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Electronic Entertainment Expo 2003現地レポート
より楽しい“戦闘”を! プロデューサーが語る |
会場:Los Angeles Convention Center
NCSOFTブースで、もっともユーザーの注目を集めた「リネージュII」(以下、「II」)。特に韓国で高い人気を誇る「リネージュ」がアンリアルエンジンをカスタマイズした3Dグラフィック、そしてさまざまなアイデアの元、生まれ変わることとなる。韓国ではクローズドβテストが行われ、日夜進化を続けているという。
E3の会場に出展された試遊台は、複数のプレーヤーでフィールドの戦闘を楽しめるというもの。非常に美しい3Dグラフィックで、プレーヤーキャラクタと敵キャラクタが入り乱れてもスムースに展開することにまず感心させられた。そしてスクロールボタンでのズームアップでのキャラクタのモデリングの細かさにも驚かされた。デフォルメの少ない「かっこいい」造形も、ある意味独特である。「王道」ともいえる、キャラクタは、感情移入度の強いMMORPGでは、大きな武器になるという印象を受けた。
プレイには、何人かのスタッフも参加しており、一人で戦闘に夢中になっているプレーヤーに声をかけ、他のメンバーのところへ案内してくれたり、こまめにヒールを行なってくれたりと、来場者に快適なプレイを楽しまさせてくれた。また、キャラクタもすこし成長した強めのキャラクタで、さまざまなスキルを戦闘で使用することができ、「体験版」としては、非常に豪華な作りになっていた。
今回、E3の出展にあわせてプロデューサーのDee Lee氏のお話を聞くことが出来たので、「新要素」にポイントを置き、氏のコメントも併せて紹介していきたい。
●プレーヤーのステータス「ドラゴン」
まず、スクリーンショットで目を引くのがキャラクタが乗っているドラゴンである。
非常にいかめしく、かつカッコイイ。これは、「II」で追加された新要素であり、多数のプレーヤーが乗ることのできるものなのだろうか?
Lee氏:「乗り物に乗るには、スキルやレベルが一定の条件を満たさなければなりません。地を歩くドラゴンは「ストライダー」という生き物ですが、これより上の存在として、空を飛べるドラゴンがいます。この騎乗生物により、プレーヤーは空を飛ぶことが可能になります。特に攻城戦に威力を発揮するでしょう。通常、プレーヤーは多くの敵が固める城門を突破するために全力を注がなくてはなりませんが、ドラゴンに乗って飛べれば、いきなり城の上から攻めたりすることも可能になるわけです」
編集部(以下、編):「それは非常に有利ですね。ドラゴンの大部隊を作成することも?」
Lee氏:「理論上は可能ですが、それほど多くのプレーヤーが乗れない、というバランスで考えています。ひとつのサーバーに25ほどの城があるのですが、この城主が3体くらい召還できるようになる、というのを考えているんですよ」
編:「数千人が参加できるサーバーにその数だと、ドラゴンに乗れるのはわずかなプレーヤーですね」
Lee氏:「ドラゴンがプレーヤーの“目標”になってくれればと思っていますね。初心者プレーヤーが頭上を飛んでいくドラゴンを見て、自分もいつかそうなりたいと思う。あこがれの象徴のように考えています」
●グラフィックについて
編:「グラフィックを拡大してみて、その書き込みに非常に驚かされました。モンスターのデザインも含めて、すこし“硬派”な感じがして、非常にかっこいいですね」
Lee氏:「モンスターに関しては、3人のデザイナーがいいものを作ろうと互いに競い合っています(笑)。デザインに関しては、“誰にでも受けいられるように”という部分は気をつけていますね。“硬派”とはいっても、たとえばダークエルフの“肉感的”なボディは北米市場での効果をねらっていまして(笑)。魔術師が呼ぶ召喚動物は、日本の女性にも気に入ってもらえるようにかわいくデザインしてみました」
編:「女性キャラクタのスカートの短さなどは……?」
Lee氏:「日本市場、ということもありますが、“基本だ”と答えておきましょう。基本です(笑)。あとは、ドワーフの女性も、ちっちゃくてかわいいですよ。ここも日本の方に受け入れてもらえればと思いますね」
●新種族ドワーフに象徴される機械文明
編:「ドワーフの女性は、髭がないんですか?(ファンタジー作品では女性にも髭が生えるという解釈があり、“男女の見分けがつかない”というケースもある)」
Lee氏:「ありません。あくまでかわいく作りました。今回のスクリーンショットや、会場のバージョンではお見せできなかったのですが、韓国でのテストではすでに導入されました。ドワーフと、オークというふたつの新種族のキャラクタが作れるようになったんです。ドワーフは“生産”が楽しめるキャラクタなんですよ」
編:「具体的にはどのような?」
Lee氏:「生産とはいっても、リネージュは“戦闘”によりバランスをおいていますから、ドワーフの作るものも、戦闘に向けてのものになります。ドワーフが作る武器を使うことで、より有利に戦闘を進められたり、などですね。すごいものとしては“攻城ゴーレム”というものがあります。これは身の丈が何十メートルもある巨大な機械で攻城戦で活躍してくれます」
編:「機械ですか?」
Lee氏:「ドワーフは、さまざまな魔法機械を作ることができるんです。他にも、城を占領した人たちはアイテムを他のものに変えることができる機械を使えるようになったりと、いろいろなアイデアを考えています」
編:「魔法機械という要素で、さらに「II」の世界がユニークになりそうですね。最後に、韓国ではクローズドなβが始まっている本作ですが、日本での発売などはいつ頃を予定していますか?」
Lee氏:「発売はまだわかりませんが、TGSくらいにはβテストを行えるようにはと考えています」
このお話以外にも、コンピューターの負担を減らすためのグラフィック機能の選択や、パーティーを探しやすくするためのシステムの検討など、さまざまな改良が行われていく予定とのことだ。
本作の大きな課題としては、「攻城戦」がある。大多数の人々により行われる戦い、「リネージュ」ならではの楽しさを、3Dグラフィックに、さまざまな新要素が加わった「II」でいかに快適に実現させるか? 難しい問題だが、是非クリアをして新しい体験ができることを期待したい。
協力プレイが楽しめる試遊台。スタッフのサポートも充実 | Lee氏。「戦闘のスピード感も楽しんでほしい」とのこと | ブース中央のコスプレーヤーは、なぜか終始剣を振り回していた |
【スクリーンショット】 | ||
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□NC Softのホームページ
http://www.ncsoft.net/
□E3特設ページ
http://e3.ncsoft.net/base.html
(2003年5月15日)
[Reported by 勝田哲也]
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