XboxキーマンインタビューXboxプロダクトマーケティングディレクターPeter Parsons氏に |
場所:New York Ace Gallery
今年年末のホリデーシーズンに北米市場で発売が予定されているXbox向けタイトルの発表イベント「X02 North America」。既に発表済みのタイトルの展示が中心ではあったが、イベントの冒頭で「Halo 2」と「Project Gotham Racing 2」が発表され、会場のボルテージは一気にヒートアップ。
もちろん、これらはまだまだ開発途上で、発売まで1年以上の時間があるが、現時点での開発状況はかなり気になるはず。今回、米MicrosoftのXboxプロダクトマーケティングディレクターであるPeter Parsons氏にお話をうかがう機会を得たので、「Halo 2」や「Xbox Live」がらみの話も含め、今後の新作ソフト開発の意気込みについて話を聞いてみた。
■ 「Halo 2」はいったいどうなるのか?
--今日初めて「Halo 2」の画像を見せて頂きましたが、すごくかっこいいですね。今どの程度まで開発が進んでいるんですか?
● 今日は、「Halo 2」のことについてあまりお話しできないんですよ。しかし、「Halo 2」の開発は、前作「Halo」の開発が終了したと同時に始まっていますので、そのあたりから推測してください(笑)。「Halo 2」は、「Halo」後の地球が舞台となります。(公開されたムービーに)マスターチーフが宇宙船からある惑星に向かって飛び降りるシーンがあったと思いますが、それは地球です。
--グラフィック面ですが、ゲームエンジンは「Halo」と同じものですか?
● ゲームエンジンは「Halo」から一新されています。また、これまでに見たことのないようなエフェクトが採用されている部分もありますので、大いに期待してもらっていいと思います。
--「Xbox Live」には対応していますか?
● もちろんです。初期段階から対応を念頭に置いて開発しています。「Halo 2」だけでなく、現在開発しているソフトについてはXbox Live対応が基本となります。次世代のゲームにはオンライン対応が欠かせないと考えているからです。
--ところで、先日「Halo」がPCで発売されると発表されましたが?
● もともと「Halo」はPC向けとして開発されていましたし、PC版についてもアナウンスしていました。確かにXboxで発売はしましたが、PC版を発売しないとは言っていません。発売までにはまだ時間がかかると思います。
ただ、ゲーム機のゲーマーとPCのゲーマーでは、楽しんでいるゲームのジャンルが異なっていることが多いのです。そのためMicrosoftは、ゲーマーに最もいいゲームを届けるという意味で、それぞれのプラットフォームに合ったゲームを開発するように心がけています。
■ 「ブリンクス・ザ・タイムスイーパー」はXboxの可能性を効果的に示すタイトル
--今回展示されているゲームは今冬発売されるものが中心ですが、この中で最もお気に入りのタイトルはどれですか?
● 難しい質問ですね。「ブリンクス・ザ・タイムスイーパー」はもうすぐ完成しそうですが、とても気に入っています。日本から登場したゲームが全世界で人気になるというのは、とてもエキサイティングなことだと思います。また、「BRUTE FORCE」も気に入っています。ただ、他のゲームも楽しいですので、これというものを選ぶのは難しいですね。
「BRUTE FORCE」にしても、「Halo」と同じようなもので内容を変えたものを作るのは簡単です。しかし私たちは、常に新しいタイプのゲームを作るということをいつも考えています。「ブリンクス・ザ・タイムスイーパー」を見るとよくわかるのですが、ハードディスクを使うことでゲームで何ができるのか、という部分が大きく変わってきます。プレーヤーのみなさんに、エキサイティングなゲームをお届けできるようになったと思います。
--「ブリンクス・ザ・タイムスイーパー」で、Xboxがハードディスクを搭載するというハード面の特徴がゲームのシステムに取り込まれたことで、ハードディスク搭載の意味がようやく見えてきたように思うのですが?
● そうですね。「ブリンクス・ザ・タイムスイーパー」の登場によって、ハードディスク搭載の利点が明確にわかるようになったと思います。これまでのゲームでは、ハードディスクは単にキャッシュに利用したり、データのセーブに利用していただけですが、ゲームシステムに取り込むことで、より効果的に利用できることを示したという意味では、ブリンクスのシステムは非常にわかりやすいと思います。Xboxの持つ機能を積極的に利用するゲームが増えてきましたが、そういったゲームは第2世代のゲームと言っていいでしょう。また、ハードディスクの効果は、「Xbox Live」が始まれば、より明確になると思います。
--ただ、オンラインによるコンテンツのダウンロードなどといったことは、現在のPCでもできますよね。「ブリンクス・ザ・タイムスイーパー」のようにもう一歩進んだアイデアを盛り込む必要があると思うのですが?
● Xboxはパワフルなシステムで、ゲーム開発者に様々な技術を提供していますが、「Xbox Live」が加わると、ゲーム開発者はもうひとつの角度からゲームを考えなければならなくなります。いい例かどうかわかりませんが、現在のオンラインゲームでは、シングルプレーヤーモードとオンラインによるマルチプレーヤーモードとのつながりが見えない(ほとんどない)ものがほとんどです。しかし、「Xbox Live」対応ゲームとして、シングルプレーヤーモードとマルチプレーヤーモードが融合してプレイできるようなものが登場してくれればと思います。
【ブリンクス・ザ・タイムスイーパー】 | ||
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どうやってトラップをクリアするのか悩むのがおもしろい。でもそれだけではなく、適度なアクションが楽しい。ゴミを吸い取るときコントローラがぶるぶる振動するなど細かいところまでアクションのおもしろさを追求しているところが好感触だ |
--ところで、日本ではXboxはやや調子が悪いですが、打開策のようなものは考えていますか?
● いいゲームを出す (笑)。それが答えです。ただ、今後の日本の展開に対して私は楽観しています。日本市場に向けてのゲームや、日本から世界へ向けてのゲームというものが多数登場してきています。東京ゲームショウで、日本のプレーヤーに満足してもらえるゲームをたくさん展示できると思いますので、期待していてください。とにかく、いいゲームを出せば、たくさんの人がプレーしてくれるのです。
--日本では、マリオやソニックのような、ハードの顔になるようなキャラクタが重要ですが、Xboxでもそういったキャラクタの展開は考えていますか?
● Xboxではゲーム自体がXboxの顔、というように考えていますので、現時点ではXboxを象徴するようなキャラクタを育てるといったことは考えていません。日本では、ブリンクスがそういった存在になるかもしれませんが、別にそういったキャラクタが登場してくる可能性もあります。
同じ質問をアメリカやヨーロッパでもされましたが、彼らは (「Halo」の) マスターチーフをXboxの顔と考えているようです。マスターチーフは、いわゆるゲーム機を象徴するようなキャラクタとは大きく異なりますが、いい意味でXboxを象徴しているように思います。
「あまり話せない」と言いつつ、「Halo 2」についていろいろ教えてくれたPeter Parsons氏 | Parsons氏お気に入りのタイトルであるブリンクスは、日本でも今年冬の発売が予定されている |
□Xboxのホームページ (和文)
http://xbox.jp/
(2002年8月9日)
[Reported by 船津稔]
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