年末にヒットするおもちゃはラジコン? Plug It?
「東日本玩具見本市」が開催される

8月28日~29日 開催

 東京玩具人形問屋協同組合は、年末を中心に下半期に販売される玩具関連商品の商談会「東日本玩具見本市」を8月28日、29日に開催する。この商談会は春に開催される「東京おもちゃショー」のように一般に公開されることはなく、完全に商談の場となっている。このため、参考出品が数多く登場する「東京おもちゃショー」とは違い、半年以内に発売が予定されている現実的な商品がズラリと並ぶこととなる。

 今回の見本市を見た感じでは各種キャラクタ商品などがメインだが、どこの企業のブースを見てもあるのがテレビにつなぐだけですぐにゲームが楽しめる「PlugIt」関連商品。大手メーカーはすべて新作ゲームを出展していた。また、小型ラジコン関係でもバイクラジコンをバンダイ、タカラが出展していたほか、タカラは「DigiQ」の新型車種を出展。注目を集めていた。


■ 育成要素を強化したデータを内蔵したフィギュア「データキャリアポケモン」

 トミーは「ポケットモンスター」の新型玩具「データキャリアポケモン」を出展していた。発売は12月26日を予定しており、スターターセットが2,980円。

 「データキャリアポケモン スターターキット」は、デジタルデータを持つフィギュア「DCポケモンフィギュア」2体と液晶の付いた本体「DCリーダー」、対戦ケーブル、バトルステージがセットになった商品。フィギュアには名前や性別、なつき度と言った個体別のデータが記録されている。つまり同じピカチュウのフィギュアでも、違ったデータを持つことになり、ユーザー独自のフィギュアとなるわけだ。

 フィギュアと本体のDCリーダーは非接触型のデータ通信が可能 (3cm程度) 。「だるまさんがころんだ」、「おいかけっこ」、「キャッチボール」、「ダンス」といったミニゲームを楽しむことができ、プレイを繰り返すことでなつき度が上がっていく。もちろんなつき度が高くないとポケモンはプレーヤーの言うことを聞いてくれない。

 もちろん育てたポケモン達を戦わせることができる。1PバトルではCPU対戦となる。もちろん2Pバトルとして友人と対戦することも可能。対戦すればするほどポケモンが成長していく。このほか、トレーニングしたりコミュニケーションを取ったりすることもできる。「データキャリアポケモン」はリアルなフィギュアとポケモンのゲーム性がうまくマッチした商品で、なかなか期待を持てる商品ではないだろうか。

今回出展されていたのはモックアップのみ。ミニゲームをプレイし、なつき度を上げて育てていく。フィギュアを持ち寄って対戦バトルも楽しめる



■ タカラとバンダイから“バイク”の小型ラジコンが登場
  「DigiQ」はヘッドライトが光る新車種が登場

 小型ラジコンはこの所のおもちゃ業界のトレンドだ。「ビットチャージー」や「DigiQ」以外の超小型ラジコンはあまりリリースされていないが、10cm前後の小型ラジコンはそれこそあちこちで展示されている。

 そんな中、注目されたのはバンダイの「二輪工房」とタカラの「チョロバイR/C」で、テーマはバイクだ。「二輪工房」は5月に開催された「2002 東京おもちゃショー」で公開され、今回はかなり作り込まれたバージョンが出展されていた。発売は12月予定と若干延びていたが、パッケージデザインも固まりつつあるようだ。
 完全2輪走行するこのバイクラジコンは、30歳以上をターゲットにしており、パッケージには完成品が入っているわけではなく、簡単にパーツを組み合わせ無ければならないなどホビー要素の色濃い商品となっている。バイクであるだけに左右に曲がることしかできない。スピード調節は基本的にできないが、商品にはギアが同梱されていて、分解してギアを取り替えることでスピードを倍速させることができるという。スピードが上がる分バランスが良くなり安定走行が可能になるという。
 このほかにもプロポの電源スイッチがキータイプになっていて、エンジンをスタートさせるようにキーを差し込んでonにカチッと回すと電源がオンになる。キーは厳密に鍵の役割を持っているわけではなく、単なる遊び心ということで、もしなくしてもなんでも代用できるという。

