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Electronic Entertainment Expo 2003現地レポート

ATARIブースポート
~ゲーム「ENTER THE MATRIX」をプレイしなければ
映画「THE MATRIX RELOADED」の謎が解けない

会期:5月14日~16日(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center


 2003年5月、INFOGRAMESは社名を「ATARI」に変更した。ATARIはかつて一世を風靡したゲーム機およびゲームソフトメーカーで、知名度の高いこのブランド名を今後強く押し出していく方針をとっている。

 社名変更にともなってかどうかはわからないが、「THE MATRIX」、「TERMINATOR3」、「MISSION IMPOSSIBLE」など、今年のATARIは劇場映画作品をフィーチャリングしたゲームソフトに注力した戦略を展開しているのが特徴。今回は、もっとも人気を呼んでいたタイトルをピックアップして紹介する。


■ ENTER THE MATRIX

 大ヒット映画「マトリックス」の続編「THE MATRIX:RELOADED(以下RELOADED)」の世界観をゲーム化したのがこの作品。

 単に劇場版のストーリーをなぞった作品ではなく「マトリックス」という仮想世界を構成する一部としてリリースされ、劇場3作目として予定されている「THE MATRIX REVOLUTION」につながるストーリーが語られる。本作はゲームファンだけでなく、映画ファンもチェックしなければならないタイトルなのだ。

【ストーリーは「MATRIX2」と「同3」を補間する内容】

 ゲームで語られるストーリーの時間軸は、映画版「RELOADED」とほぼ同じ。ストーリースクリプトは映画版「RELOADED」と並行して進んでいくイメージになっている。映画版「RELOADED」では、キアヌ・リーブス演じる主人公ネオの活躍が中心に語られるわけだが「実は裏でこんなストーリーが進行していた」あるいは「こんなキャラクタの活躍があった」という部分が、ゲームで見られるわけだ。

 ゲームの主人公は、映画版「RELOADED」で初登場となる新キャラクタ「ジャダ・ピンケット・スミス」演じる「NAIOBE」と、「アンソニー・ウォン」が演じる「GHOST」のふたり。「ネオやローレンス・フィッシュバーン」演じる「MORPHEUS」は、ゲームでは重要なNPCとして登場し、プレーヤーは操作できない。

ステージはふたりの主人公それぞれに専用のものが用意されており、いわばゲーム2作品分の内容が詰め込まれている


【決めろ! バレットタイムアクション】

 視点は、三人称と一人称をユーザーの意志でシームレスに交互に変えられるシステムを採用。たとえば銃撃戦を一人称モードで、格闘を三人称モードでプレイするといった使い分けが可能になっているのだ。

 ゲームは、与えられたゴールを目指してフィールド上に仕掛けられたパズルをクリアしていくという、よくあるタイプのアクションアドベンチャー型式になっている。ただし、映画版での派手なアクションシーンをプレーヤー自らが体験できるように、このゲームならではの工夫が盛り込まれている。

 自分以外の時間が相対的に遅く進行することで、結果として常人の反射神経を超えたアクションが行なえる、あの「バレットタイム」アクションが、ゲーム中で思う存分堪能できるのだ。

 ゲームシステム的には「フォーカスゲージ」と呼ばれるゲージを消費して、このモードへ突入する。フォーカスゲージはアイテムや時間で回復させることができ、ゲージの消費量が大きければ大きいほど長く派手なバレットタイムアクションを決められるようになっている。

 使い方はいろいろで、たとえば大勢対一の銃撃戦で発動すれば、敵の撃った銃弾を軽々と回避できる。マトリックス第一作目で、ネオがのけぞりながら銃弾を避けるシーンが有名になったが、アレと似たようなことができるわけだ。これは、バレットタイムアクションをディフェンスで使った場合ということができる。

 大勢の敵に取り囲まれてしまったときに発動すると、敵がゆっくりとした動きになるので、この間に打撃技や投げ技を決めれば、バレットタイムモードを終了したときにはバタバタと敵が倒れていく爽快感が味わえる。これはバレットタイムアクションをオフェンスで使ったケースということができる。

 さらに移動アクションで発動すれば、超高速で移動したことにもなるし、ジャンプ中に発動すれば遠くまで飛べるようになる。「映画で主要キャラクタたちが決めるド派手なアクションは、実はこういう仕組みだったのか」とわかったような気になれておもしろい。

魅力はなんと言っても映画版のキャラクター達がシーンシーンで見せる超人的な特殊効果アクションシーンを、プレイヤーの操作で体験できてしまうところ


【制作は「MESSIAH」や「MDK」のShiny Entertainmentが担当】

 ゲームの開発は、古くは「MDK」、近年では「MESSIAH」、「Sacrifice」などで知られるShiny Entertainment。ゲーム開発も「MESSIAH」チームが中心になっており、ゲームの開発には2年3カ月が掛かっているという。

 ゲームエンジンは完全オリジナルで、今作のために書き下ろされたエンジンだという。プラットフォームはPC、Xbox、GC、PS2の4つで、それぞれのプラットフォームで最適なエンジンが組まれたとしている。「ゲーム内容は同じだか、それぞれのプラットフォームで最高のゲームクオリティを実現している」とShiny社のLEAD ANIMATORであるGABRIEL ROUNTREE氏がコメントした。ROUNTREE氏によれば、もっともグラフィックスが美しいのがPCで、その次にXbox、GC、PS2の順になるという。

 映画を題材にしたゲームとしては莫大な予算が投じられており、特にお金がかかったのがアクションのモーションキャプチャー。ROUNTREE氏によれば、ゲーム中のキャラクタアクションはすべて香港のスタント演技者によるもので、同時に多人数のアクションをキャプチャーするシステムなどを活用し、このゲームに採用したモーションデータの総容量は156MBにのぼったという。

 実際のゲームディスクへの収録は、これを8MBにまで圧縮。「とにかくアクションシーンは映画に負けていないので絶対に見て欲しい」とROUNTREE氏は力説してくれた。発売が実に楽しみだ。

 日本での発売は、PC版をメディアカイトが担当。通常版が6月19日発売予定で、価格が7,800円。Tシャツ付きのコレクターズ版が6月7日発売予定で、こちらの価格は8,800円。Xbox、NGC、PS2はバンダイが発売を担当し、6月19日発売予定となっている。価格は各6,800円。

車やヘリコプターなどの乗り物に乗るシーンもあり、その際には実際にそうした乗り物を操作してゲームを進めていくことになるという


□アタリ(旧:インフォグラム)のホームページ
http://www.atari.com/
□製品情報
http://www.enterthematrixgame.com/
□関連情報
【5月13日】インフォグラム、社名をアタリ(ATARI)に変更
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030513/atari.htm

(2003年5月16日)

[Reported by トライゼット西川善司]


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ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

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