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Electronic Entertainment Expo 2003現地レポートActivisionブースレポート |
会場:Los Angeles Convention Center
今年のActivisionは、「DOOMIII」を筆頭に全プラットフォームに対して強力なラインナップを用意していたことから、人気ブースの筆頭となっていた。
展示されていた注目作品を中心にレポートしていきたい。
■ 「DOOMIII」~年内発売の可能性は低い
期待されていたid softwareの「DOOMIII」だが、去年のようなシアター展示はなく、Activisionスタッフによれば「選ばれた人にしか見せていない」とのことで、ブース内の展示は無限ループのムービー再生のみ。
筆者は別件の取材でActivisionプライベートブースを訪れたときに、idsoftwareのミーティングルームを小窓から覗くことができたが、室内では実際にリアルタイムに動作するDOOMIIIを、その「選ばれた人たち」に見せていた。
逆に言うと、まだ、ゲームそのものについては公に見せられるレベルではないということができ、今回のE3では具体的な発売スケジュールはアナウンスされず、業界関係者によれば年内の発売の可能性は低いとのことだった。
今年はDOOMIII一般公開無し。残念ながら今年のE3ではValveの「HalfLife2」の方に話題を持って行かれた格好だ |
「ポピュラス」や「ブラック&ホワイト」のクリエイターとして知られるイギリスを代表するゲームクリエイター、ピーター・モリニュー氏の最新作「THE MOVIES」はActivisionから発売される。
プレーヤーは映画監督となり、1920年から2020年までの映画ビジネスを生き抜いて人生の成功者をめざす。
セットを作り、ロケを行ない、アクション映画からコメディ、ホラー映画までを撮っていく。コスト削減のためにセットを再利用したり、有名になって生意気になった俳優達を叱咤したり……と映画ビジネスの光と影の領域をピーター・モリニュー氏の独特のセンスでユーモラスに描いている。
ゲーム中で撮影した映画は、なんとムービーファイルとして出力可能で、実際に視聴が可能。さらにこれをWebサイト上に公開することもできる。
プラットフォームはPCのみ。欧米での発売は2004年を予定 |
プレーヤー扮するは精鋭特殊工作隊(Elite Operations Division:EOD)のエージェント、Nick Kang。中国マフィアとロシアマフィア間の抗争に巻き込まれた彼は単身で両方を潰すための行動に出る。
ロサンゼルスのほぼ全域、600平方キロ分をゲームで再現。様々な人々が息づく街をプレーヤーは車や自身の足で移動して、捜査を行なっていかなければならない。
格闘、銃撃、カーチェイスといったアクション映画でお馴染みのバイオレンスがシームレスに始まり、その結果が新しい物語展開を生む。
たとえていうならば「Grand Theft Auto」の正義版、あるいは進化版といった感じで、とくに格闘アクションのシーンは、香港映画さながらの迫力がある。
表現も過激で、主人公は悪者を羽交い締めにしてそのまま、それを盾にしての銃撃戦をやれてしまう。
はやりのバレットタイムアクションの要素もあり。短時間ならば超人的な反射神経で動けるという設定で、モードを発動するとプレーヤーの周りがスローモーション化し、一度に複数の敵に対して高速に攻撃ができるようになる。
ミッションやクエストは100以上。ストーリーもプレーヤーの行動次第で分岐するノンリニア・システムを採用。
建物に入ればその中にはちゃんと人がおり、聞き込みをすることが可能。プレーヤーの行動や相手の心理状態によってはそのまま戦いになることもある |
プラットフォームはPS2,Xbox,NGC。欧米での発売時期は2003年夏。価格は49.99ドル |
■ 「Call of Duty」
全世界的に高く評価されている「Medal Of Honor:Allied Assault」を制作したゲームスタジオInfinity Ward社が贈る、シネマティック戦争アクション=一人称シューティング(FPS)最新作。