 一方タカラの「チョロバイR/C」は見た目はバイクだが、エンジン部分の下に小さいタイヤがふたつセットされていて、基本的に4輪走行となっている。ただしその分機構的には簡単なため「二輪工房」より一回り小さい。前進後退するほか、左右に曲がることができる。4種類の車種にそれぞれ周波数がセットされており、同時に4台までいっしょに走行することが可能。発売される車種も名車が揃っており、こちらも若干高い世代やコレクターを狙った商品という感じだ。発売は11月を予定しており、価格は2,980円。

 小型ラジコンで注目なのはタカラの「DigiQ R」。“R”はステアリングシステムを見直し、より小回りの利くタイプの「Racing」と、ヘッドランプ、ブレーキランプが光る「Real」の2タイプの頭文字を取ったもの。特にヘッドランプなどが光る車種はやはりかっこいい。スピードが落ちて止まる瞬間に、まるで本当にブレーキを踏んだようにブレーキランプが赤く光るのがこれまた良くできている。

 このほか小型ではないが、LEGOの「スパイボティックス」がなかなか注目だ。LEGOのロボットシステム「MINDSTORMS」の流れをくむ商品のようで、パソコンと通信ケーブルで本体の「I.R.M」ブロックを接続することで動きなどを設定することができる。登録されたミッションを楽しめるほか、鬼ごっこなども楽しめるという。なかなかデザインがかっこよく、好きな人にはたまらないおもちゃとなっている。4種類の車種が用意されていて各10,000円となっている。

【バンダイ 二輪工房】
「2002 東京おもちゃショー」でデビューした2輪走行する超小型バイクラジコン「二輪工房」。当初11月発売予定だったが、若干延びて12月になった模様 プロポも凝った内容となっている。スイッチは付属のキーを差し込んでonに回すと動作する。遊び心溢れる仕様だ
【タカラ チョロバイR/C】
タカラがバイク版チョロQ「チョロバイ」を復活させるのに合わせ、ラジコン版の超小型バイクラジコン「チョロバイR/C」を開発。周波数帯域を4種類用意しており、4台同時まで走行可能 こちらバンダイの「二輪工房」と違い、2輪走行ではない。車体下にふたつの車輪があるのがわかるだろうか?
【タカラ DigiQ R】 【LEGO スパイボティックス】
タカラ「DigiQ」の新バージョン「DigiQ R」。ステアリングを調整してあり曲がりやすくなったタイプとヘッドランプ、ブレーキランプが光るタイプのふたつが用意されている LEGOの「スパイボティックス」はリモコンで遊ぶこともできるが、パソコンとつなげてミッションを設定し、遊ぶこともできる



■ 各社ともテレビにつなげるだけで楽しめるゲーム機を今後も続々発売

 もうブーム等という一過性のものではなく、すっかりジャンルとして定着した感があるテレビにつなげてすぐに遊べるゲームだが、今回も数多く出展されている。各社ともリリースしているのだが、やはりエポック社のソフトが注目だ。体感ゲームシリーズの「ストライクきめるぜ! エキサイトボウリング」と音声センサーを搭載した「ドラえもん こえでドカン! わくわくくうきほう!」が出展された。

 「エキサイトボウリング」はボーリングのボウルと本体がセットになっている。ただし、ボウリングのボールにはセンサーが取り付けられておらず、それゆえ電池をセットする必要もない。本体のセンサーから発せられた信号をボールにセットされた反射板が反射し、それによってボールを振ったかどうかなどを判定するようだ。フックなども本体でセットすれば投げることができる。キャラクタメイキング機能などもあり、かなり進化した内容となっている。11月発売予定で価格は6,980円。

 「ドラえもん こえでドカン! わくわくくうきほう!」は音声センサーを搭載しており、コントローラに大声で“どかん”と叫ぶとそれが弾となって発射される。これまで音声センサーを使ったものはなかったと思われるので、完成が楽しみだ。11月発売予定で価格は6,980円。

