Electronic Entertainment Expo 2003現地レポート

会場：Los Angeles Convention Center

　TOMBRAIDER最新作に、あのカリスマクリエーターのWallen Spector氏のタイトルが一挙に2つ、さらに緻密なグラフィックが世界的な評価を獲得した人気アクションシミュレーションCOMMANDOSの最新作、長年E3の常連タイトルだったRepublicまでもがついに完成。 　今年のE3のEidosブースはとにかくタイトルラインナップが豪勢だ。

■ 「TOMBRAIDER:THE ANGEL OF DARKNESS」

　ストーリーもゲームエンジンも一新された新コンセプトの新生「TOMBRAIDER」が「TOMBRAIDER:THE ANGEL OF DARKNESS(以下TR-AOD)」だ。

　今回の冒険では主人公ララ・クロフト(LARA CROFT)は「逃亡者」となる。彼女は今回、悪の錬金術師の策略にはまり、「TOMBRAIDER4」で初登場した彼女の恩師Von Croy博士を殺され、しかもその殺人容疑をかけられてしまう。

　今作では初めてRPGライクの成長システムを採用。ララは初期状態では限られたアクションしかできず、要件を満たしていくことで彼女のスキルが向上、それまで行けなかったところに行けるようになる。

　例えば、走破能力、ジャンプ能力はゲーム初期状態では限定的だが、ララの筋力が向上し速力や跳躍力がアップしたりするという。

　また、ゲーム中の各所に隠されたシークレットゾーンは、前作までは「ただの自己満足」的なおまけフィーチャーに過ぎなかったが、今作ではシークレットゾーンで見つけた遺物をショップで売ったり物々交換したりして武器やアイテムを手に入れられるようになるという。今作ではただゴールを目指せばよいのではなく、シークレットゾーン探しもゲームを進める上では重要なゲーム要素になっているようだ。

　そして今回の冒険では、キザなハンサム野郎カーチス・トレント(Kurtis Trent)も登場し、シリーズ初のララとのザッピングシステムを採用していることも話題を呼んでいる。彼もララと同じく14世紀に描かれた5枚の裏歴史の宗教画を追っているが、ララとは無関係にパラレルに行動しており、目的が同じであるためステージ中の各シーンで遭遇する。そのたびにザッピングが発生し、プレーヤーは彼を操作することにもなるのだ。

　カーチスは超能力忍者(!?)であり、拳銃による銃撃だけでなく、手裏剣攻撃も可能。ララとは全く異なったスタイルで困難を乗り越ることができる。その意味では、よく言われる言い方だが、今作は「一粒で二度おいしい『TOMBRAIDER』だ」といえよう。

　ゲーム難易度は、これまでと同レベルかそれ以下になるようだが、セーブポイントという概念はなくなり、PS2版でもPC版のようにゲームセーブはいつでも行なえるようになった。また「何をすべきか」というヒントが随所にちりばめられ、ストレスなくゲームが進行できるようになっているという。

　それと今作の見所はもうひとつ。それはシリーズ初のララのラブシーン(!)。ララはカーチスに対してまんざらでもない描写が垣間見られ、たとえば今回のE3で公開されたバージョンでは、背後から忍び寄ったカーチスによって、ララがやさしく撫でるように彼女の銃が取り外されていくシーンが見られた。第一作より色恋沙汰とは無縁だった“永遠の乱暴女”ララにも春がやってきたのか? カーチスとの関係が気になる人は是非、自分の目で彼女の恋の成り行きをチェックして頂きたい。

【スクリーンショット】
プラットフォームはPCとPS2。発売は欧米では2003年6月20日を予定
日本語版は、映画版「TOMBRAIDER2」が公開される9月から10月にタイミングを合わせて発売を予定しているという

(c)Core Design Limited, 2002 Published by Eidos Interactive KK, 2003 Lara Croft Tomb Raider:The Angel of Darkness is a trademark of Core Design Limited Lara Croft is a registered trademark of Core Design Limited All Rights Reserved.