今回も時代設定は第二次世界大戦当時。シングルプレーヤーモードは全24ミッション。プレーヤーはアメリカ兵、イギリス兵、ロシア兵の3つの立場を順番にプレイしていき、戦いの中で彼らの成長を疑似体験していく。最終ミッションでは、3人の主人公達のそれぞれのドラマがそれぞれの立場で完結し、プレイし終わったときには一本の映画を見終わった以上の感動が得られるという。ちなみに3人の主人公はアメリカ兵は第101空挺部隊の兵士、イギリス兵は第6降下師団の兵士、ロシア兵はスターリングラードの戦いに参加した歩兵となっている。
ゲームエンジンとしては「Return to Castle Wolfenstein」(「QuakeIII ARENA」の独自拡張)エンジンを採用。
見所はグラフィックスよりもAIの方の部分で、プレーヤーが引き連れている味方も敵もそれぞれ自分の身を守り、敵を援護し、作戦目的のために有機的かつ連携した進軍をしてくれるところ。プレーヤーの方もヒーロー気取りの行動だけではだめで、味方兵の進軍を助けるような援護活動を臨機応変に求められる。シングルプレイながらそのプレイ感覚は一般的なマルチプレーヤーモード以上。「Medal Of Honor」の続編ではないが、同作のファンは必携の1本となるはずだ。
プラットフォームはPCのみ。欧米での発売は2003年秋を予定。価格は49.99ドル |
スタートレックの世界観をFPSで綴る「StarTrek Elite Force」シリーズの最新作。ゲームエンジンは独自拡張型「QuakeIII ARENA」エンジンを採用、前作を遙かに超えるディテールで、登場キャラクタ達やスタートレック世界が描かれる。
シングルプレーヤーモードはアドベンチャー型式。今回の敵は惑星連合のコロニーを突如襲った戦闘エイリアン種族。
デスマッチや旗取り合戦(CTF)などを含むマルチプレーヤーモードも搭載。
欧米での発売時期は2003年夏。価格は49.99ドル |
■ 「Trinity」
FPSの傑作「Kingpin」「Return to Castle Wolfenstein」の開発元が新たなFPSプレイ感覚を求めて開発中なのがこのTrinityだ。
舞台は近未来。プレーヤーは「ナイトストーカー」として知られる正義の味方になり、悪の会社組織シルマラ・コーポレーションに挑むことになる。
ナイトストーカーはバイオテクノロジーやナノマシンテクノロジーで自分の能力を高めており、時空を超えた超人的なアクションを行なうことができる。この作品も映画「MATRIX」で一世を風靡したバレットタイム・アクションをFPSに導入しているのだ。
プレーヤーは、ただ敵を撃ち倒すだけでなく、マップに仕掛けられたパズルを解き明かし手先へ進まねばならず、アクションアドベンチャーゲーム的な要素も多分に盛り込まれている。
プラットフォームPCとXBox。欧米での発売時期は2004年内を予定 |
PC版で世界的に大ヒットした、あの究極のリアリズムにこだわったコンバットシムタイプの一人称シューティング(FPS)がXboxに登場。
PC版はQuakeIII Arenaエンジンの独自拡張版で動作したもので動作していたが、Xbox版は、開発を担当したGratuitous Games社が、このエンジンをさらに強化した上で移植。Xboxオンリーのリアルタイム光源処理と影生成表現を実現させた。
マルチプレイモードはXboxLiveに担当。XboxLiveを介してデスマッチ、旗取り(CTF)、潜入任務、破壊任務など、全6種類のゲームモードが楽しめる。シングルプレイだけでなく、マルチプレーヤーゲームモードのマップが自動生成されるというフィーチャーにも期待大。
欧米での発売時期は2003年夏の予定。価格は49.99ドル。
いつも新しいマップで対戦できるのはマルチプレーヤーマニアにとっては幸せの極み |
同名の映画作品「Shrek2」のゲーム化作品。ゲームジャンルとしては3Dアクションアドベンチャーで、プレーヤーキャラは主人公Shrekの他、彼の仲間の7人のうちから選択可能。プラットフォームはPS2、Xbox、NGC。欧米での発売は劇場版公開に合わせた2004年6月を予定。 |
「カウンターストライク」のようにMODを起源としたHalfLife1エンジンベースのマルチプレーヤーモード専用FPS。時代設定を第二次世界大戦時におき、連合国軍と枢軸国軍に分かれて対戦する。プラットフォームはPCのみ。欧米での発売時期は2003年5月。 |
(2003年5月19日)
[Reported by トライゼット西川善司]
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