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Electronic Entertainment Expo 2003現地レポート

敵はジェームス・ボンド!
どこかヌけてる世界的“悪”の組織を運営して世界征服をたくらめ!

デミス・ハザビス氏制作の最新作リアルタイムストラテジー
「EVIL GENIUS」プレビュー

会期:5月14日~16日(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

ELIXIR STUDIOS代表デミス・ハサビス氏。彼の持つユーモア性と独創性は尽きることがない
 コンピュータゲームクリエイターでありながら英国チェスチャンピオンでもある奇才で天才のデミス・ハサビス(Demis Hassabis)氏が次回作を今回のE3で公開した。

 長期にわたって開発されていた「Republic:The Revolution」がついに完成を見、欧米では6月に発売が開始される。次回作「Evil Genius」はRepublicとは全く関係のない完全新作で、この作品はパブリッシャーをEIDOSからVivendi Universalに変えて発売される予定となっている。


■ 「Evil Genius」とはどんなゲーム?

 EVilGeniusは政治&経営シミュレーション的な要素をリアルタイムストラテジーに加えた一風変わった作品で、プレーヤーは神の視点で世界的“悪者”組織を運営していく。

 プレーヤーがゲーム開始時、最初に迫られるのは「どんなボスにするか」という選択。最終的なバージョンでは様々なカリスマ的悪者を用意するようだが、今回筆者が見せてもらったのは、灰色の装束に身を包んだ「つるっ禿げ」の小太り男。特技は「フッフッフッ…ハーハッハッハッ」と笑うこと。そう、そのまんま、映画「オースティンパワーズ」に登場したDr.イーブルを連想させる悪者だ。

 彼がどうして莫大な資金と南の孤島を持っているのかは謎なのだが、ここを拠点として“悪の活動”をしていくことになる。

 悪の活動に欠かせないのはなんといっても「秘密基地」。プレーヤーは手持ちの予算の範囲内で悪の秘密基地を建設していく。悪の組織の秘密基地とはいえ、中で生活するのは人間なので、食堂や寝室などの最低限の生活用施設から、悪の組織の党員達の心を和ませるレジャー施設や、日々の鍛錬を行なうためのトレーニングジムのような施設の建設までが必要になる。

 悪の組織の秘密基地は“秘密”になっていなければならないので、基本的には地下に建設していく。そして地上部分は、正義の組織達から“ここ”とわからないようにカムフラージュ用の建物や植物で覆わねばならない。

 筆者が見せてもらったのは、「南の島リゾート観光地」にカムフラージュした秘密基地で、コテージ・コンドミニアム型式のホテルが地上に並び、やってきた観光客は南の島バカンスが楽しめるようにデザインされていた。

 数ある客室小屋のうち、奥まったところにあるひとつが実は秘密基地への入口となっており、その周囲の椰子の木は実は人工物でセキュリティカメラや侵入者撃退用の爆薬椰子の実がぶら下がっている。こうした入り口やセキュリティシステムの設置も基地建設を進めていく中で行なっていくわけだ。

 なお、このほか、ラスベガスのようなカジノ施設やテーマパークのような“表向き商売”などができるようになるという。もちろん、この表向き商売の収益は、悪の組織の悪の活動のための資金源となる。なかなかよく考えられたシステムだ。

地下の秘密基地の拡張増築、地上の悪の組織の“表向きの商売”施設の建設は、ほぼ同時進行で行なっていく


■ 悪者には2種類いる。それは雑魚と特殊能力を持つ怪人だ!

