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ガンホー、「ラグナロクオンライン Episode1.5 -Attack of the Ancient」を正式発表
“ポリン”が飼えるペットシステムの導入などなど

11月6日発表

会場:渋谷QFRONT



 ガンホー・オンライン・エンターテインメント株式会社は、本日都内で、「ラグナロクオンライン」のプレスカンファレンスを開催した。発表内容は、12月1日から始まる有料化サービスに関する具体的な情報と、同作そのものの今後の進展について。会場には、ガンホーCEOの孫泰蔵氏、Gravity会長のJung Ryool, Kim氏を始め、日韓両社のトップが勢揃いしたほか、タレントの阿部美保子さん、雨宮朋絵さんも激励に駆けつけるなど、「東洋一のMMORPG」と豪語する同作の発表会にふさわしいにぎやかな内容となった。発表会終了後は個別インタビューも行なわれた。これについては後日掲載することにして、本稿では取り急ぎ発表会の模様をお伝えする。

ガンホーCEOの孫泰蔵氏
 発表会では、まず最初にガンホーCEOの孫泰蔵氏が壇上にあがり、12月1日より正式サービスが始まる「ラグナロクオンライン」の展望について語ってくれた。まず作品の出来映えについて、「『ラグナロクオンライン』は見た目のかわいさ、システムの取っつきやすさが功を奏し、MMORPG初心者層にも幅広い支持を集め、日本最大級のMMORPGとして、幅広いユーザーにその醍醐味を体験できる作品に仕上がった」と自信たっぷりに報告。

 また自身ROファンであり、現役プレーヤーでもあるという孫氏は、自身の体験を引き合いに出して、同作が持つコミュニティの素晴らしさについて力説。そのエピソードとは、ノービスの時期に、希望する職業のギルドの場所がわからず、親切な学生プレーヤーに連れて行ってもらったという内容と、アクセスした際にたまたまユーザー同士の結婚式に出くわし、式に参列しているお友達が新郎新婦に対してアイテムを山積みにしてプレゼントしているのを見て、自分もプレゼントしてしまったという内容。

 いずれもMMORPGが持つ吸引力の一端を示すエピソードだが、孫氏はそうした出来事ひとつひとつに大いに感激し、「オフラインのイベントに誘われるまでには至らなかった」と残念そうに語りつつ(老婆心ながら誘われて行ったりしたら大変なことになると思うが)、「大げさではなく、人生の一端として心が温かくなる思いがした」と告白。「ラグナロクオンラインはそうした要素をたぶんに備えていて、そこが私は気に入っている」とコメントしてくれた。

ガンホーテクニカルディレクター堀誠一氏
 続いて本日のメインとなる「Episode 1.5」の内容について、現場を取り仕切るテクニカルディレクター堀誠一氏より説明が行なわれた。堀氏は、1.5の説明に入る前に「現在、まだサーバーが復旧していない状況についてまずお詫び申し上げます」とコメント。復旧が遅れている原因は、有料化に伴うサーバー増強作業に手間取っていることによるものだという。

 ちなみに、執筆現在(11月6日19時)でも公式サイト上に何のアナウンスも見られず、サーバーはダウンしたままのようだ。この作業が終了すれば、現在稼働している4サーバー、各5,000人のキャパシティが一気に各7,000人まで増強されることになる。

 なお、サーバーは現行の4つに加え、テストサーバー1つ(Sakray)、ゲームサーバー5つ(Sara、Lydia、Baldur、Odin、Thor)の10台構成で運営を行なっていく。これは韓国のサーバー数とまったく同等で、日本と韓国で市場規模が1対10ぐらいであることを考えれば、日本国内での同作の人気の高さがよくわかる。ちなみに、今回の増設に伴うサーバーの数は130にもおよび、既存のサーバーとあわせて計207台のサーバーで運営を行なっていくという。

 続いて堀氏は1.5について、「これまでROはβテスト期間中ということもあって、シナリオがほとんど存在しない状況だったが、12月1日以降は複数のシナリオから構成されたエピソード単位でアップデートが行なわれることになる」と発表した。

 「ラグナロクオンライン Episode1.5 Attack of the Ancient」と名付けられた最初のエピソードは、日本語版有料化と同時、12月1日の実装が予定されている。しかし、1.5はその端数が示すようにシナリオの本格スタートではなく、シナリオ展開に必要な基本機能の実装のみが行なわれる。エピソードの本格スタートは2002年3月公開予定の「Episode 2」まで待たなければならないようだ。

