【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

★ PS2ゲームレビュー ★

まさかゲームになるなんて……
「魁!!クロマティ高校」

  • ジャンル:男気パーティゲーム
  • 発売元:デジキューブ
  • 価格:4,800円
  • プラットフォーム:プレイステーション 2
  • 発売日:2月20日


これがメインとなるゲーム画面。マップとプレーヤーキャラは3D CGで表現されている
 シュールなギャグと独特の間、愛くるしい&むさくるしいキャラで大人気を博しているギャグ漫画「魁!!クロマティ高校」がゲームになった! 内容は、4人のキャラクタが交互にサイコロを振って、出た目の数だけマップ上のマス目を進んでいくボードゲーム形式だ。

 ストーリーはコミックの3巻に描かれている、神山や林田たちが甲子園目指して野球部員を集めていく物語がベース。プレーヤーはマスクド竹之内の相棒である「ハイジャック犯」や、変なヘアバンドが特徴の「高橋秀樹」、「課長バカ一代」に登場したロボット「歯車ジョン」など、マニア受けする6人のキャラの中のひとりとなって、9人の野球部員を集めなければならない。

 部員に勧誘できるのは、神山、前田、フレディ、メカ沢といったおなじみのメンバーに、マクラ道師匠や朝倉北男などのマニアックなキャラたちを加えた28人。主役級のキャラがプレーヤーキャラに勧誘される部員のひとりにすぎない点が、「クロマティ」らしいといえばらしい。


■ワイワイガヤガヤ楽しめる4人対戦型ボードゲーム

 上述したとおり、ゲーム内容は4人対戦型のボードゲームゲーム。プレーヤーが4人に満たない場合は、残りのメンバーはCPUが担当することになる。ゲームをスタートしたら、まずはプレーヤーキャラを選択。その後、ランダムで決定された順番に、サイコロを振って移動したり、アイテムを使うことで、ゲームを進めていくことになる。

 マップは、勧誘可能なキャラがいる「部員マス」や、部費が手に入る「¥マス」、なにが起きるかわからない「?マス」など、全9種類のマスで構成されている。これらマスの上を通ると、そのマスは自分の持ち陣地となり、一定数の陣地を得ると「男気」がアップ。「部員マス」に止まった時、この「男気」が各キャラに設定されている「格」というパラメータを超えていれば勧誘成功となり、野球部に入部してくれる。そして一番早く部員を集めて野球道具を入手し、マップ中央にある野球場に到着できればクリアだ。

 ゲーム中にアイテムを使って、他プレーヤーを牽制したり邪魔をすることも本作品の魅力のひとつ。キャラ同士の位置を入れ替えたり、まわれ右をさせて目的地への到着を遅らせたり、様々な効果を持つアイテムを駆使して部員勧誘を阻止していこう。そんなプレーヤー同士の足の引っ張り合いが重要な位置を占める作品なだけに、CPU戦よりも対人戦のほうが燃えられる。みんなでワイワイガヤガヤと騒ぎながら遊ぶのが、本作品を楽しむ一番の方法だろう。

【スクリーンショット】
アイテムは、イベントで貰うか、「商店マス」で購入することで入手できる。プレーヤーの邪魔をするモノ以外にも、サイコロの数を増やすモノや、部員の能力値を上昇させるモノなどが存在しており、バリエーションは豊富



■笑えてハマる豊富なミニゲームの数々!

 「遊」と書かれた「ミニゲームマス」に止まれば、全員強制参加のミニゲームが始まる。北斗が焼いてくれる肉を予算内でなるべく多く食べたり、フレディがこれから取る奇怪な行動を予想したり、瀬戸内ジャクソンの鼻毛を抜きまくったり、既存の作品ではお目にかかれないだろう荒唐無稽なミニゲームが満載だ。見事勝利できれば、部員が増えたり、陣地が貰えたりと、ゲームの内容に応じて様々な特典が用意されている。

 ちなみに、ひとつのコントローラーをふたり以上で使い回している時は、早押し系のミニゲームが登場しないという親切設計もポイントだ。マルチタップがあり、全員にひとつずつコントローラーが用意されているならなお良いが、ひとつしかなくても問題なくプレイすることが可能となっている。

【スクリーンショット】
「ミニゲームマス」は、マップ上にふたつしか存在していない 漫画内の名(迷?)シーンを再現しているミニゲーム。原作のファンなら、思わずニヤリとさせられるモノばかりだ



■細かい部分にまでコダワリのギャグ満載

 ベースがギャグ漫画だけに、ゲーム中に数多くのギャグを散りばめている点にも注目したい。アイテムの「バナナ」を使えばゴリラを部員として勧誘できたり、部員のひとりが30万円のトランペットを買ったためにプレーヤーが借金するハメになったりと、ミニゲームと同様、原作のギャグシーンがうまくイベント内に盛り込まれている。

 またメインであるボードゲームパート以外にも、メニュー画面のクリック音が人間のうめき声だったり、クロマティ高校の校歌のカラオケが入っていたりと、(いい意味で)バカバカしいコダワリがたっぷり詰まっている。特にセーブデータのロード画面は秀逸のデキ。この画面には「北斗の執事」というキャラが登場し、彼にデータをロードしてもらうことになるのだが、それ以外にもなぜかお風呂に入らせたり、バナナを与えることも可能となっている。サッパリ意味はわからないのだが、あまりの楽しさに何度もやってしまうことウケアイ。

【スクリーンショット】
風呂に入るなどを選択すると、執事のビジュアルも微妙に変化する クロマティ高校校歌のカラオケも収録。ファンは歌詞に注目!



■プレイの前に原作をチェックしよう

 ここまで読んだ方ならおわかりだと思うが、本作品は明らかに原作のファンに焦点を当てて制作されている。当然ながら筆者も、作者である野中英次氏の大ファンで、「魁!!クロマティ高校」を始め、「課長バカ一代」、「ドリーム職人」、「しゃぼてん」と、刊行されたすべてのコミックを所持している。ついでに言えば、好きなキャラクタはマスクド竹之内だ。

 ある程度の広さがあるとは言え、マップが1種類しか用意されていないという難点はあるものの、陣地を増やすことで上昇する男気や、部員の奪い合いなど、数々の独創的なシステムが搭載されている本作品は、ボードゲーム単体として見ても十分に遊べるデキとなっている。しかし原作を読んでいない状態でプレイしても、その魅力を完全に堪能しているとは言いがたい。したがって、漫画は未読だがゲームが気になったという人は、ぜひともコミックを読んでからプレイしてもらいたい。必ずや、作品世界にのめり込めることだろう。また既読の人も、一度読み返してからプレイしてみることをオススメする。見逃してしまいがちな細かいネタが至るところに存在しているため、そうしたほうがよりゲームを楽しめるからだ。

【スクリーンショット】
これがマスクド竹之内。実は国際指名手配されているハイジャック犯 メカ沢の背中の電源ボタンが、メニュー画面へと進むスイッチだ 漫画で使われたカットも多数収録。ファンならオチも読める!?


(C)野中英次/講談社 (C)2003 DigiCube

□デジキューブのホームページ
http://www.digicube.co.jp/
□製品情報
http://www.team-digi.com/cromartie/
□関連情報
【2002年12月13日】デジキューブ、あのメカ沢やフレディがPS2に登場
PS2「魁!! クロマティ高校」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20021213/kuro.htm

(2003年3月4日)

[Reported by 天国牛次郎]


Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved.