KENTIAホールで日本未発売のコントローラ群を発見 違和感のないPS2用無線コントローラに注目
会期:5月14日~16日まで開催(現地時間)
会場:Los Angeles Convention Center
E3の会場はいくつかの階層に分かれていて、大きく3つに分かれる。ひとつはSCEA、Nintendo of Americaなど大手プラットフォームフォルダを中心としたホール。もう一つはコナミ、カプコン、ナムコなどをはじめとした各メーカーのブースを集めたホール。そしてもう一つが、中小企業や新進メーカー、ハードウェア系のメーカーが出展しているKENTIAホールだ。ここは大手メーカーほどハデではないが、面白い出展物が多く。取材陣にとっては注目の場所だ。そんなKENTIAホールから目に付いたコントローラや周辺機器をお届けする
■ 形状も重さもDUALSHOCK 2に肉薄する 超高性能PS2ワイヤレスコントローラ「Air STYLE」
数多くのコントローラメーカーがひしめくKENTIAホールで、注目を浴びていたコントローラのひとつがこの「Air STYLE(FT-GC1000)」だ。FOUNTECHというシンガポールのメーカーによる製品第1号で、デザイン、そして何より性能がすばらしい。ワイヤレスコントローラといえば、電池を入れなければならない都合上重くなりがちだし、どうしても大きくなってしまう。しかしこの「Air STYLE」はそんな固定観念を吹き飛ばす出来となっている。
まず、デザインはソニー・コンピュータエンタテインメントのDUALSHOCK 2を踏襲した作りで、大きさもさほど違いはない。パッと見には横幅が若干大きいかな? といった程度の感覚だ。このほかにもDIGITAL、ANALOG、ECO MODEの切り替えなど各種スイッチがあるが、すべてまとめられておりデザイン的にもすっきりしているカラーリングもプレイステーション 2の黒と青に合わせてデザイン。LEDについても「赤色は2セントだが、青は30倍以上する(同社担当者)」ということなのだが、市場から求められているデザインがプレイステーション 2に合わすことであるため、青色LEDの採用に踏み切ったのだという。
重さは本物に比べれば若干重いが、それも持ち比べてみて初めて気づく程度。気にならないと言っても良いだろう。少なくともこれまで発売されてきた数多くのワイヤレスコントローラよりは十分軽い。コントローラの裏面にはラバー性の素材が使われている。なぜかというと「日本の市場をかなり徹底的に調査した結果、子供がテーブルの上に置いて据え置きでボタンやスティックを操作するということなので、おいてもずれないようにラバー素材を使用した」ということだ。
こういったこだわりはかなり細かい部分まで及んでいて、ざっと見完璧に見えるコントローラだが、「L2、R2ボタンのRをもう少し何とかしたい」といった細かい点にまで言及しており、「機会があれば改良したい」という。また、かなりコンパクトになっている本体に関して「開発技術者によれば空気のはいる余地もないほど詰まっている」ということだ。同社はこれまで日本において通信関係の製品の開発を長年手がけてきた技術者による集団で、通信関係の技術はかなり蓄積されていて、他社にはまねのできない高い技術力を細かくまとめた製品の製作が可能なのだという。
すでに米国、欧州では発売済だが、日本での発売は未定。同社は意欲的だが、いろいろと絡んでくるので、発売されるかどうかは未定といったところ。筆者としてもこれまでワイヤレスコントローラ導入には懐疑的だったが、ここまで小さく軽ければまったく問題はないだろう。デザインも本体と実によくマッチしている。
ちなみに同社の次回作については「次はXbox用のコントローラを制作したい」と語ってくれた。ICチップから開発を行ない画期的な製品を目指すという。これはデザインにも及んでおり、「使いやすいコントローラ」を制作したいとしている。発売は2003年中を目指していると言うことから、実に楽しみだ。
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あちこち違うのだが、大きくは違っていないデザイン。本物と比べても、特に使用感は遜色ない出来となっている。デザインも黒をベースに青色で美しい |
裏面の写真。あまりわからないが、裏面の素材は表面と違っていて、より高級なラバー系の素材が使用されている |
受信部にも青色LEDが使用されている。かなり細かい作りだ |
□FOUNTECHのホームページ
http://www.fountech.com/airstyle.html
■ 「E3 2003」一番のネーミングセンス「武者震」など
とにかく日本において発売されていない面白い製品がずらっと並ぶことでも、ここKENTIAホールは侮れない。今年目に付いたのはステアリング型コントローラを設置するキット「武者震」だろう。ちなみに日本のメーカーの手による製品。発売は8月ということだが、特に米国人に大受けで、多くの人が体験していた。ちなみにお値段は299ドル(写真1)。
このほかでは、毎回どこかのメーカーが出展しているパンチやキックを判定するコントローラ「VirtualRing」が出展されていた。真ん中に1本棒が突き出ているだけのデザインだが、これで3次元的に把握しているようだ。デモの雰囲気ではなかなか反応は良いようだった。ちなみに制作しているのは韓国のメーカー。数年前の東京ゲームショウでこういったコントローラを搭載したアーケードゲームが出展されていたが、韓国ではこういったタイプのコントローラの需要が高いのかもしれない。(写真2)
寝っ転がってゲームをしたい人のためのマットレスも展示されていた。100ワットのスピーカーがサイドに仕込まれていたりして、ゲーマー仕様になっている。ずぼらな人にはたまらない製品だ。価格はそれほど高くなくて、149.95ドルとなっている。(写真3)
最後に紹介するのはきらきらとマウスボタンが光るゲーム用マウス「RTR-720 Mark II Mod 2」……といっても見た目はとてもマウスに見えないのだが。工学マウスで7ボタン式。制作はGOOD WORK SYSTEMS。とにかく特異なデザインとマウスボタンがきらきら光る点で注目を集めていた。(写真4)
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写真1とにかく武者震いのネーミングセンスが最高 |
写真2体を使ってのゲームプレイはやはり人気が高い |
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写真3ずぼらな人にはたまらないアイテム。DVD-Videoとかもこれで楽しめる |
写真4これまでのマウスデザインとは違う。とにかくきらきらとLEDが光るのがきれい |
□E3のホームページ
http://www.e3expo.com/
□関連情報
【5月14日】Electronic Entertainment Expo 2003 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030514/e3link.htm
(2003年5月19日)
[Reported by 船津稔]
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