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Electronic Entertainment Expo 2003現地レポートUbi Soft Entertainmentブースレポート |
会場:Los Angeles Convention Center
フランス最大手のUbi Soft Entertainmentは、今年も同社が得意とするアクションゲームを前面に押し出した充実のラインナップとなっていた。ブースの面積は昨年と同じだが、全プラットフォーム合計で17タイトルは過去最大規模。昨年度トム・クランシーシリーズで決定的な成功を収めた同社の勢いの良さを感じさせてくれた。
■ 「Far Cry」、「Prince of Persia」など新作アクションが目白押し
あの王子が帰ってくる。重力を無視した俊敏なアクションが魅力的。日本でも受ける作品だ |
「Prince of Persia: The Sand of Time」は、古代ペルシャの砂漠地帯を舞台に、魔法の短剣を軸にした物語が描かれるエキゾチックなアクションアドベンチャーゲーム。開発は、昨年度を代表する大作スニークアクション「Splinter Cell」を手がけたUbi SoftのMontreal Studioが担当しており、パッと見ただけでクオリティの高さが実感できた。プラットフォームは、PC、PS2、Xbox、GC、GBAで、今回はPS2版とGB版が出展されていた。
グラフィックはフル3Dを採用しており、視点は3人称視点が基本。両手に携えた短剣を使ったアクションとジャンプアクションを駆使して、謎や罠、そして大勢の敵で埋め尽くされたダンジョンを踏破していくことになる。中でもPrinceのアクションが見応え抜群で、壁をタタタタと斜めに駆け上がったかと思うと、そのままサルのようにジャンプして、壁から突き出たバーに飛び移り、続いて壁に掛けられた長い垂れ幕に飛び移り、これをロープ代わりにしてするすると下層に降り立つといった一瞬何が起こったのかよくわからないほどの軽業がコントローラで簡単に実行できる。レベルデザインも秀逸で、フロアの端から端まで使った凝ったつくりが好印象だ。
「プリンス・オブ・ペルシャ」の一般的なイメージは、超高難易度のアクションゲームというものだが、「Prince of Persia: The Sand of Time」では超高難易度という部分は維持しつつ、それでいてゲームの詰まりを防止するシステムを組み込んでいる。
具体的には今回、プレイ中にいつでも時間をさかのぼらせることが可能になっている。トラップに引っかかったとき、飛び移りに失敗したときなどに、素早く反応することで失敗する前の状況に時間をさかのぼることができる。この特殊能力は、短剣の力を利用しており、何度でも使用できるが、再使用には一定の時間が必要となる。これにより、アクションの苦手な人でも、何度もスタート地点からやり直すことなく、さくさくストーリーを進められそうだ。欧米での発売は11月を予定。日本での取り扱いも前向きに検討しているということだ。
「Rainbow Six 3: Athena Sword」は、RS3初のアドオン。新しいキャンペーン、マップ、ウェポン、マルチプレイの新しい対戦モードなどが追加される。単にマルチプレイ機能を充実させただけではなく、8つの新マップによるキャンペーンが追加されるところが最大の特徴である。
今回のシチュエーションは、「Rainbow Six 3: Raven Shield」のキャンペーンで捕らえたテロリストが再び逃亡し、これの追跡のためTeam Rainbowがイタリアに投入されるという内容。ステージはイタリアミラノから始まり、フランス、クロアチアを経由して最終的にはギリシャにたどり着くことになるという。ちなみに「Athena Sword」は最終目的地を暗示すると同時に「Raven Shield」と一対ということを意味している。
ゲームの開発は、RedStorm Entertainmentではなく、Ubi Soft Milan Studiosが担当している。いくつかステージを見せて貰った限りでは市街地を含む野外戦が多く、本編に比べてよりアグレッシブな戦闘戦術が楽しめそうだ。発売は今夏を予定。日本での発売も確実だということだ。
【Prince of Persia: The Sand of Time】 | ||
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両手に携えた短剣を使ったアクションにも魅力がたっぷり。短剣はストロークが短いため、単に振り回しているだけでは勝てない。ジャンプを駆使したり、素早く敵の後ろに回ったりなど、敏捷性を活かした戦術が求められる |
【Rainbow Six 3: Athena Sword】 | ||
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イタリアのスタジオが制作しているだけあって、南欧風の景色は実にリアリティにあふれている。テロリストが籠もる建物は、古城や美術館など、これまた本編とはひと味違う設定になっている |
【Far Cry】 | ||
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「Far Cry」は南海の孤島から脱出を図るというちょっと変わったFPS。シナリオ、グラフィックのみならず、敵AIも革新的で、2003年度を代表するFPSになるのは間違いない |
【XIII(サーティーン)】 | ||
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昨年のE3での出展されていたが、PC版の公開は2003年が初めて。Unrealエンジンを採用しつつ、全体にトゥーンシェーダーを施したアメコミテイストの雰囲気が好印象だ |
■ UbiのMMO事業がいよいよ本格始動!
