「サクラ大戦 ワールド・プロジェクト」を発表 |
今回、心機一転して新しい「サクラ大戦」を始めるにあたってロゴが一新されている |
なんと言っても気になるのはゲームだが、これまで発表されてきたとおり新作はプレイステーション 2で発売される。ラインナップは以下の通り。アクションゲームが数多く含まれているのは世界的に通用するコンテンツへと言うことで、戦略的な観点からアクションゲームも取り入れられているためだ。
プレイステーション 2においてまず発売されるであろうタイトルは「サクラ大戦 ~熱き血潮に~」だろう。これはセガサターン版の「サクラ大戦」をプレイステーション 2用にリメイクしたものだが、ただのリメイクではない。ゲームのシステム、グラフィック共に「サクラ大戦3」なみに進化した作品となるという。開発意図のひとつとして挙げられたのは、「プレイステーション 2ユーザーが『サクラ大戦5』をプレイして貰うにあたって大前提となる作品」として1作目をリメイクすることとしたという。
シナリオはセガサターン版が10章で構成されているのに対して、「熱き血潮に」では11章となる。ストーリーが大きく変わることはないが、「この話が入ってなければダメだろう」とこれまで思われてきた部分を新たに収録しているという。
またシステムに関しては、「サクラ大戦4」までシリーズ4作品に収録されたLIPSをすべて収録したほか、新たに1つ追加されているという。さらにすごいのは、サブキャラの信頼度が設定されており、サブキャラとのエンディングも可能となる。このほかにも戦闘シーンなどで攻撃方法の追加など、かなりパワーアップした内容となっている。
グラフィックはもちろんのこと強化されており、必殺技や合体攻撃などのシーンも新たに映像化され、戦闘シーンも盛り上げられている。
ひとつ気になるのは、ドリームキャストのビジュアルメモリを使ったゲームをどうやってプレイステーションで再現するかという点。これについてはiモードと連携することで対応するのだという。外ではiモードでゲームを行ない、双方向にすることで外でプレイしたゲームデータを本編に反映させることができるのだという。
最初に書いたとおり、発売日は未定だが、脚本を担当したあかほりさとる氏によれば脚本は完成しているのだという。発売時期を確定するわけにはいかないだろうが、広井王子氏は発表会で「2003年の春には発売したい」と語っていた。
【携帯コンテンツとの連携】 | |||
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ドリームキャストではビジュアルメモリを使用していたが、プレイステーション 2では同様のシステムがない。このため、それに変わるのがiモードになる。外ではiモードを使ったミニゲームを楽しみ、その結果は本編に反映されるという |
そして期待の完全新作が「サクラ大戦5 ~さらば愛しき人よ~」だ。先日行なわれたGameJam2でも、「次に歌劇団が設立されるのはどこ?」と話題になっていたが、次の舞台となるのはニューヨーク。時代は禁酒法の時代で、アル・カポネなどギャング団などが幅を利かせており、犯罪も多いことから歌劇団が設置されると言う設定らしい。
ゲームに登場するのは、映画版に登場した“紐育華撃団 (星組)”。もちろん映画に登場したラチェットも登場するという。新キャラクタは5人。あかほりさとる氏によればニューキャラクタのヒントとして挙げられるのは“アメリカが人種のるつぼ”だという点と、“サムライははずせない”という2点。どういったキャラクタが登場するかが楽しみなところだ。そして、最も衝撃的なのは、プレーヤーキャラが大神一郎ではないという点。どういった展開になるのか謎に包まれているが、それだけ楽しみが多いとも言えよう。
「サクラ大戦5」は気合いの入った作品に仕上げたいと言うことと、プレイステーション 2のプラットフォーム上で色々と実現したいことがあると言うことから、制作を担当しているオーバーワークスで現在、色々な実験が行なわれているという。これらのことから完成について広井王子氏は、「再来年中には“5”を発売したい」と完成はかなり先のことになりそうだ。