 シナリオの核となる基本設定は、ROの舞台となっているワールド「ミッドガルド」に大幅な拡張を施し、現在主要な冒険の舞台となっているルーン・ミッドガッツ王国の北に同盟関係にあるシュバルツバルド共和国を、西に敵対関係にある宗教国家アルナベルツ教国をそれぞれ加え、プレーヤーたちに大規模かつ彩り豊かな冒険の世界を提供するというもの。

【Episode1.5~2で展開されるシナリオ】
いまはまだ平和な状態で、これから少しずつ戦闘状態になっていくという。最終的なシナリオの行く末は、ユーザーの希望次第というからおもしろい

 ただし、先述したように、実際にそうした国々が実装されるのはEpisode 2からで、1.5で新たに追加される冒険の場は、RAG-FES2で公開された「アルデバラン時計塔」と「グラストヘイム古城」の2箇所のみにとどまる。ただ、アルデバラン時計塔は地上4階、地下4階の8フィールド、方やグラストヘイム古城は監獄、地下水路、洞窟、聖堂など個性的な16のフィールドで構成されており、β2版を遊び込んだ上級プレーヤーも満足できるボリュームとなっている。

 そのほかは、ほぼRAG-FES2で公開された内容と同じで、30種類の新モンスター/80種類の新アイテムの追加、計20個の感情表現、一次職クエストの実装、魔剣製作イベントの実装、属性武器の実装、ブラックスミスの武器製造スキルの実装、武器属性の追加による攻撃表示形式および効果音の修正、PvPシステムの実装などが行なわれる。

 なおPvPについては当面個人戦のみで、PTを組んでの集団戦は先送りされた。PvPを希望するプレーヤーは各都市にいる特定のNPCに話しかけ、専用エリアに飛ばしてもらう。PvPのモードはデスペナルティあり&報償アイテムありの「ナイトメアモード」と、デスペナルティなし&報償アイテムなしの「ヨーヨーモード」の2種類。プレーヤーのプレイスタイルに応じて、気軽にPvPを楽しむことができそうだ。

【新ダンジョン、モンスター、アイテム】
モンスターは大小さまざまなものが追加される。黒馬に乗った暗黒騎士がかっこいい

初公開されたペットシステム。ランドセルを背負ったポリンが可愛らしい
 さて、これらの修正により、ROはようやくひととおりの機能を実装し終え、製品としての体裁が整えられることになる。限定的な内容とはいえ、1.5の実装が有料化に間に合ったのはユーザーとして嬉しい限りだ。

 なお、その一方で、RAG-FES2で電撃的に公開されたクルセイダーやダンサー、モンクといった新二次職の実装は1.5では見送られた。詳しい内容はインタビュー記事でお伝えするが、Episode 2公開までにパッチでそれら新二次職を実装する方針という。これは、Episode 2で全二次職のクエストの実装を予定していることによる措置だ。新二次職への転職を希望するユーザーは一次職のままプレイを続けた方がいいかもしれない。

 ところで、今回の発表でもっともワクワクさせてくれたのが、初公開されたペットシステム。ペットシステムは韓国ですでにスタートしている1.5でも未実装の新要素だが、間もなくの実装が予定されている。ペットは街のペットショップで購入でき、購入したペットはプレーヤーの後ろを常に付いてくる。戦闘には参加せず、アクセサリー的な存在に過ぎないが、戦闘中はプレーヤーを応援してくれたり、死んだ際は助けを呼んでくれる。

 また、エサをあげたりや専用アイテムを装備させたりすることで親密度が向上し、ある一定以上に親密度が達すると特別な動作をしてくれるようになるという。発表会で明らかにされた限りでは、ペットはポリン、ムナック、ルナティックなど可愛らしいものを中心に約20種類が用意され、ポリンにはランドセルが、ルナティックにはリボンが装備可能。親密度の高いポリンはりきんでため息をつき、ムナックは“いやいや”をしたりするという。また、将来的には戦闘に参加させることも検討しているようだ。

 堀氏は最後に、βユーザーに対する対応を正式発表した。キャラクターデータの持ち越しはレベル据え置きで可能。しかし、アイテムは全部なくなり、お金は一定量保障されるというもの。

