|
SCEJ、PS2のCPUと描画プロセッサを1チップ化 |
65nmの半導体を生産するための設備投資として3年で2,000億円を投資。初年度にあたる730億円を投じて長崎にクリーンルームなどを設営する |
発表会に出席した久夛良木健ソニー・コンピュータエンタテインメント社長兼CEO (4月よりソニー株式会社副社長) は、最先端の半導体への投資戦略について「プレイステーションは既存技術のチップで構成した。当時は今まで使い慣れた技術を集めてハードを作り上げていたが、今では (最先端の半導体技術が) 巨大なキャッシュ、コンテンツを生み出す」とし、「半導体ビジネスがアプリケーションを包含し、プラットフォームを形成する」とエンタテインメント事業においても最先端の半導体事業が重要だと説明。
同席したソニー株式会社の安藤国威社長兼COOも「強いハードと強いコンテンツの融合によって、ネットワーク環境の中で地位を築きあげていく」と発言。65nmの半導体工場において新しく生産される半導体について具体的な製品、および投資回収のめどについての質問には、安藤氏も久夛良木氏も「今は言えない」としているが、安藤氏はキーワードとして“ブロードバンド”、“コミュニケーション”、“ビジュアルレボリューション”といった言葉を残している。また、久夛良木氏は「(今は言えないが) 我々の中には非常にクリアに見えている。約1カ月後には一部を話すことができるかもしれない」とその発表が近いことを示した。
一方で、EEとGSの1チップ化について久夛良木氏は「これまで巨大なアプリケーションの市場があったからこそ、それを背景に頻繁にチップをシュリンクすることができた」と語った。1チップ化することで、プレイステーションがPSoneになったように、プレイステーション 2が小型化するかというとそういったことではないと言う。久夛良木氏は「重要なのはシュリンクによってコストダウンされることと量産化されるという点。そういったところから余剰資産が生まれ、それを新規投資にあてていく」と流れを説明した。
最後にプレイステーション 2について久夛良木氏は「今のプレイステーション 2はまだ3年目。この不況期に新色 (SAKURAやSilverのこと) を発売して商品が足らないくらいに売れているし、中国での発売もまだ。まだまだ収穫期だと思っている。もっと元気よく売っていきたいし、しばらくは量産あるのみ」と勢いのあるところを強調していた。
(2003年4月21日)
[Reported by 船津稔]
GAME Watchホームページ |
|