エポックの体感シリーズ最新作はボーリング。ボールの中は空っぽでセンサーの光を反射する素材が内面に貼ってある。ボールは穴が3つ空いているがこれでは子供には少し広すぎるということから、その真ん中に補助の穴が用意されている タカラの「GEIGEKI ゴーゴーシューティング」。本体がジョイスティックになっている。多重スクロールする画面がなかなか凝っている。パワーアップアイテムも用意されているなど本格的
エポック社の「ドラえもん わくわくくうきほう!」。音声センサーを使っているところが新しい。セットに空気砲はふたつ入っていて対戦が手軽に楽しめるところもいい トミーが2003年春の発売を予定している「ピンボール」。ふたりで対戦が楽しめるところがこれまでにないピンボールと言える



■ ゲームはやはりゲームボーイアドバンスが主役

 今回はおもちゃが中心の展示会であるだけに、ゲームは各社ともほとんど出展されていない。そんななか、トミーは2作のGBA版新作「リトルバスターQ」、「サンリオピューロランドオールキャラクターズ」の2作品が出展された。

 「リトルバスターQ」はRPG。身の回りにあるジャングルジムや蛇口、ベンチなどあるとあらゆるものに精霊“Q”が宿り、いたずらをするようになった。このQを退治するのが主人公というわけだ。退治した“Q”は主人公の武器にセットしてパワーアップさせることができるなど、色々な要素を持つゲームに仕上がっている。また、キャラクタデザインが「おジャ魔女どれみ」シリーズの馬越嘉彦氏が担当するなど製作陣も豪華なものとなっている。11月15日発売予定で4,800円。

 「サンリオピューロランドオールキャラクターズ」はサンリオのキャラクタ85種類が登場する豪華な内容。ピューロランドを舞台にしたすごろくだが、早くゴールするだけでは勝ちとはならず、ミニゲームなどで取得できるポイントを集めて高得点を狙わなくてはならず、うまく寄り道しながらゲームを進めなければならない。キャラクタを集めると言ったコレクション要素も併せ持つため、長く楽しめる要素があるという。4人まで通信対戦が可能。11月1日のキティの誕生日に発売される予定で価格は4,800円。

トミーの新作GBAソフト「リトルバスターQ」。キャラクタデザインは馬越嘉彦氏、グラフィックの監修が玉木美孝氏とかなり豪華 エポック社の「マジャイネーション」。モンスターを召喚して戦う



■ このほかにも面白そうなおもちゃが続々登場の予感

 上記で紹介した以外にもいくつか面白そうなおもちゃが出展されていたので紹介する。年末は年間最大の商戦時期となる。これ以外にも面白いおもちゃがたくさん登場することを望みたい。

【タカラ Qショット】 【タカラ e-kara H.S.】
本当に小さいチョロQの形をしたCMOS搭載デジタルカメラ。20枚くらい本体にセーブ可能。撮影後はカパッと蓋を開けると端子部分が登場し、iモードと接続すると写真を送信することができる。今回参考出展で、発売は来年を予定しているとか。写真ではわかりにくいが車の側面の窓のところにカメラのレンズがある 今度のe-karaはヘッドセットタイプ。これまでのe-kara用のカセットをそのまま使用することができる。「モーニング娘。」や「BoA」といったダンスの激しい曲向けか
遂に9月に発売される「バウンリンガル」。パッケージも飾られていた。新しいタイプの商品だが、価格も14,800円とがんばっている 物語を語ってくれるお人形「YANO」。途中で質問してくるので、コントローラを使って質問に答えると物語が分岐する。物語はカセットになっていて取り替え可能。人形のデザインが少し日本的でないような気もする ツクダオリジナルの「PINO DX」。モーターを7つ使用し、各関節が動き障害物を確認し避けて歩く。また、日本語で喋るなど人型ロボット玩具の最高峰と言える内容。ただし価格は19,800円と少し高価となっている


□関連情報
【2001年8月22日】クリスマスまでの最新おもちゃがズラリ勢揃い
トミー 小型ラジコン「ビットチャージー」新作はマリオカート!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010822/toy.htm

(2002年8月28日)

[Reported by 船津稔]

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