオット氏は非常に特徴的な服装で現れた。袖のふくらんだ、中世の服を思わせるシルエットながら、黒い皮鎧のような印象もある。袖や首元には細かい刺繍が施してあり、さらにペンダントを初めとした銀のアクセサリーが光沢を放つ。インタビューでわかったことなのだが、この服装も、彼の「世界観」のこだわりなのである。「今回が初おひろめなんだよ」とにこやかに語った。
今回、通訳の方にお手伝いいただいたのだが、ゆっくりと、身振り手振りを交えて語ってくれたギャリオット氏からは、私たちにメッセージをきちんと伝えたい、という熱意と心遣いが感じられた。また、こまめにポイントを絞って語ることで通訳の作業が効率的にするように話をしてくれるなど、「さすがはロードブリティッシュだ」と、ちょっと感激であった。以下は、ギャリオット氏の言葉をまとめた形での掲載にしていきたいと思う。
UOや他のRPGからの反省点やアプローチ、そしてなによりもギャリオット氏のこだわりを感じさせるコメントであった。とはいえ、残念ながら現状ではどのようなゲームになるかはまだ見えてこないというのも正直な感覚だ。
他にも多くの街があるUOのブリテインでさえ、人が多く、特に銀行周辺では待ち合わせや会話がしにくい場合がある。現在の「水準」とされるグラフィックではさらに描画やラグの問題も生じかねない。そこをあえてすべてのプレーヤーが集う場所にするというのは、技術的にも難しい問題だろう。
しかしながら、すべてのプレーヤーが通る場所というのは、商売やパフォーマンスにも最適な場所であり、効率的である。UOで生まれた独特の「賑わい」を
にはまた、独特の楽しさと出会いがあった。冒険とは別にこのフィールドも非常に興味をそそられるところだ。
また、プレーヤーが「家を持てる」というポイントは、未だ「UO」が最高峰であり、ギャリオット氏が提示し、他の追随を許さないシステムのひとつだ。また、特に日本のUOプレーヤーを今でも強く魅了している要素でもある。
「Tabula Rasa」でも冒険で得たものを飾ったりするほか、生産によって家具を作成したりすることも可能になるようだ。そこからさらに彼がどんなアプローチをしてくれるか、そのシステムによっては、日本のユーザーにとって注目されるタイトルかもしれない。
「ウルティマ」シリーズでソロプレイを模索し続け、UOで革新的なマルチプレイを提示したロードブリティッシュ。生み出した彼だからこそ、MMOならではの「制作者が予想しなかったことに対しての驚きと、対応」に対して、誰よりも蓄積があるのだろう。
そんな彼が次世代のMMORPGにどんな考え、理想を持ち、そしてどのようにプレーヤーに提示してくるのか、できることなら、一日でも早く目にしてみたい。
●ユーザーのニーズを満たす多数のラインナップを
NCSOFTは「リネージュ」によって、世界のプレーヤーを相手にしたゲームを意識し始めました。そこでわかったことが、国ごとにユーザーの「重視する価値観」が違った傾向になるということです。たとえば、MMORPGというひとつのジャンルに限っても、日本では「ユーザー同士の経験」に価値観をおくプレーヤーが多く、米国では詳細かつ重厚なワールドとストーリーを受け取ることに価値を見いだすプレーヤーが多いという感覚です。 今回、MMORPGというユーザーが「多くのタイトルを同時にプレイしずらい」ジャンルでありながら数を取りそろえたのは、NCSOFTの戦略のひとつです。プレイスタイルや価値観のことなる多くのプレーヤーに対して、彼らが自分にぴったり合うと思ってくれるようなゲームを「選択」してもらうメーカーになろうと。多チャンネルのケーブルテレビの様に、NCSOFTにはインターネットを楽しむためのツールが多数用意されている、という印象を持ってもらえるようなメーカーを目指していきたいと思います。 NCSOFTはアメリカにも多くの制作スタッフを抱え、世界を目指したゲームを生み出すために、こまめに韓国、米国、日本など各国のスタッフが集まり「オンラインゲーム」の可能性について話し合っています。そういった体制で生み出すものは各国のニーズに応えようとするあまりに主体性を失った「色のないゲーム」ではなく、それぞれの国に向けてのタイトルであり、製品のターゲットを国ごとに変えていくような感覚です。 また、「リネージュ II」は特にそうなのですが、さまざまな国のスタッフが参加することで「フュージョン」された独特の感触を持つゲームになっていく予定であり、かつ「課題」でもあります。また、この作品では今後追加パックのようなものを発売し、どんどん進化させていく予定であり、それを見越したシステムを作っています。 ユーザーに受け入れられるためには「まずコンテンツである」と思っています。オンライン専門の会社として、今後も積極的にインタラクティブなコンテンツを開発していきたいと思っています。 |
□NC Softのホームページ
http://www.ncsoft.net/
(2003年5月19日)
[Reported by 勝田哲也]
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