 悪の組織はボスひとりだけでは運営できない。欠かせないのが労働力としての「手下」の存在。

 これら手下はどうやって作り出せるかというと、ズバリ、表向き商売のお客さんである観光客を誘拐してくることで行なえる。

 誘拐した観光客は監獄に監禁することができ、ここで拷問したり、洗脳したり、あるいはボスとして選んだキャラクターの得意技で虜にしたりして「悪者」にする。

 ハサビス氏が今回見せてくれたデモでは、ハゲ男の笑い声を何度も聞かされ、これに魅力を感じてしまい悪者になってしまう演出。実はこの組織の党員はみんな彼の笑い声の虜になってしまっているのだ。この馬鹿馬鹿しさも「オースティンパワーズ」ライクだ。

 党員は四種類からなり、炊事洗濯を務める労働層、新兵器等を開発する技術層、セキュリティや運営管理を担当する警備層、戦闘を担当する武装層からなっている。

 さて、悪の組織に必ずいるのは、ボス直下の腹心で超人的な能力を持つ悪者だ。日本の漫画でいうところの“四天王”的存在の怪人というとイメージしやすいだろうか。

 一般悪者隊員をさらに教育、鍛えたり、あるいは直接的に人体改造を行なうことで、こうした怪人が作り出せる。

 怪人の製造コストは高いが他の隊員にはない能力を持っており、後述する戦闘では一騎当千の活躍が期待できるのだ。

 怪人隊員はどれもスパイ映画などに出てきそうな特異体質人間というか…もっといえば変態野郎ばかりで、見る者の笑いを誘う。今回のデモでは、ブードゥ教信者で敵を呪い殺す「ブードゥーマン」、古武術と居合い抜きの日本人「ジューベー」、ダンス攻撃を繰り出すアフロ黒人野郎(名称未定)などを見せてもらった。

 なお、悪の組織の党員を全て怪人にしてはだめで、やはり下働き層が大勢いなければ、食事も出てこないし、秘密基地の運営管理もままならなくなり、結果、党員達の生活が成り立たなくなってしまう。テレビや映画で登場する悪の組織にはかならず大勢の下働き“雑魚”隊員が大勢出てくるが、これにはそれ相当の理由があったというわけだ(?)。

ハリウッド映画でありがちな、セクシー悪女怪人やオーバーアクションな“勘違い”忍者なども、四天王クラスとして登場する


■ 攻め来る正義の味方を罠で撃退

 ゲームは常にリアルタイムに進行しており、プレーヤーの基地に対して常に正義側の捜査の目が光っている。

 現在、自分の悪の組織がどの程度世界に対して影響力があるのか、あるいは正義側の侵攻の危機にさらされているかがゲージ表示されており、このゲージの状態いかんで正義の味方が秘密基地に乗り込んでくることがある。

 具体的に何が乗り込んでくるかというと、もう想像が付くだろうが、アクション映画に出てくるような海兵隊や、スパイ映画に出てくるような秘密エージェントなどだ。

 ここでもテレビや映画に対するパロディがふんだんに盛り込まれており、「007」そっくりのタキシードに身を包んだダンディでハンサムな中年エージェントも登場。もちろん、あれと“そっくりな”テーマ曲とともに不敵かつ大胆に単独で潜入を試みてくる。

 一方、海兵隊は複数の隊員からなり、組織的かつ有機的な動きで、こちらの基地に侵入してくる。

 こうした敵を直接的に迎撃できるのは、あらかじめ設置した罠的なセキュリティシステム。

 歩み寄ると檻がおりてくる仕掛けとか、ガスを噴出する部屋とか、あるいは設置した巨大扇風機で吹っ飛ばしたりすることが可能だ。こうした罠を戦略的に組み合わせることで正義の味方に大ダメージを与えられるのもこのゲームのおもしろさになっている。

 筆者が見せてもらったのは、檻の仕掛けとガスの仕掛けで作った、閉じ込めた正義の味方に対しガス責めにする複合トラップや、扇風機と電動のこぎりで作った、回転するのこぎりに向けて敵を吹き飛ばす複合トラップなど。まだ開発途中版なので用意されているトラップは多くないようだったが、最終的な完成版に至るまでには、TVや映画などに登場する“定番”トラップを多数盛り込んでいく予定なのだとか。

 なお、007のようなトップエージェントはこうしたトラップの回避方法を学習し、基地の奥深くまで潜入してくるようになるのだそうだ。その際には、直接的な戦闘を避けられなくなる。

