ゲーム開発ツールの英SNシステムズ、日本事業を拡大 次世代ゲーム機をターゲットに日本とのパイプラインを強化
4月22日 発表
家庭用ゲーム機用ゲーム開発ツールをリリースしている英SNシステムズは22日、都内で発表会を開き、日本事務所を開設すると共に、日本市場でのセールスを一層強化すると発表した。同社によると現状20%のシェアを70%にまで強化したいとしている。
SNシステムズは、もともとゲームの開発を行なっていた創業者がゲーム制作ツールに不満を持ち独自に開発したのが始まり。現在では欧米を中心にゲーム開発ツールとしてかなりのシェアを獲得しているという。一方、日本におけるシェア低迷の理由を同社は「プレイステーション 2発売当時に、ゲーム開発ツールのリリースが遅れたことがその理由」としている。
今回の日本市場における強化策は現状はもちろんのことだが、次世代ゲーム機のリリース時期を見越し、日本におけるゲーム開発メーカーとのパイプラインを強化することが大きい。すでにセガやナムコ、カプコンなどとコンタクトを取っており、フィードバックを得ているという。同社では次世代ゲーム機のリリース時期を約2年後と考え、日本での活動を行なっていくようだ。
発表会の壇上に立った日本事務所代表の大野智弘氏は、日本と海外でのゲーム制作スタンスの違いを指摘。「日本では質にこだわり、海外では見向きもしない細かい機能も使う。海外のメーカーは最近、日本のように質にこだわり始めた。逆に日本はコストの高騰から、海外の効率化に学ぶところがある。我々はその両方の技術を持っている」と同社の優位性を強調した。
会場で行なわれたデモンストレーションでは“チューナー”と呼ばれるソフトのデモを行なった。このソフトは文字通りソフトをチューニングするもので、ゲームの動作をキャプチャリングし、1フレームの描画までたどりボトルネックを調査することができるという。当然、ボトルネックを示しているグラフが表示されている任意の場所のソース、アセンブラコードも表示することができる。
同社は日本市場の強化を発表すると同時に、セガとの技術提携の検討に向けて基本合意に達したと発表している。こちらも次世代ゲーム機の開発環境を睨んでの提携だ。ゲーム開発は時間がかかるだけに、表面化していない裏の裏ではすでに次世代に向けた新しい技術開発が進んでいるようだ。
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SNシステムズ日本事務所代表の大野智弘氏 |
セガとの関係については、メガドライブ時代から技術的な繋がりがあったという |
発表会にはセガの開発本部執行役員の森下英昭氏も挨拶を行なった |
□SNシステムズのホームページ
http://www.snsys.jp/
(2003年4月22日)
[Reported by 船津稔]
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