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ゲーム開発ツールメーカー7社が一堂に会した |
開催地:デジタルハリウッド東京本校 (お茶の水)
株式会社ウェブテクノロジをはじめとするゲーム開発ツールなどを開発販売している7社は2月7日、東京において最新の製品の発表や説明を行なう展示会「Game Tool & Middleware Forum」を開催した。今回出展したのはウェブテクノロジ、クライテリオン・ソフトウェア、CRI・ミドルウェア、エイリアス・ウェーブフロント、シリコンスタジオ、SN システムズ リミテッド、ドワンゴ。
今回は完全にゲーム開発者のみを対象として行なわれており、展示会場のほかに、各種セミナーが開催されることもあり、現場で実際に開発を行なっているゲーム制作者が数多く集まった。とくにセミナーは大盛況で、エイリアス・ウェーブフロント株式会社によるMayaの近況やRenderWareとの連動についてなどのセミナーもかなりの人気となっていた。
前述のように完全にゲームメーカーをターゲットとしているため、内容はゲーム制作の内部に及ぶもので、エンドユーザー的な興味としてはなかなか難しいところだが、そんな中でもわかりやすさという点で注目されるものとしては、ドワンゴのネットワーク技術やCRI・ミドルウェアのムービー関連技術だろう。
ドワンゴは、セガのネットワークゲーム「大ぐるぐる温泉」やソニー・コンピュータエンタテインメントが現在βテストを行なっている「みんなのGOLFオンライン」などの作品において各種システムなどが採用されている。こういったことから会場ではこれらのソフトがデモされており、その場で遊べるようになっていた。また近日発売される製品「ApplicationCenter BR」が出展されていた。これは、WEBブラウザに切り替えることなくゲーム上からWEBサービスを利用することができることから、ランキングやデータダウンロードなどの機能をサポートし、より簡単にネットワークゲームの制作が可能になったという。
CRI・ミドルウェアではマルチストリームサウンドシステム「CRI ADX」や動画システム「CRI Sofdec」、口パターンデータ生成システム「CRI Clipper」などが出展された。CRI・ミドルウェアのムービーシステムでは以前GAME Watchでもご紹介したが、ムービー自体にZ軸のデータを持たせることでポリゴンデータと融合させることができるという新技術が体験できた。
例えばこれまでは、背景がムービーでキャラクタが3Dデータの場合、背景ムービーが単純に再生されるだけだったが、この技術を使うとキャラクタとムービーを絡ませることができる。例えば“トンネルの中を走る”という背景ムービーの中を、画面奥に向かって3Dキャラクタが走っていくとする。これまでは背景ムービーと3Dキャラクタは別物であるため、それほど凝ったことはできなかったが、今回の技術を使うと、3Dキャラクタがカーブをまわるとムービーの影になって見えなくするといった処理が極簡単に行なうことができるようになる。
3Dポリゴンデータで全てのゲームを制作するとそれだけでマシンパワーを消費してしまい、処理が追いつかなくなってしまうときがある。しかしこの技術を使用すれば、一部データをムービーの再生に切り替えることでポリゴンデータの計算を最小限におさえ、より高度なグラフィック表現が可能になると言える。もちろんアイディア次第で面白い表現が可能になるだろう。
このほかにも音声認識技術と口パクアニメーションデータ生成技術を融合した「CRI Clipper」も、わりとピンポイントな技術だが、手間のかかる作業を効率的に行なうことができる面白い技術と言える。
クライテリオン・ソフトウェアのブースではドルビーデジタルプロロジック IIに対応した製品を作ることができる「RenderWare Audio」などが出展されていた。簡単に音源設定をすることでドルビーデジタルプロロジック II対応製品が制作できるという。会場では、海外でクライテリオン・ソフトウェアが制作しアクティビジョンから発売されているプレイステーション 2用ゲーム「BURNOUT2 POINT OF IMPACT」がこの技術を使って制作されていたということで、デモが行なわれていた。
また、2Dグラフィックの最適化ツールとして評価の高い「iMageStudio」は、制作者にとってはより作業とクオリティに直結するツールであるためか、多くの人の注目を集めていた。
(2003年2月7日)
[Reported by 船津稔]
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