|
Xboxプレス発表会レポート・その1 |
会場となったThe Grand Olympic Auditorium |
会場:米ロサンゼルス The Grand Olympic Auditorium
■ Halo 2のリアルタイム描画映像が公開される
米Microsoftは、5月12日 (現地時間) に米国ロサンゼルスのThe Grand Olympic Auditoriumにおいてプレス向けの発表会を開催し、多数のXbox向け最新ソフトを発表した。
今回発表された最新ソフトの中で最も注目されるのは、なんと言っても「Halo 2」だ。全作「Halo」は、北米市場においてXbox向けソフトの中でも最速で100万本を販売し、Xbox向けタイトルの中で最多セールスを記録している、Xboxを代表するソフトである。その「Halo」の続編ということで、米国では特に期待が高く、「Halo 2」が紹介されると割れんばかりの歓声が上がり、最高の盛り上がりを見せた。
今回の発表会では、「Halo 2」の詳しい内容や具体的な発売時期が発表されたわけではなく、基本的にはプレイ映像を流すのみであった。ただしその映像は、あらかじめ用意されたムービーではなく、開発メーカーであるBungie Studiosの開発スタッフによる操作のリアルタイム映像であった。しかも、45分ほどの発表会の中で10分近くの時間を割いて紹介するというように、非常に気合いの入ったものであった。
公開された映像は、未来の大都市が舞台となるステージに、マスターチーフが飛行機で降り立つところから始まった。軍の施設と思われるビルの屋上に降り立つマスターチーフ。しかし、周囲のビルは攻撃を受けかなり破壊されている。また、ビル内部にはあちらこちらに血痕がこびり付き、兵士が多数倒れているという、かなりの修羅場といった状況。当然マスターチーフは単独でその修羅場の中に突入していく様は、前作「Halo」の冒頭シーンを彷彿とさせるものであった。
「Halo」の醍醐味は、様々な武器や乗り物を駆使して敵を倒していく、という部分にあるが、公開された映像を見ただけでも、多数の新しい武器や乗り物が登場していた。例えば、前作のマスターチーフは、乗り物に乗っていない時には基本的に1丁の拳銃や機関銃で敵と交戦していたが、「Halo 2」では両手に機関銃を持って攻撃できるようだ。また、建物の屋上に設置された機銃を操作して階下の敵を攻撃する、といったシーンもあった。
マスターチーフが乗り込む乗り物としては、エアバイク風のシングルライドの乗り物が登場していた。基本的には敵の乗り物のようだが、マスターチーフが走ってきたエアバイクに飛び乗り、乗っていた敵を振り落として奪うといったシーンもあって、なかなか迫力があった。もちろん、機銃付きのジープ風の乗り物も健在で、舞台となっていた未来都市を縦横無尽に走り回っていた。
登場する敵は、基本的には前作同様、異星生物Covenantだ。見た目は前作に登場する敵を彷彿とさせるが、より強力に武装している雰囲気で、かなり手強そうだ。
デモは、空からCovenantが乗り込んだカプセルが多数降り注ぎ、そのカプセルの中から出てきたCovenantにマスターチーフが銃を突きつける、というシーンで終了となった。今回は、未来都市(地球?)が舞台となるシーンだったためか、前作とはかなり雰囲気の違う印象を受けたが、「Halo」の世界観はうまく表現されており、現時点でも非常に期待の持てる出来映えであった。今から発売が待ち遠しいタイトルである。
. | ||
会場内はかなり広いのだが、数多くの関係者が集まった。そして、これまでのどのXboxの発表会よりも熱狂的な拍手を送っていた | Chief Xbox OfficerのRobbie J Bach氏。米国などで数多くのソフトが販売されていると発表 | おなじみのEd Fries氏。ビッグタイトルをひとつひとつ紹介していった |
■ 「DOOM III」をはじめ、期待の新作ソフトの映像が多数紹介される
「Halo 2」以外にも、数多くの新作ソフトの映像が紹介された。「Halo」と並んで米国では高い人気を誇る「Project Gotham Racing」の続編「Project Gotham Racing 2」をはじめ、Xbox初のMMORPGとして期待されている「True Fantasy Live Online」、Lucas Artsの「Star Wars: REPUBLIC COMMAND」、ナムコの「Break Down」などが、中でも特に期待されるソフトだ。また、昨年Microsoftが買収したRareが開発するXbox向けソフトとして、比較的低年齢層を意識した「Grabbed by the Ghoulies」や「Conker: Live & Uncut」など3タイトルが発表された。Rareの買収が発表されて以降、具体的なソフトの開発状況が発表されていなかったが、今回3タイトルが発表されたことで、順調にXbox向けソフトの開発が進んでいるようだ。
そして、なんと「DOOM III」もラインナップに含まれていた。「DOOM III」は、昨年のE3でPC向けソフトとして発表されたが、Xbox版が開発されていることは、この発表会で初めて公開された。会場では、他のソフトに先立ってこの「DOOM III」が真っ先に紹介されたが、その瞬間会場は驚きのどよめきが起こったが、その次の瞬間には大歓声に変わっていた。これら以外にも、下に示したような非常に多くのXbox向けソフトが発表された。
今回の発表会では、昨年までのように、Xboxの将来のビジョンや技術の優位性を強調するといった内容はほとんどなく、とにかく最新ソフトの紹介に終始した、という印象を受けた。そして、来場者の歓声に包まれるシーンが多々あり、過去のXboxの発表会では味わったことのない盛り上がりを感じたという点も、非常に印象深かった。
ただし、アメリカにおいては、「Halo 2」や「DOOM III」などがキラータイトルに成り得るものの、日本ではそうはいかないだろう。また、今回発表された新作ソフトの中で、日本で受け入れられそうなものも非常に少ないと感じた。当然、日本市場に対する今後の戦略は何も語られなかった。そういった意味では、日本市場が置き去りにされているといった印象を受けたのも事実で、日本人にとってはやや寂しい発表会であった。
(2003年5月13日)
[Reported by 平澤寿康/Photo by 矢作晃、船津稔]
GAME Watchホームページ |
|