このほかではアクション作品が3作品用意されている。「サクラ大戦5 Action (仮)」、「KOUMA/降魔 (仮)」、「桜姫錦絵巻 (仮)」の3作品がそうで、オーバーワークスの大場規勝氏によれば「サクラ大戦5 Action (仮)」が“インディージョーンズっぽい”作品で、「KOUMA/降魔 (仮)」がおどろおどろしい作品、「桜姫錦絵巻 (仮)」は純日本風で派手なアクション……と棲み分けを計るという。
「サクラ大戦5 Action (仮)」は「サクラ大戦5 ~さらば愛しき人よ~」のキャラクタを使ったアクションアドベンチャー。ストーリーは外伝的なものとなる。この作品は世界中で発売されるため、戦略商品としてアクションというジャンルが選択されている。米国では「サクラ大戦5 ~さらば愛しき人よ~」に先んじて発売される予定だという (日本では本編の後を予定) 。「KOUMA/降魔 (仮)」は「サクラ大戦」より前の時代の降魔との闘いを描いたもの。「桜姫錦絵巻 (仮)」は真宮寺さくらの精神が江戸時代はじめの“桜姫”にトリップし乗り移ると言うもの。純和風な派手なアクションとなる予定だという。
このほかにもセガサターンユーザー、ドリームキャストユーザーへのフォローとも言える「サクラ大戦物語」が企画されている。これは純粋なアドベンチャーゲームとなる。
発表会ではゲーム以外のコンテンツについても各種発表が行なわれた。まず、アニメについては、第三期OVAシリーズがスタートする。まず神崎すみれ引退記念特別版「す・み・れ」が2002年末のリリースを目指して制作中だ。新春歌謡ショウでも描かれた「春恋紫花夢惜別 (はるこいしすみれゆめのわかれ)」の前後を描いた作品となる。
もうひとつが巴里華撃団の活躍を描いた「エコール・ド・巴里」。「サクラ大戦3」で登場したキャラクタをこのまま終わらせるのではなく、育てていくといった意味があるという。なんでも「エリカのおはようダンス」誕生秘話も明かされるという。ファンには見逃せない作品となるだろう。
また、発表会場でシリーズ監修を務めるあかほりさとる氏が「TVアニメや映画を作りたいですねぇ」というコメントを受けて広井王子氏は「やりましょう!」と力強く宣言。「いつかはわからないけど必ずする」とコメントした。これを受けてセガの香山氏も最後の挨拶で「やりましょう」と確約。いつかは未定だが、また熱い日々が帰ってくることになりそうだ。
「サクラ大戦」といえば舞台も重要なようそのひとつではあるが、この夏もスーパー歌謡ショウ「新編 八犬伝」が8月に公演される。今回はかなりアクロバティックな舞台になる模様。青山劇場で公演されるのだが、この舞台はピーターパンが上演された舞台としても有名で、空を飛んだりすることができるのだという。そういった装置を思う存分使った斬新な舞台になると言うことだ。さらに来年1月3日から7日まで新春歌謡ショウが上演されることが決定した。青山劇場で公演された後、ついに地方公演が実現する。その直後大阪でも上演されることになるという。
広井王子氏は最後に「制作者側も『サクラ大戦』に合わせて成長している。自分はワガママな制作者だったが「サクラ大戦」をつくって色々な声、ファンの声、販売店さんの声、雑誌社の声など耳を傾けるようになった。『サクラ大戦』をつくって本当によかったと思う」とコメントし発表会を締めくくった。
□セガのホームページ
http://sega.jp/
□レッド・エンタテインメントのページ
http://www.redentertainment.co.jp/
□オーバーワークスのホームページ
http://www.o-works.co.jp/
□「サクラ大戦.com」のページ
http://sakura-taisen.com/
(2002年7月1日)
[Reported by 船津稔]
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