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★PSゲームレビュー★
“戦わなければ生き残れない”
仮面ライダー13人が登場する対戦格闘アクション

「仮面ライダー龍騎」
  • ジャンル:アクション
  • 発売元:株式会社バンダイ
  • 価格:4,800円
  • プラットフォーム:プレイステーション
  • 発売日:発売中(11月28日)
 ミラーワールドという異世界での格闘とカードによる戦い、充実のドラマ性で人気のTVシリーズ「仮面ライダー龍騎」が格闘アクションゲームとなって登場した。映画版、テレビスペシャルなどに登場したものも含め、仮面ライダー13人すべてが登場するほか、サバイブ体や一部契約モンスターまで使用できる、ゴージャスな格闘ゲームとなっている。



 本作は、人気のTVシリーズ「仮面ライダー龍騎」を題材にした格闘アクションゲームだ。オーソドックスな格闘アクションに、仮面ライダー龍騎ならではの“アドベントカード”という要素を組み合わせており、各ライダーたちのキャラクタ特性を生かした派手なアクションをうまく表現している。

 登場するのは映画版、テレビスペシャルも含めた13人すべてのライダーと、一部契約モンスターたち。これに加えて、サバイブ体+αなど数多くのキャラクタが使用できる。ただし「オルタナティブ・ゼロ」は登場しない。

 ライダーたちはパンチやキックなどの通常攻撃のほか、ボタン一発で使用できるアドベントカードで武器、防具、契約モンスターを召喚したり、ファイナルベントで止めを刺すことができる。

 ゲームモードをクリアするごとに新キャラクタが増えたり、ゲーム中に得たポイントでトレーディングカード風にカードがコレクションできたり、低年齢層向けのゲームながら、大人のファンでも十分に楽しめる内容に仕上がっている。

PS用のためやや画像は粗いが、原作に忠実な派手なアクションとセリフ、カード使用時に変わるカメラアングルや挿入シーンなど、プレイしていて楽しくなる要素がたくさん詰まっている
スタート待ち画面の合間には、主題歌「Alive A life」とともに龍騎、ナイト、ゾルダ、王蛇のちょっとしたオープニング風CGムービーが流れ、つかみからしてバッチリ。最後にCM提供のナレーションが空耳で聞こえてしまうほど、それらしい作りになっている


■ ライダーごとに豊富な動きが用意された通常攻撃

 ゲームのメインとなる戦闘パートは、キャラクタ同士がステージ内で1対1で戦うものだ。攻撃などで相手の体力を減らし、相手を倒すか、制限時間内に体力が多いほうが勝ちとなる。一般的な対戦格闘ゲームのシステムを踏襲した操作方法とルールだが、低年齢層向けゲームのため、内容はかなり簡略化されている。

    【小攻撃】 ○ボタン
    【大攻撃】 ×ボタン
 これと上下左右、ダッシュなどの移動入力を組み合わせながら、キックやパンチを繰り出す。同じコマンド入力でも、ライダーやその時に使用している武器などによって、それぞれ特徴のある動きになる。また、ライダーやその時使用しているカードによって、ボタンの連続押しでコンボ風の動きも可能。この大攻撃、小攻撃にくわえて、対戦キャラクタ同士が立った状態の場合には【つかみ技】(△ボタン)が使用できる。

ライダーごとに異なる多彩な「つかみ技」。前面と背面で違う動きになる。各種つかみ技は実に各ライダーらしい動きで、例えばガイの正面つかみ技は「邪魔なんだよ」というセリフとともに、意地悪そうなふっとばし方をする。なお、他の対戦格闘ゲームにあるような“投げぬけ”はない


■ 通常攻撃にカードを絡めた特徴ある戦闘

 戦闘は、前述の通常攻撃を元に、原作同様に「アドベントカード」を使って相手にダメージを与えていく。大きなダメージは、主にカードを使用することで与えていくことになる。

    【アドベントカード使用】□ボタン
 □ボタンで、画面下部に表示されているデッキの一番上のカードを使用する。ソードベントなら武器を手にし、アドベントなら契約モンスターで攻撃、ファイナルベントなら必殺技を出すことができる。デッキに表示されるカードの順番は、R1ボタンで自由に入れ替えられる。

 カードの効果は1回1枚の使いきりで、例えば“ガードベントでシールドをつけながらソードベントで武器を手にする”ということはできない。転倒したり、他のカードを使ったりすると、それまでのカードの効果は消える。

 相手の体力が一定まで減ると、それまで使用できなかったカード「ファイナルベント」が使用可能になり、他のカードと同様に□ボタンで発動する。

 手持ちのカードを無駄なく使い、いかに相手の体力を削ってファイナルベントを発動させるか……それが「仮面ライダー龍騎」での戦闘のポイントになっている。

ソードベントやストライクベントで相手の体力を減らし、最後にファイナルベントを打ちこむ
ファイナルベントは、使用可能になった途端にデッキの一番上にカードがくる。これはオン・オフ可能。そして、おもむろに挿入歌「果てなき希望」が流れ出してプレーヤーの気分を盛り上げる。ちなみに、王蛇を使用していてもシザースを使用していても、ファイナルベント時の音楽は「果てなき希望」


■ キャラクタごとに異なるデッキ構成

 対戦中に使用できるカードの枚数と種類は、ライダーごとに異なる(契約モンスター類はカード不使用)。カード構成は「攻撃・防御のカード+アドベント+ファイナルベント」が基本的だが、ライアはコピーベントを、ナイトはトリックベントをそれぞれ使用できるなど、原作での要素もたくさん取り入れられている。