 なお、RO固有の問題だったプレーヤーの性別とキャラクタの性別が同じになることに関しては、有料化にともない、プレーヤーの性別にかかわらず、好きな性別のキャラクタを作成できることになった。ただし、1アカウント内での男女両立はできず、男キャラか女キャラのみとなる。

【エモーション、属性武器、PvP】
細かい内容が目立つが、こうした修正がMMORPGとしての完成度を底上げする。PvPの実装も楽しみだ

ガンホーCOOの森下一喜氏
Gravity会長のJung Ryool, Kim氏。Kim氏は韓国ゲーム協会Kammaの会長も務めている
 堀氏のあとは、ガンホーCOO森下一喜氏より、有料化に関する説明と、今後のマーケティングプランについての説明が行なわれた。料金体系は、10月29日に発表されたように、12月から2月までの3カ月間は「ガンホーサンキュープライス設定」として、月額900円。3月1日より「ベーシックプライス設定」に移行し、月額1,500円となる。支払い方法はクレジットカードとウェブマネーの2通りが用意され、それぞれ月額単位か30日単位かで微妙に違いがある。

 ユーザー登録は、「ガンホーID」と「アトラクションID」の2段階で行なわれる。前者で個人情報および課金管理を行ない、後者はキャラクタ管理を行なう。βテスターの場合、βアカウントがそのままアトラクションIDに自動変更され、ガンホーIDを登録するだけで、β版のキャラクタ(レベル/性別は継承)でのプレイが可能になる。一方新規ユーザーは、ガンホーID、アトラクションIDの登録を行ない、男女好きな性別のキャラクタでゲームを始めることができる。

 なお、有料登録は、βテスト終了日である11月20日から始めるという。正式サービス開始時のアクセス集中を避けるための措置だ。

 続いて森下氏は、今後のマーケティングプランを公開。Yahoo! BBとの提携による「ラグナロクオンラインBB」、SKY PerfecTV!との提携によるCS専門チャンネル「ラグナロクスタイル」、イーショッピングトイズとの提携によるオンライングッズ販売「ラグナロクオンラインショップ」などなど、ソフトバンクグループならではのマーケティング戦略だ。

 また、発表の最後に有料化後のイベント予定が発表された。オフラインではファン参加型のオフィシャルイベント「ラグナロクカンファレンス」、オンラインイベント連動型のクラブイベント「ラグナイト」、そして「ラグナロクカフェイベント」といった情報が公開された。

 一方オンラインでは、時節イベント、モンスター襲撃イベント、PvPイベント、お笑い漫才イベント、ユーザーイベントコンテスト、ミステリー謎解きイベント、初心者トラベルツアーといった案が公開された。森下氏の構想によれば、開催頻度を上げて、ユーザーが特に意識せずに気軽にイベントに参加できるようにしたいという。これは1月1回というふうにしてしまうと、当日のアクセスが集中してしまって全員が楽しめないという過去のMMORPGの経験則に基づくものだという。

 カンファレンスはその後、Gravity会長のJung Ryool, Kim氏の挨拶、タレントの阿部美保子さん、雨宮朋絵さんらによるトークショウが行なわれ、質疑応答のあと終了となった。

【課金の仕組み】
IDはユーザー任意のID+システムIDとなる。非常にシンプルでわかりやすいシステムだ

タレントの阿部美保子さん、雨宮朋絵さんのトークイベントは、リアルタイム映像を15分、渋谷QFRONT大型スクリーンにて放送。渋谷QFRONT大型スクリーンでは、本日以外にも11月10日まで毎日「ラグナロクオンライン」のCMを放送している

「ラグナロクオンライン Episode1.5 -Attack of the Ancient」の最新スクリーンショット。「アルデバラン時計塔」と「グラストヘイム古城」の内部が映し出されている。いずれもハイレベルパーティー向けの上級ダンジョンのようだ

(c)2002 GRAVITY Corp & Lee Myoung-Jin(DTDS studio).All Rights Reserved.
(c)2002 GungHo Online Entertainment,Inc.All Rights Reserved.

□「ラグナロクオンライン」のホームページ
http://www.ragnarokonline.jp/
□関連情報
【2002年9月30日】ファン主催即売会イベント「RAG-FES 2」が蒲田で開催
Gravity、「ラグナロクオンライン 1.5」を正式発表
クルセイダー、モンク、ダンサーなど新二次職を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020930/ragfes2.htm

(2002年11月6日)

[Reported by 中村聖司]


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