■ 「CHAIN GANG」

　SCEの「ジャック×ダクスター」を彷彿とさせる、性質の異なる2つのキャラクタの特殊能力を活用して先を切り開いていくタイプのアクションゲーム。

　プレーヤーはイタチ“Spanx”に扮し、鎖で自分につながれた相棒のウサギ“Redmond”を駆使して敵を撃退しつつ、マップの随所に仕掛けられた仕掛け(パズル)を解き明かしていく。

　このウサギは遺伝子改造により無敵になったという設定。さらなる遺伝子改造が施されるという状況の中、イタチはこの遺伝子研究所からの脱出を試みるというストーリー。ゲームの目的はこの研究所からの脱出と、他の実験動物たちの解放。

　このゲームの基本アクションが前代未聞。あろうことか相棒であるはずのウサギをモーニングスターのように振り回して空を飛び、さらには敵やマップ上の仕掛けにぶつけて攻撃をするというシステムになっているのだ。

　可愛らしいキャラクター造形からは想像できないほどの過激で残虐なアクション描写がとてもユニーク。

【スクリーンショット】
プラットフォームはPS2とXbox。欧米では2003年末発売予定。日本での発売予定は未定

「氾濫する遺伝子改造に対しての警鐘だ」と開発元のCrystalDynamics社のスタッフは笑いながら力説していた

■ 「COMMANDOS3」

　第二次世界大戦の世界を、“俯瞰視点のスニーキングアクションパズル”という、全く新しいスタイルでゲーム化した「COMMANDOS」シリーズの第３作目。

　難易度は「2」からだいぶ下げられ、1ミッションの長さも短くなり、「遊びやすい」ゲームになっているという。

　今作の舞台はレニングラード、ベルリン、ノルマンディの3つで、全18ステージ前後を予定。デスマッチ、旗取り合戦(CTF)、協力プレイといった基本的なマルチプレーヤーモードも実装予定。

　グラフィックエンジンはオープンフィールドでは2Dベース、室内シーンでは3Dベースという構成は前作と同じ。

【スクリーンショット】
プラットフォームはPCのみ。欧米での発売は2003年夏を予定。日本語版の発売は確定ではないが検討中だとのこと

　日本では6月に公開予定の同名の劇場映画（邦題：「ミニミニ大作戦」）のゲーム化作品。

　ジャンルとしてはミッション遂行型のアクションレーシングという感じで、プレーヤーは自分の車を操作して与えられたゲームをクリアすることでストーリーを進行させていく。なお、ストーリーは映画に準拠したものになるという。 　任務としては敵車の追跡、尾行、囲い込み、敵車とのレースなど。この他、スノボーゲームのような危険で派手なトリックを決めてスコアを競うモードもある。

　プラットフォームはXbox、NGC、PS2の3つ。発売時期は2003年夏を予定。

【スクリーンショット】
登場車種は映画に登場したものを含む15種を予定

□「THE ITALIAN JOB」映画版公式サイト
http://www.ItalianJobMovie.com
□「ミニミニ大作戦」公式サイト
http://www.minimini-jp.com/

■ 「LEGACY OF KAIN:DEFIANCE」

　LEGACY OF KAINシリーズの最新作。今回は魂を吸い取るRazielと血を吸うKainの二人の主人公が同時に登場する記念すべき作品。ザッピングシステムを採用。プレーヤーは二人の主人公達を操作し、マップに仕掛けられたパズルを解き明かしながらゴールを目指す。

【スクリーンショット】
プラットフォームはPS2、XBOX。意外にもPC版のリリース予定はなし。発売時期は2003年11月を予定

■ 「REPUBLIC:THE REVOLUTION」

　一介の市民が大統領になるまでの道のりをシリアスな演出とシニカルな笑いで綴った政治シミュレーションゲーム。驚異のリアルタイム3Dエンジンで描かれる街並みとそこに住む人々の生活ぶりは、もはや“地球シミュレーション”の領域に達している。

【スクリーンショット】
プラットフォームはPCのみ。欧米での発売は2003年6月を予定

■ 「BACKYARD WRESTLING:DON'T TRY THIS AT HOME」

　大仁田厚の金網電流爆破デスマッチからヒントを得て(本当!)作られたという、"何でもあり"のレスリングスタイルの格闘ゲーム。 　落ちているアイテムを武器として使用することが可能。さらにフィールド上に仕掛けられた爆発物等の様々な仕掛けに相手を陥れることで大ダメージを与えられる。 　プラットフォームはPS2とXbox。欧米での発売時期は2003年夏を予定。

【スクリーンショット】
金属バットから椅子、車のドア、バーベキュー用具までが武器になる

□Eidos Interractiveのホームページ
http://www.eidos.com/
□関連情報
【2月8日】アイドス、「トゥームレイダー 美しき逃亡者」を初夏に発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030208/tombaod.htm

(2003年5月15日)

[Reported by トライゼット西川善司]

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