 戦いにはすべての悪の党員が自発的に参加するようになっており、プレーヤーが直接指示できるのは怪人ユニットだけ。

 一般党員は自発的に戦いに参加し、それも束で正義の味方に襲いかかる傾向にあり、戦闘能力が低いため正義の味方に簡単に吹っ飛ばされてしまう。結局、一般党員をサポートする形で、怪人達を戦闘に参加させるという戦略が有効になるわけで、「取り囲む一般雑魚悪者」、「一歩引いたところから攻撃する怪人」という、これまたテレビや映画でよく見られる光景が必然的に画面の前に現れるのだ。

訓練と学習を繰り返すことで一般党員も怪人にアップグレードが可能

のこぎりトラップで正義の味方を撃退

どこかで見たようなエージェントがどこかで聞いたようなテーマ曲とともに登場する

 最奥地まで潜入され、ボスが殺されると正義の勝利ということでゲームオーバー。わかりやすいシステムだ。ただし、ただゲームオーバーの文字を表示するのではなく、ボスが死ぬ際の演出は映画のラストシーンのような、非常にドラマチックなものにするとハサビス氏は言っていた。今回のデモで選択したハゲ小男ボスは、恨み辛みのセリフをいいながら非常にゆったりと死んでいた。

 さて、このゲームの最終目的、すなわち勝利条件は何かというと、最終兵器の開発と脱出経路の確保。

 TVや映画の悪者ボスは自身の誇大妄想を実現するために強力な最終兵器を開発して世界を脅すわけだが、これをこのゲームの最終的なゴールとして設定したわけだ。

 今回見せてもらったバージョンでは、世界中の人々を悪者にする洗脳電波兵器とか、世界のどこにでも届く巨大レーザー砲などが用意されていた。これらを開発するには莫大な資金だけでなく、高い技術力が必要になるわけで、ゲーム最終局面では戦闘員だけでなく、マッド・サイエンティスト的な技術系党員の生成が重要になってくる。

 そして、ただ最終兵器を作っただけではだめで、大胆かつ大規模な脱出方法も基地に設けないとエンディングを迎えられない。

 たしかにスパイ映画では、悪のボスは最後に追いつめられても必ず上手いこと脱出してしまう演出が入る。これをこのゲームではゲーム目的のひとつとして採用しているわけだ。

 現在のバージョンでは潜水艦を見ることができたが、この他、宇宙ロケットや巨大な飛行船などの採用も思案中なのだとか。

ゲームエンジンは「Republic」に使われたTotalityエンジンを採用。もちろん、そのまま同じというわけではなく「EvilGenius」向けに仕様拡張が行なわれているとのこと

 そして、悪の組織はいくら強力でも世界に認知してもらえなければ、世界を征服したことにはならない。そこで、ジェームス・ボンドのようなトップエージェントをあえて秘密基地に招待してボスと一緒に食事をさせたり…といった危険なアクションも悪の組織の“布教活動”の一環として必要になってくるのだという。難攻不落な完璧な要塞基地を作っただけではだめで、ネゴシエーションのようなそれこそ「Republic」にも通ずる政治シミュレーション的な味付けもなされているわけだ。

 スパイ映画では、なぜか物語で冒頭でお互いが敵対しているとわかりつつも、悪のボスと正義のエージェントが一同に会するシーンをよく見るが、あれにはこういう理由付けがあったのだ。

 欧米での発売は2004年第3四半期を予定。日本での発売は未定。プラットフォームは今のところPCのみを予定している。



【「EVIL GENIUS」動画
(QuickTime形式:1分22秒)】
300K[18.8MB]
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All material copyright Elixir Studios Limited 2003. All rights reserved. Evil Genius is a trademark of Elixir Studios. Vivendi Universal Games and the Vivendi Universal Games logo are trademarks of Vivendi Universal Games, Inc. in the U.S. and/or other countries.

□Vivendi Universalのホームページ
http://www.vugames.com/
□ELIXIR STUDIOSのホームページ
http://www.elixir-studios.co.uk/
□製品情報
http://www.howevilareyou.com/

(2003年5月17日)

[Reported by トライゼット西川善司]


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