~「The Matrix Online」、「URU: Ages Beyond Myst」
「The Matrix Online」の現時点での情報公開はこれだけ。続報に期待したい |
「Myst」世界がMMO環境で楽しめる。アドベンチャーファン待望のMMOゲームだ |
発売時期は来年春以降としており、シチュエーションは、「Matrix」三部作完結後となっている。「The Matrix Online」の舞台設定も当然、すべて伏せられており、北米で11月の封切りが予定されている第3作「MATRIX REVOLUTIONS」の公開まではどういう舞台になるのかさっぱり想像がつかない。
現時点で唯一の公開情報であるイメージ映像は、映画の実写映像を織り交ぜつつ、ビルの屋上で2人のキャラクタが向かい合ってカンフーアクションを繰り広げたり、お約束であるバレットタイムアクションを行ったりするもの。史上初の格闘系MMORPGとも思わせるが、メニューやステータス情報のたぐいは一切表示されておらず、あくまでイメージ映像に過ぎないようだ。同作についてはECTSで具体的な情報が公開される見込みだ。
そしてもう1本のオンラインタイトルが「URU: Ages Beyond Myst」。昨年の制作発表時点では「Myst Online」として公開されたもので、「Myst」シリーズの不思議な世界での体験を複数のプレーヤーと共有できるというコンセプトのノンバイオレンス、ノンファイティングのMMOアドベンチャーゲームである。
物語は「D'ni」と呼ばれる1年万年前に地球の地下に誕生した文明社会。ここでは本を媒介にしてさまざまな世界へ旅行する技術が発達し、人々は「Linking Books」を介して旅を行なうようになった。しかし大災害によって文明は滅亡し、本を通じて旅行を行なうテクノロジーは地下に封印されてしまった。
プレーヤーはD'niの「Linking Books」にアクセスできる幸運な人間のひとりとして、「island in the clouds」と名付けられた無人島をベースにして、ライブラリから本を取り出してはさまざまな世界へ旅することができる。本を通じて旅をし、そこで謎を解いていくことによって、新しい本がライブラリに追加され、また新しい旅に行けるようになるという。
Mystシリーズの魅力は、幻想的な世界をたったひとりで散策し、自力でさまざまな謎を解いていくことにあるが、「URU: Ages Beyond Myst」においても旅そのものはひとりで行ない、他のプレーヤーとコミュニケーションは、D'niの地下都市や旅の進捗具合によって姿を変えていく「island in the clouds」で行なうことになるようだ。
D'niの地下都市の詳細は不明だが、ミニゲームをプレイできるエリアなどがあり、そうした部分にオンラインならではの楽しみがあるようだ。ちなみにコミュニケーションは、ボイスチャットを採用。現時点ではまだとりとめのない内容だが、独創的なMMORPGになることは間違いない。発売時期は北米で今秋が予定されている。βテストが楽しみだ。
【URU: Ages Beyond Myst】 | ||
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グラフィックは完全にフル3Dになっているが、カーソルのアイコンが変わる場所をクリックすればアクションが発生するという単純明快なインターフェイスは変わっていない |
【Tom Clancy's Ghost Recon Island Thunder】 | ||
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広大なフィールドでの野外戦が堪能できる「Ghost Recon Island Thunder」にXbox版とPS2版が新しく登場する。発売時期は今夏で、Xbox版はXbox Live!に対応している |
□Ubi Softのホームページ
http://www.ubisoft.com/
(2003年5月16日)
[Reported by 中村聖司]
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