 例えば、龍騎の使用カードは以下の5枚だが……

    ・ソードベント(ドラグセイバー)
    ・ガードベント(ドラグシールド)
    ・ストライクベント(ドラグクロー)
    ・アドベント(ドラグレッダー)
    ・ファイナルベント(ドラゴンライダーキック)
 ナイトならば以下の5枚になり……
    ・ソードベント(ウィングランサー)
    ・トリックベント(シャドーイリュージョン)
    ・ガードベント(ウィングウォール)
    ・アドベント(ダークウィング)
    ・ファイナルベント(飛翔斬)
 ゾルダにいたっては6枚のカードが使用できる。
    ・ストライクベント(ギガホーン)
    ・シュートベント(ギガキャノン)
    ・シュートベント(ギガランチャー)
    ・ガードベント(ギガアーマー)
    ・アドベント(マグナギガ)
    ・ファイナルベント(エンドオブワールド)
 使用できる枚数や内容に偏りがあるものの、ギガランチャーを持っていると走ったりジャンプができない、ソードベント使用中はつかみ技が使えないなど、キャラクタや武器の特性がよく表現されている。実際のAPを気にしたり、格闘ゲーマー的なシリアスプレイを求めない限り、豊富かつ派手なアクションとともに、各ライダーの個性を楽しみながらプレイできる。

 また、ゲームのために録りおろされたというライダーたちのセリフや声がたくさん入っており、ナイトの「時間切れか」、ライアの「俺の占いは当たる」、ゾルダの「吾郎ちゃん、後は頼むよ」など、いかにもなセリフが聴けるほか、通常勝ちとファイナルベント勝ちではセリフが変わるなど、要所にも工夫が見られる。

■ 各種ゲームモード

 「仮面ライダー龍騎」には、いくつかのゲームモードが存在するが、メインパートはひとりプレイ用の1Pバトルモード、ふたりプレイ用の2Pバトルモードだ。そのほか、チュートリアル的な1Pチャレンジモードと、ゲーム中に手に入れたカードポイントでカードがコレクションできるカードゲットモード、カードギャラリーモードが用意されている。

【1Pバトルモード、2Pバトルモード】
好きなライダーやモンスターを選んで対戦するメインのゲームモード。1Pバトルモードにおいて特定のキャラクタで全ステージクリアすると、新キャラクタを使用できるようになる。ただし、キャラクタ出現条件は他にもある。すべてのキャラクタを集めれば全20種類(+α)のキャラクタで対戦が楽しめる。モンスターではメタルゲラス、ボルキャンサー、デストワイルダーなどが使用できるようになる。モンスターはカードが使えないため、身ひとつで戦っていくことになる


【1Pチャレンジモード】
神崎士郎の案内によるチュートリアル的なゲームモード。龍騎ブランク体でドラグレッダーと契約し、ソードベント、ファイナルベントなどのカードを使って実戦を経験していく。チュートリアル風なつくりではあるが、どのボタンでどう動くかなどはマニュアルを見る必要がある


【カードゲットモード、カードギャラリーモード】
1Pバトルモードでは、ゲームをクリアするたびにカードポイントが得られる。1回10ポイントを使用して、ぐるぐるにまぜられたカードから最初に表を向いていたものを当て、成功するとカードがもらえる。ライダー(変身後または変身前)、契約モンスターなどの実写画像を使用したカードが64枚あり、カードの中には選択すると「あのなぁ、3万だろ!」など、各ライダーたちの名セリフが聞けるものもある


■ 高い年齢層のファンでも十分楽しめる

 「仮面ライダー龍騎」は低年齢層向けの作品ながらも、番組ファンのツボを押さえた作りになっている。グラフィックが粗めなのは残念だが、動いているときはさほど違和感やチープさを感じさせない。また、ゲームを進めていくにつれて使えるライダーが増えたり、キャラクタによってはさらに仕掛けがあったり、貯めたポイントでカードをコレクションできたりなど、ゲームを遊び尽くせるよう工夫されている。

 ゲーム中のライダーたちのアクションも良くできており、龍騎は龍騎らしく、ナイトはナイトらしく動いてくれる。テレビ本編の演技に目が慣れているプレーヤーも違和感は感じないはずだ。なぜなら、ゲームのスタッフロールのアクター欄に、スーツアクターの伊藤慎氏(ナイト)、矢部敬三氏(ライア)の名が確認できたからだ。

 ゲームとしての内容は、低年齢層向けのためシンプルであり、当たり判定やキャラクタ間のバランスはヘビーゲーマーが求めるような突き詰めた作りにはなっていない。だが、キャラクタの動き、決めセリフなどが細部まで丁寧にまとめられており、そういう意味では、本作はあくまでも「各ライダーのキャラクタやカード特性を生かした内容」になっている。

 とにもかくにも、キャラクタを操作していて“楽しい”と思わせてくれるのは、非常にポイントが高い。オプションでキャラクタの強さやゲームの難易度を調整すれば、格闘ゲームが苦手だったり、ほとんどゲームをしたことがない人でも全てクリアできるだろう。気楽にプレイできるキャラクタゲームとして、高い年齢層のファンでも十分楽しめる一本に仕上がっている。

テレビ本編では見られない組み合わせで戦えるのはゲームならでは。ゲームが進めば一部の契約モンスターを単独使用できるようになる


(C)2002 石森プロ・テレビ朝日・ASATSU-DK・東映
(C)BANDAI 2002

□バンダイのホームページ
http://www.bandaigames.channel.or.jp/
□製品情報
http://www.bandaigames.channel.or.jp/list/ryuki/
□関連情報
【10月7日】召喚獣、ベントカードなど原作の設定を再現!!
バンダイ、PS「仮面ライダー龍騎」を11月28日に発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20021007/ryuki.htm

(2002年12月4日)

[Reported by 西尾ゆき]


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